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NTTコムウェア、Twitterでつぶやいたユーザーの興味・関心を分析するサービス「InsightCatcher」提供開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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システムインテグレーション事業のエヌ・ティ・ティ・コムウェア(NTTコムウェア)は、「Twitter」ユーザーのつぶやきを分析して興味・関心を分析するSaaS型サービス(サービス型ソフトウェア)「InsightCatcher(インサイトキャッチャー)」を8月1日から提供開始する、と7月29日発表した。商品名やブランド名を含むつぶやきの分析ではなく、つぶやき内容や回数の分析から、商品に関心を持つユーザーをファンと位置付けて抽出し、ファンがほかにどの分野に関心があるかを分析することができる。

InsightCatcherには「独自技術によるファン関心分析機能」「商品・サービスに関する投稿の傾向・内容を簡単に把握」などの特長がある。ファン関心分析機能では、商品やブランドの名前など特定のキーワードを含むつぶやきから、宣伝目的や無意味なつぶやきを排除した情報を抽出、一定期間のつぶやき回数や感情表現から、特定のキーワードに関心のあるユーザー(ファン)を定義したうえでファンのつぶやきを再度収集してユーザーの関心の傾向を表示する。投稿の傾向・内容の把握機能では、収集したつぶやきを独自の観点で再分類できるため、より詳細な分析が可能になる。

エヌ・ティ・ティ・コムウェア
http://www.nttcom.co.jp/

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オムニバス、DMPを活用したアクセス解析を利用する「ユーザー・プロフィール分析」サービスを開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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インターネット広告配信のオムニバスは、Webサイトにアクセスしたユーザーに関するデータをマーケティングデータとしてマネジメントするDMP(データマネジメントプラットフォーム)を活用したアクセス解析により、データに基づくペルソナ設計が可能となる「ユーザー・プロフィール分析」サービスを開始した、と7月29日発表した。サービスによりサイトを訪れたユーザーの人物像を明らかにすることで、マーケティング活動において設定したターゲットユーザー像の仮説検証や、新たなマーケティング活動のアイデアを得ることができるという。

ユーザー・プロフィール分析は、DMPを用いて行動データを取得しているオーディエンスに対してディスプレイ広告を配信し、自社サイトに誘導する。サイトに訪問したユーザーは「サービスに興味を持つユーザー」として、行動データを統計的に分析する。オーディエンスデータは「パーソナリティ」「ライク」「ライフ」「コミュニティ」のカテゴリに分類し、それぞれの視点からユーザーの特徴を導き出す。調査レポートは「オーディエンス分析結果一覧」「ペルソナ分析」「カテゴリ詳細分析」の3種類。調査期間は1~3ヵ月で、価格は50~100万円(調査に関わるデータ量や期間による)となる。

オムニバス
http://e-omnibus.co.jp/

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博報堂など、企業のコンテンツ活用を支援する「コンテンツマッチング・サービス」を提供開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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博報堂と広告事業の博報堂DYメディアパートナーズは、共同研究プロジェクト「コンテンツビジネスラボ」を通じて企業の効果的なコンテンツ活用を支援する「コンテンツマッチング・サービス」の提供を開始した、と7月29日発表した。コンテンツビジネスラボが開発した「リーチ力・支出喚起力ランキング」「コンテンツプロファイリングシート」などの分析ツールを活用し、企業と生活者をつなぐコンテンツのポテンシャルを多様な観点から明らかにし、企業の目的に応じて適切なコンテンツ選択や効果的なタイアップ方法のアドバイスなど、広告やサービス開発においてコンテンツ活用を検討している企業の支援を行う。

コンテンツマッチング・サービスで活用するツールのリーチ力・支出喚起力ランキングは、毎年実施する全国調査「コンテンツファン消費行動調査」を基に11カテゴリ、605コンテンツの「リーチ力」と「支出喚起力」の数値を算出。カテゴリをまたいでコンテンツのポテンシャルが比較できるため、幅広い視点でコンテンツ活用を検討できる。コンテンツプロファイリングシートは、ファンの詳細な性年代属性・ライフステージや、人数のボリュームなどの情報をまとめている。最近1年間に購入した耐久財やサービス、保有デバイス、利用しているネットサービス、よく利用するメディア、週1回以上訪れる店舗など、ファンのコンテンツ利用以外の行動についての分析が可能。リーチ力・支出喚起力ランキングとあわせて活用することで、コンテンツのポテンシャルと具体的な活用方法が明らかになる。

博報堂
http://www.hakuhodo.co.jp/

博報堂DYメディアパートナーズ
http://www.hakuhodody-media.co.jp/

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ビービット、上海現地法人を設立し、中華圏のデジタルマーケティング支援体制を強化 [ニュース] | Web担当者Forum

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デジタルマーケティング支援のビービットは7月29日、同社2か所目の海外拠点となる上海現地法人「倍比拓管理諮詢(上海)有限公司」を7月11日に設立したと発表した。

上海現地法人では、対象マーケットのユーザ行動・心理を「ユーザ行動観察調査」を中心とする、ビービット独自の方法論で徹底的に理解し、ウェブサイトなどのデジタル領域におけるビジネス成果創出を支援する。初年度目標として、国内外企業あわせて10社へコンサルティングサービスを提供し、年間売上1.6億円を目指す。

ビービットでは、2012年7月に台湾現地法人を設立。台湾、上海・北京でも国内外企業のデジタルマーケティングを支援してきており、東アジアではすでに「ベネッセコーポレーション 上海現地法人」「日本経済新聞社」「中國信託商業銀行(Chinatrust Commercial Bank)」「國泰金融集團(Cathay Financial Group)」ほか、多数の取引実績を有する。

ビービット
http://www.bebit.co.jp/

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行動観察はユーザー自身も言葉にできないニーズを明らかにする。現場のコンテキストから提供価値を考える/大阪ガス行動観察研究所 [ユーザーエクスペリエンスのチカラ] | Web担当者Forum

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このコーナーでは、UX(ユーザーエクスペリエンス)に造詣の深い人物や、UXを実践している担当者へのインタビューを通じ、さまざまな視点からUXのヒントを探っていく。

ユーザーエクスペリエンスのチカラ
久保隅綾氏

久保隅氏(大阪ガス行動観察研究所)にとってのUXとは?
お客様などの価値提供先の対象者だけでなく、提供価値を運用するさまざまな人々にもインパクトをもたらすことですね。単なる部分最適ではなく、その価値を一緒に運用していけるようなデザインが優れていると思います。

久保隅 綾氏
大阪ガス株式会社
大阪ガス行動観察研究所 主席研究員

人間が無意識に行う行動を観察し、Webサービスやアプリの改善に活用する。こうしたユーザー中心のデザイン手法は、Webの世界で広まりつつある。今回は、行動観察の手法がビジネスにどのように応用できるのか、行動観察活用について研究・開発を進める、大阪ガス行動観察研究所の主席研究員である久保隅綾氏に、行動観察とは何か、エスノグラフィーやUXとの関係、具体的な事例などについて教えていただいた。

普段意識していない潜在的な領域を掘り下げる

――まず行動観察手法とは具体的にどのようなものか教えてください。

大阪ガスの行動観察は、現場の観察からお客様の実態を捉え、商品やサービスの提供価値を作る手法です。サービス現場の生産性向上というテーマもあり、たとえばお客様向けのショッピングの新しい経験や価値を作るためにショップ(店舗やWebサイト)の導線を改善したり、優秀な営業マンに同行したりして、お客様とのコミュニケーションノウハウを見える化するといったことを行います。

行動観察では人がどのように行動するのかを見ていくので、現場のフィールドワークから背景や文脈、文化的特性を捉えるという点で、エスノグラフィック(民族誌学的)な視点を導入していると考えていいと思います。

――ところで、なぜ大阪ガスは行動観察を始めたのですか。

よく聞かれます(笑)。行動観察研究所の所長である松波は、新しいビジネスを作るには現場の課題解決が重要だと考え、米国のコーネル大学でサービスサイエンスや心理学・人間工学などを学び、行動観察研究所をスタートさせました。

当初は家庭用ガス機器の使いやすさ、ユーザビリティの研究からスタートし、大阪ガスがお客様に提供する「サービス」の質を高めるため、サービスサイエンスに取り組み始めました。

無形のサービスは、勘と経験で行われ、人と人の間で授受されるので、実際の現場を見ない限りどのように提供され、どのように受け取られているのかわかりません。そこで、現場を観察して事実のデータを収集し、人間に関するさまざまな知見を活用しながら解釈していこうというのが、当社の行動観察の始まりです。

――人の行動を解釈するには、どのような方法があるのでしょうか。

「人間工学」であれば、可動域やどの位の重さを持てるかといったこと。「環境心理学」なら、暑さや寒さに対する反応など環境による行動の変化など。「社会心理学」なら、対人コミュニケーションの方法や効果などがあります。そうした知見から得られた解釈から新しい提供価値を作り、実現させるためのアイデアやソリューションを考えていきます。

――現場の行動からでないと見えてこないことはありますか。

人間には「こういう風にしたい」という意識と、実際の行動が矛盾することってありますよね。これには顕在意識と潜在意識が関係しています。アンケートやグループインタビューで聞けることは、顕在化している領域の情報です。行動観察では具体的な行動から、普段意識していない潜在的な領域を掘り下げ、課題全体の構造や実態が抱える背景や文脈を複合的に捉えていきます

アンケートやインタビューでわかることは氷山の一角。行動観察で顕在化していない潜在ニーズを捉える
アンケートやグループインタビューでわかることは氷山の一角。行動観察では顕在化していない潜在ニーズを捉える

現場の実態を観察することで言語化できない課題が見えてくる

――具体的な事例を教えて下さい。

当社自社ビルの空調システム改修の際に、ガス空調やガスコージェネレーション(ガスを利用した発電から電気と熱を取り出す)システムなどのハードウェアや運用面だけでなく、オフィス利用者の行動を調査し、「空調利用に関するデザインを考える」というプロジェクトを行いました。当社のエンジニアリング部が主体となって進めたプロジェクトで、真夏のエネルギー利用が多い日に、ビル内でどういう人たちがどのように働いているのか、暑さに対してどのような行動をしているのか、全フロアで調査しました。

オフィスを1日通して観察すると、時間帯による違いが見えてきました。まず始業時は、出社によって社員が熱を持ちこむので室温が上がるため、うちわであおぐ、卓上扇風機のスイッチを入れるといった行動が起きます。次に、営業員などの外勤者が出かけると、今度は空調が効きすぎて女性社員がひざ掛けを使います。セントラルヒーティング(空調の中央管理システム)なので、自分たちで空調を制御できないんですね。そして夕方に外勤者が戻ると、再度持ち込まれた熱によって室温が上がり、また暑さに対する行動が出てきます。この観察から、時間帯やエリアによってピンポイントの温度調整が必要ということが見えてきました。

次に、空調に関するステークホルダーとして、設備管理者、総務担当者、オフィス利用者にインタビューを行いました。すると、それぞれが良い空調環境を保つのために各々配慮していることがわかりました。たとえば、内勤者は外勤だと暑くて大変だから、外勤者に合わせて少しくらい寒くても我慢しようと思っていたり、空調のオペレーション側は、クレームが出ないよう、やや強めに空調温度設定していたりすることがわかりました。

この調査の結果、空調のオペレーション側と利用者間で、現場の空調温度設定について適切なコミュニケーションができていないという課題が見えてきました。そこで、利用者が空調管理に参加できるシステムへと改修するため、利用者とのコミュニケーション方法と、温度設定に関するフィードバックの方法を技術部門と共に、先行研究なども参考にしながら検討しました。

具体的には、自席のエリアの空調温度を表示し、暑い・寒いという意見を投稿できるようにしました。すると、空調に強い要望がある人も、言いにくい人も、それぞれ投稿することで意思表示しやすくなりました。また、人間は他者の意見を知ることで自分の意見を調整したりするので、みんなにとって納得感のある室温になっていくんですね。空調環境を個人の要求に合わせることで、みんなにとって不満のない環境を作ることができました。

また、天気予報に“ビール指数”という「今日は残業しないでビールを飲みに行くといいんじゃないですか?」とお知らせするなど、空調やエネルギー利用を身近に感じ、積極的なコミュニケーションへつながる工夫や施策も行いました。

――観察によって見えてきた課題に対し、解決策を探っていくんですね。他にも事例を教えてもらえますか。

海外で調査をした事例で、以前「1980年代生まれの中国人女性のライフスタイル」について調査しました。そのなかで、インターネットやパソコンの利用についても調べました。日本人は、パソコンデスクというと普通に机と椅子を思い浮かべますが、中国で実際に行動観察を行うと机と椅子を使う人は少なく、多くのパソコン利用時間はベッドの上で、「ベッドの上に置けたり、ベッドの上で利用できるパソコンデスク」が最適だということがわかりました。

1980年代生まれの中国人女性は、仕事を終え帰宅すると、インターネットを通じた友だちとのコミュニケーションや情報収集に時間を費やします。それも狭い居住空間のなかでリラックスしながら行いたいという希望がある。そうすると、軽くて可搬性があってスペースをとらないものになっていきます。

1980年代生まれの中国人女性が利用していたパソコンデスク
1980年代生まれの中国人女性が利用していたパソコンデスク

お客様に「どんなパソコンデスクが欲しいですか?」と聞いても答えは出ません。実際に現場に行って、対象者が上手く言語化できない潜在的な領域も含めて捉え、形作っていきます。

それに、人に言いたくないことや言いづらいこともありますよね。たとえば、「今朝歯磨きしてこなかった人は手を挙げてください」と質問しても手は挙がりません。そういった言いたくないようなことや社会的正義に反することなど、対象者自身が言語化できない課題を捉え、背景や文脈などから提供価値を考え、実現できるような具体的なデザインを作っていきます

