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広告主がホンネで語るソーシャルメディアツール活用の現場、ユニリーバ/コニカミノルタ/サントリーが公開 [Web広告研究会セミナーレポート] | Web担当者Forum

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Web広告研究会セミナーレポート

この記事は、公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会が開催およびレポートしたセミナー記事を、クリエイティブ・コモンズライセンスのもと一部編集して転載したものです。オリジナルの記事はWeb広告研究会のサイトでご覧ください。

さまざまなソーシャルメディア関連ツールが登場するなかで、広告主はどのような視点でツールを選定し、どのように活用しているのだろうか。Web広告研究会4月月例セミナー第三部では、広告主の視点でツール活用についてパネルディスカッションが行われ、課題や導入経緯、現場での活用例などが語られた。

広告主がホンネで語るツール活用の現場

徳力 基彦氏
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社
徳力 基彦氏
山縣亜己氏
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社
山縣 亜己氏
中村俊之氏
コニカミノルタ株式会社
中村 俊之氏
坂井康文氏
サントリーホールディングス株式会社
坂井 康文氏

第三部「広告主はツールをどう考えているの?」では、アジャイルメディア・ネットワークの徳力基彦氏をモデレーターに、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングの山縣亜己氏、コニカミノルタの中村俊之氏、サントリーホールディングスの坂井康文氏がパネラーとして登壇した。まず徳力氏は、ツールの活用状況について各社にたずねる。

ユニリーバの山縣氏は、グローバル企業であるため、世界共通で利用するツールが決められており、ソーシャルメディアツールも本社が決めたものを日本で導入したという。

コニカミノルタの中村氏は、ソーシャルメディアをコミュニケーション手段として活用するための投稿や分析ツールと、大きなデータベースとして捉え活用するための話題抽出・分析ツールを、それぞれ活用し始めている段階だと話す。

サントリーの坂井氏は、複数のソーシャルメディアのアカウントを運用しているが、ツールについてはまだ研究段階であり、ソーシャルリスニングでリスク管理を行うツールは導入しているが、運用効率化や効果測定でツールを活用してみたいと話した。

今回のパネラーは三者三様で、「本社が選んだツールを利用している」ユニリーバ、「ツール活用を広げようとしている」コニカミノルタ、「ツールの活用を検討中の」サントリーという形になっている。徳力氏に「グローバルなツールだと日本語対応などに問題はないのか」と話を振られた山縣氏は、「特定のツールを活用するように指示されるが、早い段階で導入することが多いため、日本語対応が十分でない場合も多い」と、実際の運用経験を話した。

担当者のニーズに合わせるか、将来の統合も見据えて導入するべきか

続いて徳力氏は、第二部で紹介されたツールを次のように分類し、「今回紹介されたツールは、担当者向けのものが多い気はするが、ツールの価値をどのように感じているか」とパネラーにたずねる

ソーシャルメディアツールの分類
  • 「comnico Marketing Suite」(コムニコ)

    Facebookページに特化した分析ツールで運用担当者側のツール。

  • 「BUDDY MEDIA」「HootSuite」(cci)

    2つともグローバルで有名だが、BUDDY MEDIAはキャンペーン管理で、アカウント管理ツールのHootSuiteはユーザー向けから企業向けへと発展している。キャンペーン担当者や運用担当者向けのツール。

  • 「Topic Finder for Advertiser」(博報堂DYメディアパートナーズ)

    マス広告を出している広告主に特化したフルタイム分析ができるツール。

  • 「Adobe Marketing Cloud」(アドビ システムズ)

    トリプルメディアにも対応した総合マーケティングツール。

  • 「social gear」(satisfaction guaranteed)

    オウンドメディアへのリーチを増やすためのソーシャルメディア活用ツール。

  • 「Movable Type」「Lekumo」「Zenback」(シックス・アパート)

    オウンドメディアを構築するためのツール。

山縣氏は「本社から指示されたすべてのツールが日本語にしっかりと対応していれば非常に便利になるはずだが、一部日本語に対応できていないツールもあるので、全体像をつかむためにフリーのツールを使ったり、アナログで対応しなければならず、かえって作業が増えてしまうのが現状」だと話し、担当者向けに優れたツールが提供されているにもかかわらず、日本語対応が問題になり運用面で手間がかかっていることを明かした。

海外本社に報告するレポート作成のためにツールを活用している同社では、数値や指標を合わせるためにもグローバルで同じツールを使う必要があるため、このような苦労が出てくるようだ。特に、リスニングツールなどは、しっかりとした日本語対応がないと使いづらいという。

運営を手助けするようなツールはよく使っている」と話す中村氏は、social gearや投稿管理ツールを使っていることに加え、自社でTwitterのモニタリングと解析を組み合わせたシステムを開発していることを明かした。データ取得は特別な仕組みではないが、解析は市販のツールやアウトソースでは取れないデータを取得するために活用しているという。

リスニングツールを先行して導入している坂井氏に対して、徳力氏は「運用管理に問題を感じていないということか」とたずねる。坂井氏は、大きく3つの問題意識があると、次のように話す。

複数のソーシャルメディアのアカウントがあるため、“ガバナンスも含めた投稿管理と作業効率化”“効果測定を個別または全体のどちらでやるのか”“リスニングをリスク管理または積極的なマーケティングのどちらでやるのか”、と大きく3つの問題意識がある。リスニングを積極的にマーケティングに役立てることは他の部署がやっていて、リスク管理はすでに行っているため、投稿管理と効果測定をどうするかを研究している最中(坂井氏)

会場の受講者に有料の投稿管理ツール、効果測定ツール、リスニングツールを利用しているかというアンケートをとった徳力氏は、「担当者の運用を支援するツールを導入している企業はまだ少ない。人力でやってしまえばツールのコストはかからないため、ツールを導入するというと上司に渋い顔をされるという話はよく聞く。海外では、人件費をちゃんとコストと考えているので、ツールのコストが人件費よりも低ければ受け入れやすい」と話す。

運用支援ツールの導入に上司の理解を得られたか、という質問に対して、中村氏は「ツールを導入することでさまざまな価値のあるデータが出てくることを理解してもらった。人的コストに対する意識もあったので、運用支援ツールについては目的と作業時間の軽減を伝えて理解を得た」と答えている。

一方、坂井氏は「Facebookは予約投稿ができるが、Twitterはできないので必要に応じて投稿管理ツールを入れる方向で考えている」と話すが、個別にツールを入れてよいのか、統合したいときにどうするかといった漠然とした不安もあることを語った。

坂井氏の話を受け、徳力氏は「日本ではサントリーのようなケースが多いと思う。担当者がまずやってみて、問題を感じてからツールを検討し、コニカミノルタのように上司の理解を得られればツールを導入する。一方で、海外ではユニリーバがグローバルでまとめてツールを導入しているように、先にツールを用意するケースが多いように感じる」と山縣氏に話を向ける。

それに対して山縣氏は、「日本のように問題意識を持ってから、どのようなツールがあるかを知るのが正しいように感じる。ツールを使うことありきで渡されても機能を把握することに時間がかかるし、日本で使えるように海外ツールの製造元とやり取りするのにも手間がかかる」と話し、グローバル企業では最初からツールが選定されていてよいと思われがちだが、日本語対応の面で非常に苦労する場合があることを明かした。

統合化が進む海外と個別ニーズに応えてきた日本

続いて、議論はツール導入で何が課題となってどう乗り越えたか、という話題に移る。

坂井氏は「リスニングはリスク管理という目的があったのでコストの問題はなく、必要性で導入できた。投稿管理や効果測定の場合は、ツール導入・運用のコストと時間に対してどのような見返りがあるかがシビアに見られると思う」と話す。また坂井氏は、ツール選びに関しても次のように話している。

まだツール選びの視点が定まっていない状況なので、一概に選べない。企業の状況をヒアリングしてツールの選定をサポートするサービスもあるくらい、企業にとってツール選びは難しいものだと思う。一度選択してしまえば、業務に入り込んで数年使い続けることになるので、金額の大小にかかわらず慎重にならざるを得ない(坂井氏)

中村氏は、「我々はさまざまなツールを使っているが、断片的に目的に合わせてツールを入れていった結果、システム連携ができていないことが現在の悩み」だと、ツールの統合が課題となってきていることを明かす。これに続けて、徳力氏は第一部の講演を振り返り、「海外では買収と統合が進んでいるので、個別のツールを使うよりも、どのブランドのツール群を選ぶかという選択肢になってきている。日本は担当者のニーズに合わせて進化してきている途上なので、確かに横のつながりは弱い印象はある」と話す。

山縣氏は、日本語対応の課題が大きく、特に日本語に対応していると言われたリスニングツールが日本語の意味をまったく理解していなかったという苦労話を明かしてくれた。そのうえで、日本語対応がしっかりしたリスニングツールを探した経験を次のように話す。

どのようなツールがあり、使い勝手がどうなのかというのがわからなかった。情報量が少ないので、ネットで検索したり、研究会などに参加して話を聞き、何社かに問い合わせてみるといった地道な作業が必要となる。そうやって選んだツールも、社内での説明会などを行った後に使い勝手の悪さや不具合が見つかり、大変な苦労をしながら新たなツールに変えなければならなくなった。最終的には代理店のコンサルを受けて、どのような企業でどのようにツールが活用されているかを教えてもらい、現在のツールに落ち着いた(山縣氏)

徳力氏は、「将来のイメージを描いてシステムを導入しないと後で困ることになるが、今のところ将来のイメージもわからず、買収の方向性もよくわからないので、担当者が一番便利なツールを入れてしまっているというのが一番の課題」だとまとめる。

リスニングツールは使い勝手を実感しやすい

次に徳力氏は、「とはいえ、実際にツールを試してみるというのは必要だと思う。これからツールを使ってみようと考えている人に、どの領域から始めるのがよいなど、失敗談や経験談から話せるヒントはあるか」と3人にたずねる。これについては、まず坂井氏が次のように答える。

リスニングは比較的独立して考えられるので、先に導入してリスク管理したり、マーケティングに利用して社内へのフィードバックが行えると思う。投稿管理と効果測定はひとまとめで考えたいが、ソーシャルに関る社員が増えてきて複数人で投稿するようになっているので、ガバナンスも含めてすぐに導入を進めなければと考えている(坂井氏)

中村氏も「リスニングは比較的導入しやすい」と話す。ソーシャルリスニングから得られた情報が他部署で価値があることも多いので、積極的に共有して理解を得られれば、導入のしやすさにつながると説明する中村氏は、「ソーシャルメディアを運用しているとさまざまな部署と連携する必要があるので、他の部署の理解を得られることは非常に活きてくる」と話す。また、効果測定ツールについても、導入することで作業負荷が減り、非常に助かっていることを明かした。

各社の話を受けて、徳力氏は次のように話す。

ソーシャルメディアの担当者は、せっかくさまざまな分析をしているのに自分たちだけで使い、自分たちのコストにしてしまっている。会社によって事情は異なるが、他の部署に情報を回すことによって、コスト負担も分担できるようにするという考え方もおもしろいと思う(徳力氏)

また山縣氏は、試行錯誤を行いながらツールの活用法を見つけてきたことを、次のように明かした。

リスニングツールは、少しだけでもやってみれば、どの程度何に使えるかが見えてくる。業界や企業規模、担当者の数などで、ツールの使い方はまったく違ってくると思う。ユニリーバの場合は日用品を扱っているので、製品についての熱い発言が頻繁にソーシャルに書き込まれることは少ない。したがって、我々は中身の情報を分析するよりも、割り切って量などの測定にリスニングツールを使っており、CMの投下量や新商品発売時のバズなどを測るときに活用している(山縣氏)

