Quantcast
Channel: Web担当者Forum
Viewing all 19485 articles
Browse latest View live

ソーシャルメディアバブルの「悪しき利益」体験から、NPSの探求を通じて原点に回帰するまで/アジャイルメディア・ネットワーク [顧客ロイヤルティを計る経営指標「NPS」] | Web担当者Forum

$
0
0
この記事を読むのにかかる時間: 約 17.5
顧客ロイヤルティを計る経営指標「NPS」
アジャイルメディア・ネットワーク株式会社
代表取締役社長
徳力 基彦氏

NPSはスコアがマイナスからプラスの値をとるのがいいですね。5段階評価のアンケートとは精神的にそうとう違うものがあります。

単発のキャンペーンは会社の売上として大きくても、「悪しき利益」になりやすい構造がある。ソーシャルメディアバブル時代の悪しき利益体験をしたからこそ身に染みて感じている部分があります。

企業のソーシャルメディア活用を支援するアジャイルメディア・ネットワーク(以下、AMN)は、「読者・企業・ブロガー全員に意味のあるサービス」を目指して2007年に設立された。現在は、クチコミしてくれるファンを「アンバサダー」と定義し、アンバサダーを重視したソーシャルメディア活用やリレーション構築支援、キャンペーン施策の企画・提案などのサービスを提供している。

同社にとって、クライアントである大手企業はもちろんのこと、ブロガーやソーシャルメディアユーザーなどの情報発信者も重要なステークホルダー(利害関係者)となる。また社員数33名のベンチャー企業(2012年11月末時点)として、従業員1人ひとりとの関係性もきわめて重要だ。

上記ステークホルダーとの関係性を深化させるべく、AMNでは経営陣が主体となり、顧客ロイヤルティを計測する指標「Net Promoter Score(NPS)」を用いた調査を推進。その過程で自社の課題が浮き彫りとなり、原点への回帰を図るきっかけになったという。自ら先頭に立ってNPSの導入を進めているという、アジャイルメディア・ネットワーク 代表取締役の徳力基彦氏に話をうかがった。

※本インタビューは2012年11月末に実施されています。

※NPSの概要については、第1回記事「その顧客満足度調査はホントに役に立っているのか? 真の顧客志向を目指す『NPS』という指標」を参照。

聞き手:河田顕治

AMNの徳力基彦氏(右)と、聞き手の河田顕治氏(左)

ソーシャルメディアの効果測定に期待

――AMNでは、徳力さんが主体となってNPSを導入されていると伺いましたが、そもそもNPSを知ったきっかけは何だったのでしょうか。

●徳力 明確に意識したのは2011年の6月ですね。とあるイベントでパネルディスカッションのコーディネートを担当したのですが、ソーシャルメディアの効果測定について議論するなかで、パネリストの方が「うちはNPSで測っています」とおっしゃっていた。そこで興味を持ったのが最初のきっかけですね。

このときに「そうか、ソーシャルメディアの効果測定にNPSを使うという方法があるんだな」と思った記憶があります。だから、どちらかというと当社自身のために使うというより、「クライアントである企業のソーシャルメディア効果測定のために使う」という文脈で先に認識しています。

NPSという指標自体を初めて目にしたのは別のビジネス書だったと思いますが、その時は「11段階で聞いて、なにか変わるのかな」ぐらいの感想でした。私はあまりアンケートを信じない人間なので、そのときは全然アンテナに引っかかってこなかったんですが、パネルディスカッションの「全部NPSでやっています」という話が印象的で、興味を持って調べ始めたという感じですね。

NPS(Net Promoter Score, 正味の推奨者比率)の算出方法
NPSの基本的な考え方では、10と9を推奨者(プロモーター)、8と7を中立者(ニュートラル)、6以下を批判者(デトラクター)とし、NPSの数値は-100から+100までの値を取りうる

日本のソーシャルメディア活用は基本的にリーチを求めているケースが多く、いつの間にかファン数やエンゲージメント率のような枝葉末節を見るようになっています。そういった効果測定方法に対して問題意識を持っているときだったので、パネリストの話を興味深く感じたのだと思います。

その後、NPSの提唱者であるフレッド・ライクヘルド氏の著書『究極の質問』をしっかりと読み込んだ結果、「NPSはBtoB企業にも向いているのでは」と思うようになり、スタッフともいろいろ議論をして、自社に関して本格的に使うことを決めたのが実は2012年からです。

企業のソーシャルメディア活用を支援

――NPSの事例について伺う前に、AMNのビジネスやステークホルダーとの関係性について、あらためて説明いただけますか。

徳力 基彦氏

●徳力 AMNは、企業のソーシャルメディア活用を支援しているBtoBの会社です。「マーケティング支援会社」という言い方もできますね。もともと私を含めブロガーを中心に作られた会社で、ブロガーやソーシャルメディアユーザーと企業が一緒になってマーケティングを盛り上がってやれるといいな、といったことを理念にしている会社です。

ビジネスとしてお金をいただくお客さまは企業なのですが、ブロガーや企画に参加していただく方々もお客さまであり、ちょっと変わった会社だと思います。

通常のマーケティング支援会社はおそらく、企業の先にいる消費者へどうアプローチするか、その企業の後ろに立ってアドバイスすると思いますが、われわれの場合は、企業とブロガーないしソーシャルメディアユーザーとの間でマッチングするという立ち位置ですね。

――ブロガーの先には一般のインターネットユーザーがいるわけですが、AMNと直接の接点を持つという意味では、クライアントたる企業との関係性、そしてブロガーとの関係性が重要ということになりますね。

●徳力 そうですね。後者は最近では広い意味でのブロガーでしょうか。たとえば、TwitterユーザーやYouTubeビデオブロガー、Facebookユーザーなど。

もともとアジャイルメディアは「俊敏なメディア」という意味で、ブログなどの新しいインターネットならではのメディアを指します。つまり、われわれにとってはソーシャルメディアユーザーの方々も情報発信をしてくれるメディアであり、ステークホルダーであるととらえています。

――広義で情報発信される方というところが、大きなステークホルダーであるということですね。ちなみに現在のクライアント数やネットワークしている情報発信者はどのくらいになるのでしょうか。

●徳力 クライアント企業数はトータルでいくと300~400社前後かと思いますが、2割ぐらいの大手企業のお仕事が売上の中心です。

情報発信者側としては、まず「パートナーブロガー」と呼んでいるブロガーの方々がだいたい100人前後。またイベントなどの企画に参加していただく方々については、「Fans:Fans」という会員システムで1万5千人ほどの方に登録いただいています。これはブロガーではなくて、企業との何かしらの企画に参加したいと思って会員登録されている方々ですね。このなかでも積極的に参加していただいている方は、2割ぐらいだと思います。

われわれは今、企業の製品やブランドについて積極的にクチコミをしてくれるファンの方々をアンバサダーと呼び始めています。「だれでもいいから書いてもらおう」というアプローチではなくて、本当にその製品を好きな人、もしくは好きになってくれる人と企業をマッチングし、関係を作っていくほうに注力したいと思っていて、そのなかで、パートナーの人たちは象徴的な存在というイメージでしょうか。

――以前はパートナーに対して広告を配信するビジネスも手がけていたかと思いますが、そちらは継続されていますか。

●徳力 今はほぼ停止していますね。余談になりますが、当社はもともと、ペイパーポストと呼ばれる「ブロガーに100円払って記事を書かせる」的なものに対するアンチテーゼとしてスタートしています。やらせ記事を書かせるのではなく、ブロガーの方々に正当なリターンを返すべきじゃないかと考えてアドネットワークからスタートしました。

ですが5年間やってきて、実はブロガーにとって広告(による収入)はそこまで重要ではなく、製品をいち早く使えるとか、そういう機会のほうが大事だということが見えてきましたので、今はマッチングに注力しています。

NPSは継続した関係性の構築に重要

――AMNの顧客にはクライアントである企業と、イベントに参加するユーザーがいます。まずはだれを対象にNPSを調査されたのですか。

●徳力 2012年6月にクライアント企業に向けて調査を行いました。次にスタッフ(従業員)向けを7月に行い、ブロガーや企画の参加者向けの調査は9月からやっています。

――頻度ないしタイミングはどうしていますか。

●徳力 企業向けは3か月に1回、その四半期にお取り引きをいただいた方向けに送るようにしています。2回目を9月にお送りしていて、12月に3回目をお送りする予定です。多いかな、とも思いますが、悪いところは早めに知りたいということもあって、四半期ごとでやることにしています。

――関係性を聞くリレーショナルなNPSの取り方ですが、3か月に1回ということで、頻度は高めの印象です。

●徳力 そうですね。同様にスタッフ向けも3か月に1回です。3か月ごとに行う社内キックオフの前にアンケートとして取っています。

――ユーザーの実施頻度はどうでしょうか。

●徳力 ユーザー側は1か月に1回、その月の企画に参加した人たちに「AMNの企画への参加をほかの人に勧めたいと思いますか?」といった感じで聞いています。

――すでに継続して調査を行っていますが、自社でNPSを導入しようと思った理由や背景はどこにあったのですか。

●徳力 2011年、ソーシャルメディア界隈はバブルだったと私はとらえています。スタッフの人数やお客さんの数も増え、忙しくなってくると、私が直接お会いできているお客さんがだんだん減ってきていました。コミュニケーションが薄くなってしまったことを、2012年に入って課題としてとらえるようになっていたのです。

以前はすべてのお客さんのところへ直接訪問していたため、お会いすれば満足していただいているかどうかは想像できました。現在は、スタッフが増えたこともあり、私が直接お会いしたことのないお客さんが増えてきている状態で、満足しているのかどうか、直接はわからなくなってきています。

お客さんとのコミュニケーションが薄くなり、
本当に満足しているのか、直接わからなくなっていました

スタッフも同様で、社員数が20人を超えたあたりから、1人ひとりと密にコミュニケーションを取るのがかなり厳しくなってきました。最近はその反省から、今年後半になってから毎週金曜日4人ずつ30分話を聞くというように、全社員との個人面談を定期的に行っています。

ただ、そういう活動によってスタッフの満足度がどう変化したのかは数値化しないと比較できませんし、お客さん(企業)との関係性も定量化するべきだと『究極の質問』を読んで強く思うようになりました。

批判者を意識したアンケート調査の設計

――NPSを導入する前にも、企業へのアンケート調査などは行っていたのでしょうか。

●徳力 NPSを知る以前に、アンケートを取ろうとしたことはありました。2010年くらいでしょうか。ただ、そのときはいろいろ問題がありました。

メールを営業から送るにしても、代理店さん経由のお仕事だと代理店に送るのか企業担当者に直接送るのかという議論が起こります。また、当時はそもそも取引の社数も少なく、アンケートの回答率が低かったため、「あまり意味がないのではないか」という結論に至りました。

代理店経由の単発のお仕事だと、そもそも企業の担当者さんは(AMNの存在を)意識していなかったりしますので、アンケートを取るほどでもないという状況でもありました。代理店の提案メニューに入っているだけで、特に印象に残ってなかったりするので、アンケートにも回答できないんですよね。

2012年に入ってからはお客さんに方針などを直接アドバイスすることが増えていて、アンケートを取る意味がぐっと上がってきているように思います。継続的にフィーをいただく案件も増えてきており、継続して関係を続けるためにはこういう施策が重要だと、あらためて『究極の質問』を読みながら感じました。

お客さん向けのアンケート画面はこんな感じです。 推奨度を選択していただき、コメントしてもらうというシンプルな構成になっています。

AMNで実施しているNPSを用いたアンケートの一例

――コメント欄は、推奨意向の理由を聞く形ではないんですね。

●徳力 ご指摘やご要望などを自由に記入いただけるようにしており、かつ回答率を上げるため必須にはしていません。それでも、特に低い点数ほどその理由を書いていただける方が多いため、現状のものでいいと思っています。