――それってUXの手法そのものですよね。UXと行動観察の関係について、どのように考えていますか。

実態に基づいてお客様の体験や価値を作っていくということは一緒だと思います。行動観察研究所では、対象の人たちがハッピーになるような新しい価値を体験を通して提供したいと考えています。さらに、お客様だけでなく、実際に価値を提供したり、運用したりする側の人も含め、関わるすべての人たちに新しい価値や体験を提供することを考えています。

本質的な課題をつきとめ、具体的なソリューションを考える

久保隅綾氏

――行動観察の際、調査内容の設計はどのように行うのですか。

ビジネスをデザインする場合と、現場の何かを改善する場合など、ゴールにより違いますし、時間軸によっても変わりますが、基本的には課題とゴールに従って設計していきます。たとえば、既存カテゴリの次機種や新商品を開発する場合は、現在の使用現場や行動を中心に見ますし、将来の方向性を決める場合は、もう少し広範囲に対象者の価値観やライフスタイルにまつわることも含めて模索します。

――情報を分析する際、決まった手法はありますか。

デザイン思考ですね。現場で発見した事実や実態から洞察を得て、具体的にどのような価値を提供していったらいいのか、これまで提供していた価値や経験を、今までの枠組みを外して考える、すなわち“リフレーム”する。新しいデザインの方向性を具現化する具体的なアイデアを抽象的なところから考えていきます。

現場に行って課題を発見すると「こういうソリューションがいいのでは」と、すぐにアイデアが浮かんだりもしますが、それは一時的な“ばんそうこう”的ソリューションになりがちです。お医者さんが診察するように、なぜ出血したのか、それは外科の治療が必要なのか、それとも内科なのか、入院が必要なのか、薬だけで治るのか、患者さんの状態によって判断していく。具体的な事実から抽象的に考え、本質的な課題や原因をつきとめてから、具体的なソリューションを考えます

デザイン思考のプロセス
デザイン思考のプロセス

――行動観察研究所で、依頼の多い業種や業態はありますか。

これまで400件以上の調査を行っていますが、本当にさまざまな現場があります。商品開発もありますし、営業行動の改善や店舗の設計、Webサイト、ビジネス自体のデザインなど、バラエティに富んでいます。

――Webサイトの行動観察は、ユーザービリティの話になるのでしょうか。

お客様の課題によります。UIの改善だけでなく、Webを介した新たなエクスペリエンスの提供であれば、そういった観点から考えていくので、単純な画面の話ではなくなりますよね。たとえば、どういうハードと組み合わせるのか、どのような時間や場所で使用するのかと、Webサイトにかかわるすべての文脈や環境などから考えていきます

カスタマージャーニーのプロセスを見る

――久保隅さんがユーザー目線で優れていると感じるWebサイトはありますか。

デンマーク政府のWebサイトは、ユーザビリティやインターフェイスだけではなく、サービス提供の概念がUXとして優れていると思います。

デンマークでは市民に電子IDを発行していて、政府Webサイトから行政サービスをワンストップで提供しています。たとえば、日本で引越しする場合は、役所に出向いて住民票を変更しなければいけませんが、デンマークではWebサイト上で済んでしまいます。さらに、デンマークでは自宅近くに“かかりつけ医”を登録する制度があるのですが、Webサイト上の医療機関情報一覧から登録ができます。

このデンマーク政府Webサイトは、統計データをもとにサービス利用者のペルソナを作成してあり、そのペルソナに合わせて行政サービスの提供方法や具体的なサービスプロセスについて顧客経験、すなわちカスタマージャーニーが考えられているんですね。たとえば、住宅や保険や教育など、アクティビティごとに手続き情報が分類されていて、それぞれに必要な項目が表示される。さらに利用者だけでなく、提供者側のバックオフィスの効率化にもつながっているそうです。

――海外での調査はよくあるのですか。

先ほどのパソコンデスクの他に、中国人観光客の日本旅行に関する調査を行ったことがあります。日本が行う中国人観光客誘致政策の調査は、宿泊や移動といった断片的なプロセスしか見ていないケースがあります。でも旅行って、目的からプランニングして、移動や食事、ショッピングなどのアクティビティがあって、帰ってきて友人にお土産を渡してクチコミをするといった一連の流れがありますよね。我々はそういう観点から、中国人観光客がどのように旅行をプランニングし、旅行中に滞在をして、クチコミをするのかという一連の行動観察調査を行いました。

中国人の旅行をカスタマージャーニーのプロセスで見ていくと、彼らは自分の買い物より、お土産にお金を使っている事実が見えてきました。富裕層であれば、お土産に数十万円使うことも珍しくありません。旅行前のプランニングでショッピングリストを作る人が多く、どのメーカーのどの商品をだれに何個買うといった情報が具体的に書かれています。それらの商品は、価格.comなどのサイトで最安値まで調べてあります。ですので、中国人観光客の誘致政策には、旅行前のプランニング段階からの関与や情報サービス提供が肝になります。

先ほどのデンマーク政府の例も同様ですが、利用者の実態をカスタマージャーニーの視点から見ていって事実を洗い出し、利用者は何をどのようにしたいのか、重要なアクティビティはどこなのか、どのように訴求すればいいのか理解する必要があります。

新しい価値を取り入れるには既成概念のリフレームが必要

久保隅綾氏

――企業が新製品・サービスを企画する際には、今までにない新しい体験を考えることが必要なケースが多いものです。まだ形のないカテゴリから新しい体験を生み出したい場合、行動観察ではどのような取り組みが可能ですか。

新しいか新しくないかの判断は、今ある現場が起点になりますよね。現場から既存の価値を定義していかないと、新しい価値の定義はできません。実際の現場で、ユーザーは何を当たり前に思って行動しているのかという実態を踏まえてから、新しい価値を探っていくべきだと思います。

――既存のニーズや課題を洗い出すことが、この場合の行動観察になると。

そうですね。そこをきちんとしないで新しいものを考えると、実態に合ってなかったり、意外と新しくなかったりする(笑)、ということが起きます。実は既存の価値って、「こうあるべき」と思い込んでいるケースが多いんです

企業側は、たとえばガスコンロは料理のためとお客様への提供価値を定義していますが、新しい価値を取り入れるにはその既存の価値を再定義すること、すなわち“リフレーム”する必要があって、まずは提供している価値や自社が保持している経営資源の認識が必要です。新しい価値提供のためには、さまざまな既成概念をリフレームしていく必要があります。

――行動観察は、そういった既成概念の枠組みを排除できる取り組みになりますか。

枠組みを見極めるには「どういう思いで今の価値を提供しているのか」を把握したうえで、実際の現場を見てギャップを捉えていきます。

以前、紀伊国屋書店様と「お客様と本の出会いを増やす」というプロジェクトを行い、お客様とサービス提供者側のミスマッチが現場にあることを発見しました。本棚に書店員さんが書いたポップが貼ってあるのですが、該当する本から少し離れた場所にポップが設置されていたんですね。お客さんの行動を観察していると、ポップを見てもその本が見つけられない。

書店員さんに、なぜ離れた場所にポップを設置するのか聞いてみると、「ポップが近くにあるとお客様が本を取りにくい」と考えていらして、本棚から本を取りやすくするためにポップを離していたんですね。書店側は、お客様と本の良い出会いを考えて、ポップを離して設置するというソリューションを導入していましたが、お客様側は本を見つけにくくなっている。書店には「本の取りにくさを排除するべき」という既成概念があったので、そこをお客様の視点から一緒に再検討して、本とお客様の関係を改善しました。

本と離れていたポップ(右)を改め、本の近くに配置(左)。本との出会いと、取りやすさを両立させた
本と離れていたポップ(右)を改め、本の近くに配置(左)。本との出会いと、取りやすさを両立させた

既存の枠組みだけで捉えず、自分たちごと化することが成功の秘訣

――「顧客は課題がわかっていない」というような常套句がありますが、そのようなケースはありますか。

お客様がわかっているかどうかより、お客様ってこういうものだという提供者側のフレームが、そういう常套句を生み出しているのだと思います。たとえば、この機器はこう使うべきだとフレームしていたら、そのなかでしか観察しませんよね。それでは現在の機器の改善しかできない。新しい価値を探し出すためには、利用する人たちがどういう生活をして、どういう価値観を持って、どうなりたいのかをわかっていないとならない。

――顧客と一緒になって価値を作ることはありますか。

提供価値をデザインするには、だれのために何を作るのか、どんな課題があるのかが重要で、ここがないまま進めてしまうと、関係者がそれぞれ違う課題を考えてしまう。お客様の実態に基づいて、だれに何を、何のために提供するのかを共有しておくと、ブレずに有機的な意思決定ができます。

その意思決定ができていないと、何のための開発なのか、そもそもなぜやるのかといった疑問が出て、なかなかうまくいきません。実際にお客さんと一緒に進めることで、関係者間での食い違いが減り、コミュニケーションコストや開発コストも下がると考えています。

――久保隅さん自身が思う優れたUXとは何でしょうか。

お客様など、価値提供先である対象者だけでなく、提供価値を運用する側にもインパクトをもたらすことですね。単なる部分最適ではなく、その価値を一緒に創出し、運用していけるようなデザインが優れていると思います。関係者間でなかなか利害関係が一致せずに難しいところもありますが、そこは意思決定が必要だと思います。

――良いUXを提供するためのTIPSを教えて下さい。

自分が持っている仮説や既成概念をいったん置いて、フレッシュな気持ちで価値提供の現場を観察する。当事者意識や問題意識を持ち、「自分ごと、自分たちごと」にするのが成功する秘訣だと思います。だれかにやらされていたり、他人ごとだったりするとモチベーションが上がらないけど、自分ごととして実態を見ていくと、当事者意識や問題意識を持てるんですね。

実際にクライアントと一緒に行動観察すると問題意識を持ってくれて、「こういうことがあったのか」と、より文脈的に理解してもらえる。すると、何をどう解決するべきか優先順位が付いたり、新しいアイデアやビジネスが生まれたりと広がります。まずは、現場との接点を作っていただくといいと思います。

――これから行動観察を始めたい方にアドバイスをいただけますか。

あまり大きく構えずに、小さなステップでスタートしていく方法がいいと思います。目の前にある課題を解きながら、自分たちとしてはどういう解き方がいいのか考えていく。どうしても正解を求めてしまいますが、100点を取ることだけが成功ではありません。新しい価値の提供を考える場合には、正解や解決方法は複数あります。優れたUXを作るという意味では、目の前にある課題を小さく解いていって、小さくてもインパクトを出しながら進めていくと、良い価値の提供に近づく。まずは自分たちがすぐに取り組めることからスタートするのが有効だと思います。

◇◇◇

今回久保隅氏に聞いた行動観察の取り組みは、UXについての実践的な考え方と方法論であった。

お客様の声が大きい場合に“ばんそうこう”的なソリューションになってしまうことは、多くの企業でよくあることだろう。お客様の声に耳を傾ける際、久保隅氏の言う「根本的な原因をつきとめて、そこを抽象化してからソリューションを考える」という方法は、企業がUXデザインに取り組む際のヒントになるだろう。また、個人として取り組む際には「仮説や既成概念を置いて、現場を観察する」というところを、ぜひ参考にしていただきたい。

この記事の筆者

株式会社日立システムズ

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。

監修:鹿島 泰介(かしま たいすけ)
株式会社日立システムズ
マーケティング本部

九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)卒業後日立製作所入社、デザイン研究所にて情報機器全般のデザインを手掛ける。ビジネスPCのFLORA310で、機械工業デザイン賞を受賞。2003年に日立システムズに移籍し、Webシステムのコンセプトデザインやユーザビリティ設計に従事。

執筆:今村 徹(いまむら とおる)
フリー編集者・ディレクター

情報誌編集および広告制作を経て、2000年より、フリーランスとしてWebサイトの広告制作や企業Webサイトへのコンテンツ提供(企画・取材・執筆・ディレクション)を行う。UXについては、鹿島 泰介より教示を受ける。

http://www.hitachi-systems.com/

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君子豹変ス。Web担当者や責任者も豹変すべし [編集長ブログ―安田英久] | Web担当者Forum

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今日は、故事の「君子豹変」を参考に、Web担当者としての仕事の進め方について少しだけ。

「君子豹変す」という言葉があります。「豹変」という言葉に引っ張られてか悪い方向の意味かと思ってしまうかもしれませんが、はそうではありません。

君子(立派な人間)は、自分の言動が間違っていたとわかったら、その誤りを明確に正して行動を改める。

という意味のようですね。実際には「君子豹変 小人面革」とあり、上記の意味に続いて「小者は(誤りがあったときでも)表面を取り繕うだけ」と言っている言葉のようです。

けだし、明言だな、と。

Web担当者の世界でも、SEOでも広告でもソーシャルメディアマーケティングでもO2Oでも、いろんな新しい考え方がどんどん持ち込まれてきます。

そして、ユーザーの行動もデバイスや環境の変化にともなってどんどん変わっていきます。その変化の速度は、企業の担当者が仕事を変えるよりも早いことも多いものです。

そういう世界では、何かに(意味もなく)こだわっていては、自分が本来成すべき役割を果たせなくなってしまうことも多いのではないでしょうか。

自分が君子であるかどうかはさておき、より良いもの、いまの状況に合ったものがあれば、それまで行っていたことに固執することなく、豹変してみるほうが良いのではないでしょうか。

もちろん、逆もあるでしょう。おもしろいと思って導入してみたものの、実際にはよろしくないという状況は、意外と多いものです。ツールの導入だったり、手法の導入だったり、KPIの導入だったり。その際に、「これは良くないな」と判断できるのならば、ズバっと豹変して、いったん導入したものにこだわらずにまた変えていくべきでしょう。