三者三様の広告主の立場から、ソーシャルメディアツールの選定や導入、活用の現場などの貴重な経験が明かされた本セミナー。徳力氏は、最後にツール導入の順番とポイントを以下のようにまとめて、パネルディスカッションをまとめた。

  • リスニング(傾聴)は、ツールを使った方がやりやすい
  • 投稿管理ツールは、複数の投稿者となったときにリスク管理の手段として利用開始する
  • 効果測定ツールは、より深く見るために導入したほうがよいが、投資するかどうかはビジネス上の成果が出ているかどうかによる
この記事は、2013年4月23日に開催されたWeb広告研究会月例セミナーのレポート後編です。→前編を読む

オリジナル記事はこちら:「広告主がホンネで語るソーシャルメディアツール活用の現場、ユニリーバ/コニカミノルタ/サントリーが公開」2013年4月23日開催 月例セミナーレポート(3)

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※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:広告主がホンネで語るソーシャルメディアツール活用の現場、ユニリーバ/コニカミノルタ/サントリーが公開 [Web広告研究会セミナーレポート] | Web担当者Forum
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しょこたんはSEOの達人だった? 検索に強いしょこたんぶろぐをデータで調べてみた(追記修正あり) [編集長ブログ―安田英久] | Web担当者Forum

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しょこたん(中川翔子さん、@shoko55mmts)のブログは、ロングテールSEOを実践しているのではないか。「検索するとしょこたんの画像が出てくる生物たち」というtogetterを見てそんな風に思い、データで調べてみました。

結論からいうと、しょこたんは、ロングテールSEOに向いたブログの書き方をしているブロガーさんでした※追記参照。さすが芸能人ブログ最初期から続けているだけのことはありますね。

※2013-07-16 19:00追記&全体修正のお知らせ

しょこたんブログの各記事のタイトルは、その記事の中身と関係ない単語ですよ

という指摘があり、確認してみたところ、確かにユニークなタイトルの記事ではそういう状態でした(もちろん、タイトルと中身が合っている記事もたくさんありますが)。

各ブログ記事の中身まで読み込んでいなかったため、気づいていませんでした。失礼いたしました。

そのため、記事全体の論旨が少し変わってしまいます。

「しょこたんブログはコンテンツと関係のないタイトル付けをしているのでそのまま真似はできないけれども、そうではない自然な形でキーワードのバリエーションを広げる工夫をすると、ロングテールSEOに良いですよ」

といった記事だととらえて頂ければと。この記事の本文に関しても、追記した部分以外にも、一部その論旨にのっとって修正いたしました(この下線が付いているスタイルが修正部分です)。

まさかの内容と無関係のタイトル付け、気づかずで失礼いたしました。

しょこたんブログをヒントに、ロングテールSEOのポイントを挙げると、以下の2点があります。

  • 商材に直接関係するキーワード以外もうまくコンテンツ織り込むこと
  • 記事数を増やすだけでなく、サイト全体で語彙のバリエーションを増やす(特にタイトル)
検索するとしょこたんの画像が出てくる生物たち

週末にこんなTwitterまとめが注目を集めていました。

  • 検索するとしょこたんの画像が出てくる生物たち
    http://togetter.com/li/532406
    ※リンク先は昆虫とかいろんな写真があるので、苦手な人は注意

さまざまな生き物の名前で画像検索をすると、しょこたんの写真が出てくるというもの。

たとえば、「アルビノスッポン」「ニチリンヒトデ」「ギガントキプリス」「スカシカシパン」「ウルトラブンブク」「タコノマクラ」などなど……。

それがどんな生き物なのか想像できないものばかりですが、たしかにいろんな検索キーワードで画像検索したときに、しょこたんの写真がヒットしています。

ポイント1:商材に直接関係するキーワード以外もうまくコンテンツ織り込むこと

このまとめを見て「ロングテールSEOっぽいな」と感じたのは、素直に「ブログを書く」と考えているだけでは出てこないキーワードがいろいろあったからです。

そもそも「ロングテールSEO」とは何かというと、SEOでどんなキーワードをどうやって狙うのかの考え方。

昔からあるSEOは、たとえば「FX」や「生命保険」のような検索数が多い「ビッグキーワード」でトップページを検索1位にするという方向のもの。競合も多く、「勝つか負けるか」の戦略ですね。

それに対して、検索数はそんなに多くなくてもビジネスにつながる可能性のあるキーワードでの検索を、さまざまなコンテンツページで獲得していくようにするという、多様なキーワードが対象となるようにするのがロングテールSEO。

商材そのもののキーワード(商品名とか商品ジャンル)だけでなく、商材に結びつくニーズや悩みのキーワードや、さらにそのニーズや悩みに関連する周辺キーワードでの検索で、うまくコンテンツページがヒットするようにコンテンツを作っていくわけですね。

ロングテールSEO

そういう意味では、しょこたんの周辺語彙混ぜ込み力はスゴイな、と……。

もちろん、企業だと「アルビノスッポン」の記事を書いてもコンバージョンさせるのは難しいですが……。

※2013-07-16 19:00追記 記事冒頭の追記を参照。周辺語彙は自然にコンテンツに含まれるようにしましょう。

ポイント2:記事数を増やすだけでなく、サイト全体で語彙のバリエーションを増やす(特にタイトル)

で、思うだけでは何なので、実際に他のブログと比べてどうなのか、データで見てみましょう。

  • しょこたんブログ
  • 他の芸能人ブログ
  • 他の政治家ブログ
  • Web担の記事

からランダムに抽出した一定数の記事あたりの一意な単語数(単語バリエーション数)を調べてみました。

さて、結果は……

900記事あたりのユニーク(一意の)単語数
 タイトル本文
しょこたんブログ4413077
他の芸能人のブログA3233105
他の政治家のブログ4944574
Web担の記事121810099
※単語数の調査にはmecabを使った形態素解析を使い、Wikipediaや顔文字のデータを辞書に含めています。調査対象はブログ本文部分とし、検索キーワードに関係のない単語をできるだけ除外するために、3文字以下の単語は除外しています。

1ブログが数行の場合もそれなりに多いしょこたんブログですから本文の単語数はそんなに多くないですが、タイトルの単語バリエーション数は、他の芸能人ブログ(それなりに有名な人)よりも多く、多様なトピックを扱う市議さんのブログに迫る勢いです(Web担は記事もタイトルも長いので、やはり単語数が多くなります)。

この傾向は、サンプリングする記事数が増えれば増えるほど際だってきます。

つまり、しょこたんブログは単に記事数が多いだけでなく、その記事数に見合ったトピックのバリエーションがあるということです(当初思ったほど突出していたわけではなく、それなりに、ですが)。

※2013-07-16 19:00追記 記事冒頭の追記を参照。タイトルの単語バリエーションが多いのは、本文と関係のない単語を混ぜ込んでいたからでした。

やはり、本人の興味が多岐にわたっていることが関係しているのでしょうか。

実際に目視でレビューしていても、しょこたんブログは各記事のタイトルにユニークな(一意の)単語が含まれていることが多い印象があります。「●月●日」や「ありがとう」などの薬にも毒にもならないタイトルではなく、冒頭のtogetterに出ているような「それは何を意味するの?」というタイトルのブログ記事が数多く見られるのです。

やはりSEOではタイトルは命ですからねー。

◇◇◇

もちろんSEOという意味での強さでは、しょこたんという知名度があり、amebloというプラットフォームを使っているからこそできていることもあるでしょう。

しかし、この記事で示したようなしょこたんのロングテールSEO術は、ある側面からは参考になる部分があるのではないでしょうか。

とはいえ……しょこたんのブログで一番強い点は、長い間、本人が楽しんでコンテンツを出し続けてきた蓄積なんですよね……。

この記事の筆者
ユーザー 安田英久(Web担 編集長) の写真

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

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高度IT人材「データサイエンティスト」を支援する「データサイエンティスト協会」が発足 [ニュース] | Web担当者Forum

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「一般社団法人データサイエンティスト協会」は、高度なIT人材「データサイエンティスト(分析人材)」を支援する団体として、協会の発足を7月16日発表した。協会ではデータサイエンティストに必要なスキル、知識を定義し、育成のカリキュラム作成、評価制度の構築など、人材の育成と業界の発展への貢献、啓蒙活動などを行う。ビッグデータからビジネスに活用する知見を引き出す人材としてデータサイエンティストに注目が集まっている。新しい職業のため明確な定義がなく、対応領域も広いことから、協会を発足することにした。

データサイエンティスト協会では発足にあたり、ソーシャルメディア上に協会設立準備ページを設置。参画者による意見交換や有識者・学識経験者へのヒアリングを重ねてきた。議論を受け、2013年からは「データサイエンティストに関する人物像・スキルの定義」「エントリレベルのカリキュラムの策定」「研究成果の公開」「データサイエンティスト同士の交流、意見集約を行う場としてシンポジウム等を開催」を、2014年からは「ミドルレベルのカリキュラムの提供開始」「スキル標準と他関連資格との連携マップの作成」などの活動を行っていくという。

データサイエンティスト協会
http://www.datascientist.or.jp/

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cci、セールスフォース・ドットコムの「Salesforce Marketing Cloud Social Insights Ecosystem」に参画 [ニュース] | Web担当者Forum

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インターネット広告のサイバー・コミュニケーションズ(cci)は、マーケティング活動におけるソーシャルメディアデータの分析ニーズに応えるため、クラウドサービスの米国セールスフォース・ドットコムのサービスと連携してソーシャルメディア分析サービスを提供するネットワーク「Salesforce Marketing Cloud Social Insights Ecosystem」に参画し、日本語の自然言語意味理解技術を用いた感性分析技術の提供を開始する、と7月16日発表した。cciのソーシャルメディア分析サービスの技術を応用し、セールスフォース・ドットコムのネットワークを通じて提供する。

cciの参画により、Salesforce Marketing Cloud Social Insights Ecosystemでは、cciの自然言語意味理解技術により、ソーシャルメディアデータから感性情報(3段階48種類)や話題情報(感性関係語)、感性表現情報などを抽出し、自社製品に対する購買意向や、ブランドに関する生活者の意図や意思を的確に把握することが可能になるという。また、単語の出現数などの統計的分析では把握しきれなかった「生活者が何について、どう感じているか」について、より深い分析が可能になる。

サイバー・コミュニケーションズ
http://www.cci.co.jp/

セールスフォース・ドットコム
http://www.salesforce.com/jp/

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電通とカタリナ、実購買データなどを活用したマーケティング・スキームを共同で開発 [ニュース] | Web担当者Forum

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電通とターゲットマーケティングのカタリナ マーケティング ジャパンは、実購買データなどから得る情報を活用し、企業のマーケティング活動を刷新するマーケティング・スキームを共同で開発した、と7月12日発表した。両社はマーケティングソリューションサービスで協業し、7月16日から顧客企業向けに提供していく。買い物客の購買行動を理解し、店頭での購買意識を高めて購買にいたるプロセスの強化「ショッパーマーケティング」への対応ニーズが高まったことからスキームを開発した。

両社は今後「個人の購買行動に基づいたマーケティング・コミュニケーション戦略の設計」「売上効果の高い広告・店頭販促活動の開発やO2O領域のプロモーションの実施」「購買起点の消費行動分析を活用した、継続的で精度の高い効果検証」など、一連のサービスを提供するほか、アジアを中心とした海外においても同様のマーケティング・スキームを共同で開発し、提供していくという。