――推奨意向の低い「批判者」をより意識しているということですね。0から10までの並べ方も、0を上に置いて縦に並べていますが、この提示方法だとスコアが低く出やすいのでは。

●徳力 実名での記入だと高めにスコアを付けがちだという感触があったため、低く出るようにしたいと思い、あえてこうしています。実は、スタッフ向けの調査は匿名でやっていて、こちらはそうとうに手厳しいんですよ。とんでもないマイナスになっている(笑)

――(笑)。

●徳力 ところがスタッフ向けも、実名で取ると高くなってしまいます。当たり前ですけれども、「社長の視線が気になる」みたいな感覚があるみたいで。

ただ、お客さんの調査を匿名でやるのは意味がありませんよね。とはいえ、実名だとたぶん気を遣って、ちょっと高めに付けていただく方が多そうな気がしていますので、できるだけ低くから付けていってほしいと思い、0から並べています。

――推奨者/中立者/批判者の区分では、どこに相当する方が多いですか。

スタッフとお客さんではスコアが別の会社じゃないかというくらい違う(笑)。相手との関係性で変わりますね

●徳力 今のところバランスとしてはいい感じで、トータルのスコアは幸いプラスになっています。匿名で取っているスタッフ向けの結果と比べると、もうまったく違う会社なんじゃないかと思うぐらい(笑)。

NPSはスコアが、マイナス100からプラス100までというのもいいですね。5段階評価の平均で3.5と4.1だと違いはあまり大きくないように感じますが、トータルのスコアがマイナスなのかプラスなのかは精神的にそうとう違うものがあると思います。

一方で、ユーザー向けの調査結果は、実はすごいプラスになるんです。イベントなどの参加には選考システムをとっていてIDが特定できるので、「批判すると選ばれなくなるのでは」と感じてしまっている可能性があります。単純に満足度が高いという意味ではよいのですが、おそらくバイアスがかかっているだろうと思います。やっぱり、実名か匿名かも含め、相手との関係性によってスコアは如実に変わりますね

  • 顧客ごとのNPSを担当スタッフへとフィードバック
  • 悪しき利益に振り回されないための決断
  • 企業メッセージを統一し、原点回帰へ
  • 関係性の深さが経営に貢献することを証明していく

顧客ごとのNPSを担当スタッフへとフィードバック

――たとえば、推奨度の低い方に共通する要素を抽出し、それに対して改善施策を講じたりもされていますか。

●徳力 クライアントについては対象件数もそう多くはありませんので、推奨度の低い方にはできるだけ私から連絡するようにしています。お詫びのメールとか、場合によっては私が同行して打ち合わせにいくこともあります。今のところはメールでお詫びしつつ、営業担当からヒアリングし、「それなら信じて様子を見るか」となるケースが多いですね。

――NPSをもとに個別に対応しているんですね。そういう行動によって、たとえば、次回の発注にきちんとつながるようになりそうですか。

徳力 基彦氏

●徳力 9月に2回目の調査を行ったのですが、7~9月に初めてお取り引きがあった方と、4~6月から継続してお取り引きいただいている方では、後者のほうが明らかに推奨意向は高くなりました

やはり初回の評価はばらつきがあって、推奨度の低い人はリピートにつながらない可能性が高いはずなので、そこをウォッチしていけば焼き畑農業的な活動からは、脱却できそうな感覚はありますね。

推奨度が低ければリピートはしない。
NPSの改善が焼畑農業からの脱却につながる

われわれの業界でNPSが低い場合にあり得るのは、ソーシャルメディアに対する過度な期待感があります。「ソーシャルメディアで自社の課題を解決できると思って頼んだのに、そうでもなかった」というケースです。

その場合、最初のセールストークが悪かったのか、期待値のコントロールができていないのか、実際に実施するプロセスが悪かったなどの分析を行います。そのうえで、間に合うかどうかは別にして、そのお客さんにもリピートしていただけるよう努力し、以後、営業担当が同じ誤りをしないよう方向を修正していける気はしています。

――社内の担当者には、調査した結果をどのように伝えていますか。

今、社内では営業の顧客リストの担当者名と企業名の横に、最新の推奨意向の数値を入れています。だから、ある営業担当者は7以上ばかり並んでいるけれど、ある担当者は9もあれば3もある、といった感じで見えてきます。むらっ気がある営業と、ある程度安定している営業を分析していくといろいろわかりそうだし、営業担当にとっても、自分が良いのか悪いのか、ほかの人と比べてどうなのかが自覚できる可能性があると思います。

当社の業態だと、短期キャンペーンでいきなり売上がドンと上がる営業担当と、継続したお客様との売上を積み上げていく営業担当など、性格的にずいぶん異なるタイプが存在しますが、どうしても短期の売上のほうが注目されやすいんですよね。

ただ、大きい案件をいただいても継続してもらえないというのは、実はAMNに対してだけでなく、ソーシャルメディア活用に対する批判者を日本中に増やしてしまっているおそれがあります。NPSを手がかりにすれば、そのあたりの分析を立体的にやれそうだという手応えはあります。

――現時点では担当者別にNPSを計測して、それをフィードバックするところですね。

●徳力 はい、そこに留めていますが、2013年からはチームの評価に反映していくつもりだと予告してあります。売上金額に推奨意向をかけ算するという、「NPS×セールスポイント」みたいなものを算出しようと(笑)。売上げ以外でも、チームの成績を比べられるとおもしろいかなと、真剣に考え始めたところですね。

ちなみに『究極の質問』で出てくる「悪しき利益」という視点、あれはすばらしいと考えています。

※不満を抱える顧客から得た利益は「悪しき利益」であり、そうした利益は顧客との関係性を犠牲にし、批判者をつくりだすとされている。NPSを分析することで、企業の利益が「良き利益、悪しき利益」のどちらかが見えてくる。

悪しき利益に振り回されないための決断

――悪しき利益という視点は、すばらしいですよね。

●徳力 当社も、やはりソーシャルメディアバブルの最中は悪しき利益に振り回されてしまったかな、と感じているんです。バブルのさなか、「Twitterキャンペーン、とにかくやりたいです」「Facebook、なんでもいいから考えてください」といった形で売上が立つこともありました。

一方、「そうではなくて、企業の根本的な問題を解決していないとリピートにはつながらない」という話を社内でもずっと議論し続けていますが、売上の数字が達成できれば担当は満足しますし、評価もせざるを得ません。

でも、「今は売上として上がっているけれど、たぶん続かないよね」というものには早めに気づいてもらう必要がありますし、NPSはその手がかりになるように思います。今は私がやっているので3か月に1回という頻度になっていますが、NPSが業績に貢献するのが見えれば、専任スタッフをつけて計測頻度を上げるなど、考えたいところです。

――短期キャンペーンをドカンと取ってくる。そうした営業担当に注目が行きがちだというのはまさにおっしゃるとおりで、でもそれは「悪しき利益」の可能性がないわけではないと。

●徳力 われわれはソーシャルメディア活用のアドバイザーにならなければいけないのですが、実はキャンペーンというものはソーシャルメディアと相反する要素が多々あるわけです。ソーシャルメディアを使った、企業の日々のコミュニケーションを最適化するためのアドバイスが求められるなかで、単発で大きなキャンペーン案件をいただくというのは、会社としての評価も上がりビジネス上はもちろんすごく大事だと思っていますが、AMNが本来目指している日々のコミュニケーションの強化とは目的が異なるケースが多々あります。

大きなキャンペーン売上は会社として大事ですが、
本来の活動目的からすると「悪しき利益」かもしれない

ただ、だからといってそういうキャンペーンの仕事をいっさい取らないというのもおかしいので、このあたりの感覚をスタッフに肌身でわかってもらうためのインセンティブの設計をNPSとの組み合わせで実現できるといいなと。これは2013年のどこかのタイミングで制度として出したいと考えています。

われわれは、「何かおもしろそうなことをやってくれそうだから頼む」というクリエイティブエージェンシー的な会社ではなく、「ソーシャルメディア関連のファンコミュニケーションの話は、まずはアジャイルメディアに相談しよう」というポジションの会社になる必要があります。実際、何社かのお客さんに「もっと伴走型になってほしい」といったリクエストはいただいています。

――一緒に走ってくれる企業ということですね。

●徳力 私はよく「コンサルフィーはいただきません、実践に対するお金をください」という話をしています。コンサルティングで終わらずに、ちゃんと実際に何かの施策を行った際の活動費をいただく、PR代理店のような業態をイメージしています。

やっぱり、小さな金額でもいいので、毎月のフィーをもらっていると、担当者にとって自分のお客さんだというのが明確になると思います。「ブロガーイベントをやりました。来年の新製品のときにまたやりましょうね」では、いったん自分のお客さんじゃなくなってしまい、その企業のオンライン上の評判とか活動から目を離すと、次に提案するときには製品やブランドに対する知識や意識のレベルがゼロに戻ってしまうわけです。そうではなく、たとえば、毎月レポートのお手伝いしていれば、常に企業の目線でウォッチを続けることになり、その過程でヒントが絶対に見つかるはずです。

ソーシャルメディアにおいては、「こうやってやるべきです」ではなく「こうやって、一緒にやりましょう」。やってみて「こうでしたね。じゃあ、次はこうしましょう」までやらないと駄目だと考えています。そういう意味で、単発のキャンペーンの売上は会社にとって大きいものの、AMNとして本来注力するべきことから比較すると、悪しき利益になりやすい構造があると『究極の質問』を読みながら実感しました。

また、当社では企業が実施するイベントの告知だけを会員向けのメールマガジンでお手伝いする場合もあるのですが、「ユーザーにとって楽しくないイベントの告知のビジネスを続けていると、本業にダメージがあるかもしれない」といったことも検証したいと考えています。

――告知だけだと手間がかからず、ビジネスとしては効率がいいんですよね。

●徳力 ビジネスとしては儲かるわけですが、ただそれによって参加者が「AMNから告知されるのは面白いイベントだと思って参加したのに、なんだよ……」みたいになると、実はわれわれにとっては深刻な事態になってしまいます。こういうイベントに参加して記事を書いてくれる人って日本にたくさんいないので(笑)。そういう人たちからの信頼を失っては駄目だと、スタッフにも口うるさく言っています。

今まで、「クレームがあったから、これはやらないほうがよかったんじゃないの」という議論をしても、「そうはいっても儲かっているんだからいいんじゃないですか」で終わることもありましたが、推奨意向などを検証することで「それは違うよね、会社にダメージになっているよね」と言えるはずです。

――すでに悪しき利益で儲かってしまっていて、仮にですがその会社が上場していたりすると、おそらく「利益を落としてでもちゃんとした関係性に戻します」という決断は許容されにくいだろうと思います。

●徳力 そうかもしれませんね。現実問題としては、当社も以前は単発のキャンペーンからの売上がそれなりにありましたが、本来やるべき中長期のアドバイスやコンサルティング、継続型のキャンペーン施策へリソースを振り分けた結果、単発のキャンペーン部分はかなり売上の割合としても減りました。売上や利益に関することは、理解が得られる環境でないと大変だと思います(笑)。トップダウンである程度の方向性を決めてからやらないと危ない気はします。

企業メッセージを統一し、原点回帰へ

――NPSを取り入れてみて、他にも感じたことはありますか。

今はアカウント運用支援という形になっていますけど、ソーシャルメディア上での話題をいかに増やすかとか、われわれがアンバサダーと呼ぶ方たちをいかに増やしたり、その人たちにいかに話題にしてもらうか、四六時中とは言わないまでも継続して考え続けてないと、たぶんわれわれの存在意義はないと思うんですよね。会社の遺伝子を統一する意味でも、NPSはわれわれにとって非常に相性が良さそうだと思っています。