アクセス解析データや調査データを読むときもそうです。何らかの仮説があったものの、その仮説が誤っているとデータで示された場合、(データが正しいものなのであれば)素直に受け容れなければいけません。「いや、こうだと思ったんだけどな」とデータをいじくりまわすのは、「小人面革」です。表面的に仮説に合うように見えさせることはできますが、現実は変わりません。

ソーシャルメディアやブログで、他人から誤りを指摘されたときもそうです。相手の言っていることをちゃんと理解して、それが正しければ感謝しながら採用すればいいのです。せっかく自分の誤っている部分を指摘してもらえる機会があったのに、感情的になったり、社内の権威の名前を持ちだして反論に使ったり、相手の人格を攻撃したりするような行動に出るのは、本当にもったいないものです。

もちろん、「君子豹変す」には、指摘された誤りが本当に正すべきものかを判断する能力も必要でしょう。その判断が適切でなければ、何か指摘されるたびに豹変しまくって朝令暮改(ルールがあまりにも頻繁に変えられて拠り所とならない)になってしまいますからね。

◇◇◇

いや、個人的に「君子豹変す」がどんな意味かちゃんと理解してなくて、意味を知って「へー」と思ったので、コラムのネタにしてみました。世の中、知らないことがたくさんあるものですね。

この記事の筆者
ユーザー 安田英久(Web担 編集長) の写真

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

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博報堂DYグループ、「全国スマートフォンユーザー1000人定期調査」でスマートフォン保有率は46.1% [ニュース] | Web担当者Forum

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博報堂DYホールディングスの博報堂DYグループ・スマートデバイス・ビジネスセンターは、「全国スマートフォンユーザー1000人定期調査」を実施しており、2013年6月に行った第6回調査の結果を7月30日発表した。スマートフォン保有率は2月に実施した第5回調査と比較して0.5ポイント増の46.1%と、スマートフォンの普及がさらに進んでいることが分かった。性別では男性が45.4%、女性が46.7%と、女性の保有率が高かった。地域別にみると保有率がもっとも高いのは近畿の49.6%で、続いて関東の46.7%、九州の46.4%と続き、もっとも保有率が低かったのは四国の37.8%だった。調査は6月1~3日に、全国の高校生~69歳の男女スマートフォンユーザー1000人を対象にインターネットを利用して実施した。

第6回の全国スマートフォンユーザー1000人定期調査では、スマートフォンユーザーのSNS利用についての特別分析レポートも行っている。それによるとスマートフォンユーザーのうち、スマートフォンでのSNS利用経験率は全体の73.1%、1日1回以上SNSを利用する人は全体の43.4%だった。また、SNSはスマートフォンのみで利用する人は全体の20.1%だった。SNSをPCとスマホ両方で利用するのは41.1%、PCのみで利用するのは7.8%、SNSはどちらでも利用しない人は31%だった。SNSを利用するにあたり、ネット上にプライベートな情報を公開することについての質問では「抵抗はなくなった」が6.7%、「やや抵抗はなくなった」が12.8%、「変わらない/抵抗はある」が73.3%、「抵抗はもともとない」が7.2%だった。

博報堂DYホールディングス
http://www.hakuhodody-holdings.co.jp/

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AMoAd、広告の中でゲームやサービスを疑似体験できる体験型広告「プレイアブルアド」の販売を開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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サイバーエージェントの連結子会社でスマートフォンアドプラットフォーム運営のAMoAdは、スマートフォン向け体験型広告「プレイアブルアド」の販売を開始した、と7月30日発表した。同様の体験型広告はPCを中心に展開していた。スマートフォン広告での試みは国内初となる。

プレイアブルアドは広告の中でユーザーが広告主のサービスを疑似体験できる手法で、通常の広告ではユーザーに伝えきれなかったゲームの世界観やサービスの使用感を体験してもらうことが可能になり、その後のサービス登録や利用継続など、ユーザーのアクションを促進するという。サービスはスマートフォン向けゲーム会社を中心に提供し、今後はEC、金融、人材、不動産などのオンラインサービスを対象とした展開も想定している。

AMoAd
http://www.amoad.com/

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ファミリーマートとヤフーなど、「Yahoo!検索」と連携したO2O共同企画「ファミマけんさくーぽん」開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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ファミリーマートとファミリーマートグループのファミマ・ドット・コム、Yahoo!JAPANを運営するヤフーは、Yahoo!JAPANの検索サービス「Yahoo!検索」と全国のファミリーマート店舗約9600店を連携して展開する、クーポンを活用したO2O共同企画「ファミマけんさくーぽん」を7月30日から開始する、と同日発表した。Yahoo!検索で「ファミリーマート」「ファミマ」など、ファミリーマートに関係するワードを入力して検索すると、検索結果画面にファミリーマートで利用できる引換券や割引券のシリアル番号を表示する仕組み。

ファミマけんさくーぽんの引換券や割引券は、ファミリーマートに設置するマルチメディア端末「Famiポート」から発券することができる。第1弾は、ファミリーマートのオリジナル飲料ブランド「あじわいFamima Cafe」の「紅茶薫るタピオカミルクティー」などの商品に使用できる30円割引券など。ファミリーマート店舗におけるレジ液晶POPへの告知やレシートへの印字などのプロモーション展開をすることで企画の認知、利用促進を図り、Yahoo!検索の認知向上、継続的な利用を促していく。

ファミリーマート
http://www.family.co.jp/

ファミマ・ドット・コム
http://company.famima.com/

ヤフー
http://www.yahoo.co.jp/

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ページを開いたらまずスクロール、という意欲を満たすペライチコンテンツ [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum

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Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の321

技術ありきの間違い

テクノロジーの進化によって常識は書き換えられていきます。かつて、セキュリティ対策として「JavaScript」の使用中止が叫ばれていた時代があったことすら信じられなくないほど、現在のホームページにおいて「jQuery(JavaScriptのライブラリ)」の利用は必須といっても過言ではありません。伸縮自在の「アコーディオン」や、次々と画面を変える「スライドショー」などを活用することで、だらだらと縦スクロールを繰り返すコンテンツが減りました。

一方で、こうした見かけ上の効果を疑問視する声もあります。端的に言えば「効果があるの?」の一言です。現場に近づくほど聞こえてきます。「アコーディオン」はクリック(あるいはロールオーバー)しなければコンテンツの内容を見られませんし、スライドショーはコンテンツの表示順で会議が紛糾することもあります。

結論を述べれば、どちらも正しく、一方に決めつけるのが間違い。目的やコンテンツによって効果は異なり、技術ありきの議論が不毛ということです。そして今回、紹介するのが「ペライチ」です。

効果があるからという事実

ペライチとはペラペラの1枚の略で、何ページにもわたる企画書に対する「薄っぺらな企画」という揶揄と、「シンプルでわかりやすい」という2つのニュアンスで使われます。「ペラ(1枚)」コンテンツの代表と言えば楽天市場です。しつこいぐらいの縦スクロールでもページは1枚、他のページに遷移することなく、すべての情報が1ページに掲載されています。

最近のトレンドからいえば、やや「時代遅れ」でしょうか。不用な情報を見かけ上かくし、必要に応じて表示させた方がまとまったレイアウトになります。しかし、楽天市場はいまだにペライチです。また、通販サイトのランディングページにおいて、ペライチはいまだに幅を効かせています。つまり、売上に効果があるのです。必要に応じてクリックすれば見られる、とは制作者の傲慢で、クリックする場所がわからない訪問者は、

とりあえずスクロール

するからです。

あるリフォーム業者の実例

新しいコンテンツを作り、知り合いの主婦を集めてレビューを行いました。すると「jQuery」をつかったアコーディオンを見落とす人がいることに気がつきます。「Click」と目立つように表示しても、見落としてしまうのです。そしてマウスのホイールをガラガラ回し始めます。画面をぱっと見て望む情報がないと判断したとき、ページの下にあるのではないかと自主的に判断するようです。

ここで「アコーディオン派」は、ユーザビリティの問題と反論するかもしれませんが、クリックするように仕向けるだけのユーザビリティへ取り組んでいては、本末転倒ではないでしょうか。ユーザビリティとは客の使いやすさを求めるものです。ならば、お望み通りにスクロールした先に情報を掲載させる=ペライチ化も、ユーザビリティの1つの形ではないでしょうか。

それならば、と実際の効果を検証します。あるリフォーム会社サイトで塗料による断熱効果をうたうペライチコンテンツを制作しました。お客様の声、設置事例、価格、科学的データといったコンテンツは、いつもなら複数のページに分けます。しかし、先の主婦の事例から1つのページにまとめてみたのです。

検索順位の急上昇

標準的なノートパソコンで10スクロールするぐらいのコンテンツです。作っておいて何ですが、正直「やっちゃった感」がありました。最後まで見るのかという思いは隠しきれません。ところが、先の主婦に見せると、「とりあえずスクロール」でページの最後までたどり着くのです。ページを上げ下げする姿は往年のアップダウンクイズを連想させます。そして訪問者の「目に触れる」という目的においては、ペライチの勝利でした。

さらにこの塗料は、あるメーカーの商品なのですが、ペライチ化して数週間後に商品名での検索結果で1ページ目にランクインします。これは体感値に過ぎませんが、ペンギンアップデート以降、グーグルは独自コンテンツをおもしろがっている風があり、オーソドックスにカテゴリ分けしたコンテンツではなく、あえて情報量を多くしたペライチが独自コンテンツとして評価されているように感じます。

当然ながら商売用コンテンツである以上、販促効果も求められます。詳細は検証が待たれるところですが、情報量は訪問者の利益に合致する確率が高く、間違ったアプローチではないのではないでしょうか。

客が求める答えはあるか

ペライチ化するうえで、最も気をつけなくてはならないのが「順序」です。コンテンツを「説明」と錯覚しているWeb担は少なくありません。しかし、ビジネス用のコンテンツは販売目的です。Webにおいて、「起承転結」のように順序立てて理解を求めるアプローチは間違いと断じます。何らかの課題を抱えてやって来る訪問者が知りたいのは、「結(論)」だからです。

先の断熱塗料を求める訪問者は、断熱効果について知りたいのです。塗料の中に含まれる断熱材の化学式ではありません。サーモグラフィーによる実施テストは採用の決め手になるかもしれませんが、まだ必要ありません。今は自分の家を塗り替えたときの効果効能を求めているのです。

ましてやペライチは、果てしないスクロールを訪問者に要求します。途中で脱落させないために“つかみ”が必要なのです。

科学的アプローチで解決する

主婦の例もSEOも再検証が必要な事例です。マッチポンプではなく、すべてのコンテンツを「ペライチ」にすればうまくいく、と保証することはできないのです。ペライチも1つのアプローチに過ぎず、ある店で色んなおかずを詰め込んだ「幕の内弁当」が売れたからといって、すべての弁当屋で同じように売れるとは限らないように。

ですが幸いなことに、Webではどちらがうまくいくか検証ができます。自社コンテンツに向いている見せ方はどちらか、「ABテスト」で調べます。

Aをペライチ、Bをアコーディオン派として、どちらの販促効果が高いかを確認します。先の断熱塗料のケースでは、滞在時間でペライチに軍配が上がりましたが、すべてのケースに当てはまるものではありません。ですが、可能性の1つとして、最新技術で構築したサイトでイマイチ効果の出ないときに試してみる価値があるアプローチが「ペライチ」です。

今回のポイント

ペライチのコツは結起承転結

ABテストで精度を高める

この記事の筆者
ユーザー 宮脇睦(有限会社アズモード) の写真

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『完全! ネット選挙マニュアル』(Kindle版)、『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、冷静な視点からのIT業界分析に「週刊ポスト」など、様々な媒体から情報発信を続ける。

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改革の旗手/第4話 [【漫画】Webマーケッター瞳 シーズン4] | Web担当者Forum

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Webマーケッター瞳シーズン4

前回までのあらすじ

広報部の坂本良弥(同期)が、恵美への協力と引き替えに提示してきたのはアルバイトスタッフ向けのSNSだった。恵美は快諾するも、現状はホームページの更新作業で手一杯。停滞ムードの中、颯爽と現れたのは、社長の息子で常務の上条ツバサだった。