電通
http://www.dentsu.co.jp/

カタリナ マーケティング ジャパン
http://www.catmktg.co.jp/

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選んだアスリート選手に購入金額の10%ほどが支援されるEC「athlete support.jp」登場 [日本ネット経済新聞ダイジェスト] | Web担当者Forum

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アスリートサポート(本社東京都、横原義人社長)は6月7日、アスリートへの支援を目的とした、スポーツ関連商品のECサイト「athlete support.jp(アスリートサポートドットジェーピー)」を開設した。商品を購入する際に、登録されているアスリートを選ぶと、その選手に売り上げの一部(10%程度)が支援金として提供される。

ECサイトを開設した理由について、横原社長は「日本では、トップ選手以外のほとんどのアスリートが、アルバイトをしながらの選手生活を余儀なくされるなど競技に集中できない環境にいる。少しでも支援金を提供し、その分競技に集中してもらうことで、レベルの向上につなげることができると考えている」と話している。

登録しているアスリートには、フェイスブックなどのSNSをできる限り更新するように求めている。これは「アスリート自身が積極的に行動することで、自分自身とスポーツのファンを増やし、そこからスポンサーを見つけることができれば」(同)と考えているからだ。今後については、「取り扱う商品と登録選手を増やし、スポーツの発展に少しでも貢献していきたい」(同)と言う。

・athlete support.jp(アスリートサポート)
http://www.athlete-support.jp/

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをWeb担当者Forum編集部が追加している場合もあります。
※見出しはWeb担当者Forum編集部が編集している場合もあります。
※週刊『日流eコマース』は、2011年6月23日より『日本ネット経済新聞』へとリニューアルしました。

この記事の筆者

「日本ネット経済新聞」は、インターネットビジネスに関連する宅配(オフィス配)のニュース情報紙です。日々変化するネット業界の情報をわかりやすく詳しく伝え、新しいビジネスヒントを提供していきます。前身のネット通販専門紙「週刊日流eコマース」(2007年1月創刊)の取材活動で培ってきた情報ネットワークをさらに拡大し発展させています。

このコーナーでは、日本ネット経済新聞編集部の協力により、毎号からピックアップしたEC関連のニュースや記事などをお届けしていきます。

→日本ネット経済新聞についてもっと詳しく知りたい

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あまちゃんから学ぶ共感力。語るべきはガンダムでも斉藤由貴でもない [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum

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Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の319

あまちゃんに支配される1週間

いわゆる「オヤジ週刊誌」でも特集が組まれるほど大人気、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」。オヤジの私もハマっています。朝昼2回に加えて、日曜日のダイジェスト版まで見ており、あまちゃんに支配された1週間を過ごしております。もちろん、人気はオジサンだけのものではなく、共感する仕掛けが随所に詰め込まれているのも大きな理由ではないでしょうか。

共感とは視聴者や読者の心を掴むための必要条件。今回は簡単に共感を得る方法を「あまちゃん」から学びます。メルマガ、ブログ、コンテンツのすべてで通じる方法です。

脚本家の狙い

物語の主人公は17才の女子高生。母の実家を訪ねたことから海女となり、ご当地アイドルを経て、本物のアイドルの階段を駆け上がるなかで大震災がやってくる……のは、今後の予定も含めた「あまちゃん」のあらすじで、本稿執筆時はドラマ内のアイドルグループ「GMT47」の序列を決める「国民投票前夜」です。

「アイドル物語」にまったく興味のなかった私がチャンネルを合わせた理由は「キョンキョン」です。脚本を手がけるのは、いわずとしれた人気脚本家の宮藤官九郎氏。彼とわたしは同学年。「アイドル」が「虚像」と呼ばれはじめた時代に「わたしはアイドル」と歌いきったキョンキョンが、アイドルを目指す主人公の母親役。このシニカルな仕掛けにやられます。

母親の青春時代であった1980年代の「思い出話」が物語のバックボーンとなり、それだけで共感してしまうのです。

“一番好き”は捨てる

簡単に共感を得る方法とは思い出話です。共感とは互いに理解できる価値観のことで、ドラマなら脚本家と視聴者、コンテンツなら著者と読者が理解できる思い出話を用意するのです。

しかし、一番好きなもの、ハマった記憶は避けるのが無難です。どちらも思い入れが強すぎで、空回りするからです。冷静に書いているつもりでも、論点がずれて暴走してしまうのです。「あまちゃん」にはトシちゃんやチェッカーズといった当時のアイドルが、何人も実名で登場しますが、脚本家の宮藤官九郎氏が一番好きだったアイドルは「斉藤由貴」。しかし、作品のなかでは余談的に登場するだけに留めています。奇遇ながら私も斉藤由貴さんのファンです。今でも。

すべてが共通とは限らない

私が斉藤由貴さんの存在を知ったのは、「青春という名のラーメン」がキャッチコピーのインスタントラーメンのCMで、ブラウン管の向こう側から呼びかける声に時間が止まったことを鮮烈に覚えています。

今のようにインターネットがあるわけではありません。明星、平凡といったアイドル雑誌を追い掛け、古本屋で彼女が登場したグラビア雑誌を買い漁り、そういえば「あまちゃん」でキョンキョンの旦那(劇中離婚し、元旦那となる)を演じる尾美としのりさんは、彼女の主演映画『雪の断章』と同時上映された『姉妹坂』に出演していたなあ……と。このように一番好きなものを語り始めると、読者にとってはどうでもよいトリビアを紹介してしまうものだからです。それは第三者の目で見ると、ほぼ100%「蛇足」です。

ハマった記憶も同じです。たとえば、アラフォー男子にとって「ガンダム」は共通体験ではあります。しかし、だれもがそのままズブズブとはまったわけではありません。

リアルタイムが当たり前の時代

小学生から中学生に進むと、日向小次郎のタイガーシュートの再現を試みていた同級生はサッカー部に入り、おもに夕方から放送されていたロボットアニメを見ている暇がなくなりました。ハードディスクレコーダーどころか、ビデオデッキも普及していない時代、アニメは自宅でリアルタイムに見るものだったのです。

80年代の小学生も今や30過ぎのオヤジ世代、テレビの視聴形態は大きく変わったことでしょう。こうした当時を振り返るのも共通体験です。

ポイントは対比

ロボットアニメが全盛期を迎えていたころ、パソコンの前史時代である「マイコン」が登場しブームになっております。経済評論家の勝間和代氏は、当時このマイコンを買い与えられており、ITコンサルタントの梅田望夫氏は、すでに大学にあったパンチレコーダー式のコンピュータを使っていたと著書に記しています。

当時は、コンピュータに熱中した一般人がはじめて登場した時代です。私の近所に話を戻すと、とっぽい連中はヒロシとトオルに憧れ、ベストヒットUSAで洋楽に目覚めた連中もいました。同じ時代といっても、ガンダムだけではなく「キャプテン翼」から「PC6001-mk2(マイコンの機種名)」まで幅広く、ハマっていたものが存在するのです。すなわち、1つのことに熱中し過ぎていた時期の記憶は、同世代とずれていることがあるのです。

さて、お気づきでしょうか。共感を得るコツとは斉藤由貴を控え、ガンダムに口を閉ざすことではありません。もちろんだらだらと思い出話を語ることでもありません。

現在との対比

を織りこむことです。斉藤由貴では「インターネットがなかった時代」。ガンダムでは「アニメはリアルタイムでみた時代」という、対比によって同世代の共感を得ることを試みているのです。そしてもう1つ。ずるいといわれる共感を呼ぶための方法をネタばらし。

人気作品に便乗

これだけで「共感指数」が高いのです。本稿においてそれは斉藤由貴……ではなく「あまちゃん」です。

今回のポイント

対比により当時を再現する技術

思い出話は共感を呼ぶキラーコンテンツ

この記事の筆者
ユーザー 宮脇睦(有限会社アズモード) の写真

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『完全! ネット選挙マニュアル』(Kindle版)、『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、冷静な視点からのIT業界分析に「週刊ポスト」など、様々な媒体から情報発信を続ける。

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オリジナル記事:あまちゃんから学ぶ共感力。語るべきはガンダムでも斉藤由貴でもない [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum
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初音ミクとコラボのドミノ・ピザが「第12回モバイル広告大賞」グランプリ受賞、目標5倍のヒット企画の裏側 [イベント・セミナー] | Web担当者Forum

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D2C主催のモバイル広告賞「第12回モバイル広告大賞」の贈賞式が7月11日に都内会場で開催された。6月に発表された通り、本年度のグランプリおよび各部門賞は12企業14作品から選出、8名の審査委員による選考の結果、グランプリはドミノ・ピザ ジャパンが配信するiPhoneアプリ「Domino's App feat. 初音ミク」に決定した。

ドミノ・ピザ ジャパンは、2011年の第10回モバイル広告大賞のアプリケーション部門でも「Domino's App」で優秀賞を受賞。アプリ限定クーポンのほか、スマホのGPSを利用して配達先を指定できる機能などが話題を呼んだ。

第12回モバイル広告大賞の受賞者

売上の50%がオンライン経由、キャンペーンではニュース作りを意識

株式会社ドミノ・ピザ ジャパン
執行役員
マーケティング部長
池田健二氏

贈賞式では、グランプリ受賞を記念したドミノ・ピザ ジャパン 執行役員 マーケティング部長 池田健二氏による基調講演「『ニュース作り』を意識したドミノ・ピザのトータルマーケティング」が行われた。同社ではどのようにマーケティング施策を考えているのか、初音ミクとのコラボ事例を中心に語られた。

ドミノ・ピザ ジャパンがオンライン受注を開始したのは2004年のこと。売上は少しずつ増え、今では売上の50%をオンライン注文が占め、「ネットでもピザを頼める会社から、ネットでピザを頼める会社に大きく転換している」という。また、特にスマホからの注文が伸びている状況で、1年間でスマホの注文構成比が16%(2012年3月)から28%(2013年3月)へと伸びている。

オンラインではスマホはもちろんタブレットにも対応している。各チャネルでは、ニーズに合わせたものを入れて、デバイスを使う人がどうしたら便利になるか考えている。また、それぞれのデバイスにしかない特徴があるはずなので、スマホならスマホでしかできないようなことを必ず入れるようにしている。

モバイルのなかでもスマホが一番伸びているのが今の状況。それを伸ばすため、純広告やアドネットワークもやっているが、特に力を入れているのが、おバカなクーポンなどを作って話題を取っていくこと。広告を作るのではなく、話題作りを意識している

ドミノ・ピザ ジャパンといえば、2012年のインコ割やヒゲ割といったアメージング・クーポン・フェスティバル(Web坦インタビュー「ドミノ・ピザのぶっ飛んだキャンペーンの裏側」)のほか、最近はダジャレマーケティングに取り組むなど、一風変わった企画を打ち出しているが、こうした企画では、ニュース作りを意識しているという。

Facebookで実施した世界最速のタイムセールもニュース作りを意識した企画の1つ。応募チャンスを0.1秒とあえて難しくすることで、獲得するまでの過程をおもしろくし、Facebook上で話題を生むのが狙いだ。「Facebookでは簡単に取れてしまうとつまらない。0.1秒まで入れたのがみそ、難しくしたのが一番の重要だったのではないかと思っている」と池田氏は話す。