もともとそっちの遺伝子だったはずなのですが、やっぱりソーシャルメディアブームの過程で、言っていることと実態が乖離してしまった面もあったのだと思います。「われわれは企業と利用者をつなぎます」と言っていましたが、Twitterキャンペーンや、Facebookキャンペーンを手がける過程で、総合広告代理店のまねごとを小さい規模でやるみたいな感じになってしまった面もありました。でも、そもそもはそういう会社を作りたかったわけではないんです。

リニューアル後は「アンバサダー」がメッセージの核に
http://agilemedia.jp/

2012年6月に行ったNPSの調査結果を受けてお客さんへ伺うなかで、バブルで調子に乗っている間に、社外から見た企業イメージが変わってしまっていたことに気づきました。当社がやろうと思っていることは、お客さんにきちんと伝わっていないという感触を受けました。

今はもう1回、「われわれはこういう会社で、得意なことはこういうことで、こういうことをやりたいと考えています」とお伝えしようとしているところです。企業メッセージもちゃんと統一して、サイトもリニューアルしようという動きが、NPSのアンケートをきっかけに始まったりもしています(※2013年1月にリニューアルされている)。

――企業メッセージというのは具体的には。

●徳力 私たちがやるべきことは、ソーシャルメディアユーザー、私たちが言うところのアンバサダーがいかに企業と一緒に盛り上がってくれるかを、それぞれの企業に合わせて考えることだと思っています。

――そういう意味では、原点に回帰するきっかけになっているんですね。

●徳力 原点回帰ですね。

また一方、お客さんへのインタビューを通じて、われわれに求められているのがより深いレベルのアドバイス、より上流工程の視点でのアドバイスになってきているという手応えがありました。このため「アンバサダープログラム」という名称で、中長期で継続的に企業の支援やアドバイスをするチームを発足させましたが、ここが今、全社的な業務のプロセスを見直す活動の中心になりつつあって、そういう意味では1回目のNPS調査はかなりいろんなもののきっかけになっています。

――クライアントである企業に対するNPSの提案状況はいかがでしょうか。

●徳力 最近は自社だけではなく、継続的にお手伝いしているお客さんに対してもNPSによる計測を提案し始めています。2013年は、お客さんと一緒に取るアンケートは、特に何か言われない限り全部この11段階にしていくつもりです。

NPSを用いることで、たとえば批判していた人たちがポジティブに変わったかどうか、どうすればポジティブに変わるのか、ほめている人たちは何を軸にほめてくれているのか、そういうのが見えてくる。それをうまく使えば、キャンペーンのネタに使える可能性があると感じています。

NPSで一番大事なのは、やっぱりこの3分類した、特に上と下(推奨者と批判者)を見るところだと思いますね。分類と分析をして、なぜなのか聞いていくところです。

――推奨者を増やし批判者を減らす。その結果としてNPSが上がるということですね。

「勧めたいか」というNPSの質問は絶妙ですね。その人のホンネが見えてきます

●徳力 また、「勧めたいか」という聞き方がなかなか絶妙だなと思っています。当社でも6月に最初に聞いたときに「私は満足していますが、おそらく他の部署に理解してもらえるかというと難しいと思うので……」といった感じで、ヒントを書いていただいたケースがありました。

「今回の施策はどうでしたか」と聞いてしまうと、「まあ、満足」みたいな感じで返ってくることが多いと思います。これが「勧めますか」だと「自分たちは実験だからちょっとやってみているけれど、他の部署に紹介できるまでじゃないよ」っていうホンネが出てきたりします。なんのことはない質問ですが、これを考えた人はすごいなと思っています。

関係性の深さが経営に貢献することを証明していく

――徳力さんの場合は、経営者としてトップダウンでNPSを導入していますが、他の企業も今後NPSを入れていくべきだと思われますか。

●徳力 いわゆるマスマーケティングで十分だ、たくさん売れさえすればいいというビジネスであれば、苦労してNPSを導入しなくてもよいと思います。一方で、顧客との関係性において、その深さを測ろうと思うのであれば導入するメリットはあるでしょう。おそらく、BtoBの企業やサービス系の企業などは向いている気がします。

すでになんらかのアンケートをとっているのであれば、その質問を変えてみる。あとはエクセルでできるレベルの計算ですからやってみるのがいいと思います。

――AMNは立ち上げの時から「健全なクチコミ」を掲げていたので、顧客志向のNPSとは思想的なところで相性がよさそうだと感じていました。

●徳力 そうですね。ただ、3~4年前はどちらかというと理想論で語っていたと思います。だからバブルが来たときに、そちらのほうが楽だというので引っぱられた感じはありますからね。今はある意味、悪しき利益体験をしたからこそ身に染みて感じている部分があります。

――最後に今後の展望をお聞かせください。

●徳力 今はほぼ私1人で実験的にやっている状態ですが、これをさっきの遺伝子の話のように、会社のカルチャーとシンクロするものにしていこうと思ったら、組織のフローのなかに入れていくべきです。

今は3か月ごとに私が個別でメールを送っていますが、たぶん本当は案件が終わってしばらくしたタイミングが適切でしょう。向こうが怒ってるなら怒っているタイミング、喜んでいるなら喜んでいるタイミングで、早めに聞かないといけないはずです。

将来的には「案件が完了しました。レポートも済みました。NPSを取ります」という形で全体のフローに入れていきたいと考えています。スタッフ1人ひとりの意識を「お客さんがどう思っているかを確認しない限り仕事は終わっていない」というふうに変えなくてならないですから、けっこう大変だろうとは思います。

徳力 基彦氏

2013年中には終わらないと思いますが、3か月サイクルをたとえば1か月に変えていきながら、いつかはビービットの遠藤さん(第1回インタビュー参照)のように、日本でNPSをこういうふうに使うべきだと啓発する側に回れるといいな、とも思います。やっぱり、ソーシャルメディアを推進する側としては、NPSはすごいヒントだと思っていますので。

ソーシャルメディアの世界ではエンゲージメントという言葉がよく使われていますけれども、それを測る方法はいわゆるエンゲージメント率ではないと思っています。私たちは、お客さんにフォーカスしているNPSのような測定手法によって関係性の深さを測り、ソーシャルメディア上でのコミュニケーションやエンゲージメントがきちんと売上げにつながることを証明しなくてはいけないプレーヤーなので、うまく日本企業に合うやり方を見つけたいと考えています。

◇◇◇

2010年代に入ってマーケティング関係の話題がソーシャルメディア一色になるなか、最前線で活躍していた徳力さんがその裏でこのような悩みを抱えていたことは、時おりカンファレンス等で顔を合わせていた筆者にとっても意外だった。そして、NPSを用いつつステークホルダーとの適正な関係性を模索し、原点に戻る決断を下したことは、誰にでも簡単にできることではないと思う。同世代としても、非常に感銘を受けたインタビューだった。

この記事の筆者
ユーザー 河田顕治 の写真

河田 顕治(かわだ けんじ)

1973年、滋賀県生まれ。大阪大学人間科学部卒業。写真業界誌の編集記者、海外ビジネス系通信社のWebサイト企画・運営を経て、2003年1月より検索エンジンマーケティング(SEM)に携わり、その有効性について広く訴求・啓発につとめる。

2006年9月、広報/マーケティング担当としてオーバーチュア株式会社へ入社。2008年4月にヤフー株式会社へ転籍し、インターネット広告(リスティング広告/ディスプレイ広告)のマーケティングを担当。2012年6月末をもって退職し、本稿執筆時点ではいろんな意味でフリー。

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:ソーシャルメディアバブルの「悪しき利益」体験から、NPSの探求を通じて原点に回帰するまで/アジャイルメディア・ネットワーク [顧客ロイヤルティを計る経営指標「NPS」] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.


インバウンドマーケティングはコンセプト。狩猟型マーケからマインドセットを変え、愛されるマーケに [編集長ブログ―安田英久] | Web担当者Forum

$
0
0
この記事を読むのにかかる時間: 約 6 分
「インバウンドマーケティング」はコンセプト。手法やツールではない
オールドエコノミーのマインドセットからニューエコノミーのマインドセットに変えること、それがインバウンドマーケティングで大切なこと
狙ったターゲットを狩りに行く「狩猟型」のマーケティングから、求められる情報を提供することでターゲットに見つけてもらうマーケティングへ
いまやマーケターはデータを見るだけでなく、コンテンツを提供するPublisherにならなければいけない
キーワードは「愛される」マーケティング

そんなメッセージを「インバウンドマーケティング」という切り口で来場者250名に伝えたイベント「INBOUND MKTG 2013 TOKYO」が、2月25日に恵比寿ザ・ガーデンルームで開催されました。

米国ではインバウンドマーケティングに関するイベントに3000名の参加者が集まる状況になっているなか、大規模なインバウンドマーケティング関連のイベントが開催されるのは日本で初めてでしたが、早々に満席となり、当日も250名が参加する熱気あふれるイベントとなりました。

イベント「INBOUND MKTG 2013 TOKYO」で語られた、「インバウンドマーケティングの本質とは? インバウンドマーケティングで大切なこと」を、レポート形式でお届けします。

「インバウンドマーケティング」はシンプルな考え方。
大切なのはマインドセットを変えること

このイベントを主催した株式会社マーケティングエンジンの高広 伯彦 氏は、オープニングでそう語ります。

従来のマーケティングでは、第三者から購入したリードに対して、いきなり営業したりメールしたりしていましたが、そういったマーケティングに対して人々は嫌気がさしてきており、そうしたメッセージをブロックする仕組みが増えています。

そのいっぽうユーザーは必要ならば検索を活用して情報を得に行くのが一般的になっていますし、ソーシャルメディアやブログも普及して利用されています。

顧客がこうした状況にあるいま、「人をひきつけるマーケティングに進まなければいけない」これがインバウンドマーケティングの考え方です。

ではインバウンドマーケティングとはどんなものなのでしょうか。高広氏は「その答はシンプルだ」として次のように説明します。

これまでのマーケティングは、潜在顧客に対して企業からメッセージを発信してリーチしていく「アウトバウンド(外向き)」の行動でした。インバウンドマーケティングではアクションの方向が逆で、顧客が企業を見つけて情報を得に来る「インバウンド(内向き)」になります(インバウンド・アウトバウンドの方向は企業から見た方向)。

インバウンドマーケティングの話題になると、こんな意見が出ることがあります。

SEOもブログもソーシャルもLPOも、以前からやっている。特に新しい話ではない。「インバウンドマーケティング」というのは単なるバズワードだろう。

しかし、そうではないのだと高広氏は言います。インバウンドマーケティングで大切なのはSEOやブログやソーシャルメディアといった個々の手法を使うかどうかではないのです。前述のようにユーザーに自社のことを見つけてもらい、知ってもらうという「考え方」こそが、インバウンドマーケティングの本質なのです。

従来のマーケティングのような「自分たちが狙っているタイプの人が集まっている場所を見つけ、獲物を狩る“狩猟型”」という考え方ではなく、耕して育て獲得する“農耕型”のマインドセットになること、それがインバウンドマーケティングを理解する要点なのであり、SEOやブログは、それを実現するための手段に過ぎません。

そして、農耕型のマーケティングを成功させるのに大切なのは、「Authentic(オーセンティック)であること」だといいます。この言葉を日本語にそのままするのは少し難しいのですが、「嘘偽りない本物であり、信頼できるホンモノ」というイメージです。

インバウンドマーケティングの手法に「コンテンツを増やす」というものがありますが、どんなコンテンツでもいいからただ作ればいいというものではありません。ユーザーの知りたい情報をオーセンティックで価値あるものとして嘘なく作る、それが「inboundy(インバウンディー、インバウンド的)」な進め方なのです。