→ネットデイズ在籍中のエピソードはシーズン1
→桜花転職後のエピソードはシーズン2
→桜花のエピソードはシーズン3

ここから始まります
店長また来ましたよ
げ
自由気ままな社長の息子が
スマイルストア
常務 上条ツバサ
社長の息子(次期社長候補)
スポーツカーは乗り降りが疲れるな
ここから始まります
こんにちは
二代目また来たの?
常務がそんなにしょっちゅう店舗まわりしているなんてよっぽど暇なのかい?
ははははは店長相変わらず冗談ばっかりだ
現場を自分の目で見てみないと何もわからないじゃないですか
別段変わったことはないよ…
そんなことないでしょ
!
変わってるじゃないですか!
?
このPOP前来たときから変わってるうちのホームページに載せたものだ
まさかの梅+マヨネーズのコラボレーション!
ええ参考にして作りましたが…
そんな些細なこと
些細?
全然些細じゃないですよ大きな変化です
実はここだけの話…
は?
ここから始まります
スマイルストアを日本一のコンビニにするだって!?
そのためにはこの変化は見逃せないんです
はぁ…何を言い出すんだこの御人は…
それではまた来ます
今日は一段と凄かったですね
まったく突然何を言い出すんだか
こんな地方のコンビニが日本一になんてなれるわけないだろ
ここから始まります
恵美ちゃん元気?
SNSの話は進んでるかなぁ
すみませんそれどころじゃなくて…
ぎゃあ!
どうしたの?クマすごいよ
かれこれまる二日寝てないんで…
二日っ!?
ホームページの更新ってそんなに大変なの
いやそうじゃないんです
Googleアナリティクスの勉強してて
Googleアナリティクス?
アクセス解析ツールなんだけど無料なのにすごく便利なんです!
分析ツールコンテンツの分析
ソーシャル解析
モバイルアクセス解析
コンバージョン解析
広告の分析
ここから始まります
高機能すぎてまだ全然使えないんだけど色々調べたらスマホからの流入が多いんです
詳しく調べていけばもっといろんな発見ができるかも!
――で色々調べてたら寝てる暇がなくて
なんだか最近本当のWeb担当者に見えてきたぞ…
けどなんでそんなに一生懸命なんだ?
普通に更新してればいいって言われてるんだろ
それだけやってればいいじゃん楽で
『余計なことをするな』って叱られちゃったけど…
サイトに来てくれる方がどんな人たちがどんな目的で訪れているのか知りたいんです…
だから私ができる事は精一杯やりたいんです!
…
噂には聞いていたが本当に頑張り屋だなぁ
ブレーキの壊れた車を見ているようで心配なところもあるけど…
ここから始まります
わぁ常務っ!
いいねその前向きさ!
あありがとうございます…
どうして常務がわざわざこんなところに?
今日からホームページ担当は俺の直轄部署にしたから!
直轄っ?どうしてですか?
俺はもっとネット戦略に力を入れていきたいと考えている
意思決定とアクションのスピードアップのため直轄とした!
よく反対されませんでしたね
年寄り連中はネットなんぞ興味ないんだろう!
ははは
俺はスマイルストアをいつまでも北陸地方だけの小さいチェーンで終わらせる気はない!
いずれは日本一のコンビニに成長させてみせる!!!
え
ここから始まります
ネット戦略は我が社の成長の原動力になるはずだ!
共に改革の旗を上げよう!
何考えてるんだこの人!
そもそも社内で改革を望んでいる人などいない!
いきなり言われても私にはご期待に添えるような能力も経験もありません
そりゃそうだろう
そんなことはなかろう
ホームページで提案したディスプレイが店舗に影響を与えていた
あれは素晴らしいものだったぞ
ホームページはお客様だけのものじゃないってことだ
無限の可能性がある
しかしあのアイデアは私じゃなくて…
POPをあわせてのせてみたり
一人でやるのは荷が重すぎることはわかっている
え…
大丈夫だ外部から協力者も招いた
今日はその方々にも来てもらっている
ここから始まります
今日からスマイルストアのネット戦略のコンサルティングをさせてもらう
三立瞳です
瞳さん
クライアントが恵美ちゃんの会社って聞いてびっくりしちゃったよろしくね
すごい偶然ですね
運命感じちゃう
実は運命の裏に岡部さんの営業努力が隠れていたことは
瞳くんのため
ネットを制するものがコンビニを制する世の中ですよ
日本一も夢ではありません
けどコンサルタントは必要です
日本一♪
そうかコンサルタントかぁ
POPも店舗にいい影響が出てるじゃないですか
また別の話♪
POP?

第5話は2013年8月末公開予定

マンガでわかるWebマーケティング シーズン2

『マンガでわかるWebマーケティング シーズン2
―Webマーケッター瞳の挑戦!―』
待望の書籍化第二弾、今度は実践編!!

http://www.impressjapan.jp/books/3298

あの“瞳本”がパワーアップして帰ってきた!
マンガと解説による読みやすさは前作そのままに、
現場のWeb担に役立つ実践ノウハウ満載の一冊です。

この記事の筆者

原案、監修:村上 佳代(むらかみ かよ)

楽天株式会社モバイルコミュニケーション事業事業戦略部、マーケ・編成グループマネージャー。前職は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社、TSUTAYA事業部Webマーケティングディレクター。ネットイヤーグループ株式会社にてWebマーケティングコンサルタント。

1996年より一貫して15年強Webマーケティング、デジタルコンテンツ業界に身を置く。

グロービス経営大学院MBAキャンディデイト。経営とマーケティングとITの橋渡しがコアコンピタンス。

原作:星井博文(ほしい・ひろふみ)

漫画家・漫画原作作家。ヤングジャンプにてデビュー。著作に『中京女大レスリング部物語「ちゅうじょ」』(実業之日本社)など多数。

作画:ソウ

漫画家。代表作は『マンガで分かる心療内科』(少年画報社)、『心理研究家ゆうきゆうのスーパーリアルRPG』(マガジンランド)ほか多数。

マンガ制作:トレンド・プロ

主に広告マンガ、イラスト、アニメ、キャラクターの制作を手がけるマンガ制作プロダクション。動機付け、興味の喚起、ストーリー性、分かりやすさなど、マンガの持つ強力な訴求力を活用し、企業が発信するさまざまなメッセージを織り込んだマンガ制作を得意としている。

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やりっ放しマーケではなくPDCAを継続するために社内委員会で“追い込む”/プロアクティブのガシー・レンカーのアクセス解析事例 [なるほど!アクセス解析ケーススタディ] | Web担当者Forum

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Webマーケティングの鉄則は、PDCAをちゃんと回すこと。そのためには「やりっ放し」にしない仕組みが必要ですし、アクセス解析で正確なデータが得られなければなりません。解析ツールはそういう視点で選びました。

今回のアクセス解析導入事例

こう語るのは、ニキビケア用品「プロアクティブ」などを販売するガシー・レンカー・ジャパン株式会社 デジタル・マーケティング部の植山氏だ。

個人向けに美容商品を通信販売する同社にとって、Webサイトは重要な販売チャネルになっている。そのWebで的確に見込み客を集め、コンバージョン(商品購入)を最適化するために必要となるのが、アクセス解析だ。

同社はアクセス解析ツールの導入にあたってどんな要因を重視したのか、また導入後にどのように活用しているのかを伺った。

集客の柱は「テレビCM」→「ブランド名検索」→「公式サイト」

植山周志氏
植山 周志 氏
ガシー・レンカー・ジャパン株式会社
デジタル・マーケティング部
オペレーションズマネージャー

ガシー・レンカー・ジャパンは、ニキビケア用品として知名度の高い「プロアクティブ」を筆頭に、ヘアケア用クリームやミネラルファンデーションなど、主に女性をターゲットにした美容商品の通信販売をビジネスの柱としている。

テレビCMを放送し、それで商品を知ったお客が電話やWebサイトで注文するという流れだが、ここ数年はWebサイトの売上が伸びているという。

5年ほど前までは、電話でご注文いただくお客様が7割でしたが、現在はWeb経由が7割と逆転しました。また、Webサイトへのアクセスは今のところPCとモバイルが半々ですが、スマートフォンの伸びが著しくて今後はさらにモバイルが増えると見ています。

テレビCMを見て、すぐにスマートフォンで検索してWebサイトにアクセスするという行動が顕著に表れていますね。ただし、コンバージョン率は依然としてPCのほうが高いです。

商品ごとに公式サイトがあり、新規のお客様に対しては商品の購入とそのための会員登録、既存のお客様に対しては定期購入とサポートの機能を提供しています」(植山氏)

個人のお客が相手のダイレクトマーケティングでは、プロモーションとその効果測定が重要だ。そのためのツールとして同社が導入したアクセス解析ツールは、アドビシステムズのSiteCatalystだった。

PCサイトとモバイルサイトの解析を1つに統合

導入前の課題
  • PCサイトとモバイルサイトの解析ツールが異なっており、同じ指標で分析しにくかった

  • 自社システムで発行するトラッキングコードとのひも付けができなかった

藤田恒氏
藤田 恒 氏
ガシー・レンカー・ジャパン株式会社
デジタル・マーケティング部
オペレーションズマネージャー

ガシー・レンカー・ジャパンがSiteCatalystを導入したのは、2011年12月。それ以前は、別のビーコン型アクセス解析ツールを使っていたが、モバイルサイトではサーバー仕様の都合でそのツールが使えなかったため、モバイルサイト向けにまた別のツールを導入していた。そして、これが課題になっていた。

同社でアクセス解析を担当する藤田氏は、SiteCatalyst導入の効果は大きかったと語る。

以前はPCサイトとモバイルサイトで解析ツールが異なっていたため、同じロジックで分析や評価できませんでした。PCもモバイルもそれなりのアクセス数がありますから、どちらか一方を重視すわけにはいきません。2つのツールを駆使しながら全体のアクセス状況を把握するために、手間と時間がかかっていました。

他の解析ツールの導入を検討したところ、SiteCatalystならPCとモバイルが統合できて、機能的にも不足はない。また、ちょうど米国本社でも導入していて評価も高かったので導入を決めました。

導入による大きな改善の1つは、システム連携ができるようになったことです。現在、広告用の媒体名称などがひも付くトラッキングIDを自社システムから発行しています。SiteCatalystだとそれを利用できて、媒体ごとのデータを簡単に抽出できるので、広告テストに重宝しています

また、ファーストタッチとラストタッチを取得して間接効果も把握できるので、集客施策のPDCAを回すためにもなくてはならないツールです」(藤田氏)

他にも、トラッキングIDを使うと結果をすぐに引き出せるなど、必要なデータへのアクセスのしやすさや使い勝手のよさを感じているという藤田氏。さらに、米国本社と同じツールを使うことで、レポートや各データに基づいた意思疎通がしやすくなったという。

解析結果がデイリーで把握できますし、必要なデータを入手するための手間も確実に減りました。テスト結果もすぐわかるので、意思決定のスピードも速くなりました」(藤田氏)

有効なPDCAには信頼できるアクセス解析が必須

植山周志氏

植山氏の担当は、Web施策やキャンペーンの企画と実行、さらに予算管理も行う。自ら「デジタルマーケティングを良くするためにはなんでもやる」というように、その役割は幅広い。

ガシー・レンカー・ジャパンでは、Webを非常に重要視している。外資系らしく数字が求められるが、判断は合理的で経営陣のWebに対する理解もあるため、Web担当者としてやりやすい環境だと植山氏はいう。

弊社には営業部がありません。お客様に対しては、テレビCMをはじめとする広告媒体やWebを通じてリーチします。われわれデジタル・マーケティング部が営業の役割も担っているともいえます。

経営陣からも『予算を減らしたいとは考えていない。売れるならどんどん投資したい』といわれています。業績がいいからできる話ではありますが、もちろんいい加減にやって成果が出るわけではありません。投資以上の利益を上げるには綿密な計画が必要で、悪くても赤字にはならない施策を、練りに練って考えています。そのために、小さくテストをして、うまくいったら大きく展開するというPDCAを徹底しています」(植山氏)

Webマーケティングの鉄則である「PDCA」(計画→実行→検証→改善)サイクルでは、ユーザーの反応を見ながら改善を繰り返す。しかし、その重要さは皆が認めるものの、しっかりと継続するのは簡単ではない。そこで植山氏が考えたのは、社内で定例ミーティングを行うことだった。

Webサイトでも広告でも、運用の鍵はPDCAをきちんと回すことです。しかし、計画を立てて実行したはいいけど、そのままやりっ放しになることも多いですよね。そこで私は、社内でSEO委員会とバナー委員会という隔週の定例ミーティングをやっています。同じく藤田は、リテンション委員会を担当しています。

このミーティングは、PDCAのチェックに重きを置いて次のアクションに結び付けるためのものです。1人で続けるのは大変ですが、定例化することで嫌でも2週間に1度はレポートや提案を出さなければならない状況に自分を追い込むわけです(笑)」(植山氏)

ROIを高めるには、小さくテストしてチェックするPDCAが大切。「やりっ放し」にしないためにも、社内に委員会を作り定例ミーティングで自分を追い込んで、やらなきゃいけない状況にする。

ここでPDCAの対象には、たとえばバナー広告がある。商品購入に対する無料ギフトの種類、キャッチコピー、クリエイティブなどの組み合わせを変えてテストを繰り返すことで、常に「最強のバナー」を維持する。その実現に不可欠な存在がSiteCatalystなのだという。

テスト結果を有効に活用できるかどうかは、その判断材料となる解析データの正確さにかかっています。私がもっとも信頼しているのは、SiteCatalystの数字です。社内システムを含めていくつか参考にできる数字はありますが、SiteCatalystを重視しています」(植山氏)

今後はコンテンツマーケティングにも挑戦

現在、もっとも効率よくコンバージョンを得られるのは、「プロアクティブで検索」というテレビCMのブランド認知を活用した集客だ。しかし植山氏は、それで十分とは考えていない。

コンバージョン率がもっとも高いのは、ブランド名検索(指名検索)で来ていただくお客様です。それに対して『ニキビ 治療』などニーズ段階の検索は、かなり効率が悪くなります。モチベーションが違うわけですから当然で、効率を考えるとやらないという選択肢もありますが、現状はやっています。

今すぐの購買層というよりは検討中のお客様として、Webサイトで愛用者の声などをご覧になっていただくことで啓蒙していくという考えです。

また、コスメ分野でユーザーの多い「@cosme」(アットコスメ)のニキビ特集に、弊社がスポンサーとして特集記事と広告を出すといった試みもしています。

テレビCMからブランド名検索でWebという流れは強力ですが、Web担当者としてはそこに甘えているだけではいけませんから」(植山氏)

コンバージョンの最適化を突き詰めつつ、より広い潜在顧客へ向けた訴求に取り組む植山氏。次の施策は何だろうか。

これまで同様、ブランド名検索を前提にしたSEOとSEMが取り組みの中心になります。それに加えて今後は、非ブランド名検索に対するSEO視点でコンテンツを増やそうと考えています。SEMにかけるコストを考えると、コンテンツマーケティングやインバウンドマーケティングのアプローチが適しているのではないかと、現在準備しているところです」(植山氏)

植山周志氏と藤田恒氏
ガシー・レンカー・ジャパン株式会社
ガシー・レンカー・ジャパン株式会社 Webサイト
  • 本社所在地 ● 〒141-0021 東京都品川区上大崎3-5-8 アクロス目黒タワー2F/3F
  • 事業内容 ● ニキビケアの「プロアクティブ」をはじめ、ヘアケア用クリームやミネラルファンデーションなど、主に女性をターゲットにした美容商品の通信販売。
  • URL ● http://www.guthy-renker.co.jp/
この記事の筆者