Facebookのファン数はキャンペーンのたびに増加し、1年間で2.5倍に

愛がなければ伝わらない、初音ミクとのコラボで得た経験

初音ミクとのコラボも話題作りを意識した企画だが、そもそもの背景には若者のシェア拡大が狙いにあった。宅配ピザ市場にいち早く登場したためか、同社のユーザー層の年齢は競合と比較して高かったのだ。そこで考えたのが、若者に人気のある初音ミクに助けてもらおうというものだったのだが、クリプトン・フューチャー・メディアに依頼したところ、断られてしまったという。

我々は単純なので初音ミクに頼もうと考えたが、ただのキャラクターではないと言われた。初音ミクは音声合成ソフトであり、音楽を作ることが重要なキャラクター。それを忘れて、単に箱を作って売ってしまえばいいというように、よく理解しないままお願いしに行っていた。

企画は一度断念することになったが、ここで終わらなかった。企業側の目線で売ることばかりを考えていたと気づき、ならば自分たちで創作してみようと考えたのだ。マーケティング部門は10数名の部署なので、約5000人のアルバイトからメンバーを募り、本気でボーカロイドのPV作りを始めた。3つの選抜チームから3曲を発表し、この創作活動はネット上で少しずつ話題になり、ニュースの流れが作られていく。結果としてドミノ・ピザ ジャパンの熱意が伝わり、コラボが実現することになった。

初音ミクとのコラボアプリを3月にリリースすると、テレビやニュースサイトで話題になり、広告ではないニュース作りが実現されていった。キャンペーン開始から1か月で目標5倍の5万オーダーを達成。ただし、予想の5倍以上の注文が入り、特製ピザボックスはキャンペーン開始5日で品薄の状態になってしまったという。「Domino's App feat. 初音ミク」のアプリは1か月で6万ダウンロード、YouTubeのアプリ紹介動画は70万回再生されている(2013年6月25日時点)。

初音ミクの経験からわかったのは、“企画に愛がなければ伝わらない”ということ。企業側からすると、まず何を売るかと考えるが、ドミノが一緒にやるなら何がおもしろいかを考えること、周辺にそのキャラクターを愛している人がいることが重要。

まず売上を上げる、ではファンからするとおもしろくない。相手を知ってどこまで楽しめるか、まず自分が一番楽しむことが重要。そのうえで、どうやって売上を上げるか考える

基調講演の最後、ドミノ・ピザは、「おいしいだけじゃなく、新しいことがあるというのを目指してやっていきたい」と池田氏は語り、初音ミクとのコラボ第二弾を実施することを発表した(7月16日開始)。第一弾で得たユーザーの声を取り入れた新機能を追加、配達用の痛バイク2号機も稼働する。

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Movable Typeのユーザーが北海道に集う「MTDDC Meetup HOKKAIDO 2013」札幌で10/5開催 [ニュース] | Web担当者Forum

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北海道内で活躍するMovable Type(MT)のユーザーが集うカンファレンス「MTDDC Meetup HOKKAIDO 2013 Get Restarted with “Movable Type”!」が、北海道札幌市で10月5日に開催される。主催はMTDDC Meetup 北海道実行委員会、協力にMT開発元のシックス・アパート。

MTDDC Meetup HOKKAIDO 2013は、Movable Typeを活用する開発者やWebデザイナー、Webサイト制作会社などと、興味関心はあるが触れたことのない開発者やWebデザイナー、IT/Webに関連する企業や一般企業Web担当者の結びつきを強め、新たな情報交換や交流の場を提供するカンファレンス。北海道の地からMovable Typeの特徴を活かした、IT/Web施策を発信していきたいというコンセプトのもと開催され、Movable Type界のトップリーダーが講演する。

カンファレンスでは、開発元であるシックス・アパートの執行役員CTO 平田大治氏によるキーノートや、リードエンジニア 高山裕司氏によるセッションを始め、サードパーティ製プラグインの開発者、MT関連書籍の著者など、業界を代表する第一人者が登壇。その他ゲストも予定しており、登壇者や講演内容は公式サイトで随時発表していく。

カンファレンスの参加費は、一般1,000円、学生500円。セッション後の懇親会(有料)も予定している。

  • 日時:10月5日(土)12:30~18:30
  • 場所:北農健保会館(札幌市中央区北4条西7丁目1-4 札幌駅から徒歩10分)
  • 対象:IT/Web関連企業、Webデザイナー、プログラマー、フロントエンドエンジニア、学生等
  • 主催:MTDDC Meetup 北海道実行委員会
  • 協力:シックス・アパート株式会社
  • 参加費:一般:1,000円(1名)、学生:500円(1名)
  • 定員:100名
  • 詳細・申し込み:http://mtddc2013.mt-ezo.net/

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さくらインターネット、「さくらのレンタルサーバ」「さくらのメールボックス」のディスク容量を増量 [ニュース] | Web担当者Forum

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インターネットデータセンター事業のさくらインターネットは、同社のサービス「さくらのレンタルサーバ」と「さくらのメールボックス」のディスク容量を7月17日から増量する、と7月10日発表した。増量は料金据え置きで、ディスク容量を最大3倍にスペックアップする。

さくらのレンタルサーバは「ライト」が5GBから10GBに、「スタンダード」が30GBから100GBに、「プレミアム」が60GBから200GBに、「ビジネス」が100GBから300GBに、「ビジネスプロ」が200GBから500GBに増量。さくらのメールボックスは容量が従来の5GBから10GBに増量となる。

さくらインターネット
http://www.sakura.ad.jp/

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リンクとエーティーワークス、ホスティングサービス「at+link」のサポートレベルを引き上げ [ニュース] | Web担当者Forum

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ネット関連サービスのリンクとサーバー機器のエーティーワークスは、共同で展開するホスティングサービス「at+link(エーティーリンク)」の「at+link専用サーバサービス」や、インフラをインターネット上のサービスとして利用するパブリック型IaaSの「at+linkクラウド」で提供している「プレミアム監視」での標準監視間隔を15分から5分に変更し、7月17日から提供する、と同日発表した。

at+linkではユーザーのネットワークやサーバーへの応答状況を確認する「死活監視」とCPUの温度、システム温度、CPUのファン回転数などを監視する「ハードウェアモニタリングシステム」を標準提供。また、死活監視だけでは対応できないプロセスやリソースなどを監視するオプションサービスとしてプレミアム監視をオプション提供している。プレミアム監視の標準監視間隔を5分にすることで、より安定した運用環境を提供することが可能になるという。

リンク
http://www.link.co.jp/

エーティーワークス
http://www.atworks.co.jp/

at+link
http://www.at-link.ad.jp/

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アイレップ、マイクロアドの日本製DSP「MicroAd BLADE」で初の推奨代理店に認定 [ニュース] | Web担当者Forum

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検索エンジンマーケティングのアイレップは、広告配信事業のマイクロアドが提供するDSP(広告配信の最適化と効果検証を一元管理するプラットフォーム)「MicroAd BLADE」の推奨代理店制度において、初の認定を受けた、と7月17日発表した。推奨代理店制度は、MicroAd BLADEを取り扱う広告代理店のうち、マイクロアドが定める条件を満たし、サービス知識に長け、運用が優れている広告代理店を公式に認定する。

MicroAd BLADEは、広告主のROI(投資収益率)最大化を目的としたディスプレイ広告の出稿・管理を行う国内最大規模のプラットフォーム。推奨代理店制度は7月3日に始まり、過去半年間で30件以上の広告主に対する運用実績があり、運用している広告主の半数以上がCPA(顧客獲得単価)目標を達成することが条件となる。今回はアイレップのほか、オプト、オリコム、サイバーエージェント、電通、トランスコスモス、マイクロアドプラス、ユナイテッドなどが推奨代理店となった。

アイレップ
http://www.irep.co.jp/

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CV数を最大化する顧客視点の流入経路の評価方法、LTVアップに欠かせない顧客軸の視点/第3回 [売上向上のためのCRMデータ活用のコツ] | Web担当者Forum

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「顧客軸」視点の指標を見ているか

目標だった1000件のCV数を無事達成した。獲得単価や広告費の回収率も問題ない。この調子なら、来月以降も右肩上がりで目標を達成していけるはずだ。

売上向上のためにCV(コンバージョン)数を獲得することは、Webマーケティング担当者にとって最大の関心事であると思う。そのために、効果的な流入経路を見つけようと、CV数、CVR、CPA、ROASなどの指標をチェックされていると思う。しかし、これらの「施策軸」視点の検証だけでは、より多くCV数を獲得できるはずの方法を見逃し、効率の悪いコスト配分の判断をしてしまっている可能性がある。短期的には成果を上げていても、後々の業績に重くのしかかってくることもあるのだ。

獲得した顧客を定着させること(リピーターの獲得)は商売の基本中の基本であるが、前述の指標だけでは、その顧客の定着状況という「顧客軸」の視点が抜けているのだ。

獲得顧客の定着率は次月の獲得CV数に大きく影響する。最も効果的な流入経路を見出すためには、必ず確認しなければならないポイントだ。そこで今回は、CV数を増やすためにチェックすべき「顧客軸」視点の指標と、それを算出するためのデータ活用方法を紹介する。

CV数を最大化する方法として、また前回紹介した正しい顧客管理の活用方法の1つとしても、参考にしてもらいたい。

コンバージョンの内訳から落とし穴に気づく

たとえば、今月の目標である100件のCVを獲得し、CPAやROASの費用対効果も悪くない結果が出ているとしよう。しかし、これだけでは大きな落とし穴があることに気づいていない場合がある。本当にすべてが順調に進んでいるかどうか、その100件について「顧客軸」でもう少し検証すべきだ。当然のことではあるが、「100件のCVには初回客もいれば、2回目客もいる」のだ。

たとえば、同じ100件のCVでも、次のように内訳によって意味合いが大きく異なるが、売上やCV数だけを指標としていては気づきにくい。

  1. 新規顧客:100人 リピーター:0人
  2. 新規顧客:20人 リピーター:80人

そして、この100件の内訳には、前月の獲得客(リピーターの割合)が定着しているかという結果も反映されている。継続的に売上を伸ばしていくためには、獲得した顧客が翌月以降に定着していくかどうかが非常に重要だ。

1回購入して終わりという一見客ばかりで顧客が定着しない店は、いつまでたっても売上が安定せず、顧客獲得コストがかかり続けるという苦しい状況が続く。一方、固定客が定着する店は、安定して売上が見込め、その上に新規顧客を積み増していくことができるため、効率よく売上を伸ばしていくことができる。

たとえ、事業立ち上げの時期で新規顧客の獲得に集中している状況だとしても、リピーターの割合があまりに少なければ要注意だ。マーケティングの世界では、新規顧客への販売コストは既存顧客の5倍という「1:5の法則」があるが、リピーターの割合が少ない状況は、いつまでたっても顧客獲得コストの負担が大きくかかり、CV数を積み増していくことができない負のスパイラルに陥る可能性を示している。

顧客定着のCV数へのインパクト

定着率が売上にどのように影響するか、具体的に考えてみよう。流入経路AとBがあり、同じ広告コストを投資した場合の月間新規獲得(顧客)CV数は、Aは1,000件、Bは800件の実績があるとする。これだけの情報では、より投資対効果の高い流入経路Aを選択することになる。

-月間新規獲得CV数
流入経路A1,000件
流入経路B800件

しかし、各流入経路の正確な獲得効果を検証するには、獲得した顧客が優良顧客となりえるかどうか、リピートCVも含めて見ていく必要があるので、さらに「顧客軸」の視点で、顧客がリピート購入する割合(リピート率)を確認する。実際にはもう少し細かく考える必要があるが、まずはわかりやすいようにシンプルに考えてみよう。