オールドエコノミーのマインドセット「マーケターや企業の都合でマーケティングを行う」から、ニューエコノミーのマインドセット「受け手の人々の都合に合わせて、求められ愛されるマーケティングをする」への変化。それがインバウンドマーケティングを理解するのに大切な考え方なのです。

イベントでは、高広氏によるこうしたインバウンドマーケティングの解説に続いて、インバウンドマーケティングを実践している人たちの事例、見込み客育成のためのクリエイティブ、人を惹きつけ、愛されるためのマーケティングに必要なクリエイティビティなどのパネルディスカッションが繰り広げられたほか、インバウンドマーケティングに役立つサービスを提供している協賛社によるプレゼンテーションが行われました。

当日のセッション内容と登壇者は次のとおり。

当日のプログラム
  • オープニングノート
    ・高広 伯彦 氏(株式会社マーケティングエンジン)
  • パネルディスカッション1「インバウンドなコンテンツづくり。ブログ、ソーシャル、SEOの活用と課題」
    ・関 信浩 氏(シックス・アパート株式会社)
    ・清水 昌浩 氏(Ginzamarkets株式会社)
    ・栗原 康太 氏(株式会社ガイアックス)
  • ニュースリリースの活用によるインバウンドマーケティング
    ・株式会社ニューズ・ツー・ユー
  • リレーションシップ・ファースト ――顧客と向き合うためのマーケティングとは
    ・レスポンシス合同会社
  • あっち向いてるお客に、こっちを振り向いてもらうためのコミュニケーションデザイン
    ・株式会社ネクスウェイ
  • パネルディスカッション2「見込み客育成のためのクリエイティブ、その手法と課題」
    ・谷井 等 氏(シナジーマーケティング株式会社)
    ・四家 正紀 氏(株式会社ニューズ・ツー・ユー)
    ・鈴木 望 氏(レスポンシス合同会社)
    ・上田 代里子 氏(株式会社ネクスウェイ )
  • 「インバウンドマーケティング+CRM」を実現する、マーケティングナビゲーターSynergy!360
    ・シナジーマーケティング株式会社
  • インバウンドマーケティングを実現するHubSpotユーザー事例
    ・株式会社マーケティングエンジン+Fringe81株式会社
  • パネルディスカッション3「人を惹きつけ、愛されるためのマーケティングとは? そのためにマーケターが身につけるべきクリエイティビティとは?」
    ・水野 学 氏(good design company)
    ・増田 隆幸 氏(株式会社インフォバーン)
    ・河野 武 氏(コミュニケーション・デザイナー)
  • クロージングノート
    ・林 雅之 氏(株式会社マーケティングエンジン)

INBOUND MKTG 2013 TOKYOで語られたインバウンドマーケティングのヒント

有料イベントのためその内容を子細に伝えることはしませんが、イベントで語られた話のなかから、いくつかの気づきとなるポイントを紹介しましょう。

  • B2Bの業界でインバウンドマーケティングを実践している企業では、旧来の営業的なスタイルと比べて「顧客が来てくれる」効果が実際にあり、売上につながっている。(パネルディスカッション1)

  • 信頼できるコンテンツに触れた顧客は、営業がコミュニケーションする時点でこちらを理解して信頼してくれている状態になっている。(清水氏)

  • コンテンツはセールスのためというよりも、その前段階の醸成のため。コンテンツから結果に結びつくまでに半年~1年などの時間がかかる。(パネルディスカッション1)

  • 会社を挙げてブログなどでコンテンツを作り出していくには、ガイドラインの整備、コンテンツ執筆時点では会社に所属していた人が退職したあとでもわかるようにする公式アカウント一覧、スタッフがコンテンツを作成するモチベーションを高める編集会議などの環境が大切。(関氏)

  • 数字を追いかけなければいけない環境の場合は、まずは購買に近いリード獲得を目的にしたコンテンツマーケティングを行い、それで成果を出して社内の理解を得てから、少しずつその前段階のニーズへとコンテンツを広げていくといい。(栗原氏)

  • どんなコンテンツを作るかは、顧客の悩みやニーズをキーワードグループに分けて考えると考えやすい。(清水氏)

  • メールでは「売上÷メール配信数」という指標で見るといい。売上だけだとリストを強引に増やす動きになりがち。(鈴木氏)

  • 課題があることに気づいていない人に対して、課題に気づき、その解決策があることを知ってもらうという醸成にコンテンツは役立つ。(上田氏)

  • メールでもWebでも「クリックされた」データだけでなく、「クリックされなかった」ことを見ていくことで気づくことも多い。こうしたクリックされなかったことなど含めたさまざまなデータを「デジタルボディランゲージ」と呼ぶ。(パネルディスカッション2)

  • データの母数が少ないB2Bでは、セールスへの反応などの定性データと組み合わせて仮説を検証するべき。(上田氏)

  • リードナーチャリングというと難しそうだが、要は「こっちを向いてほしい人」を知り、その人向けの話題を介して興味をもってもらうことが大切。(上田氏)

  • 企業の都合でメールを送るのはアウトバウンド的だが、顧客の都合(行動やタイミング)に応じてメールを送るステップメール的なコミュニケーションはインバウンドマーケティング的。(パネルディスカッション2)

  • マーケティングメールは1通目や2通目は見てもらえるが、そこで自分に合わないと判断されたら、それ以降のメールは開いてもらえなくなる。ユーザーにとって価値ある情報をいかに簡潔に伝えるかが大切。(谷井氏)

  • クリエイティブでは企業が伝えたいことやブランド感を訴求するよりも、ユーザーが見たい・欲しいものを訴求する。いまはその精度を高めていくのが大切な時代。(水野氏)

  • マーケティングに夢中になると差別化を進めたくなるが、ユーザーが本当に求めるもの(ど真ん中)が希薄になってしまわないように注意が必要。(水野氏)

  • 「情報提供は客観的であるべき」という一般的な認識があるが、現実的には主観と客観のバランスが大切。オウンドメディアでは、腹を割って自分の考えていることをさらけ出してユーザーと一緒に考えてもらったり、隙を見せたり弱みを見せたりというという姿勢が適切な場合も。(増田氏)

  • ソーシャルメディアで使う表現で、同じ記号でも「★」と「☆」では受け手が感じるフィーリングが違う。デザインでも同様で、ちょっとした違いで受け手が感じるものは大きく変わる。(河野氏、水野氏)

  • 「自分が書きたいコンテンツ」を作るのではなく、「ユーザーが読みたいもの」を作ったり、場合によっては「自分が読みたいもの」を作って仲間を増やしていく方向で考える。(河野氏)

  • 「ユーザー」というのは姿のない人ではなく、どこかに存在する人。(水野氏)

◇◇◇

このイベント「INBOUND MKTG 2013 TOKYO」は、今回だけでなく、今後も継続して開催されていく模様です。

この記事の筆者
ユーザー 安田英久(Web担 編集長) の写真

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:インバウンドマーケティングはコンセプト。狩猟型マーケからマインドセットを変え、愛されるマーケに [編集長ブログ―安田英久] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

コムニコ、主要Facebookページの分析結果を基にした効果検証サービス「コムニコ インサイト」を公開 [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0

この記事を読むのにかかる時間: 1分弱

ソーシャルメディアプロモーション事業のコムニコは、Facebookページ運営の管理・サポートツール「コムニコ マーケティング スイート」の機能の一部としてFacebook効果検証機能「コムニコ インサイト」の無償提供を2月28日開始した、と同日発表した。企業のFacebookページ運営者向けの機能で、登録ユーザーが運営するFacebookページを分析し、運営状況が把握できる。国内の主要Facebookページ1000以上のデータを基にした競合他社分析やレポートの自動作成にも対応する。

コムニコ インサイトは、効果指標を6段階で評価しレーダーチャートとして表示、運営の改善点を発見してアドバイスを提示する。データはcsv形式でダウンロード可能。国内主要Facebookページの運営データが閲覧でき、事前に登録した業界別に自社データを競合他社データと比較できる。また、週次、月次レポートを自動作成し、設定したメールアドレスに自動送信する。6月30日まで無償で提供し、その後は有償化を予定している。

コムニコ
http://www.comnico.jp/

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:コムニコ、主要Facebookページの分析結果を基にした効果検証サービス「コムニコ インサイト」を公開 [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

楽天、「楽天スーパーポイント」をリアル店舗に拡大する「Rポイントカード」を発行 [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0

この記事を読むのにかかる時間: 1分弱

楽天は、電子マネー「楽天Edy」やクレジットカードの「楽天カード」によるリアル店舗での決済時に付与する「楽天スーパーポイント」を、リアル店舗で活用可能にするポイントプログラム「Rポイントカード」を2013年春をめどに発行し、リアル店舗における楽天スーパーポイントの利用を試験的に開始する、と3月5日発表した。Rポイントカードのバーコードや磁気情報により、加盟企業の店頭のPOSや端末を介して、楽天会員が楽天スーパーポイントを貯めたり、ポイントによる支払いが可能になる。

Rポイントカードのポイントプログラムは、楽天スーパーポイントと自動的に合算するサービスのため、顧客の誘導に効果があり、ほかのポイントプログラムとの併用ができる。既存の磁気カードやバーコードの仕組みを利用するため、POSレジを利用している場合、新たなハードウェアの投資が不要。事務手数料の水準は業界最安値を設定している。

楽天
http://corp.rakuten.co.jp/

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:楽天、「楽天スーパーポイント」をリアル店舗に拡大する「Rポイントカード」を発行 [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

日本レジストリサービス、「都道府県型JPドメイン名」の累計登録数が1万件を突破 [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0

この記事を読むのにかかる時間: 1分弱

ドメイン名の登録管理とドメインネームシステム(DNS)運用の日本レジストリサービス(JPRS)は、同社が管理する「都道府県型JPドメイン名」の3月1日現在の累計登録数が1万件を突破し、1万1078件となった、と3月4日発表した。3月1日現在の登録数は東京(2426件)、大阪(724件)、京都(484件)、福岡(395件)、北海道(333件)の順となっている。

都道府県型JPドメイン名は、「地域型JPドメイン名」対する「ドメイン名が長い」「複数登録できない」などの指摘や改善要望を受け、2012年11月にサービスを開始した。「○○○.hokkaido.jp」「○○○.tokyo.jp」「○○○.nagasaki.jp」のように、全国47都道府県の名称(都道府県ラベル)を含むドメイン名で、日本国内に住所を持つ個人・組織であれば、いくつでも登録が可能。「○○○」の部分(第3レベルドメイン)は、英数字だけでなく漢字、ひらがな、カタカナなども使用できる。

日本レジストリサービス
http://jprs.co.jp/

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:日本レジストリサービス、「都道府県型JPドメイン名」の累計登録数が1万件を突破 [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

主観が許される「ブログ」と、客観性が不可欠な「コンテンツ」 [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum

$
0
0
この記事を読むのにかかる時間: 約 3 分
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の302

コンテンツ作文の条件

日常を切り取り、等身大の自分で、得意分野の庭に招じ入れて語る「ブログ」と、不特定多数のお客向けに伝えることを目的とする「コンテンツ作文」は別物。この混同で損をしている文章は多く、Web担当者なら常に意識しておかなければなりません。というわけで、前回に引き続き「作文」がテーマです。

上記の理由から、アルファブロガーの文章がコンテンツとしては「使えない」ことも珍しくありません。特に人気者になればなるほど「自分の庭」で語ります。得意な言い回し、好む慣用句、独特の比喩など、読者があらかじめ知っている前提でつづられるからです。読者にとってはそれがたまらない魅力であっても、読者以外からみれば「意味不明」なことも。