【取材執筆】
仲里 淳(フリーライター)
Twitter: @nakazato

【撮影】
石川 恵愛
株式会社Lab

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カスタマーエクスペリエンスに基づくマーケティング戦略 セミナー8/29開催 [イベント・セミナー] | Web担当者Forum

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カスタマーエクスペリエンスに基づくマーケティング戦略 セミナー8/29開催
参加申込みはこちら

「カスタマージャーニーに基づく個客中心のビジネスアプローチ」&「ユーザー行動から構築する企業ウェブサイト」など、CX(カスタマーエクスペリエンス)を実務に取り込む手法がわかるセッションが魅力のセミナーイベントを、Web担が8月29日(木)に開催します。

カスタマーエクスペリエンスとは何か、なぜ注目されているのか、どうすれば自社のWeb施策に適用できるのか、そうした情報を、事例や具体的な情報でお届けします。

「驚き」「感動」などを顧客に提供するカスタマーエクスペリエンスの考え方が企業活動において、重要視されはじめています。

これは、企業の製品/サービス価値の優位性だけでは顧客へのアピールが困難になってきていることが背景にあり、顧客満足を高めていくことが企業戦略上重視されるようになっているからでしょう。

そこでWeb担当者Forumでは、カスタマーエクスペリエンスについて理解し、具体的に企業活動に取り入れるための考え方を学ぶセミナー「カスタマーエクスペリエンスに基づくマーケティング戦略」を8月29日に御茶ノ水で開催します。

このセミナーに参加すると、あなたはこんな価値を得られます:

  • カスタマーエクスペリエンスについて、その考え方を理解し

  • カスタマージャーニーマップを取り入れたマーケティングの考え方、サービスデザインが普及している背景と、手法の概要、そして可能性を知り

  • ユーザ体験を重視したWebサイト構築の考え方について、BtoB系Webサイトの実例を知りその効果を上げるためのWebサイト改善を考える枠組みを理解できる

  • 長い目で見れば、会社全体としての売上・成果を効率良く伸ばせるようになるためのヒントを得られる

あなたもこの場に参加して「顧客中心のビジネスアプローチ」から「自社のファンを増やして企業活動に貢献する方法」をぜひ理解してください。

開催趣旨と想定来場者

開催趣旨重要性が高まるカスタマーエクスペリエンスの向上を実現させるために、顧客中心のビジネスアプローチ、サービスデザインが普及している背景と、手法の概要、そして可能性・人間中心設計(HCD)と呼ばれるプロセスに基づいたサイト構築とサービスの関係及び、その背後にあるべきストーリの考え方について解説いたします。
想定来場者
  • サービスを担当するプロダクトマネージャー
  • マーケッター
  • 新規事業開発担当者
  • ウェブマスター・サイト責任者
など、企業ウェブサイトを統轄する立場や、顧客とのコミュニケーション全体を設計する役割の方

開催概要

イベントタイトルカスタマーエクスペリエンスに基づくマーケティング戦略
日時2013年8月29日(木)13:20~18:00(開場12:50)
会場ソラシティカンファレンスセンター
東京都千代田区神田駿河台4-6(地図
  • JR中央・総武線「御茶ノ水」駅から徒歩1分
  • 東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅B2出口[直結]
  • 東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅出口1から徒歩4分
  • 都営地下鉄新宿線「小川町」駅B3出口から徒歩6分
参加費無料(事前登録制)
定員100名
主催株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum
ご協賛企業株式会社オウケイウェイヴ
日本オラクル株式会社
日本ヒューレット・パッカード株式会社
(※50音順・敬称略)
詳細URLhttp://web-tan.forum.impressrd.jp/events/201308
お問い合わせインプレスビジネスメディア イベント事務局
TEL :03-6804-1432
受付時間 10:00~18:00(土・日・祝を除く)
Mail:event-webtan@impressbm.co.jp

セッションタイムスケジュール

12:50開場
13:20
|
14:20
(60分)
オープニング基調講演

サービスデザインの時代
~個客中心のビジネスアプローチ~

登壇者

長谷川 敦士 氏(株式会社コンセント 代表/インフォメーションアーキテクト)

講演概要

昨今、顧客に対しての「提供価値」をもとに、ビジネスを再構築(リフレーミング)する「サービスデザイン」手法が普及の兆しを見せている。

サービスデザインとは、単に製品デザインに対してのサービスデザインという対比の範疇にとどまらず、製品、メディア、人、場所、組織などのさまざまなリソースをつなぎ合わせて、いかに顧客の価値創出を支援し、事業としての収益化をはかるかを設計するための、これからのビジネスアプローチであるといえる。

本基調講演では、このサービスデザインが普及している背景と、手法の概要、そして可能性について解説する。

講演内容のレベル感

脱初級~中級

内容

従来のビジネスに限界を感じつつも、それをどう変えていったらよいかについて悩んでいる人、あるいは組織をどのように変えていったらよいかについて悩んでいる人向け

参加対象者(業種、職種など)

サービスを担当するプロダクトマネージャー、マーケッター、新規事業開発担当者

受講するメリット
  • これからの時代のビジネスアプローチであるサービスデザインの概要を知ることができる
こんなニーズや悩みにこたえられる内容です
  • これから自社の製品・サービスをどのように展開していくべきか
14:20
|
14:30
(10分)
休憩
14:30
|
15:10
(40分)
スポンサーセッション1

カスタマー・エクスペリエンス向上を実現する統合ソリューションのご紹介

登壇者

東 裕紀央 氏(日本オラクル株式会社 アプリケーション事業統括 事業開発部)

講演概要

顧客同士がいつもソーシャルで繋がりリアルタイムで情報交換する時代において、カスタマー・エクスペリエンスは競合差別化のための必須要素になっています。

オラクルでは、顧客インサイトを活用しながらインタラクティブで顧客体験を創造し、顧客との関係強化を図る幅広いソリューションをご提供しております。

サウスウエスト航空、スターバックス、ディズニーストア、ウォルマート等での海外事例とともにご案内させていただきます。

参加対象者(業種、職種など)

マーケティング部門、広報部門

受講するメリット
  • カスタマー・エクスペリエンスに関連したソーシャル活用方法が事例を交えて理解できます。
  • カスタマー・エクスペリエンスを高めるために必要なIT要素が理解できます。
こんなニーズや悩みにこたえられる内容です
  • ソーシャルによってより深く顧客を捉えたい
  • ソーシャルでのブランド管理を強化したい
  • マーケ部門がリードを作成しても営業がフォローしてくれない
  • マーケ部門のリードの質を向上させたい
  • ECサイトでの検索性能を高めたい
15:10
|
15:20
(10分)
休憩
15:20
|
16:00
(40分)
スポンサーセッション2

カスタマー・エクスペリエンス向上に必要な3つのポイント

登壇者

佐藤 哲也 氏(株式会社オウケイウェイヴ マーケティング本部 本部長)

講演概要

顧客接点といえば、従来は営業部隊やコールセンターなどが主たる役割を担っていましたが、ソーシャルメディアの普及により新たな顧客接点が生まれ、オンライン上における双方向コミュニケーションが重視される時代となってまいりました。

本セッションでは、企業と顧客の接点強化に向け、調査・企画などのマーケティング業務から、顧客サポートまで全てのプロセスにおける企業の「顧客体験の創造」についてご紹介してまいります。

一方で、導入効果がはかりにくい、ROIが見えない、導入意義をデジタルに説明できない、という声もよく耳にします。システムの導入・運用におけるKPI(主要業績評価指標)や実際の具体的効果についてもメガバンク、大手家電メーカー、ネットサービス会社などの事例を交えながらご紹介します。

講演内容のレベル感

入門~上級

内容

入門~上級の方まで幅広くお聞きいただける内容ですが、最も役立てられるのは脱初級レベル以上の方です。

参加対象者(業種、職種など)

Webマーケティング及び、ユーザーサポート業務を中心に全ての方を対象とします。

受講するメリット

カスタマー・エクスペリエンスの向上に有効な新しい手法・考えを事例を交えて理解できます。

こんなニーズや悩みにこたえられる内容です

顧客との関係性強化に従来の方法に行き詰まりを感じている方に最適です。

16:00
|
16:10
(10分)
休憩
16:10
|
16:50
(40分)
スポンサーセッション3

セッションタイトル:調整中

登壇者

日本ヒューレット・パッカード株式会社

16:50
|
17:00
(10分)
休憩
17:00
|
18:00
(60分)
クロージング基調講演

ユーザー行動から構築する企業ウェブサイト
「ほんとのファン」を増やす
オウンドメディアの作り方、ユーザー行動設計法

登壇者

安齋 利典 氏(三菱電機株式会社 宣伝部 ウェブサイト統括センター センター長)

講演概要

お客様が欲しい情報・サービスに行きつき、買って、使って満足いただけるWebサイトをいかに作るか。ユーザ体験を重視したWebサイト構築の考え方について、BtoB系Webサイトの事例を紹介します。人間中心設計(HCD)と呼ばれるプロセスに基づいたサイト構築とサービスの関係及び、その背後にあるべきストーリの考え方についても解説いたします。

参加対象者(業種、職種など)

ウェブマスター・サイト責任者など、企業ウェブサイトを統轄する立場や、顧客とのコミュニケーション全体を設計する役割の方

※セッションではB2Bサイトを例に解説しますが、B2Cでも適用できる内容です。
※運用担当者や更新作業担当者など、サイトの全体戦略を考える立場にない方には向いていない内容です。
※新規顧客獲得だけを担当している立場の方には向いていない内容です。

受講するメリット

自分が担当しているサイトが利益活動にどのように貢献しているかを大きな視点でイメージできるようになり、さらにその効果を上げるための改善を考える枠組みを理解できます。

B2B企業では、そうした改善を通じて、営業の人から感謝されて頼られるような役割を果たせるようになります。

長い目で見れば、御社の全体としての売上・成果を効率良く伸ばせるようになるためのヒントを得られます。

こんなニーズや悩みにこたえられる内容です

新規顧客獲得のような成果が見えやすい役割と比べて、自分の担当している既存顧客向けサイト(サポートサイトなど)が事業にどの程度役立っているのかが明確でなく、どうすればいいのかモヤモヤしている方や、自社の(本当の意味での)ファンを増やして企業活動に明確に貢献したいと思っている方。

参加申込みはこちら

講師情報

長谷川 敦士 氏

株式会社コンセント
代表取締役、インフォメーションアーキテクト

長谷川 敦士 氏

1973年山形県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(Ph.D.)。素粒子物理学(ニュートリノ物理学)、認知科学(マルチエージェントシミュレーション)の分野を経てデザインの領域へ。伝えるためのデザインを実現する株式会社コンセントを率いる。情報アーキテクチャ設計を専門分野としながら、Human Centered Designのプロセスを活かしサービスデザイン、ユーザー体験デザインを実践している。著書に『IA100ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計(BNN新社)』。武蔵野美術大学、多摩美術大学、産業技術大学院大学非常勤講師。人間中心設計推進機構理事。

東 裕紀央 氏

日本オラクル株式会社
アプリケーション事業統括
事業開発部
担当シニアマネジャー

東 裕紀央 氏

1997年に第一生命保険相互会社に入社。その後、日本総合研究所、マイクロソフト株式会社においてCRMソリューションの開発・推進に従事。現在日本オラクル株式会社のアプリケーション事業部門においてクラウドソリューションの事業開発を担当。

佐藤 哲也 氏

株式会社オウケイウェイヴ
マーケティング本部
本部長

佐藤 哲也 氏

1984年株式会社リコー入社。その後1992年マイクロソフト株式会社に転職。営業、マーケティングおよびコンシューマー(個人)からエンタープライズ(企業)ビジネスまでの幅広いエリアで活躍。2000年より同社執行役員に着任。日本マーケティング協会の理事としても活躍。 2012年株式会社オウケイウェイヴに入社。エンタープライズソリューション事業部の事業部長としてオウケイウェイヴの法人向けソリューション事業責任者として着任。現在はマーケティング本部本部長も兼務。

安齋 利典 氏

三菱電機株式会社
宣伝部
ウェブサイト統括センター長

安齋 利典 氏

三菱電機デザイン研究所で電子機器、AV機器、携帯電話等の製品デザインに従事した後、2005年から自社オフィシャルウェブサイトを担当。製品デザインもウェブデザインも目的を達成するためであることに変わりはないとの考えで、これまでオフィシャルサイトの開発・管理・運営を実施してきた。現在、宣伝部ウェブサイト統括センター長。

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ご登録頂きました個人情報は、当社の商品やサービスのご案内のため、電子メール等による商品やセミナー開催情報などの各種情報提供に利用させて頂きます。また、Web担当者Forumのメールマガジンを定期的にお届けします。

また、以下に対して個人情報の提供をいたします。

参加者の皆様には、当セミナーのスポンサー企業(株式会社オウケイウェイヴ、日本オラクル株式会社、日本ヒューレット・パッカード株式会社)より直接、電子メールや郵送でのご案内をさせていただく場合がございます。予めご了承ください。

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オリジナル記事:カスタマーエクスペリエンスに基づくマーケティング戦略 セミナー8/29開催 [イベント・セミナー] | Web担当者Forum
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リスティング広告で「思い込み」でやってしまう失敗の傾向と対策「その対策は本当に正しいですか?」 [スポンサードサーチ再入門] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 7 分

今回は、あまりリスティング広告の運用に慣れていない方々が陥ってしまうであろうと思われる勘違いやミス、そしてその対策についてまとめました。

あなたは、リスティング広告を運用していて、こんなことはないだろうか。

予算消化ペースが早いので、上限予算の設定を下げる
東京にある店舗だから、配信地域は東京のみにする
ユニファイドキャンペーンでスマホに出過ぎないように入札調整率を下げる
突然コンバージョンが無くなった、これは広告設定が原因だな
ビッグワードは成果が出ないから止めておこう

……これらはセオリーどおりと思える対応だが、実はあなたの思い込みによる大間違いかもしれない。

「コンバージョン数が落ちて、CPA(顧客獲得単価)が高騰。このままでは今月の目標が達成できない……」こんなとき、なんとかしなければと焦って不安になることでしょう。

成果が悪くなった原因を探って対策を考えるわけですが、このとき自分では十分に探ったつもりが実は不十分で、誤った対策を取ってしまうことがよくあります。明確な問題点を見つけて的確な対策を考えられないことの原因は、多くの場合は「思い込み」です。

この思い込みを解消し、より正しく対処するにはどうすればよいのか? 5つの典型例で具体的に解説します。

運用がうまくいかないと、
「競合がパッといなくならないかなぁ」
「品質インデックスが急に上がらないかなぁ」
「いっそのこと管理画面のコンバージョン率を好きに変更できれば……」
などと思わず願ってしまった経験はありませんか?