たとえば、購入翌月のリピート率が流入経路Aは3%、流入経路Bは20%だとすると、次のようになる。

-月間新規獲得CV数購入翌月のリピート率購入翌月の獲得CV数
流入経路A1,000件3%30
流入経路B800件20%160

また、毎月一定の新規獲得CV数を獲得し、3か月目以降のリピート率をA、Bともに80%(2回購入以降のリピート率はたいてい高い)とした場合、年間の獲得効果は下図(図1)の通りになる。

ちなみに、これらは仮の数値ではあるが、実際の化粧品や食料品などのネットショップの実績値を参考に設定した。なお、ここでは単純化するため、購入単価は同じとして考える。

図1 流入経路ごとの年間獲得効果をシミュレーションした結果
図1 流入経路ごとの年間獲得効果をシミュレーションした結果

初月CV数はAが1,000件、Bが800件でAが多い。しかし、初月の獲得客がリピート購入していくことになり、翌月以降のCV数にその積み上げが効いてくる。そして、3か月目には単月のCV数で流入経路BがAを上回り、6か月目には累積獲得数でもBが多くなる。1年後には単月で20%、年間累積で10%もBの獲得数が多くなってくるのだ。

つまり、単月の評価では流入経路Aの施策が多くとも、数か月後にはBが逆転することがある。単月のCV数ではなく、「リピート率」という顧客軸の視点でその後の効果を確認していくことで、より効率良くCV数を獲得する方法を見出すことができるのだ。

流入経路でリピート率に差が出るのはなぜか

「リピート率」というのは、既存顧客に対する施策の問題で、獲得経路の問題ではないと思われるかもしれない。しかし、リピート促進策は同じでも、定着しやすい客を獲得できている経路とそうではない経路があり、流入経路によってリピート率には差がある場合が多い。

なぜなら、「顧客との関係構築は、初回接点からはじまっている」からだ。いわゆる一般ワードでの検索と、自社の商品名・社名を特定したブランドワード検索で流入してくる場合や、メルマガ経由と、アフィリエイトで流入してくる場合などのように、流入経路が違えば、顧客のその商品に対する思いは異なり、企業から提供している情報や方法も異なる。つまり、初回接点ごとにさまざまな顧客関係が構築されており、その結果として流入経路がリピート率に差をもたらすのだ(図2)。

図2 初回流入経路ごとの顧客心理のイメージ
図2 初回流入経路ごとの顧客心理のイメージ

人が関係を構築するうえで、第一印象は極めて重要であることは言うまでもない。第一印象が悪ければ、後でそれを覆すのは大変困難だ。顧客との初回接点は、その後の顧客リレーション(関係構築)に大きな影響を与える。「とりあえずキャンペーンで数を集めて、それからゆっくり質を高めていこう」と思っても、「時すでに遅し」という状況なのだ。

たとえ、現状課題が「新規顧客の獲得」だとしても、目先の単月のCV数だけにとらわれ視野が狭くなってはいけない。顧客の定着(リピート率の高さ)は翌月のCV数に直結し、数か月後には大きな差を生み出していく。一見客として終わる顧客ではなく、定着する見込みの高い顧客を獲得できるのはどの顧客接点(流入経路)なのかを正確に把握することは、CV数を持続的に増やしていくうえで極めて重要になる。芽の出ない種を買ってしまい、半年後の実りがないということは、何としても避けなければならない。

顧客定着の状況を示す「リピート率」を算出するには

現状のリピート率はどれくらいですか?

このように聞かれ、その算出方法とともに正確に答えられる人は少ないだろう。「だいたい●●%くらい」と聞いていた数字も、実際に算出してみると異なる数値であることも珍しくない。誤った状況把握は、誤った判断につながってしまうので、正確に把握することが非常に重要だ。

なお、「リピート率」「リピーター率」「リピート売上率」などのさまざまな指標を、目的に応じて使い分けることも重要だ。これらの名称に決まりはないと思うが、顧客のリピート率に関しては、よく使われるいくつかの算出方法がある。それぞれ目的も異なるため、意識して使い分けられるように覚えておこう。

  • リピート率

    流入経路別のリピート率を算出する。そのためには、流入経路が含まれているアクセスログ(広告測定データなど)と購買データを顧客IDでひも付けて管理しておかなければならない(詳細は第1回を参照)。正しいデータ管理をしておけば、下記の通り流入経路別リピート率の算出できる。

    リピーター率(%)=2回以上購入会員数/全会員数×100
    リピート率の算出式

    この算出方法は、特定の顧客(例:ある経路で今月CVした顧客)がどれだけリピート購入したかを確認し、対策が必要な重点ポイントを見出すことなどによく使う。

  • リピーター率

    顧客分析の基本的な手法として「RFM分析(Recency、Frequency、Monetary)」があるが、リピーター率はこのF軸の分析の1つになる。5段階などでランク付けする方法が有名かもしれないが、まずはざっくりとリピーター率を算出することがおすすめだ。

    リピーター率によって、全体顧客に対する一見客の割合もわかる。リピーター率が30%であれば、顧客の70%を初回購入のまま眠らせてしまっているという状況だ。リピート強化や休眠対策の重要性の確認などに使うことができる。

    流入経路Aのkか月後リピート率(%)=n月流入経路A経由CV会員のkか月後までの再購入回数/n月流入経路A経由のCV会員数×100
    リピーター率の算出式
  • リピート売上率

    リピート売上率によって、全体売上に対するリピーターの影響度がわかる。新規獲得と既存維持の予算配分の目安などになる。

    リピート売上率(金額)=リピート会員による売上金額/売上金額×100
    リピート売上率の算出式

    また、RFMのM(monetary)軸での評価もある。業種にもよるが、ECの場合は購買単価のバラつきが小さく、F(購買回数)とM(購買金額)は正比例していることが多いため、F軸の分析だけで十分な場合がほとんどかもしれない。とはいっても、購買金額実績での評価もしておくことに越したことはない。

    ただ、リピート率もRFMランクも実績ベースでの評価になることは理解しておく必要がある。流入経路の効果をより正確に評価するために最も把握すべきことは、これまでの売上実績だけではなく、将来にわたってその顧客がどれだけ購入してくれるのかの予測だ。今後は過去実績だけではなく、「今後どれだけ購入してもらえる顧客なのか」というLTV(顧客生涯価値)を予測することも重要になってくる。

既存顧客への活動だけがCRMではない

今回紹介してきたように、CV数を増やすために、流入経路の評価方法に顧客軸の視点を入れることは有効な方法の1つだ。CRMの強化の第一歩は、初回購入時のアプローチから始まっている。「CRM」や「顧客コミュニケーションの質を高める」ことは、決して既存顧客に対してだけの活動ではない。むしろ顧客との関係がスタートする新規獲得時にこそ必要な考え方であり、それはCV獲得数の大きな差を生み出すことにつながるのだ。

また、Webマーケティングおいて、データを正しく蓄積し、それをどのように活用していくかは重要なテーマである。より良い顧客との出会いを創出し、売上を向上させていくためのデータ活用方法として参考にしていただければ幸いである。

この記事の筆者
シナジーマーケティング 安松 健

シナジーマーケティング株式会社
営業部 エージェントグループ
安松 健

1977年、大阪府生まれ。2001年、神戸大学卒業後、大手金融機関に入社し、顧客行動の調査・分析を担当。その後、人材開発事業会社にて、マーケティング、財務などの問題解決型研修の企画・運営、ビジネスリーダーの能力開発に従事。現在はシナジーマーケティングにて、多くのクライアントのCRM支援業務に携わる。

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アカウント/プロパティ/プロファイル:押さえておきたいGoogleアナリティクスの3階層と制限[第62回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだが、正式なサポートがない。本連載では、その導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

これからしばらく、Googleアナリティクスのトラッキングコードのカスタマイズに関して話をしていく。

本格的なカスタマイズの説明に入る前に、Googleアナリティクスを自分のサイトや組織の事情に合ったカスタマイズをするために知っておきたいポイントをお話ししよう。

Googleアナリティクスでは、次の3階層構造がすべての基本となる。

  • アカウント
  • プロパティ
  • プロファイル

結論から言えば、次のようなものだ。

レポート閲覧単位のまとまりが「プロファイル
ユニークなトラッキングコードで収集できるデータのユニークなまとまりが「プロパティ
その複数のプロパティを統括するのが「Googleアナリティクスのアカウント

※ログインに利用する「Googleアカウント」と区別するために、ここでは「Googleアナリティクスのアカウント」と記載する。

プロパティとプロファイルの関係については、以下の記事でも解説したので、参照してほしい。

これらの関係や制約事項について述べたうえで、どのように「Googleアナリティクスのアカウント」や「プロパティ」「プロファイル」を作ったらよいのかを例示していきたい。

管理画面上での表示のされ方

まず管理画面上で、この3つの要素がどのように表示されるかを見ておこう。

レポート画面から「アナリティクス設定」をクリックして入るプロパティ管理画面(図1)でも、ログイン後の「アカウント一覧画面」(図2)でも、

  • 赤枠部分が、Googleアナリティクスのアカウント名
  • 青枠部分が、プロパティID
  • 緑枠部分が、プロファイル名

になっていて、Googleアナリティクスが3階層構造で管理されていることがわかる。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[アナリティクス設定]をクリックする
  2. アカウントの一覧に表示されたアカウントをクリックする
  3. プロパティの一覧に表示されたプロパティをクリックする
図1:プロパティ管理画面
図1:プロパティ管理画面
操作手順
  1. グローバルナビゲーションの左端にある[ホーム](家のマーク)をクリックする
図2:アカウント一覧画面
図2:アカウント一覧画面

GoogleアナリティクスのアカウントID

図1図2の画面で表示されているのはGoogleアナリティクスのアカウントだが、GoogleアナリティクスのアカウントIDは、アカウント名を選択(図3赤枠部分)したアカウント管理画面(図3青枠部分)に表示されている。

図3:該当アカウント管理画面
図3:該当アカウント管理画面

プロパティIDの構造

今回の例として挙げている「衣袋のブログ」アカウントのアカウントIDは、「39395103」だ(図3青枠部分)。

そして、このアカウントIDは、プロパティID「UA-39395103-1」(図2青枠部分)の真ん中の数字「39395103」と同じである。

このようにプロパティIDは、「UA-39395103-1」といったパターンで、

  • UAの後にハイフン
  • 続いて、7~8桁の数字(=GoogleアナリティクスのアカウントID)
  • その後に、ハイフン
  • 続いて、1から順にプロパティごとに番号が採番

という構造の文字列になる。

トラッキングコードとプロパティの関係

さて、プロパティ管理画面(図1)のトラッキング情報のタブ(図1黒枠部分)を選択して表示される画面内にでてくるトラッキングコードは、図4のようになっている。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[アナリティクス設定]をクリックする
  2. アカウント管理画面に表示されたアカウントをクリックする
  3. プロパティ管理画面(図1)に表示されたプロパティをクリックする
  4. [トラッキング情報]のタブ(図1黒枠部分)をクリックする
図4:トラッキングコード
図4:トラッキングコード

このトラッキングコードの図4赤枠部分の文字列は、図1及び図2の青枠部分で示した「プロパティID」と一致しているのがわかるだろう。

つまりユニーク(一意)なトラッキングコードを指定する固有の番号が「プロパティID」である。言い換えれば、データを収集する元データ群を区別する単位が「プロパティ」ということだ。

このユニークなトラッキングコード単位にカスタマイズを加えるのが、元データの収集レベルでのカスタマイズということになる。つまりトラッキングコードのカスタマイズは、「プロパティ」レベルでカスタマイズを加えるための方法ということになる。