そして前回の「珍しい牛肉料理」も意味不明。一言で述べれば「客観性」の違いですが、客観性は「コンテンツ作文」の絶対条件です。

基準がないと迷子になる

某ラーメンチェーン店が、NHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公「新島八重」に便乗した期間限定メニューの説明に、「当時では珍しい牛肉料理」とありました。しかし、何と比較して珍しいかを明示しなければ、珍しさの度合いがわかりません。これが「客観性」で、第三者が見てもわかる基準を明示することで説得力を高め、文章に深みを与えます。反対に、客観性を排除することで、偏りを生みだす、おもしろさへとつなげる「ブログ」の手法もありますが、「商業ベース」ではありません。

そもそもこの文章は、明治の初期は「獣」を食べないという思いこみを前提としていますが、いまでいうところの「幕府のプロパガンダ」を鵜呑みにしたものです。日本人は縄文時代から獣肉を食べており、仏教が伝来した後も食べ続け、江戸期にはいっても、後に「近江牛」ブランドを確立する地の彦根藩が、将軍様に「牛肉の味噌漬け」を献上していたという公式の記録があります。

つまり、表向きだけのご禁制だったのです。また、「獣肉ではないから食べてもOK!」という方便のため獣肉には別名があり、「さくら=馬肉」「ぼたん=いのしし」「もみじ=鹿肉」となります。

珍しくない牛鍋

さらに続けると、前回触れたようにラーメン店では「京都にいた際に、市内にある老舗店に夫婦一緒に……」と、「夫婦」と紹介することで時代の特定を試みていますが、新島八重と新島襄が結婚したのは明治9年。このころすでに牛鍋は広く知れ渡っており、「珍しい」とする価値に疑義が残ります。つまり「珍しい」とする根拠が見つからないのです。

これでは「客観性」が揺らぎます。細かいことのようですが、コンテンツとして世に出すときは、時代背景や事実関係などの「裏取り(事実確認)」が必要で、Web担当者にはより求められます。なぜなら、ネットでは「検索」が容易だからです。

特に断定できない論拠しか見つからなければ、その表現は捨てるほうが賢明です。ましてこの企画において肝心なことは「新島八重」で、ならば「新島八重も食べた牛肉料理」で十分ということです。事実だけを述べるだけにとどめ、客観性を担保するのです。

やってはいけない三点リーダー

次に、余談として話を誇張するための「ブラックテキスト芸」を紹介します。まず、次のように記載します。

新島八重も“好んで”食べた牛肉料理

「嫌い、と明言していない以上、好きだった可能性も高い」という、悪魔の証明(まったく存在しないことを証明するのは困難であること)を逆手に取った手法です。客観性は無視して、読者に与える「印象」に重きを置く手法です。

そもそも基準を明示しない文章には「思いこみ」があります。先の「珍しい牛肉料理」はその典型です。客観性を意識すれば、どれも避けられることですが、ある意味もっとも客観性を求められるのが「自分」です。それは「わかってくれる(はず)」という思いこみであり「…(三点リーダー)」の用い方に表れます。

自信のなさの表れ

私的なブログの執筆経験しかない人に多くみられるのが、三点リーダーを前段を省力するためや無音の表現としての「……」ではなく、

これがこの商品の良いところです……

といった用法です。これを読んだ読者はこう思うことでしょう。

だから、なに?

筆者の「他にも良いところがある、すべてを語らずとも理解して!」という思いこみが、余計な余韻の記号を記入させ、結果的に読者を苛つかせたり、混乱させたりします。客観性とは読者の視点と置き換えてもいいでしょう。さらに、

「……」

という表現は読者に「そのとき、筆者はなにを考えましたか」という、国語の読解力のテストの解答を強いる傲慢な行為です。コンテンツ作文においては、表現上、絶対的に必要だと確信していない限り、使うべきではありません。

筆者は神ではない

また、「……」は、自信がなく、曖昧に逃げたいときに多用される傾向があります。「……」と打った際は、曖昧さを読者に押しつけていないかと自問してください。それでもわかってくれるだろう、という思いは、客観性の対極にある「思いこみ」です。

日本テレビ系列で放送されているアイドルグループ「TOKIO」の長瀬智也さんが主演するコメディー「泣くな、はらちゃん」では、マンガのなかのキャラクターが現実世界に飛び出し、作者の麻生久美子さんを「神様」と呼びます。漫画や小説の世界において筆者は神です。ブログも自分の世界で完結できるので「神」といっていいでしょう。しかし、コンテンツの筆者は神ではなく「解説者」です。

先週からの引き続きで引用すれば「新島八重ラーメン」のすばらしさを伝える解説者です。まとめの意味を込めてプロ野球の解説者で例えれば、「凄く速い球を投げるピッチャー」ではなく、「時速160キロを投げられる」や「ダルビッシュ以上の速球」になるということです。

主観のみが許される「ブログ」と、客観性が不可欠な「コンテンツ」の違い。これを意識して区別できるようになれば、ワンランク上のWeb担当者になれること請け合いです。

今回のポイント

作文とは解説

思いこみと、読者への甘えを排除する

この記事の筆者
ユーザー 宮脇睦(有限会社アズモード) の写真

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、冷静な視点からのIT業界分析に「週刊ポスト」など、様々な媒体から情報発信を続ける。

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:主観が許される「ブログ」と、客観性が不可欠な「コンテンツ」 [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

長谷川敦士氏「単なる利用者のニーズではなく、何に価値を感じるのか本質的に捉えて、そこに向かうことがUXの肝」 [ユーザーエクスペリエンスのチカラ] | Web担当者Forum

$
0
0
この記事を読むのにかかる時間: 約 11 分

このコーナーでは、UX(ユーザーエクスペリエンス)に造詣の深い人物や、UXを実践している担当者へのインタビューを通じ、さまざまな視点からUXのヒントを探っていく。

ユーザーエクスペリエンスのチカラ
長谷川敦士氏

長谷川氏にとってのUXとは?
UXデザインを「おもてなし」と表現することがありますが、それは間違っていて、「おもてなし」を実現する組織デザインとオペレーションをどう行うかがUXのデザインです。

長谷川 敦士氏
株式会社コンセント 代表取締役
特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net) 理事

UXのチカラ第3回は、株式会社コンセントの代表取締役で、NPO法人人間中心設計推進機構理事でもあるインフォメーションアーキテクトの長谷川敦士氏に、UXへの考え方や取り組みからUXデザインの事例、また実際に体験した優れたUXなどについて語っていただいた。

ユーザーの価値観に、自分たちの提供できるものを当てはめられるのか

――まずは長谷川さんとUXの出会いを教えてください。

長谷川敦士氏

UXという言葉自体は、認知科学者のドン・ノーマンがユーザーエクスペリエンスデザインラボを設立したことから広まりました。当時アップルに在籍していたドン・ノーマンは、問題に対して個別の部門で取り組んでも解決できないと考えたんですね。

たとえば、ユーザーがプロダクトの使い方を間違えた場合、それがプロダクトデザイナーの責任なのか、ソフトウェアデザイナーの責任なのか、マニュアルを作る人の問題なのか、マーケティングの人の課題なのか、セールスの人の課題なのか、たらいまわしになりがちです。そこでドン・ノーマンは、各部門のヘッドを集めた横断組織として、ユーザーエクスペリエンスラボという、ユーザー体験についての問題を解決するためのタスクフォースを立ち上げました。

こうした話から、確かにユーザー体験は個別の部門ではなく、横断的に取り組まなければいけないという認識を持ちました。それが1998年ぐらいだったと思います。

――1998年というとコンセント設立前ですか。

大学院に行っていたころです。僕は大学院で物理学を学び、そのあと認知科学に進んだのですが、認知科学という分野はドン・ノーマンと関わりが深く、当時ドン・ノーマンの日本でのレクチャーにも行ったことがあります。

――コンセントでは、どのようなお仕事をされているのですか。

コンセントはWebサイトの制作や、そのための戦略立案・設計、紙メディアのエディトリアルデザインも行うデザイン会社です。また、UXを前提とした商品開発やサービス開発、すなわちサービスデザインにも取り組んでいます。僕自身は、ファシリテーターのようなことや、プロジェクトのアジェンダを一緒に考えるなど、現在はスーパーバイザーのような形でプロジェクトに入っています。また、印刷物のデザイン以外は、アウトプットクオリティの全体統括を行っています。

――サービスデザインについてもう少し教えてください。

技術的にできなかったことをできるようにするとか、新しい製品を作り出すことが従来型の商品開発ですが、製品は世の中に溢れていて、新しいものは真似され、価格競争になっていく。であれば、どういう人のどういう価値観に、自分たちの提供できるものを当てはめられるのか、UXを前提に考えていくのがサービスデザインです。

――UXを、デザインやユーザビリティの知識がない方に説明するとしたら。

デザインに関わりのない人でも、ブランドという言葉は知っていると思います。UXは、ブランドと同じようなものだと思っていただけるといいのかなと。たとえば、すごく良い製品を無料で提供して「商売っ気はないけど、商品がすごく良い」というブランドもあるし、ただの砂糖水なんだけど広告宣伝を上手くやって「それを飲むと幸せな気持ちになれる」というブランドもあります。ブランド実現の道筋というのはいくらでもありますし、逆にいうとブランドはいろんな要素によって成り立っているものです。

UXというものもユーザーが体験することなので、UIで画面に触れるところから作られることもあれば、UIと関係ないところで作られることもあるでしょう。Webサービスでいえば、UIはいまひとつでも自分にとって意味があれば、Webサイトに触れることは腹立たしいとしても、それを乗り越えれば自分にとってのメリットがあるわけで、結果的にUIの質は取るに足らないということになるのかもしれない。

このように、結果として生まれてくることがUXであって、途中の過程というか、それを実現する手段はいろいろな方法があり、いろいろな要素が含まれるので、ブランドと同じように考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

UXはブランドと同じようなもの。結果として生まれてくることがUXであり、過程や実現の手段にはいろいろな方法がある

利用者は何をもって嬉しいと思っているのか

――優れたUXをデザインするには何が必要なのでしょうか。

長谷川敦士氏

まず利用者の気持ちや考えを、デザインする側が理解しなければいけない。ドン・ノーマンのラボにしても、UXをデザインするのは決してデザイナーではなく、事業を提供する人みんなだという認識です。事業を提供する人みんなが「利用者は何をもって嬉しいと思っているんだっけ」と、響き所をイメージできることが大事。それがわかっていれば、あとはそれぞれの人が良かれと思ったことをやれば良くて、テクニックとかはある意味どうでもいいと思う。

いろいろなデザイン手法はありますが、利用者の気持ちを置き去りにしたら無意味だと思います。単なる利用者のニーズではなく、何が嬉しいのか、何に価値を感じるのかを本質的に捉えて、そこに向かうことがUXの肝だと思っています。

UXをデザインするのはデザイナーだけではない。事業を提供する全員が利用者の気持ちを本質的に捉えることが大事

――ご自身で取り組んできたプロジェクトのなかで、印象的なものを教えてください。

UXのアプローチには、ユーザーの体験を俯瞰して統合的に捉え直すという方法があります。すでに運営している事業であっても、前提あるいは先入観を取り払ってユーザーの体験を捉え直しますが、取り組むまでは何が問題かわからないんですね。問題がUIのミクロな部分なのか、マクロな設計なのかわからないから、適切なUXを提供できないという側面がある。そういう意味で、最近UI/UXって一緒に語られるのはよくないなと思っています。

数年前に、学生向けアルバイト情報サイトのリニューアルプロジェクトに関わりました。課題はユーザーのセグメントで、たとえばニーズベースで考えるとアルバイトを「何から探すか」となりますが、その設計自体に無理があると感じたので、いろいろな角度からユーザー調査を行ってモデリングし直しました。すると、ユーザーは「目的を持っている人」と「目的を持っていない人」に二分できたんですね。