しかし、そんな奇跡が起きることはまずありません。正しく原因を突き止め、適切な対策を行うしか解決の道はないのです。

思い込み その1
予算消化ペースが早いなぁ……。よし、上限予算の設定を下げておこう

1日あたりの掲載費が大体5,000円、でも月の予算は10万円なので、1日あたり3,000円台前半に抑えたいなぁ……。よし、上限予算設定を変えてみよう!

掲載費のペースをコントロールするには上限予算設定だ。CPAも悪いのにこのままにしていたら無駄に掲載費を使ってしまう。上限予算設定を抑えてから、CPAを引き下げる対策を考えることにしよう……。

ちょっと待った!

成果を上げることも視野に入れつつ予算消化ペースを抑えるために、上限予算を抑える。それは、常に最適な対策なのでしょうか?

「上限予算設定」という項目は、その項目名からして予算コントロールのためにあると思われがちです。もちろん予算消化ペースをコントロールすることはできますが、成果を上げながら予算消化ペースをコントロールするためには、「上限予算設定」は常に最適な手法であるとは言い切れません。

次の2つの表を見てください。

上限予算を下げる前
上限予算/日クリック数クリック単価コスト
5,000円25020円5,000円
上限予算を下げた後
上限予算/日クリック数クリック単価コスト
3,300円16520円3,300円

掲載費は抑えることができましたが、クリック数は85減りました。これは当然といえば当然です。コストを抑える手段は他に、入札単価を抑えるという選択肢もあります。それでは、入札単価を変えてみましょう。

入札単価を下げる前
上限予算/日クリック数クリック単価コスト
5,000円25020円5,000円
入札単価を下げた後
上限予算/日クリック数クリック単価コスト
5,000円22015円3,300円

この場合、コストは希望額に収まり、クリック数は30の減少にとどめています。

上記はあくまでも例で状況によって異なりますが、上限予算を変更しなくても、入札単価を抑えることで、クリック数の減少を抑えることができています。結果的にコストも下げることができますが、クリック数の減少幅が小さいほうが、コンバージョン数が下がる可能性も小さくなるでしょう。

もちろん、入札単価の調整では綺麗に狙いどおりのペースにすることは即座にできるものではないですし、予算消化ペースの安定性も高くないでしょう。日々かけられる手間とのバランスの問題もあるため、運用体制によっては必ずしもこれが正解とは言えません。それでも、この場合は単に上限予算を抑えるだけという施策は、最適だとは言えないでしょう。

また、この例のように入札単価を下げると、掲載順位も下がる可能性は高いものです。したがって、掲載順位がコンバージョン率に大きく影響している場合はこの限りではありません。さまざまな視点を持って、「自分の考えは本当に正しいのか」「そもそもの目的や目指すべきゴールはどこだ」といったことを、いつでも念頭に置いておきましょう。

思い込み その2
東京にある店舗だから、東京だけに指定配信すればいいね

うちの店舗は東京だけだし、来る人は東京にいる人なわけだから、東京にだけ配信すればいいや。他の地域に配信しても無駄な配信になるだろうし……。

ちょっと待った!

今東京にいる人は確かに「東京にいる人」ですが、その中で千葉や埼玉、神奈川から来ている人も多いですよね。路線を見ても、池袋は埼玉県から、秋葉原や東京駅は千葉県から、渋谷、新宿、品川は川崎市や横浜市から来やすく、毎日通勤している人も多くいます。

ちょっと考えると想像できますが、この見落としは意外にもよくあります。もちろん、東京の効率が一番よくて、他の地域に配信しても効率は悪いだろうという推測は自然です。

しかしここで重要なのは、「完全に無駄」なのか「無駄ではないけど効率が悪い」のかを考えることです。

仮に、千葉、埼玉、神奈川におけるコンバージョン率は、単純に東京の半分だとしましょう。その場合は、次のように入札単価を調整します。

キャンペーン配信エリア入札単価
東京指定配信東京のみ100円
千葉指定配信千葉のみ50円
埼玉指定配信埼玉のみ50円
神奈川指定配信神奈川のみ50円

都道府県ごとに単価を変えるには、これまではキャンペーンを分けて作成し個別に入札単価を調整する必要がありました。ところがユニファイドキャンペーンでは今後、1つのキャンペーンで地域別に入札単価を調整できるようになります

広告配信前に単価を考えるには、事前にアクセス解析ツールなどでメインターゲットのエリア以外のコンバージョン率を確認しておくのがいいでしょう。そういった参考になるデータがなければ、広告配信をしてみてからデータを確認して調整するしかありません。

ユニファイドキャンペーンならそれも簡単に設定できるので、低めの単価からでも試して、データを見ながら判断していきましょう。

思い込み その3
ユニファイドキャンペーンになってスマホに出過ぎるとまずいよな……。とりあえず入札調整率を下げておくか

うちのサイトはPC用だから、スマホで見ても誰もコンバージョンしないはず。スマートフォンの入札単価はとりあえず下げておこう……。

ちょっと待った!

確かにPC用の入力フォームはスマートフォンだと入力しづらくてCPAは悪いかもしれません。しかし、CPAを確認せずに適切な入札単価は判断できません

PCとスマートフォンと分けて運用している人なら、スマートフォンの結果を以前から確認しているので適切な入札調整ができるはずです。しかし、これまでスマートフォンのパフォーマンスを見ていなかった人は、ぜひこの機会に見てみましょう。

キャンペーン管理画面で、「表示」>「デバイス」と選択すると、PC、タブレット、スマートフォンの掲載結果を確認できます。
キャンペーン管理画面で、「表示」>「デバイス」と選択すると、PC、タブレット、スマートフォンの掲載結果を確認できます。
※この画像はサンプルです。

スマートフォンからの流入に対してリンク先がPC用サイトだったとしても、コンバージョンしないと決め付けてしまうには時期尚早です。

思い込み その4
ある日から急にコンバージョン無し。クリックはあって広告審査も落ちてないのになぜ?

先週の水曜日から一切コンバージョンしなくなっている……。とりあえず入札単価を下げるか上げるかしてみようか……。それとも広告を変えてみる? いったいどうしたらいいのだろう……。

ちょっと待った!

本当にリスティング広告のやり方自体が問題だと言い切れますか?

コンバージョンタグが外れているかも?

SSL証明書の有効期限が切れているかも?

入力フォームが障害を起こしているかも?

他人事なら笑い話で済みますが、実はよくある話です。Web担当者も四六時中Webサイトのことを監視できているケースばかりではありません。

答えは常に管理画面内にあると思い込んではいけません。運用をがんばるあまり、リスティング広告の運用にのめり込むのもいいのですが、たまには一歩引いて視野を広く持ちましょう。

思い込み その5
こんなビッグワードじゃ絶対に成果が出ないよね。止めておこう

うちは新宿にあるエステサロンだから、「新宿 エステ」みたいなワードにするべき。「エステ」なんてビッグワードじゃ、単価が高くて広告費用だけかかって成果につながらないからやめたほうがいいはず

「単価が高いワード」というのは、リスティング広告の悪い思い込みの典型例です。単価が高いワードなんてありません。単価の相場が高いワードがあるだけです

リスティング広告では、クリック単価を自由に決められます。ただ単に、それぞれのワードの持つパフォーマンスに合わせて最適な入札単価を設定すればいいだけなのです。

次の表は、ビッグワードをうまく活用できた実際の掲載結果です。

ビッグワードを活用できた掲載結果例
キーワードカテゴリインプレッション数クリック数コンバージョンCPCCPA掲載費
ビッグワード58万3,8821万1,7360.04%55円1万1,471円5万7,356円
掛け合わせワード16万7,3631,7570.68%1256円8,218円9万8,613円

実際のキーワードは明かせませんが、前述の例だとビッグワードは「エステ」で、掛け合わせワードは「エステ 新宿」「エステ 東京」のように地名と掛け合わせたものや「脱毛 エステ」「痩身 エステ」のように具体的な施術名と掛け合わせたワードの合計です。

ビッグワードはクリック単価が安くなっていますが、これは入札単価を数円にしているからです。圧倒的な検索ボリュームがあり、この入札単価でもかなりの表示回数とクリック数が稼げています。コンバージョン率は悪いですが、クリック単価が安いがためにCPAは特に悪いわけではなく、クリック数が大量なために結局はコンバージョン数もそれなりのボリュームになっています

もちろん、これはさまざまな要因が重なった成功例であり、あらゆるビッグワードでこの結果が出るわけではありません。ただ、「あまりにもビッグすぎるワードだから……」と思われているせいか、あまり入札されていないワードは探せばあるものです。そういったワードを見つけたときは、この例のように低単価で多くのクリック数を稼げることがあります。

いずれにしても検索ボリュームは大きいので、コンテンツを見直してコンバージョン率を上げたり、YDNサイトリターゲティングで繰り返しアプローチしたりと、試せることはいろいろあります。

日本最大の検索エンジンであるYahoo! JAPANで検索する大多数のインターネットユーザーにアプローチできる機会を活用しない手はありません。それは、とても大きな可能性をみすみす逃すことになると筆者は思っています。

引き出しの整理を常に心がけて「思い込み」から脱却

成果が悪くなったとき、「こういうときはこうする」という引き出しを持っている運用者は、日々の運用の効率も良く、問題の発見と解決するための施策を決めて実行するスピードも早いものです。ただし、広告システムの仕組みも世の中のトレンドも変わっていく中で、その引き出しが常に正しいとは言い切れません

「自分の引き出しはなぜ作られたのか」「それは今のこの仕組みとトレンドだからだ」ということを意識していれば、状況の変化に応じていち早く引き出しの整理ができるでしょう。

たとえば、以前は「とにかくキーワードを多く入れたほうがいい」と言われていたのは、なぜなのか。それは、当時のシステムによるところが大きいわけで、解決法が今も通用するとは限りません。

それをわかっている人で今も大量のキーワードを作っている人はいます。でもその人は、昔の大量キーワードとは全然違う大量キーワードを作っているはずです。

「この場合はこうすべき」という思い込みではなくて、「こうではないか?」「それでなければこうではないか?」と、あれこれ想定や仮説を思いつく人は、問題の発見と対策が早く、その質も高くなるのです。

次の3つの心がけで、思い込みによる失敗から卒業しましょう。

  • 仮説をきちんと立てること
  • データをよく見ること
  • 自分の中の引き出しの整理を常に心がけること

引き出しの整理をしていないと、私生活でも失敗します……。

「梅雨が明けた!」「今年の夏は遊ぶぞ!」と言って夏服の入った引き出しを開けたら、5年前に買った当時の流行の服ばかり……なんてことを想像してみてください。

この記事の筆者

小西 一星(こにし いっせい)
LICコンサルタント

LIC(リスティング広告オンラインコンサルティング)」は、リスティング広告の最新情報をキャッチアップしたり、配信のノウハウをディスカッションしたりできるコミュニティ。

販促物制作会社、広告代理店などを経て、リスティング広告の専門家として独立。ハイパス株式会社 代表取締役を務める。成果にこだわるだけではなく、意図を持った数値が出る広告運用を心がけている。運用者や広告主がディスカッションをしたり悩みを解決したりするためのコミュニティ「SEMカフェ」を主催。

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エクスペリアンジャパンのメール配信システム「MailPublisher」がプライベートDMP「Xrost DMP」と連携 [ニュース] | Web担当者Forum

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マーケティング支援・情報サービスのエクスペリアンジャパンは、同社のメール配信システム「MailPublisher Smart Edition」がデータプラットフォーム事業のPlatform IDが提供するプライベートDMP(データマネージメントプラットフォーム)の「Xrost DMP」と連携し、9月から対応を開始する、と7月31日発表した。複数のコンピュータを1台のコンピュータのように運用するクラスタリング技術に強みを持つXrost DMPと、メール配信技術に強みを持つMailPublisher Smart Editionが融合することで、クラスタごとに最適なメール配信を実現する。

MailPublisherは、日本国内で月間28億通の配信実績があるメール配信ソリューション。Xrost DMPは、企業が保有するデータとPlatform IDが保有するデータを企業ごとのプライベートな環境で蓄積、統合し、サイト利用者の特性を可視化する。融合により、メール配信だけでなく、Xrost DMPの連携ソリューションからクラスタごとにメール、広告、コンテンツなど、最適なコミュニケーションチャネルを選択することができる。

エクスペリアンジャパン
http://www.experian.co.jp/

Platform ID
http://www.platform-id.jp/

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Google、スマートフォンの利用に関する調査「Our Mobile Planet」2013年版でスマホ普及率は25% [ニュース] | Web担当者Forum