プロファイルとプロパティの関係

次に「プロファイル」だ。1つの「プロパティ」に対して複数の「プロファイル」を作成できる。

「プロファイル」は何かというと、「プロパティ」レベルで収集した元データに対して、集計のために情報を絞り込んだり、加工したりするために「フィルタ」を掛けたり、目標設定をしたりしたうえで作り上げた、「集計データ群」、それが「プロファイル」だ

複数のプロファイルを作成すれば、収集したデータそのもの(プロパティ)には手を加えることなく、加工方法や目標設定が異なる別の集計データ群を作ることができる。各種プロファイルの基本的な設定については下記の記事も参照してほしい。

  • Googleアナリティクスのパターン別階層構造
  • 構造を設計する際に考慮すべきポイント

Googleアナリティクスのパターン別階層構造

つまりGoogleアナリティクスは、上位から「Googleアナリティクスのアカウント」→「プロパティ」→「プロファイル」という階層構造にあり、「親」→「子」→「孫」の関係になる。

要素関係
Googleアナリティクスのアカウント
プロパティ
プロファイル

先に見た図2の「衣袋のブログ」→「ブログA」→「すべてのウェブサイトのデータ」の例は、1つの親に対して、子が1つ、その子に1個の孫が紐づいている最もシンプルなケースだ。

図2:アカウント一覧画面
図2(再掲):アカウント一覧画面

Googleアナリティクスの階層構造を図にしたのが、図5だ。ここで、親子関係が「1対1のケース」と「1対多のケース」を取り上げて、説明してみよう。

図5:Googleアナリティクスのアカウント、プロパティ、プロファイルの関係
図5:Googleアナリティクスのアカウント、プロパティ、プロファイルの関係

1対1のケース

1対1のケース(図5赤枠部分)は、親「Googleアナリティクスのアカウント」に対して、子「プロパティ」が1つ、その子に対する孫の「プロファイル」が複数(図5では3つ)という構造になっている。

1つのGoogleアナリティクスのアカウントに対して1つのプロパティを割り当てて、該当のドメイン名を計測している。そしてそのプロパティに対しては、3つのプロファイル(レポート群)を作ってデータを見ているということだ。

これは、たとえば、個人が1つのドメイン名で、独立したブログを計測するような場合があてはまる。

1対多のケース

これに対して、個人が3つのドメイン名で、それぞれ独立したブログを計測するような場合が、1対多のケースにあたる。この3つのドメイン名のデータは全部自分しか見ないので、GoogleアナリティクスのアカウントIDを1つずつ分ける必要がないと判断して、1つのアカウント傘下にまとめてしまうという考え方だ。

図5青枠部分のケースでは、1つのGoogleアナリティクスのアカウントに対して3つのプロパティを作成している。1つ目のプロパティに対しては3つのプロファイルを作成し、残り2つのプロパティに対しては1つずつのプロファイルを作成したケースだ。

ちなみにこのケースでは、新しいプロパティを作成すると、自動的に末尾の数字が1つずつ増えていく。1つ目のプロパティIDが「UA-30344807-1」であれば、次のプロパティIDには「UA-30344807-2」が割り当てられ、その次のプロパティIDには「UA-30344807-3」が割り当てられることになる。

構造を設計する際に考慮すべきポイント

では、どのような点を考慮して、1つのGoogleアナリティクスのアカウントの対象範囲に収めるべきプロパティ、プロファイルの構造にしたらよいのだろうか。

  • どこまでの範囲を1つのまとまりとして計測・集計・分析したいのか
  • ドメイン名やサブドメインの物理的構造と、計測対象範囲や管理範囲の粒度
  • アクセスの規模とシステム上の制約の関係

などによってそれぞれ事情が異なるので、すべてに共通する正解がある訳ではないが、そのヒントとなる項目を以下に挙げておこう。

なお、上記「ドメイン名やサブドメインの物理的構造」とは、URL構造のことを指す。つまり、ドメイン、サブドメイン、ディレクトリ、動的ページならパラメータまでを含む。これらを設計するときに、アクセス解析のしやすさを考慮に入れることで、Googleアナリティクスでの分析が、少しはしやすくなるということだ。

  1. プロファイルは合計で50個まで

    1つのGoogleアナリティクスのアカウント配下のプロパティ群に対して作れるプロファイルの総数の上限は50個だ。多くのドメイン名やサブドメインを保有している組織は、この制限に注意が必要だろう。

  2. 計測ページビュー数は月間1,000万まで

    AdWordsアカウントとリンクしていない場合、1つのGoogleアナリティクスのアカウントに対して月間計測ページビュー数の上限が1,000万に制限されている。これはその1つのGoogleアナリティクスのアカウントに属するすべてのプロファイルの合計ページビュー(厳密に言えば、イベントなども含めたヒット数)である。

  3. データを個別に識別できるのは1日7.5万ユニークレコードまで

    プロファイル単位で、1ディメンションにつき、1日7.5万ユニークレコードを超えるデータは個別に識別できなくなる制限がある。その場合にレポート上では、まとめて「(other)」のように表示される。そのため巨大サイトなどでユニークURL数が膨大にある場合は、1つずつの明細が出力できない場合もあり得る。パターン数の多いキーワードについても、同様の制限に引っ掛かりやすいはずだ。なおこの「(other)」については、下記記事も併せて参照してほしい。

  4. アカウントには必ず1人は管理者が必要

    レポート閲覧ユーザーについてはプロファイル単位で閲覧を管理できるが、1つのGoogleアナリティクスのアカウントに対して1人以上の管理者が必要で、その管理者はアカウント配下のすべてのプロファイルにアクセスして、データ閲覧と各種設定を行うことができる。

    なおユーザーの役割に関しては変更がアナウンスされている。具体的には、「管理者」と「ユーザー」の2つではなく、「ユーザー管理」「編集」「閲覧」の3つになり、この3階層のどれでも割り当てられるようになるといったものだが、執筆時点では確認できていない。今後、権限の付与についての変更が予想されることを付け加えておきたい。

大企業などで頻繁に新規ドメイン名が作られるような場合は、あとあとの事も考慮に入れながら、最初の構造設計をする必要があるだろう。

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この記事の筆者
ユーザー 衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン) の写真

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

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インバウンドマーケティングを正しく理解してマーケ部と営業部の関係を良くしていく10のポイント [注目企業のネットビジネス戦略] | Web担当者Forum

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インバウンドマーケティングとはどういうものなのか、それがマーケターにどんなメリットがあるのか、どうすればうまく導入できるのか、どんな企業に向いているのか。10個のポイントを、HubSpot社インターナショナルHQのジーツー・マタニ氏に話を伺った。

「インバウンドマーケティング」とは、そもそも何なのか?

Q1 HubSpotでは、インバウンドマーケティングとはどのようなものだと定義しているのでしょうか?

Jeetu Mahtani氏
Jeetu Mahtani氏
Managing Director, HubSpot EMEA

インバウンドマーケティングを説明する前に、「アウトバウンドマーケティング」に触れておきましょう。

HubSpotの考え方としては、従来のマーケティング、つまり(企業からメッセージを送り出す)アウトバウンドマーケティングはもう徐々に機能しなくなっています。消費者たちはますます広告やダイレクトメールやありふれたセールス文句に耳を傾けなくなり、それらを避けようとします。インターネット広告をクリックする人はどんどん少なくなっていますよね。

では、企業はどうすればいいのでしょうか。

消費者の行動に目を向けると、「問題や必要なものがあるときに、ネットで検索して解決しようとする」という行動は、今や彼らにとって当たり前のことになっています。

HubSpotではこの点に注目して、消費者にとって有益で魅力的なコンテンツをインターネット上で提供することによって、見込み客をまるで磁石のように自分のサイトに惹き付けようと考えています。

しかし、単に(検索エンジンを通じて)来てもらうだけでは、マーケティングにはなりません。

見込み客に見つけてもらうだけでなく、サイトにやってきた見込み客のデータを分析し、それに基づいて戦略を立てて見込み客のニーズにあったコンテンツをさらに提供し、「見込み客」を「顧客」へと育てていきます

この一連のプロセスが、(企業に向かって見込み客が近づいてくる)「インバウンドマーケティング」です。

消費者にとって有益なコンテンツを提供することで彼らに自社サイトを訪れてもらい、そのデータを分析してさらにコミュニケートすることで、「見込み客」を「顧客」に育てていく一連のプロセス

Q2インバウンドマーケティングの手法を用いることは、企業(とマーケター)にとって、どんなメリットがあるのでしょうか?

この質問に対しても、アウトバウンドマーケティングと対比して説明するのがいいでしょう。

まずアウトバウンドマーケティングでは、不特定大多数の人をターゲットにしています。例えるならば、暗闇の中で銃を乱射しているような状態ですよね。この方法は、効率が悪くコストも高いものです。そして、マーケティングのために、たとえば広告などに絶えずお金を支払い続けなくてはなりません。

それに対してインバウンドマーケティングでは、自分の作ったオウンドメディア上のコンテンツによって見込み客を惹き付けるので、コストが低くなります。

我々の調査では、アウトバウンドに対して、インバウンドマーケティングではリード獲得に費やす費用が60%も削減できた例もあります。

そして、これがインバウンドマーケティングの大きな利点の1つですが、自社が作ったコンテンツは資産としていつまでもインターネット上に残り続けます。一度作ったコンテンツが資産として活用できている例を1つ紹介しておくと、HubSpotで今一番リードを獲得しているコンテンツは、5年前に書いたブログの記事です。

  • 見込み客獲得のコストが下がる
  • 作ったコンテンツは資産としてずっと価値をもつ
  • 顧客を理解するためのデータも得られる

コンテンツ作成を(費用ではなく)投資として考え、その投資がいつまでもリード獲得に貢献してくれることになる、それがインバウンドマーケティングによってもたらされる利益なのです。

さらに、自分たちが管理するメディア(自社サイト)に見込み客が来るということは、これらの訪問者の性質や特徴を把握できるということを意味します。これも、外部のメディアに広告を出稿するやり方では得にくいメリットです。

欧米ではインバウンドマーケティングはどの程度浸透しているのか?

Q3インバウンドマーケティングに関して、欧米と日本とで、マーケティング環境の観点や企業の文化の観点で違いはあるのでしょうか?