アルバイト情報を探す人には「目的を持つ人」と「目的を持たない人」がいた。ユーザーを先入観なく捉えることでセグメント分けの課題を発見し、情報の分類を改善することが成果につながった

目的を持っている人は、「生計を立てることに重きを置くグループ」と「職種・業種への興味に重きを置くグループ」とに分かれました。「生計重視型」は毎月20万円稼がなきゃいけないというような条件の人で、「職種・業種への興味重視型」は将来Web関係の仕事に就きたいからWeb関係のアルバイトがしたいというような条件の人。目的を持っていない人は、なんとなく時間をつぶしたい人でした。

目的を持っていない人に「何を重視しますか?」「何から探しますか?」と聞くと、エリアや職種という回答があるのですが、もともと目的を持ってない人への問いかけなので、実は設問の設計というか、目的を持たない人の捉え方自体が誤っていることがわかりました。

そこで、目的を持たない人の価値観を知るために、小規模なユーザー調査を行いました。目的を持たない人たちは何を考えて日々生活しているのか、使い捨てカメラを渡して1週間の生活を写真に撮ってもらうフォトダイアリーという調査をして、そこから価値観の抽出と言語化を行い、実際の求人に当てはめる。すると「茶髪でOKなところ」「仲間と一緒に応募できるところ」「駅ナカ駅チカ」など、従来のエリアや職種、給与といったスペックとは全然違う軸でアルバイトを探しているという仮説が導かれました。

その仮説を商品の分類に当てはめたところ、学生たちがアルバイトを選びやすくなり、実際に応募が3倍ぐらい増えたそうです。もちろん、サイトリニューアルも含めた成果でもありますが、おおむねこの施策が響いたということでした。これは枠組みの捉え方としてうまく行った例で、UXを良くしたというより、UXを考えるアプローチで、先入観なくユーザーを捉え直したら、セグメント分けの所に一番課題があって、そこを解決することが一番響いたという例です。

実現するための方法を考えるのがUXのデザイン

――長谷川さんがユーザー目線で優れていると感じるUXはありますか。

「Tripit」は旅行にかかわる一連の予定を管理できる
Tripit」は旅行にかかわる一連の予定を管理できる

Tripit」という、旅程管理サービスがあります。この画面キャプチャは、パリのサービスデザインカンファレンスに行った時の旅程ですが、7時40分に成田エクスプレスに乗り、成田から全日空205便でパリへ向かい、空港からホテルへ行くという予定を、「Tripit」に統合できます。

飛行機やホテルをオンラインで予約した際の確認メールを「Tripit」へ転送するだけで、空港からホテルまでの行き方や、ホテルの滞在期間が表示される。旅行中にスマホから見れば、たとえば、フライトの遅延があれば教えてくれるなど、自分の旅行ポータルとして使えます。さらに、同行者や自宅にいる家族とも共有できます。

クロスサービスという言い方をしているのですが、個別のサービスを横断して、新しいサービスとして提供しているんですね。事前・最中・事後という旅行体験をどう作っていくかというところで、「Tripit」は上手くやっていると思う。「Tripit」を利用していると、今後ユーザーはこういったサービスを求めるようになっていくだろうなと感じます。

メディアであってもクロスサービスはあって、たとえば個別のメディアを見ずに、グーグルリーダーなどを利用して興味のあるトピックだけ読むみたいな。キンドルのウィスパーシンクみたいに、どこまで読んだかメディアを横断して記録できれば同じニュースを何度も見なくてすむとか、そういうユーザー価値も生まれてくる。どの分野であっても、だんだんとクロスサービスの方向に向かうのが摂理だと思います。

――リアルのサービスで良いUXはありますか。

UXデザインを「おもてなし」と表現することがありますが、それは間違っていて、「おもてなし」を実現する組織デザインとオペレーションをどう行うかが、UXのデザインです。「対応が良い」みたいなレベルのことがUXになってしまうと、対応の良い人をフロントにつけておけばよいのか、という議論になってしまう。スタッフをどう教育するのかといった、実現するための方法を考えるのがUXのデザインです。

UXデザインとは「優れたおもてなし」ではなく、おもてなしを実現するためのスタッフ教育やオペレーションなどを考えること

たとえば、先日プロジェクターが故障した時に、サポートセンターへ電話をしました。何度もやりとりしたのですが、サポートセンターは個別に発行した認証IDでステータスを管理していて、電話した時に僕の認証IDを伝えれば何度も同じことを言わずに済み、すぐに進捗状況がわかる。オペレーションとして、良いUXを実現することにきちんと取り組まれているなと感じました。

UXを評価する時、1つひとつの体験が優れていることよりも、優れた体験を実現する仕組みを意識します。それこそ老舗の旅館じゃないですけど、すでにステータスがある場合、気が利いているというようなことは実現されているけど、予想ができてしまってあまりおもしろくない。思いもしなかったところに新しいUXを提供できる余地があって、それを見つけることがおもしろいと思います。

そのプロジェクトは本当に必要ですか

――たとえば、商品開発のプロジェクトに参加してほしいと長谷川さんに相談した場合、どういったことからスタートしますか。

長谷川敦士氏

まず「やる必要あるんですか?」っていうところからですね(笑)。もちろん状況にもよりますが、すでに提供価値を決めている場合はその検証をすることもありますし、もうやると決めているのであれば利用者の調査を行い、提供予定のサービスと関わる行動をモデル化して、どの部分に提供価値がフィットするかプランニングします。

サービス自体をどうしたらいいかという相談であれば、利用者がどんなことを重視しているか、広範囲に価値観を抽出するための調査を実施して、そこから提供すべき価値観自体を定義していくこともあります。

――具体的にはどのような取り組みがあるのでしょうか。

コンセントでは、「サービスデザイン」「アクティビティデザイン」「インタラクションデザイン」という3つのレイヤーに分けています。

コンセントにおける3つのデザインレイヤー
コンセントにおける3つのデザインレイヤー
  • サービスデザイン

    そもそも何をやったらいいのかという上流のレイヤーで、サービスの開発や方向転換、響かせ所をどう変えるか、ということを考えていきます。

  • アクティビティデザイン

    たとえば、アルバイトのマッチングビジネスの場合であれば、出稿主であるクライアントから広告を集めてカスタマーである大学生に届けますが、我々はカスタマーの大学生にどのような体験を与えるかを定義していきます。大学生の生態を理解して、どのタッチポイントでどのように情報を出していけば、大学生にとって検討しやすく、応募してくれるようになるか、というように進めます。

  • インタラクションデザイン

    提供するシナリオまで決まっていて、個別のタッチポイントをどう最適化するかを考えます。でもタッチポイントには自由度が少ないんですね。

    たとえば、コンセントでは大学の入試案内用の冊子を作っていますが、問い合わせがきたら冊子を送るというようにタッチポイントが決まっています。そのなかで、どういう表現であれば大学のことが一番伝わり、誤解やトラブルを防ぐことができるか、といったことを実現するために編集しUIをデザインします。このように、タッチポイントの最適化だけでなく、タッチポイントのなかを作るということもあります。

――調査手法の使い分けについて教えてください。

先ほどの3つのレイヤーでいうと、サービスデザインの時にはエスノグラフィー調査のような、前提を置かずに顧客に関わる周辺の人も含めた生活者全体の調査が効きます。

アクティビティデザインでは、コンテクスチュアル・インクワイアリー(文脈的調査)と呼ばれる手法があって、2時間位のインタビューで、その人のふるまいから文脈性を抽出します。As-is(アズイズ)と言いますが、抽出した文脈性を提供サービスにどう当てるか、To-be(トゥービー)のシナリオや、カスタマージャーニーマップ(サービス接点ごとの顧客の体験を視覚化したもの)といった手法を使い、ユーザー視点での体験からプランを考えていくのがこのフェーズです。

インタラクションデザインでは、各操作がどう使われているのかを見ます。いわゆるユーザビリティテストなど、観察することで検証を行います。Webサイトのユーザビリティテストは、条件設定や検証のコントロールが難しいので、ログ解析から分析を行っています。

範囲を限定せずに、顧客の気持ちをイメージする

――企業が優れたUXを提供するには、だれが何を意識するべきですか。

企業のなかで顧客の体験を悪くしようと思っている人はいなくて、優れたUXを提供したくても、その人が置かれている状況がそれを許さないとか、その人に課せられた目的設定がそれとリンクしていないとか、そうするのがよいのは百も承知だけど事業の目的が別にあるとか、二枚舌のようになってしまいがちだと思います。

ボトムアップの活動だけでは続きません。もちろんゲリラ的にやって成果を出して、それをもとに組織が変わっていくことはあると思う。成果が出て組織が変われば、ゲリラ的にやった人はふるまいやすくなって楽になると思うけど、組織が変わらないと疲れてしまう。

事業を提供する人みんながUXを意識するのはゴールとして必要だと思いますが、まずは事業や部門を統括する人が意識するべきです。事業部長や部門長といった人が、顧客の体験という目線で自分たちの事業を考え直す必要があり、その課題意識を持っているかどうかに尽きるのかなと思います。すぐに何かできなくても、課題意識を持ってUXを考慮に入れながら事業設計をしていくことが、現実的な動かし方だと思います。

ボトムアップだけで優れたUXを提供するのは難しい。事業を統括する担当者が顧客の体験という目線で考えなくてはならない

――企業側のUXに対する考え方や期待については、どのように感じていますか。

長谷川敦士氏

2010年ごろからUXという言葉がバズワード的になり、「うちでもUXデザインをやりたいと思っているのですが」みたいな依頼がくるようになりました。その前から、Web業界のなかでもサービス事業を行っている企業は、言葉の認知はともかくとして、「そういうことまで考えないとできないよね」という理解があり、UXデザイン手法の導入を始めていました。

Web業界といっても、サービス事業を行っている企業と、コーポレートサイトを公開しているだけの企業では、ギャップが大きい印象がある。サービス事業を行う企業であれば、Webの体験を良くすることが売り上げに直結します。コーポレートサイトだと、問い合わせのコンバージョンレートが変わればよい方で、閲覧者数は実際の事業の売上げから見たら、因果関係として離れてしまっている。つまりコーポレートサイトってUXに関するミッションが緩やかなんですね。

最近はWebメディアが情報収集の主になってきたので、UXに関する情報を得る機会は均等にあると思いますが、そうはいってもWebのチャネルでサービスを運営している企業の方が、リアリティというか緊迫度みたいなものが強くあります。UXの部門があったり、会社横断で研究会を持っていたり、事業部自体がUXを重要視してユーザーの体験についてどう改善していこうか考えていたり。

それと、UXデザインを取り入れる際、教科書どおりの手法だとオーバースペックなところがあると思います。ペルソナを作るとか、そんなところまでやる必要はないんじゃないかと。やってもいいんですけど、たとえば1千万円のバジェットがある時に「500万円かけてペルソナを作りました」となると、もっと他のことに予算を使うべきじゃないかと思います。

――UXデザインのTIPSがあれば、教えていただけますか。

作ったWebサイトやサービスを仕事やプロジェクトに関係ない人、たとえば自分の家族などに使ってもらい観察することです。その人がどうふるまうかを見ると、絶望に打ちひしがれるかもしれませんが(笑)。ですが、伝わらないことを目の当たりにすることで、どうやったら伝わるのか、相手の立場に立って考え、体験をどう組み立てたらよいのかを考え始めるきっかけになると思います。