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Googleは、2011年から実施しているスマートフォンの利用に関する大規模調査「Our Mobile Planet」2013年版のデータを7月31日発表した。昨年は26ヵ国だった調査対象国を今年は48ヵ国に広げ、東南アジアや東ヨーロッパなどとの比較も可能になった。第1回の2011年調査では6%だった日本のスマートフォン普及率は2013年には25%に拡大した。調査対象国でもっとも普及率が高い韓国(73%)や、それに次ぐシンガポール(72%)に比べると、日本では依然として従来型の携帯電話が主流となっている。調査は2013年1~2月に、オンラインアンケートで実施。サンプル数はアイルランドが900、エジプト、サウジアラビア、UAE、インドネシア、マレーシアで500、それ以外のすべての国は1000だった。

従来型の携帯電話が主流とはいえ、日本人のスマートフォン利用は活発で、テレビ視聴時の同時利用率は58%と、スマートフォン普及先進国の米国(53%)、シンガポール(42%)、韓国(47%)よりも高く、従来型の携帯電話と同様に「テレビを視聴しながら」の利用が多いことが分かった。ショッピング中のスマートフォン利用も活発で、3人に1人(32%)がショッピング中の商品について品定めするときにスマートフォンを使ったことがある、と答えている。これは他の国の2割台よりも高かった。日本は1人あたり平均11.5個と、世界でもっとも有料アプリのインストール数が多い国であることも分かった。日本に次いで有料アプリインストール数が多かったのは香港の9.8個、次いでオーストラリアが7.5個と上位をアジア太平洋地域の国が占めた。

Google Blog
http://googlejapan.blogspot.jp/

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Facebookページの「顧客から愛される運用術」を藤巻百貨店・タグボート・プレンティーズの運営担当者が講演 [イベント・セミナー] | Web担当者Forum

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Webマーケティングのツールの1つとして、注目を集めるFacebook。自社サービス・製品のFacebookページを運用し、顧客とのコミュニケーションを図ろうとする企業も増えています。そんな企業の担当者向けに、Facebookページの運用法や広告ノウハウ、マーケティング全般についてレクチャーする講座、「1日でマスター!Facebookマーケティングプロ養成講座」(主催マインドフリー、トーチライト)が東京と大阪で6月に開催されました。

本レポートでは、6月13日に開催された東京講演のなかから、Facebookページのオーナーが成功ポイントを語ったパネルディスカッション「Facebookページオーナーの体験談」の内容をお届けします。講演では、Facebook Japan 竹山枝理香氏をモデレーターに、ザッパラス 中村亮氏、タグボート 徳光健治氏、プレンティーズ 長谷川裕氏が登壇し、自社サービス・製品のFacebookページ運用術について語りました。

※本レポート内のファン数などの情報は講演時点のものです。

写真左から順にFacebook Japan 竹山枝理香氏、株式会社ザッパラス 中村亮氏、株式会社タグボート 徳光健治氏、プレンティーズ 長谷川裕氏。

Facebookならではのリアルタイム性、情報拡散力を活かす

――まずは簡単な自己紹介をお願いします。

中村 ECサイト「藤巻百貨店」を運営しています。

藤巻百貨店は、元伊勢丹カリスマバイヤー藤巻幸大さんのプロデュースのもと、日本のいいものをストーリー仕立てで紹介するセレクトショップです。Facebookページ(藤巻百貨店)の正式オープンは昨年5月で、現在「いいね!」数は約14万人ほどです。

藤巻百貨店
藤巻百貨店

徳光タグボートは現代アートを取り扱う会社です。

ECサイト「@GALLERY TAGBOAT」でのネット販売、フリーペーパー「タグボート」、若手アーティスト向けの「イベント運営」の3本柱で事業を展開しています。Facebookページ(タグボート)は2012年12月から本格的に運用スタートし、「いいね!」数は約9,700人です。現在は主に台湾のお客様向けに運用しています。

タグボート
タグボート

長谷川 Plenty's(プレンティーズ)は、湘南の茅ヶ崎に8年前にオープンした、地域密着型のアイスクリーム店です。

Facebookページ(プレンティーズ アイスクリーム)の「いいね!」数は1,500人ほどですが、地元ファンを中心にもっと広げていきたいと考えています。

プレンティーズ
プレンティーズ

――Facebookページ運用前に抱えていた課題について、また運用後に課題がどう変わったか、教えてください。

中村弊社はお客様と1回限りの関係で終わるのではなく、長期的なお付き合いをしたいという課題を持っており、それを実現する手法の1つとしてFacebookページでの発信を始めました。伝えたいコンテンツをタイムライン上へ投稿することで、お客様とより粘着性の高いコミュニケーションを図れるようになったことに、手応えを感じています。

集客面でも数字で結果が出ており、Facebookページから本サイトへ、月間100万インプレッションほど誘導しています。

徳光タグボートは「現代アートのネット販売」としては国内最大の規模です。しかし、奈良美智さんや草間彌生さん、村上隆さんあたりのアーティストを知っている人はいても、現代アートはまだまだ日本ではニッチな市場。そこで、弊社のブランドイメージやサイトを世の中に浸透させるといった課題を解決するために、Facebookページを運用し始めました

しかし、マーケットの大きい欧米やアジア各国と比べると、日本国内のマーケットはあまりにも小さいのです。そこで、国内ではなく海外をターゲットにした方がいいのでは、と方針を変えました。台湾を強化したところ流入が増え、現在約9,700人のファンのうち8割が台湾の方です。

長谷川広告ではリアルタイムな情報を伝えられないことに、問題意識を抱えていました。これまでは新聞折り込みチラシやオフラインのクーポン、フリーペーパーを広告として活用していましたが、2~3日後に急遽イベントを開催しようと思ったとき、広告出稿するのはスケジュール的に難しい。Facebookページの存在を知って、ファンの方へ鮮度の高い情報を伝えるには最適なツールだと思い、運用を開始しました。

初期の集客には社員や友人とのつながり、Facebook広告を活用

――実際にFacebookページの運用を始めてから、どのようにしてファン数を増やしていったのですか

中村初めはファンをどのようにして集客すればいいのかわからず、社員に「いいね!」してもらうことから始めました。藤巻百貨店をプロデュースし、約5,000人の友達を持つ藤巻幸大さんにも、Facebookページの告知をお願いしました。藤巻さんのおかげで「いいね!」はかなり増えましたね。Facebook広告も少し使いました。

徳光地道に投稿を続けていれば、ファンは自然と増えていくと思っていました。しかし、ただ投稿するだけでは、なかなかファンは増えません。運用開始から1か月後くらいに、Facebookページを友達に紹介する方法を初めて知り、実践してみたところ約300人が「いいね!」してくれました。その後は海外向けのFacebook広告出稿を中心に、「いいね!」を増やしていきました。

長谷川私たちも友人やスタッフによる「いいね!」からスタートしました。初めのうちはよくわからないまま、個人的な投稿をしていたせいか、あまり反応はなかったのですが、詳しい人間に教わりながら、店の商品を投稿するようになると「いいね!」が増えていきました。店舗でもQRコードを提示したり、「Facebookページに『いいね!』してください」とポスターを貼ったり、リアルの場でも工夫を凝らしました。

――Facebookページ運用は何人程度でされているのでしょうか。

中村開設当初は、担当という意味では1人ですが、他の業務も兼務しているので、実質0.3人くらいでした。現在も担当は1人ですが、業務ボリュームとしては、0.8人くらいの感じで運用を担当してもらっています。

徳光投稿担当は2名で、1日に30分程度の時間を使って運用しています。

長谷川運用は私1人で、適宜行っています。

慎重な写真選定や投稿時間の調整が、「いいね!」数を左右する

――投稿するうえで意識していること、工夫していることは、どのようなことでしょうか。

中村写真やテキストを一目見ただけで「欲しい!」と思っていただけるように意識しています。サイト用に撮影した写真があるので、運用担当者に渡して投稿してもらいます。職人の手仕事が伝わるようにと、ビジュアルだけでもイメージが伝わるような写真を選んでいますが、テキストでも丁寧にフォローします。

徳光気を付けているのは投稿する写真と言語の2点です。作家さんや作風、モチーフ、さらには色や柄によって「いいね!」数が変わってきますから、弊社で所有する約2万点の写真の中から慎重に選びます。

たとえば、黄色いかぼちゃの作品を投稿したところ、予想外に台湾の方から「いいね!」がたくさんついたことがあります。台湾では黄色いかぼちゃは縁起がいいとされているそうで、意外なところから「いいね!」が増えることがあります。アートフェアなどのイベントレポートを、アルバムにして投稿するのも「いいね!」が多く集まります。言語については、海外のファン獲得を強化しているため、日本語と英語、中国語の3か国語で投稿しています。

――ターゲットを理解したうえで中国語にされているのですね。中国語の下にあるURLでは英語ページ、日本語の下にあるURLからは日本語ページへ飛ぶよう、工夫されています。

長谷川新商品やイベントに合わせて、タイミングを見計らって投稿するよう、意識しています。来店していただくことが大事なので、来店動機をいかに増やすかを念頭に置いています。私がモバイルで撮影した、「商品のにおいを感じてもらえそうな写真」を選んでいます。一般的な方の朝晩の通勤時間、ランチタイムをめがけて投稿しています。

広告活用で認知度アップ、海外顧客獲得を狙う

――次はFacebook広告について伺います。いつ何をきっかけにスタートしたか、またFacebook広告を出稿する前後で変わったことについて教えてください。

中村最初はずっと自前で「いいね!」を増やしていましたが、ページ開設後3~4か月ほど経った頃に、Facebook広告の存在を知りました。できるだけ広告費は抑えたかったので、少額で始められる点は魅力的でした。単純に全体的な結果だけで見ると、ファン数は1年で14万人くらいに増えました。

広告は運用とあわせてやってみることで、「いいね!」数の増加を加速させてくれるもの。多くの方のフィードに広告が表示された結果、藤巻百貨店の認知度は確実に高まったと感じています。SEO視点で見たときにも、「藤巻百貨店」のワードが検索に引っかかりやすくなりました。

長谷川 Facebook広告は少額でできることがわかったので使ってみました。来店していただくことが大事なので、広告は(店舗近隣の)茅ヶ崎、川崎くらいまでの範囲の方に絞って表示させています。

結果的に、来店動機を持って来てくれる方が増えたと感じています。熱狂的なファンの方は、常にFacebookページを見てくださっています。Facebookページを始める前は月1回来るか来ないかのお客様が、今では月2~3回来てくださいます。「いいね!」数が増えたことで、ブランド力が高まってきたと感じています。

徳光海外に向けた施策への課題を抱えていた中、「Tokyo Otaku Mode(東京オタクモード)」の亀井智英CEOとお話させていただく機会がありました。Tokyo Otaku Modeといえば、国内最大のファン数(約1300万)を誇る、日本のオタク文化を世界に広げていくFacebookページです。98~99%が海外のお客様で、1度の投稿で「いいね!」が3万件くらいつくこともあると聞き、海外に寄せた情報発信への可能性を感じ、海外向けのFacebook広告を始めることにしました。

――海外向けのFacebook広告をスタートして、どのような効果がありましたか。

徳光 1日10ドルくらいの予算で、広告の中身を変えながら、アジアを意識して香港やシンガポール、台湾、米国などに広告を打つ実験を行いました。結果的に台湾が親日性が高く、広告効果は香港の2.5倍、シンガポールの3倍、米国の4倍にも及びました。それ以降は台湾に絞り込んで、マーケティングを進めています。

数字での結果も顕著に出ていて、昨年1年間で弊サイトに来る台湾のお客様の割合は0.8%でしたが、今年6月時点では4.5%というように、台湾から来るお客様が1年で6倍近くにまで増えています。

――最後に、他のマーケティング手法と比較した、Facebookページのメリット、デメリットについて教えてください。

中村メリットの1つとしては、さまざまな広告媒体との相乗効果を図るのに適していることがあります。世界観を伝えるのにも優れたツールだと思いますし、お客様と濃厚なコミュニケーションを図れるのもメリットです。

その半面、運営は結構大変ですし、ユーザーとは丁寧にコミュニケーションをとっていかないと、うまくいかないのも事実です。

徳光ブログ、Twitter、フリーペーパーと同時並行でメディアを活用していますが、Facebookページの反応や広まる速度が最も速く、加えてお客様の質も高いように感じています。

長谷川お客様とコミュニケーションを直接図ることで、結果的に来店動機が増えていることがメリットです。ダイレクトに顧客を獲得するのに適したツールだと感じています。

◇◇◇

45分という時間のなかで、実際にFacebookページを運営しているそれぞれのページオーナーが、どう工夫しているのか、どんな効果を出しているのかなど、それぞれの立場から率直に語ったセッションだった。

あなたのFacebookページの運営に役立つヒントは得られただろうか?