アメリカとヨーロッパではもちろんインバウンドマーケティングを行っている会社数や規模の違いはありますが、ともに上手くインバウンドマーケティングを活用しています。

実際にアメリカでもヨーロッパでも、マーケティング予算が従来のマーケティングからインバウンドマーケティングへシフトしています。

「インバウンドマーケティングに関して、御社の予算は対前年比でどうですか?」という問いに対して、「増える(Higher)」と答えた企業は48%。「減る(Lower)」「変化なし(No Change)」と比べても、ここ3年間、インバウンドマーケティングに関する予算は増えるほうが多い傾向にある。
2013 State of Inbound Marketing Annual Report」より

そして、インバウンドマーケティングをただの1つのチャネルとして見るのではなく、きちんと会社全体の戦略と結び付けるようになってきています。

「インバウンドマーケティングの手法は、御社の全体的なマーケティング戦略にどの程度統合されていますか?」という問いに対して、「完全に統合されている(Completely Integrated)」と「それなりに統合されている(Somewhat Integrated)」の合計が81%を占めている。
2013 State of Inbound Marketing Annual Report」より

一方、日本では、インバウンドマーケティングはこれから拡大する大きなチャンスがあると思います。HubSpotはマーケティングエンジン社とパートナーシップを結んでおり、日本でのインバウンドマーケティングの拡大の結果がすこしずつ見え始めています。

特にB2B企業では、インバウンドマーケティングを導入してネット上にコンテンツを作ることで、より簡単にアジアの近隣諸国もしくはヨーロッパの市場に自分たちの商品をアピールしやすくなると思います。

消費者の購買プロセスに関していえば、そこには文化の違いはないと思います。どの国の消費者にしろ、大量の広告にうんざりしており、また自分が気になったものや事柄に関しては、グーグルやヤフーを使って検索しますからね。

Q4欧米では、インバウンドマーケティングはどんな状況なのでしょうか? どんな企業が、どのように行い、どういった成果を出しているのか、現在の状況と、そこに至るまでの少し前からの推移を教えてください。

押し売り型マーケが効かなくなってきたため、実験的にインバウンドマーケティングを始めた。成果が見えるようになってきたので、少しずつ予算をシフトしているところ。

Q3ともすこし重複するのですが、アメリカでもヨーロッパでも、現在多くの会社が少しずつインバウンドマーケティングに本格的にシフトしていっているところです。

少し前まではアウトバウンドマーケティングが主流だったのですが、やはり「押し売り型」のマーケティングに消費者は疲れているので、思うように結果が伸びませんでした。

そこでインバウンドマーケティングを、初めはすこしずつ実験的に始めたところ成果が見え始めてきたので、アメリカでもヨーロッパでも予算をインバウンドマーケティングにシフトしているところです。

また、アメリカでもヨーロッパでも、企業がインバウンドマーケティングをきちんと理解するようになってきています。つまり、単にWebサイトへのトラフィックを増加させる方法としてではなく、会社全体の戦略や方針と結び付けたリードジェネレーションの戦略としてとらえるようになってきました。

インバウンドマーケティングは、リードを必要とする会社ならば、どこに対しても有効なマーケティング手法ですが、特にB2B企業と相性が良いのです。

というのも、B2B企業はビジネスモデル上、リードという概念を以前から活用しており、すでに自社にとってリードとなりうる人たちの定義がはっきりしているので、このようなマーケティング手法や戦略に馴染みやすく、比較的スムーズに移行できるからです。実際に、インバウンドマーケティングを導入したB2B企業は、より多くのリードを獲得できるようになっています。

Eコマース業界も、積極的にインバウンドマーケティングを導入しています

Eコマース業界はお客さんに商品を売るビジネスをしているので、一見「リード」という概念とはあまり馴染みがないように見えるかもしれません。しかし、Eコマース業界ではリードナーチャリングを実施することによって、商品をいったん買い物かごに入れたにもかかわらず買わずにサイトを離れたお客さんを呼び戻すような施策を行っています。たとえば、メールなども含む別のコンテンツに触れてもらうことで、購買するキモチを高めてもらうといったことです。

このようにリードナーチャリングの手法としてインバウンドマーケティングを活用することにより、多くのEコマース企業が売上を伸ばしています。

Q5旧来のマーケティングの考え方からインバウンドマーケティング的な考え方に、欧米ではどのようにマインドシフトしていったのでしょうか?

アメリカでもヨーロッパでも、まず大前提としてビジネスですから、商品やサービスを販売して利益を上げなければいけませんよね。そのために、マーケティングを行っていて、そこにかかる費用と、そこから得られる利益のバランスが大切なのです。

その点から見ると、アウトバウンドマーケティングでは効果が測定しにくく、費用対効果がわかりにくいと言われています。

それに対してインバウンドマーケティングでは、HubSpotを利用することによってデータを明確にすることができるので、1人のリードを獲得するために費やした時間や費用、また作成したコンテンツにどれだけの人が訪れたかなどがはっきりとわかります。これらのデータを参照すれば、よりマーケティングの効果を簡単に測定できるようになります。

これが多くの欧米の企業がインバウンドマーケティングを取り入れるようになったきっかけです。

今やっているアウトバウンドマーケティングをすべて完全にインバウンドマーケティングに切り替える、ということではないのです。

アウトバウンドマーケティングからインバウンドマーケティングへシフトするときに知っておいていただきたいことが1つあります。

それは、決して「今まで実行していたアウトバウンドマーケティングを直ちにすべて中止してください」と言っている訳ではないことです。

今までアウトバウンドマーケティングに投下していた費用を、初めは少しでいいのでインバウンドマーケティングに割り当ててみてください。そして、データを分析して、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングを比較してみてください。リード獲得にかかるコストがインバウンドマーケティングのほうが安いようなら、少しずつインバウンドマーケティングへシフトしていけばいいのです。

どんな企業で、どの部署の人が、
インバウンドマーケティングをどう活用するべきか

Q6インバウンドマーケティングが向いているのはどんな企業で、向いていないのはどんな企業でしょうか?

Jeetu Mahtani氏

HubSpotのホームページに載っているさまざまな企業のケーススタディを見てもらうとわかりますが、インバウンドマーケティングは業界や分野に関係なく効果的なマーケティング手法です。

それでもあえて挙げるとすれば、インバウンドマーケティングに向いているのは、リードの定義がはっきり決まっているB2B企業です。また、自社のサービスを理解してもらうためにコンテンツやeBookを通して見込み客を教育し育てて顧客へと転換させるような技術系企業、ソフトウェア企業、コンサルティングファームも特に向いているかと思います。

反対に、サイトの訪問者に特定の行動を促していないニュースのポータルサイト(たとえばCNNなどのような)とはあまり相性が良くないかもしれませんね。

Q7インバウンドマーケティングを理解して進めるべき職種やポジションは? 営業? マーケティング? 宣伝? 経営者?

成功しているのは、やはり経営トップがインバウンドマーケティングを理解して支持しているケースです。

そういう意味では、取締役、営業部門の部長やマーケティング部門の部長がインバウンドマーケティングを理解し、推進するのが望ましいでしょう。

ただインバウンドマーケティングというのは部署間での協力が必要ですから、どこか1つの部署だけで推進するものではなく、部署を横断して組織が一体となって推進するのが理想であり、あるべき姿です。

インバウンドマーケティングは部署間での協力が必要なので、組織全体で進めていくべき。

Q8企業が顧客とのコミュニケーションをインバウンドマーケティング的なやり方に変えていくときの、典型的な障害(バリア)にはどのようなものがあり、それをどう乗り越えればいいのでしょうか?

インバウンドマーケティングを導入することで今まで以上に多くの人たちがWebサイトにやってくると思います。しかし、これらのWebサイトへやってきた訪問者は見込み客だけではなく、まだ購入する段階ではないが、展開しているサービスや商品に対して興味があるので、調査や研究をしたい人も多くサイトに訪れます。

最初にインバウンドマーケティングを始めたときに難しいと感じるのは、訪問者が購買サイクルのどのステージにいるのか(購入する準備ができているのかまだ研究している段階なのか)を見極め、ステージごとに合ったアプローチをとることです。HubSpotを使うと訪問者のWebサイト上での動きが把握でき、ある訪問者がどのブログ記事を読み、どのeBookをダウンロードしたかがすべてわかります。それらのデータを元に、一人ひとりにその人が必要とするものを提供し、彼らが抱えている疑問点を解決してあげることが重要です。

もし、ある訪問者がeBookをたくさんダウンロードしている場合は、「それらのeBookが果たしてその人の疑問を解決できているだろうか、その人は次に何を必要としているのだろうか」と考えてみてください。こうしたことを考えることでどうやって訪問者や見込み客との関係性を構築し、購買までつなげていくかが少しずつわかってくると思います。

また、インバウンドマーケティングを導入する際に、取締役など決定権を持つ人に納得してもらうのが難しい場合もあるでしょう。そういうときには、こういった決定権を持つ人たちが何を重視するか考えてみてください。

売上、投資収益率やコストパフォーマンスですよね。

そこで、こんな風に質問してみてください。

今までのアウトバウンドマーケティングの投資収益率やリード1人当たりのコストがいくらかご存知ですか?

おそらくはっきりした答は返ってこないはずです。なぜなら、アウトバウンドマーケティングというのは、その効果をはっきりとした数値としては計測・分析しにくいからです。

そこで、次のようなことを伝えるのです。

  • インバウンドマーケティングは明確にそういった指標を測定しやすいこと
  • 従来のマーケティングに比べて投資収益率やコストパフォーマンスが高くなる傾向があるということ

そして、実験的にインバウンドマーケティングを導入して、その投資収益率、リード1人当たりのコストを従来のアウトバウンドマーケティングと比べてみてください。そうすることで、どちらがいいのかがわかります。

また、インバウンドマーケティングでは明確なデータをとれます。それを分析することで、現在なにをどのように改善するためにどんな戦略を立てていけばいいかがわかります。

こうした利点を示すことで、インバウンドマーケティングが長期的にみてより優れた戦略だと理解してくれるはずです。

マーケティング部と営業部の距離感を縮め、協力できるようになっていく効果が、インバウンドマーケティングにはあるのです。

また日本だけではなく、世界的に見てもマーケティング部門とセールス部門(営業部門)では意思疎通が難しいというケースも多く見受けられ、これがインバウンドマーケティングの導入のネックとなっていることも多くあります。

しかし、知っていただきたいのは、たとえばHubSpotのようなツールを利用してインバウンドマーケティングを導入すると、マーケティング部門とセールス部門は距離感を縮め、協力できるようになるということです。

セールス(sales)とマーケティング(marketing)を合わせた造語。同時に、「賢いマーケティング(smart marketing)」の意味も含んでいる。

私たちはこうしてマーケティングとセールスが上手く連携している状態を「スマーケティング(smarketing)」と読んでいます。

マーケティング部と営業部の間でSLAを設定するというのはどうでしょうか?

具体的には、インバウンドマーケティングを実施する際に、マーケティングとセールスの両部門間でSLA(サービス品質保証制度)のような取り決めを結ぶことをお勧めしています。

たとえば、「マーケティング部門はより多くの見込み客を獲得すること」、そして「セールス部門はそれらの獲得した見込み客に対してフォローをして顧客に転換すること」といったように、それぞれの部署での仕事を明確にし、どの部分に対して責任を負うかを決めるのです。そうすることで、両者が協力できる体制を確立できます。

また、セールス部門はお客さんに近い立場なので、お客さんの意見、現状や課題に感じていることなどをマーケティング担当者に伝え、それらの情報に基づいてマーケティング担当者がお客のニーズに合ったコンテンツを作ることでより多くの質の高い見込み客を獲得し、セールスにつなげることができます。

その他にも、HubSpotを使用することで営業に役立つデータや見込み客に関する情報をたくさん集めることができます。これらのデータをマーケティング部門がセールス部門に提供すれば、セールス部門の人にも価値があるはずです。インバウンドマーケティングによって、セールス部門が今までよりも楽に仕事をできるようになることをわからせてあげてください。そうすることで、よりスムーズにインバウンドマーケティングを遂行できるようになるはずです。

インバウンドマーケティングを実践するためにHubSpotはどう役立つのか

私たちは、マーケティングを人々に愛されるものに変えてみせます。

Q9 HubSpotは、そもそも「どんな人のための」「何のための」サービスなのでしょうか? そのフィロソフィを教えてください。

私たちHubSpotが提供しているのは、オールインワン(全部入り)のマーケティングプラットフォールで、私たちの使命は、マーケティングをアウトバウンドなものからインバウンドなものに変えることです。

HubSpotは、顧客リストや見込み客リストを購入することに意味があるとは信じていません。私たちが信じているのは、自分たちの資産、つまりコンテンツを作り、見込み客を生みだし、顧客と信頼関係を構築することです。これらを通して私たちはマーケティングを人々に愛されるものに変えてみせます。これが私たちの使命です

HubSpotでは現在9,000人の顧客と400人の社員がいます。オフィスはボストンに1か所、ダブリンに1か所、そして9か月後にはアジア太平洋地域にもオフィスを開設する予定です。より詳しく日本に限定していえば、HubSpotはマーケティングエンジンのような鍵となるパートナーとの関係を強め、日本のマーケティングをインバウンドなものに変えることを目指しています。

Q10 B2Bマーケティングオートメーションツールはいろいろありますが、HubSpotとそれらの違いは?