――Webサイトの経験価値を高めていくために、メッセージをいただけますか。

Webサイトは企業の顔。顧客とのコミュニケーションという観点から、Webサイトの役割を捉え直すといいでしょう

今やWebサイトは企業の顔として、一般の方に触れる面のすべてになりつつあります。Webサイトで何かをするのではなく、その企業が顧客とどういうコミュニケーションをするのかという全体をイメージして、Webサイトを構築していくことが必要です。顧客とのコミュニケーションという観点から、Webサイトで何をするべきか捉え直していくとよいのかなと。

顧客が企業のWebサイトを見る時は、その企業のすべてを期待するわけです。なのに、ここからここまでがUXプロジェクトの対象範囲なんて言っていたら意味がない。範囲を限定せずに、顧客の気持ちをイメージすればよいと思います。

◇◇◇

今回のインタビューでは、さまざまなサービスのUXデザインを手がけてきた長谷川氏だからこその、実践的な話が聞けた。特にご自身の手がけた事例や、UXデザインの3つのレイヤーと調査方法はレアな話ではないだろうか。また、企業のなかでだれがUXを意識するべきかというテーマでは、ビジネスの現場で多く見られるであろう事象を語っていただけたが、ここには長谷川氏の経営者としての視点も含まれており、説得力がある。ぜひとも経営層やマネジメント層の方に読んでいただきたい。

最後にUXデザインのTIPSとして、家族にサービスを使ってもらうという話が出たが、前回のライフネット生命保険株式会社へのインタビューでも「知人やお客さまに協力してもらっての行動観察」という話があった。身近な人に使ってもらうというTIPSは、ぜひとも試していただきたい。

この記事の筆者

株式会社日立システムズ

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。

監修:鹿島 泰介(かしま たいすけ)
株式会社日立システムズ
マーケティング本部

九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)卒業後日立製作所入社、デザイン研究所にて情報機器全般のデザインを手掛ける。ビジネスPCのFLORA310で、機械工業デザイン賞を受賞。2003年に日立システムズに移籍し、Webシステムのコンセプトデザインやユーザビリティ設計に従事。

執筆:今村 徹(いまむら とおる)
フリー編集者・ディレクター

情報誌編集および広告制作を経て、2000年より、フリーランスとしてWebサイトの広告制作や企業Webサイトへのコンテンツ提供(企画・取材・執筆・ディレクション)を行う。現在は日立システムズのメールマガジンやSNSなどに携わる。UXについては、鹿島 泰介より教示を受ける。

http://www.hitachi-systems.com/

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:長谷川敦士氏「単なる利用者のニーズではなく、何に価値を感じるのか本質的に捉えて、そこに向かうことがUXの肝」 [ユーザーエクスペリエンスのチカラ] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

Facebook広告の新規約「20%ルール」とは!?:そのまま会議に出せる!Facebookネタ [そのまま会議に出せる!Facebookネタ] | Web担当者Forum

$
0
0
この記事を読むのにかかる時間: 約 6 分
忙しいWeb担当者のためのそのまま会議に出せる!FacebookネタPowerPointファイルをそのまま使用・配布OK!

Facebookの仕様がまた変わっている!」「いつの間にこんな機能が?」……Facebookは次々に新しい機能を発表しているため、忙しいWeb担当者が情報をキャッチアップしていくのは非常に大変。本コラムでは、そんなWeb担当者をフォローすべく、最新のFacebookネタを厳選して紹介していく(月1回連載)。

本連載の特徴  本連載では、記事内容のポイント部分をまとめたPowerPointファイルを、毎回、別途用意しています。このファイルは、(利用上の注意に従った範囲内であれば)転載・コピー・共有・配布などが可能です。会議の資料として配付するもよし、社内の勉強会に使うもよし、最新ネタを捕捉するニュースペーパーとしてプリントを部内で配るもよし、ぜひご自由にお使いください。
※「利用上の注意」は、PowerPointファイルの最終ページに記載されています。

今回の内容

そのまま会議に出せる!FacebookネタPowerPointファイルはここからダウンロード可能
skdfbn006.ppt
全12ページ/4.32MB
  1. Facebook広告の新しい規約「テキスト20%ルール」とは
  2. Facebook広告のコンバージョン計測ツールをリリース
  3. Facebookページの新機能 いいね!後に他のページを推薦するようになる
  4. Facebook仕様最新情報 シェアをしたリンクにいいねボタンが追加!?
  5. 投稿ネタTIPS −春の訪れ−
  6. 海外キャンペーン事例紹介 −KLM(オランダ)−:ユーザーのプロフィール写真が機体に!
そのまま会議に出せる!FacebookネタPowerPointファイルはここからダウンロード可能
これらの画像をクリックしても、ファイルダウンロードは可能です。

ネタ1Facebook広告の新しい規約「テキスト20%ルール」とは

2013年1月15日(日本時間)よりFacebook上で表示される広告について、画像全体におけるテキストの占める割合を20%以内に収めるというルールが策定されました。

テキスト20%ルールを策定したFacebookの狙い

より高品質な画像を提供することで、ユーザーとのエンゲージメントが高まることを期待していると思われる。

これまでのルール

Facebook広告の画像内に購買情報やアクションを促す文言を入れることが禁止されていた。

変更後のルール

Facebook広告の画像全体のうち、テキストの占める割合を20%以内に収めなければならない。また、20%ルールを遵守していれば、これまで禁止とされていた購買情報やアクションを促す文言はOKとなった。

20%ルール判断方法

画像を5×5マス=25マスに分けて、そのうちの6マスにテキストがかかっていると違反とみなされる。当面はFacebook内で目視で審査するとのこと。審査が目視であるため、5マスぎりぎりに入れようとするのではなく、4マス程度に収めるようにすることが好ましい。※仮にテキストがボックスの半分しか占めていなくても「1ボックス」とカウントされる。

承認される/されない画像

承認される画像
承認される画像
購買情報が表示されているが、25マスのウチ4マスにしかテキストが入っていないためルール違反にならない。
承認されない画像
承認されない画像
25マスのウチ9マスにテキストが入っているためルール違反となる。商品にテキストが含まれる対象物を活用する場合、対象物に表示されているテキストは20%ルールの適用外となる。
※テキストを目立たせるために加工をしていたり、不自然に拡大表示をしているものはルール違反の対象となる。
承認される画像
承認される画像
商品に表示されているテキストが25マスのうち8マスに入っているが、加工や拡大がなければルール違反にならない。
承認されない画像
承認されない画像
商品に表示されてているテキストとは別に、加工をして追加したテキストコピーが20%を超えてしまっているためルール違反となる。

対象となる広告

  • ニュースフィードに表示される広告はすべて対象(ページ投稿広告、モバイルアプリインストール広告、クーポンなど)。
  • ニュースフィード以外の広告(デスクトップ右側に表示される広告)はこれまでのポリシーから変更なし。
  • ログアウト広告も今後対象となる予定。

※カバー画像も今後20%ルールの対象となる予定。

違反をした場合

広告の審査で落とされる。

ネタ2Facebook広告のコンバージョン計測ツールをリリース

2013年1月22日にFacebook広告のコンバージョントラッキング用ツールの提供開始が発表されました。Webサイトのコンバージョンページにトラッキング用のタグを埋め込むことで、Facebook広告経由でどれだけコンバージョンしているか、Facebookの広告管理画面で把握できます。

対象

すべてのFacebook広告、すべてのデバイスからのコンバージョンを計測できる。

コンバージョンを計測できる期間

広告をクリック/閲覧した後の1日間、7日間、28日間に発生するコンバージョン計測が可能。

計測するために必要な手順

コンバージョントラッキング用のピクセル(計測タグ)を管理画面より発行し、Webサイトのコンバージョンページに設置を行う。

※「Power Editer」「広告マネージャ」「APIパートナーの広告出稿ツール」から発行が可能。

計測するために必要な手順
計測するために必要な手順

他の計測ツールにはない特徴

  1. コンバージョンしやすいユーザーにFacebook広告を自動的に表示する。
  2. 広告を閲覧しただけのユーザーのコンバージョンも把握できる。

ネタ3Facebookページの新機能 いいね!後に他のページを推薦するようになる

Facebookページにいいね!をした後に、関連する他のページを推薦する機能が追加されました。

他のページを推薦する実際の画面
他のページを推薦する実際の画面

ファンになった後に関連するページが表示される。

対象

PC画面でのFacebookページ

表示されるおすすめページについて

Facebook社独自のアルゴリズムによって表示されるため指定は不可。競合のページを表示したくない場合は、この機能をオフにできる(オフにした場合、自社のページも他社のページにて推薦されることがなくなる)。

推薦する機能のオンオフについて

  • 自社のページにおいて本機能をオフにすると、他社のページでも自社のページが推薦されないため、ファン獲得の機会損失となってしまう可能性がある。
  • 競合他社が表示されることに難色を示す方もいるかと思いますが、ファン獲得に貢献する可能性があるため、 この機能が開始された後のファンの伸びを見て判断したほうが良いと思われる。

ネタ4Facebook仕様最新情報 シェアをしたリンクにいいねボタンが追加!?

2013年2月現在、Facebookの一部のユーザー(英語利用)のニュースフィード上で、友達がシェアを行ったリンク投稿と同時に特定のページへのLikeを促すボタンが表示されるという現象が確認されています。

関連ページへのリンクボタン
関連ページへのリンクボタン

12月4日時点では、投稿コンテンツの掲載幅が広がることが明らかとなっています。

また、あわせて以下のようなサジェスチョン文言が表示されます。

“Want to see more from [this publisher]=(この発行者の記事を)もっと見たいですか?”

“Keep up with [this publisher]=(この発行者からの)情報を受け取り続ける”

実装された場合

シェアのされやすい投稿をすることがファンの獲得につながると思われます。

参照元:Gaiax Social Media Lab
Facebookで外部リンクのシェアからファン獲得!シェアしたURLに対して「いいね!」ボタンが追加されるかも

Inside Facebook
Facebook prompts users to Like pages associated with domains their friends share

ネタ5投稿ネタTIPS −春の訪れ!−

3月に入り、春も近づいてきましたね。そこで今回は、春の訪れにむけて、2012年に各社で行われた春の訪れを感じさせる、投稿事例をいくつかご紹介します。

JAPAN AIRLINE(JAL)

ケース1 JAPAN AIRLINE(JAL)
https://www.facebook.com/jal.japan

国内の美しい桜の風景写真とあわせ桜前線の動向を紹介。季節感を伝えつつ、国内の風景と、全国に順次展開する前線の動向を紹介している点も航空会社のイメージにマッチしている。

  • いいね!:6,021
  • コメント:214
  • シェア:531
  • 当時のファン数:532,761人
  • エンゲージメント率:1.27%
キリン のどごし生

ケース2 キリン のどごし<生> / NODOGOSHI NAMA
https://www.facebook.com/nodogoshi.jp

桜の写真とあわせて自社製品を紹介。発泡酒という、花見との相性のよい製品を桜とあわせ紹介している点がファンからの共感につながるポイント。

  • いいね!:273
  • コメント:8
  • シェア:4
  • 当時のファン数:11,659人
  • エンゲージメント率:2.44%
伊藤ハム

ケース3 伊藤ハム
https://www.facebook.com/itoham

自社の食材と春野菜を使った 旬にあわせた料理を紹介。自社の製品の季節にあわせた活用を紹介することで商品自体の紹介・ブランディングにつなげている。

  • いいね!:138
  • コメント:23
  • シェア:3
  • 当時のファン数:21,004人
  • エンゲージメント率:0.78%
セブン-イレブンジャパン

ケース4 セブン-イレブンジャパン
https://www.facebook.com/711.SEJ

春という季節にあった、自慢のスイーツを紹介。ただ商品を紹介するのではなく、旬を捉えることでより強い商品訴求につなげている。

  • いいね!:332
  • コメント:16
  • シェア:33
  • 当時のファン数:18,692人
  • エンゲージメント率:2.04%

番外編 八芳園
https://www.facebook.com/happoen

公開日:2012年4月2日
公開日:2012年4月2日
公開日:2012年4月6日
公開日:2012年4月6日
公開日:2012年4月18日
公開日:2012年4月18日

同ページでは、園内の風景を季節にあわせてカバー画像に活用。春という季節にあわせた園内の花の画像も活用されている。 カバー画像を運用に取り入れている上手な事例といえる。

ネタ6海外キャンペーン事例紹介 −KLM(オランダ)−:ユーザーのプロフィール写真が機体に!