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オリジナル記事:Facebookページの「顧客から愛される運用術」を藤巻百貨店・タグボート・プレンティーズの運営担当者が講演 [イベント・セミナー] | Web担当者Forum
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リンクのクリックやダウンロードをページビューとして計測する! 仮想ページビューの使い方と注意点[第64回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだが、正式なサポートがない。本連載では、その導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

外部サイトへのリンクのクリックやPDFなどのダウンロードを、ページビューとして計測したい場合がある。その場合には、Googleアナリティクスの、バーチャル(仮想)ページビューという機能を使う。

バーチャル(仮想)ページビューとは、その名のとおり、実際にはページビューでないものを、ページビューとしてカウントするための機能である。

バーチャル(仮想)ページビューには、大きく次の2つの使い方がある。

  • 実際のURL情報を使うと不都合が生じる場合

  • 実際のページ(HTMLファイル)のリクエストとは別の行為を計測したい場合

前者の例としては、異なる内容のページなのにURLが同じようなケースが挙げられる。たとえばカートのシステムなどで、表示しているページの内容が変化しているのに、URLの表示が変化なくまったく同じ場合を体験したことはないだろうか。これはPOSTメソッドという方法を利用してWebサイトとのやり取りをしている場合などで生じる。

Google アナリティクスのトラッキングコードは通常、アドレスバーに表示したURL情報を取得する仕組みなので、このようなケースでは、内容が異なるページに移動していても、同じURLを複数回見たことになってしまう。しかし、計測をする側の視点からは、できれば内容に応じて別のページとして認識してほしいはずだ。

もう1つの利用パターンである後者、すなわち実際のページ(HTMLファイル)のリクエストとは別の行為を計測したい場合の例としては、

  • 外部サイトへのリンクのクリック
  • ファイルのダウンロード
  • Flashコンテンツに対するインタラクティブな動作

などの「行為」を、実際にはページ閲覧ではないけれども何らかのURLにアクセスしたページビューだとみなしてカウントする場合などに利用する。ただ、この手法を使うと、通常のページビュー数などに上乗せになってしまう。ページビュー数にカウントしたくない場合は、「イベントトラッキング」という手法を利用し、イベントとして計測しよう。このイベントトラッキングについては、回を改めて別途解説するので、今回は取り上げない。

計測コードの意味

GoogleアナリティクスでトラッキングするJavaScript命令の基本が_trackPageviewメソッドだ。

_trackPageviewメソッドは、通常は現在のページ情報(表示されたURL)が利用されるが、ここにURL(のディレクトリやファイル名の部分)を指定して実行すると実際のURLの代わりに指定したURLが閲覧ページ名としてレポートに表示されることになる。

仮想ページビューを利用したい場合は、レポートで表示させたい仮想ページの文字列を_trackPageviewで指定するようにカスタマイズする。

具体的に見ていこう。

_trackPageviewメソッドの通常の記述パターンは次のとおりだ。

_gaq.push(['_trackPageview']);

これに対して、実際に閲覧されたページの代わりに、「/click/1.pdf」というPDFを閲覧ページ名としてレポートに表示したい場合は、_trackPageviewメソッドを指定する部分で、カンマに続いて引用符で囲んで「/click/1.pdf」を追記する(赤字部分)。

_gaq.push(['_trackPageview', '/click/1.pdf']);

この例では、赤字部分を追記することで「/click/1.pdf」が1ページビューとカウントされることになる。トラッキングコード全体は、以下のようになる。

<script type="text/javascript">
 var _gaq = _gaq || [];
 _gaq.push(['_setAccount', 'UA-XXXXXXX-Y']);
 _gaq.push(['_trackPageview', '/click/1.pdf']);

 (function() {
  var ga = document.createElement('script'); ga.type = 'text/javascript'; ga.async = true;
  ga.src = ('https:' == document.location.protocol ? 'https://ssl' : 'http://www') + '.google-analytics.com/ga.js';
  var s = document.getElementsByTagName('script')[0]; s.parentNode.insertBefore(ga, s);
 })();
</script>

以下では、(1)同じURLでページ遷移する場合と、(2)PDFファイルをダウンロードするためのクリック行為をページビューとしてカウントするケースの2つの実装例を紹介する。

実装例1:同じURLでページ遷移するケース

先にも言及したが、カート投入から購入完了ページまでの間でURLが変わらない場合がある。たとえば、URLが次のような対応だったとしよう。

順番ページの内容URL
1カートページ/cart.php
2フォーム入力ページ/cart.php
3入力情報確認ページ/cart.php
4購入完了ページ/thanks.php

この場合は「カートページ」「フォーム入力ページ」「入力情報確認ページ」が同じURLのために区別がつかない(赤字部分)。そこで2番目と3番目のページには次のような仮想ページビューを割り当てて、この3ページを区別できるようにしてみよう。

順番ページの内容URL仮想ページの割り当て
1カートページ/cart.php-
2フォーム入力ページ/cart.php/cartinput1
3入力情報確認ページ/cart.php/cartinput2
4購入完了ページ/thanks.php-

トラッキングコードへの実装例は以下のとおりだ。

「フォーム入力ページ」のトラッキングコードのカスタマイズ

カスタマイズ前 _gaq.push(['_trackPageview']);
カスタマイズ後_gaq.push(['_trackPageview', '/cartinput1']);

通常は「カスタマイズ前」のようにしている部分を、「カスタマイズ後」のように、仮想ページビュー名を入れたトラッキングコードと入れ替える。

入力情報確認ページのトラッキングコードのカスタマイズ

こちらも同様で、下記のように該当部分の記述を変更する。

カスタマイズ前_gaq.push(['_trackPageview']);
カスタマイズ後_gaq.push(['_trackPageview', '/cartinput2']);

これらのカスタマイズをすることで、「フォーム入力ページ」と「入力情報確認ページ」は、それぞれ別のページとしてページビューがカウントされるようになる。

※フォーム入力ページや入力情報確認ページで個別にトラッキングコードを変更できない場合(サイト全体で共通のトラッキングコードが自動的に挿入される場合)は、このカスタマイズはできない。

仮想ページビューを利用したいページでは共通トラッキングを自動挿入しないようにしておいて、ページごとにトラッキングコードを直書きすることも可能だが、将来サイト全体のトラッキングコードを変更する際に(Googleアナリティクスの仕様変更など)、個別に指定したトラッキングコードも変更するのを忘れないように管理することが大切になる。

PDFファイルをダウンロードするケース

HTMLファイルからPDFファイルへ張ってあるリンクをクリックすると、「ファイルとして保存」するように指示されたり、ブラウザ上でそのまま表示されたりする。これらの動作をページビューとしてカウントしたいとしても、PDFファイルにトラッキングコードの実装はできない。

そこで、PDFファイルのダウンロードや表示を、ページビューとしてカウントしたい場合は、PDFファイルへのダウンロードのリンクをクリックした行為をもって、ファイルのダウンロード回数と疑似的にカウントするといった方法を採るのが一般的だ。

具体的には、クリックという行為に対して、「/click/1.pdf」という仮想ページを1ページビューカウントするように設定することになる。

この場合は、ページ自体のトラッキングコードをカスタマイズをするのではなく、HTMLファイルのソースコードにあるPDFファイルへのリンク部分について、赤字部分を追加で記入する。これが必要な実装コードになる。

<a href="http://www.example.com/download/1.pdf" onclick="_gaq.push(['_trackPageview', '/click/1.pdf']);">PDFのダウンロード</a>

リンクをページビューとしてカウントする場合

この方法は、PDFのダウンロードだけでなく、a要素によるリンクのクリックを仮想ページビューとしてカウントする場合にも用いることができる。

たとえば、あるWebページにhttp://www.example.co.jp/toxfusion.htmlという外部ページへのリンクがあったとして、そのリンクのクリックを、/click/toxfusionというページへの仮想ページビューとしてカウントしたい場合は、次のようになる。

<a href="http://www.example.co.jp/toxfusion.html " onclick="_gaq.push(['_trackPageview', '/click/toxfusion']);">PDFのダウンロード&/a>

リンクの<a>タグをカスタマイズして、外部サイトへのリンクのクリックを仮想ページで取得する場合、1つ1つのリンクに対してカスタマイズを施すのが面倒な場合もある。このような場合には前回も触れたが、JavaScriptライブラリのjQueryを利用して効率よく記述するような方法もあるが、ここではそこまでは言及しない。

  • レポートでの見え方とデータの見方の注意点

レポートでの見え方とデータの見方の注意点

トラッキングコードの_trackPageviewメソッドにで仮想ページビューを指定してカスタマイズすると、指定した文字列がURLに相当するものとして、レポートに表示されるようになる。つまり、指定した文字列が「ページ名」となる

実際にどう見えるか、レポートを見てみよう。

図1の例では、外部サイトへのリンクのクリックを仮想ページとして「 /click/ 」ディレクトリのページのように割り当てている場合の表示例だ。_trackPageviewメソッドに指定した引数が、仮想の「ページ名」として表示される(図1黒枠部分)。

図1:バーチャル(仮想)ページビューを使用した「すべてのページ」レポート表示例
図1:バーチャル(仮想)ページビューを使用した「すべてのページ」レポート表示例

仮想ページビューを利用した場合、データの見方には、以下のような点で注意が必要だ。

直帰率への影響

PDFファイルのリンクのクリック数の例や、上記の外部リンクのクリック数を把握するためにバーチャル(仮想)ページビューを利用した場合には、直帰率に影響が出ることに注意しよう。

図1のケースのように外部リンクの計測をした場合なら、どこかのページが閲覧され、その後にクリックして外へ出ていったことになるなので、必ず直前がサイト内のどこかのページの閲覧になる。そのため、「閲覧開始数」はすべてゼロで、直帰率もすべて0%になる(図1赤枠部分)。イベントトラッキングでも同様だが、このケースの場合、外部リンクがクリックされたページの直帰率の解釈に少し修正が必要になる。どういうことか、以下で解説しよう。

  • ケース1:ページA →外部へ(仮想ページビュー計測なし)
  • ケース2:ページA →仮想ページビューで外部リンクのクリックを計測→外部へ

具体的にはケース1ではページAで直帰したことになるので、ページAの直帰が1カウントになる。

一方ケース2では、ユーザーの動きは実質的には同じだが、仮想ページビューでの外部リンク計測が2ページ目の閲覧となるために、ページAの直帰とはカウントされない。

レポート内にあるリンクのエラー

また、実在しないURLを便宜的に付与しているため、URL情報に依存した機能については不具合が起きる。たとえば図1青枠部分のボタンだ。

これらは通常、実際のURLへのリンクボタンになっているが、バーチャル(仮想)ページビューを利用している場合は、実在しないURLへのリンクになってしまうので、当然該当のページに相当するものがなく、そのようなページは存在しないというエラー表示になる

ページ解析での不具合

また[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[すべてのページ]レポートの「ページ解析」タブを表示したレポートも、実際のURLにあるコンテンツをレポート内に読み込むので、実体のないバーチャル(仮想)ページビューを利用している場合は、当然うまくレポートされない。

ページタイトルの不具合

さらに細かい話だが、プライマリディメンションで「ページタイトル」(図1緑枠部分)を選択した場合、先の2つの実装例で紹介したonclickによる手法では、クリックしたリンクがあるページのページタイトルが取得され、これがそのまま利用されるようだ。

当然クリックした行為に対して、何らかのタイトル情報がついているわけではないので、便宜的にクリックした行為が発生した元のページのページタイトルがレポートにも利用されるという仕組みになっているようだ。

onclickを利用した場合に一部計測漏れが発生する問題

クリックの計測データが送信される前にブラウザの表示動作が先に完了することがあり、その場合データが送信されないという問題が起こることがわかっている。回避方法はあるのだが、100%すべてうまくいく方法というのはなかなかない。各種回避方法などについては詳しく解説があるので、こちらを参照してほしい。

筆者が講師の「アクセス解析ゼミナール」が9月に開講されます。丸2日間、アクセス解析について徹底的に学ぶ講座です。お申し込みはこちらからどうぞ。お申し込みはこちらからどうぞ。

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この記事の筆者
ユーザー 衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン) の写真

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
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博報堂、クリエイティブ思考で経営革新・事業革新を行う新会社「HAKUHODO THE DAY」を設立 [ニュース] | Web担当者Forum

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博報堂は、クリエイティブ思考、クリエイティブアウトプットを武器にして経営革新・事業革新を行う新会社「HAKUHODO THE DAY」を設立し、8月1日から営業を開始する、と同日発表した。クライアント企業が広告会社に求める成果が広告コミュニケーションによる課題解決からクライアントの事業の成長そのものへと変化していることを受け、従来型のビジネスコンサル的な効率化を進めるアプローチだけでなく、新しい事業やサービスを生むクリエイティビティが不可欠となっているため、新会社を設立することにした。

HAKUHODO THE DAYは、既存の広告クリエイティブとは違い、クライアントのビジネス成長のブレーンとして、経営課題やマーケティング課題をアイデアで解決し、新たな事業をリードする「リードエージェンシー」を目指す。また、従来型のビジネスコンサルティングや広告ビジネスから、メディア/コンテンツ開発、事業・店舗開発、都市開発など、広告業界や産業の枠を超えたアウトプットを生み、ビジネスを創造していくという。

博報堂
http://www.hakuhodo.co.jp/

HAKUHODO THE DAY
http://h-theday.jp/

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Fringe81、統計物理学によるオンライン広告予算の最適配分サービスを開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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インターネット広告技術開発・コンサルティングのFringe81は、コスト効率をWeb広告全体で最適化する、統計物理学に基づく予算配分アルゴリズムを用いた「ボルツマンウェイト分析 広告予算最適配分サービス」を8月1日より開始する、と同日発表した。オンライン広告は従来、「ディスプレイ広告」と「検索連動型広告」など、広告手法別にコスト効率を最適化していた。Fringe81は、全広告手法を縦断して評価するアルゴリズムを開発し、広告主企業に対し、コスト効率の可視化を図り、パフォーマンスを改善した。

ボルツマンウェイト分析は、「インプレッション」「クリック」「クリックスルーレート」「コンバージョン」などの指標を媒体ごとに調整するのではなく、関連性を考慮して連携をしている媒体、コンテンツ、広告の組み合わせを分析し、判断する。分析にあたり利用したデータは「ディスプレイ広告」の出稿媒体別の出稿結果とリスト、「検索連動型広告」のキーワード別出稿結果とリスト、「ディスプレイ広告」から発生した検索流入データ。データソースに対し、ボルツマンウェイトを採用した分析を行い、分析結果に対しバブルチャートなどに使う二次元マトリクス分析を実施した結果を使用してプログラム/アルゴリズム化を行った。

Fringe81
http://www.fringe81.com/

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