他のオートメーションツールとの違いというよりも、ここで皆さんに理解していただきたいのは、HubSpotはオートメーションツールではなく、インバウンドマーケティングを実行するためのツールだということです。

HubSpotは魅力のあるコンテンツによって新しいリードを生み出し、見込み客や顧客のニーズに合わせたコミュニケーションを取ることで、企業とお客さんの長期的な信頼関係を構築し、そして、お客様に愛されるマーケティングを実施するためのツールです。

ですから、HubSpotはオートメーションツールではないのです。

この記事の筆者
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安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

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#タグ付きでツイート→店舗で購買→ポイント獲得 Twitter利用のO2Oサービス「#Ponta」をLM社が開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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キャンペーン情報で指定された#ハッシュタグを付けてTwitterでツイートをしたうえで、その店舗で商品を購入すると、「Ponta(ポンタ)」のポイントが貯まる。そんなキャンペーンを実施できるO2Oサービスが始まった。

このサービスは、共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティ マーケティング(LM社)が、Twitterの協力のもと開発したもので、「#Ponta(ハッシュドポンタ)」という名称。

指定されたハッシュタグを付けてツイートすることで自動的にキャンペーン参加登録がされ、店頭での購入時にPontaカードを提示することでPontaのポイントが自動的に付与される仕組み。

Ponta提携企業がキャンペーンに利用できるもので、LM社のほか、旅行会社のエイチ・アイ・エス(H.I.S.)、日本ケンタッキー・フライド・チキンなどが、この仕組みを利用したキャンペーンを予定している。

TwitterアカウントとPonta会員情報を紐付け、キャンペーン参加の自動登録を認識できるようにするために、エンドユーザーは、事前に自分のTwitterアカウントをPonta会員情報に設定しておく必要がある(設定は最初に1回だけでよい)。この設定をせずにキャンペーン対応ハッシュタグでツイートをすると、そのツイート主に対して、Ponta側のアカウントから紐付け設定がされていないことを自動的に知らせる仕組みも用意されている。

企業のマーケ担当者にとって、この仕組みを利用することは次のようなメリットがあるとしている。

  • ネット・リアルを問わず、プロモーション費用が実際にどれだけの売上(成果)につながったのかのROIを可視化できる

  • 利用企業がTwitterアカウントを利用していなくても、@pontaアカウントがキャンペーン情報を流通させてくれる

  • ユーザーがキャンペーン参加ツイートでキャンペーン情報を拡散してくれる

  • 店頭でのクーポン回収などの作業が必要ない

提携主がLM社に支払う費用は、1キャンペーンにつき150万円程度~を想定しており、実際にかかる費用は拡散状況や実際のキャンペーン対応購買状況によって変わってくる。

Twitter Japanの葉村氏は、この取り組みの背景として次のようなものがあるという。

  • 全体の60%がモバイルからTwitterにアクセスしている(日本ではさらにその比率は高い)。

  • 「マス広告の露出量が30%増大すると売上向上は1.6%だが、ポジティブなツイートが30%増大すると売上は6.1%アップする」というデータがある("Tweets for Sales: Gaming" Study, Deloitte LLPより、ゲーム業界における事例)。

Twitter Japan社によると、こうしたパートナーシップはTwitterとしては世界初のもの。全国5500万人の実ユーザーを有するPontaのサービスと連携するこの「#Ponta+Twitter」によって、Twitterのユーザーに新たなメリットを提供でき、さらに企業がTwitterを企業活動のなかで活用していく利用方法が増えることになるとしている。

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安田 英久(やすだ・ひでひさ)

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Web担当者Forum 編集長

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O2O専門コンサルティング会社「SPARK」が8/1設立、グランドデザイン&カンパニーら3社が出資 [ニュース] | Web担当者Forum

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デジタルコミュニケーションを専門とするグランドデザイン&カンパニー、統合マーケティングを専門とするインテグレート、店頭プロモーションを専門とするワイズインテグレーションの3社は7月18日、共同出資するO2O専門コンサルティング会社「SPARK株式会社」を8月1日に設立すると発表した。SPARK 代表取締役社長には、グランドデザイン&カンパニー 代表取締役社長の小川和也氏が就任する。

SPARKでは、3社がそれぞれの強みを生かしながら、販促からブランドクリエイティブまで、幅広い領域で、O2Oの戦略設計からソリューションの選定・開発・提供、店頭でのプロモーション実施までワンストップで提供する。

現在、リアルとWebをつなぐ概念として用いられている「O2O」は、「Online to Offline」として、Webからオフラインのリアル店舗などへの送客や購買行動の促進の施策が中心となっているが、SPARKでは、単発的で一方向的なO2Oのキャンペーン訴求を行うだけでなく、生活者行動に寄り沿いながら、顧客とのエンゲージメントを強めることができる、オフラインとオンラインの循環を作りだすことが重要としている。

SPARKでは、オンラインとオフラインを循環するO2O施策を目指し、循環型O2Oを実現するために継続的な顧客育成をベースにしたO2Oの戦略設計を行う。また、リアルのガチャガチャをデジタル上で再現した、O2Oマーケティングエンジン「デジガチャ」(グランドデザイン&カンパニー開発)をはじめ、O2Oに関連する他社ソリューションを束ねて最適化していく。

デジガチャの活用シーンイメージ

グランドデザイン&カンパニー
http://www.gd-c.com/

インテグレート
http://www.itgr.co.jp/

ワイズインテグレーション
http://www.wise-int.co.jp/

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オリジナル記事:O2O専門コンサルティング会社「SPARK」が8/1設立、グランドデザイン&カンパニーら3社が出資 [ニュース] | Web担当者Forum
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アイレップ、Googleが提供するプログラム「Googleアナリティクス認定パートナー」で公式認定 [ニュース] | Web担当者Forum

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検索エンジンマーケティングのアイレップは、Googleが提供するプログラム「Googleアナリティクス認定パートナー(GACP)」において、7月、公式認定を受けることになった、と7月18日発表した。GACPはWeb解析の導入や解析サービスなど、Webサイトにおけるさまざまな最適化サービスを提供している代理店やコンサルタントを対象とした認定パートナープログラム。Googleによる技術審査と面接により、最高レベルのコンサルティング品質、Googleアナリティクスに関する知識や技術能力を備えているパートナーが認定を取得できる。

GACP認定により、アイレップはGoogleによる技術的支援、新機能やベータ版の最新情報の提供などのサポートを受けることが可能になる。今後はさらに高精度なGoogleアナリティクスの技術支援と分析手法を提供することで、デジタルマーケティングにおける成果獲得の最適化支援を加速していく。今後はGoogleアナリティクスの高機能有償版「Googleアナリティクスプレミアムリセラー」の販売とサポートが提供できるGoogleアナリティクスプレミアム認定リセラーとしての契約をGoogleと締結し、より高度な解析テクノロジーを提供していくという。

アイレップ
http://www.irep.co.jp/

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ヤフー、「Yahoo!ショッピング」出店ストア向けのトータルなサービス「Yahoo!ロジスティクス」を提供開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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Yahoo!JAPANを運営するヤフーは、「Yahoo!ショッピング」出店ストアを対象としたフルフィルメントサービス(商品の入庫から配送までのトータルなサービス)「Yahoo!ロジスティクス」の提供を開始する、と7月18日発表した。オフィス用品通販のアスクルの物流子会社であるBizexと連携し、Bizexの物流センター「DCM木場センター」を拠点とし、商品の入庫、検品から梱包、配送にいたるまでのすべてをパッケージ化して提供する。

Yahoo!ロジスティクスが取次可能なサービスは「入荷(入庫、検品、保管)」「梱包」「出荷(ギフト対応)」「配送(日時指定、メール便対応)」「棚卸(棚卸作業および作業レポート作成)」「返品」「保管」など。対象となるのはYahoo!ショッピングと出店契約を締結済みのストアとなる。配送はYahoo!ショッピングの注文当日配送サービス「きょうつく」と注文翌日配送サービス「あすつく」に対応する。

Yahoo!JAPAN広報ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/yj_pr_blog/24629425.html

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ECでも店頭で手に取るようにパッケージをリアル画像で拡大表示 ウエルシアプラス [日本ネット経済新聞ダイジェスト] | Web担当者Forum

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ドラッグストア型の通販サイトを運営するウエルシアプラス(本社埼玉県、和田大作社長)はこのほど、通販サイト上でさまざまな角度から撮影した商品パッケージを拡大できる独自システムを導入した。店頭で商品を手に取って表示が確認できる仕組みをネット上で実現することが目的。6月中旬から試験的に導入し、医薬品から優先してさまざまな商品に広げていく。

左下から選んだ商品写真が左側に表示され、その上にマウスを移動すると、拡大画像が右側に表示される仕組み。

これまでは、商品ページにパッケージの正面画像とテキストによる商品情報を掲載していた。これに画像拡大表示のできるページを追加した。パッケージ画像でマウスのポインターを置いた所が拡大する仕組み。

メーカーのホームページでは、商品情報が要点だけ書かれていることが多い。「商品パッケージにはシップの貼り方のイメージなど、買う時に必要な詳細情報が凝縮されている」(和田社長)と気付き、独自システムを開発した。

拡大用の画像撮影はスマートフォン(スマホ)を活用。商品のバーコードをアンドロイド搭載のスマホで読み取ると、その商品専用のフォルダが生成され、パッケージを撮影した画像ファイルが自動的にフォルダに格納される。サイトへのアップも短時間でできる。

画像拡大表示を始めてしばらくは、画像ファイルの内容を1つ1つ確認して、サイトにアップする必要があった。商品ごとに画像を自動管理するようにシステムを改善してから、作業時間が3分の1以上短縮したという。

現在、医薬品は第3類を中心にネットで販売している。今後、法律やルールが整備されて第2類などの販売を拡大する際、画像拡大表示はさらに必要性が増すと見込んでいる。

・ウエルシア ドットコム
http://www.e-welcia.com/

・拡大画像機能「商品をリアル画像で見る」が設置されているページ例
http://www.e-welcia.com/item/0305_4975979201528_2506.html

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをWeb担当者Forum編集部が追加している場合もあります。
※見出しはWeb担当者Forum編集部が編集している場合もあります。
※週刊『日流eコマース』は、2011年6月23日より『日本ネット経済新聞』へとリニューアルしました。

この記事の筆者

「日本ネット経済新聞」は、インターネットビジネスに関連する宅配(オフィス配)のニュース情報紙です。日々変化するネット業界の情報をわかりやすく詳しく伝え、新しいビジネスヒントを提供していきます。前身のネット通販専門紙「週刊日流eコマース」(2007年1月創刊)の取材活動で培ってきた情報ネットワークをさらに拡大し発展させています。

このコーナーでは、日本ネット経済新聞編集部の協力により、毎号からピックアップしたEC関連のニュースや記事などをお届けしていきます。

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