過去に海外で実施されたユニークなキャンペーン事例をご紹介します。 オランダの航空会社・KLM社が2012年春に実施したキャンペーンです。

キャンペーン概要

“Tile & Inspire”をコンセプトにキャンペーンを展開。ユーザーのプロフィール写真をKLM特製画像に編集するアプリを活用。アプリ活用者のなかから選ばれたユーザーの画像を実際に飛行機の機体に表示されます。特典として、張り付け作業の特別画像/動画が該当ユーザーへプレゼントされる。

キャンペーン参加のステップ

  1. キャンペーン概要を動画で発表。
  2. ユーザーはアプリにてプロフィール画像を加工、おのおのの感銘を受けた言葉を記入。
  3. 作成された画像と文言はユーザータイムラインに投稿される。
  4. プロフィール画像は実際の機体に貼り付けられる。
ユーザーのプロフィール写真が機体に

キャンペーン結果

  • 期間:2012年4月~2012年6月
  • 新規ファン獲得数:120,000人
  • YouTubeでのメイキング動画再生回数:750,000回
  • キャンペーン後のブランド好意度:14%から19%へ上昇

参照元:Facebook Studio :: Gallery

◇◇◇

『そのまま会議に出せる!Facebookネタ』連載6回目でしたが、いかがでしたでしょうか? 本コラムでは、今後もFacebookを中心とした最新かつ重要な情報を発信していきますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

この記事の筆者

エンゲージメント・ラボ(株式会社メンバーズ)

エンゲージメント・ラボとは、株式会社メンバーズのFacebookマーケティング推進における実績・ノウハウの蓄積とエンゲージメント向上に特化した事例を集約・研究し、顧客企業へのより一層の効果的なFacebookマーケティングサービスの提供や情報発信、新たなサービス開発を推進する研究機関。

※株式会社メンバーズとは?
1995年設立。創業以来インタラクティブエージェンシーとして、多くの大手クライアントのインターネットマーケティングを支援。近年では“ソーシャルメディア時代をリードし、顧客と共にビジネスを創造するネットビジネスパートナー”を標榜し、いち早くそのノウハウを活かしたFacebook活用の支援サービスを提供中。

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:Facebook広告の新規約「20%ルール」とは!?:そのまま会議に出せる!Facebookネタ [そのまま会議に出せる!Facebookネタ] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.


CMSの「CQ」と「Scene 7」を統合しアセット管理を統合したAdobe Experience Managerをアドビが発表 [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0

この記事を読むのにかかる時間: 約 1 分

アドビ システムズは、コンテンツ管理・エクスペリエンス管理システム製品を刷新した「Adobe Experience Manager」を、ユタ州ソルトレイクシティで開催しているイベント「Adobe Digital Marketing Summit 2013」で発表した。

Webコンテンツ管理システム(CMS)の「Adobe CQ」と、Eコマース向けのデジタル画像素材管理・表示システムの「Scene 7」を統合し、さらに新たにデジタル素材管理の「Digital Asset Management」を統合したもの。

これまで「Web Experience Management」ソリューションとして提供してきたサービスがメジャーアップデートされ、名称を変更した形。同社が提供するクラウド型のマーケティング統合サービス「Adobe Marketing Cloud」におけるエクスペリエンス管理製品として提供していく。

レスポンシブ・ウェブデザインのプレビューなどのモバイル機能や、ソーシャルメディアとの連携機能などが強化されているほか、Adobe Marketing Cloudの他のツールとの連携も強化されており、ターゲティング機能やメールキャンペーン用ランディングページ構築なども容易に行えるようになっている。

・Adobe Experience Manager
http://www.adobe.com/jp/solutions/web-experience-management.html

この記事の筆者

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

Google+
この記事に関連する他の記事を見る

  • 内容カテゴリ:CMS

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:CMSの「CQ」と「Scene 7」を統合しアセット管理を統合したAdobe Experience Managerをアドビが発表 [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

デジタルアセット管理(DAM)の提供をアドビが開始 マーケティングとクリエイティブのクラウドサービス統合を強化 [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0

この記事を読むのにかかる時間: 約 1 分

アドビ システムズは、デジタルアセット管理機能「Digital Asset Management(DAM)」を機能強化して提供することを、ユタ州ソルトレイクシティで開催しているイベント「Adobe Digital Marketing Summit 2013」で発表した。

同時に発表されたコンテンツ管理・エクスペリエンス管理サービス「Adobe Experience Manager」の新機能として提供する。

DAMは画像や動画などのデジタル素材を一元管理してWebサイトやマーケティングキャンペーンで利用できるようにするもの。

クラウドとして提供するDAMの提供により、デザイナーがDAMに登録した素材をWeb担当者やマーケターが利用するワークフローが実現できるようになるため、メールやFTPやファイル転送サービスでの素材のやりとりが不要となる。

DAMでは登録されたデジタル素材に各種メタデータを付与して管理したり探したりできるほか、Adobe Scene 7が提供する画像の自動処理機能と統合されており、デバイスやシーンに合わせて自動的に加工して表示に利用できる。

こうしたDAM機能の提供により、同社の提供するマーケティング向けクラウドサービスとクリエイティブ向けクラウドサービスの連携がより強化された形となる。

・アドビ システムズ社、クリエイティブとマーケティングのクラウドを統合(プレスリリース)
http://www.adobe.com/jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/20130306_ADAM.html

・Digital Asset Management(英語)
http://www.adobe.com/solutions/web-experience-management/digital-asset-management.html

この記事の筆者

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

Google+
この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:デジタルアセット管理(DAM)の提供をアドビが開始 マーケティングとクリエイティブのクラウドサービス統合を強化 [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

電通総研、「好きなものまるわかり調査」で若者の消費の特徴は「趣味のメリハリ化」と「消費の総“交際費”化 [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0

この記事を読むのにかかる時間: 約 1 分

電通グループの研究機関、電通総研の電通若者研究部(ワカモン)は、若者の「好きなもの」を軸に消費動向の実態を把握する「好きなものまるわかり調査」を首都圏15~29歳の男女を対象に実施。3月5日、調査結果を発表した。最近の若者の消費行動における大きな特徴は、好きなことの中でも「低コストの割り切り」と「高額消費」を使い分ける「趣味のメリハリ化」と、他者とのコミュニケーションを消費の動機にする「消費の総“交際費”化」であることがわかった。調査は2012年12月27~29日に、首都圏(1都6県)の15~29歳の独身男女を対象に、インターネットを利用して実施。有効回答数は3180だった。

「若者の趣味・好きなこと」に関する項目では、高校生、大学生、社会人のそれぞれが「ハマっていること」の上位4位以内に「音楽鑑賞」「PCでのインターネット」「アニメ」が共通してランクインした。「スマートフォン、携帯電話でのインターネット」がハマっていることでトップ10入りしたのは高校生だけだった。消費金額別にみたハマっていることランキングでは、高校生、大学生、社会人とも「海外旅行」が1位だった。1ヵ月に自由に使えるお金は、高校生が1万970円、大学生は3万6514円、社会人は6万8132円だった。また、若者の消費項目や金額の傾向として、多くの消費が「友人や家族など周りの人とのコミュニケーション」を意識した「交際費としての側面」があった。

電通総研
http://www.dentsu.co.jp/dii/index.html

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:電通総研、「好きなものまるわかり調査」で若者の消費の特徴は「趣味のメリハリ化」と「消費の総“交際費”化 [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

Adobe Marketing Cloud、モバイル対応を強化 広告・分析・ソーシャル・ターゲティングなども [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0

この記事を読むのにかかる時間: 約 1 分

アドビ システムズは、同社の提供するマーケティング向けクラウドサービス「Adobe Marketing Cloud」のモバイル対応機能を強化したことを、ユタ州ソルトレイクシティで開催しているイベント「Adobe Digital Marketing Summit 2013」で発表した。

Adobe Marketing CloudはこれまでSiteCatalystやTest&Targetなど多くのツールを包含したサービスだったが、現在では次の5つのサービスに整理されている(SiteCatalystなどの既存のツールは対応する各サービスの機能として提供)。

  • Adobe Analytics―― 解析とレポーティング
  • Adobe Social―― ソーシャルメディアの管理・活用とオウンドメディアとの連携
  • Adobe Media Manager―― 各種広告キャンペーンのポートフォリオ管理と自動最適化・ターゲティング
  • Adobe Target―― A/BテストやMVTなどによる最適化とパーソナライズ
  • Adobe Experience Manager―― コンテンツ管理をベースとしたWebやモバイルでのエクスペリエンス管理

今回のモバイル対応強化では、これらのサービス全体で強化されており、次のような機能を提供している。

  • モバイル分析やモバイルアプリケーションの分析(Analytics)
  • モバイルソーシャルアプリケーションの作成(Social)
  • モバイル広告の作成・管理・入札・分析(Media Manager、Analytics)
  • モバイルサイトやモバイルアプリケーションでのテスト・ターゲティング・パーソナライズ(Target)
  • モバイル向けコンテンツ作成とプレビュー、自動デバイス最適化(Experience Manager)

・Adobe Marketing Cloud、モバイルマーケティング機能を更に強化(プレスリリース)
http://www.adobe.com/jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/20130306_Mobile_Marketing.html

この記事の筆者

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

Google+
この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:Adobe Marketing Cloud、モバイル対応を強化 広告・分析・ソーシャル・ターゲティングなども [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

Adobe Marketing Cloudのインターフェイス刷新、タッチ対応でダッシュボードはPinterest風の“カード型”フィードに [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0
この記事を読むのにかかる時間: 約 1 分

アドビ システムズは、同社の提供するマーケティング向けクラウドサービス「Adobe Marketing Cloud」のユーザーインターフェイスを刷新したことを、ユタ州ソルトレイクシティで開催しているイベント「Adobe Digital Marketing Summit 2013」で発表した。

「Adobe Marketing Cloud」自体のインターフェイスがタッチ対応になり、ログインし直さなくても各ツールの機能を利用できるようになっているほか、ダッシュボードが大幅に強化され、「カード」と呼ばれる新しい表示になっている。

このカードやフィードは「Adobe Marketing Cloud」と「Adobe Creative Cloud」のそれぞれのサービスでのデータやコンテンツをPinterest風に表示するもの。

ユーザーそれぞれの役職に応じて必要な情報を確認できるフィード形式のダッシュボードとなっており、たとえば次のような使い方ができる。

  • 広告担当者のダッシュボード ―― デザイナーが作った広告素材の画像やキャンペーン成果のデータをフィード表示
  • Web担当者のダッシュボード ―― サイト用の画像やサイトのアクセス解析データをフィード表示
  • マネージメント層のダッシュボード ―― コンバージョンや売上関連のデータや、ソーシャルメディア上の自社関連のデータや顧客の声をフィード表示

各カードは「ピン」したりコメントを付けたり注釈を付けたりすることも可能。

新しいダッシュボードの動画(説明は英語)も公開されている。

・アドビ システムズ、Adobe Marketing Cloudの新しいタッチ インターフェイスを発表(プレスリリース)
http://www.adobe.com/jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/20130306_Adobe_Marketing_Cloud_Summit_Release.html

この記事の筆者

ユーザー 安田英久(Web担 編集長) の写真

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:Adobe Marketing Cloudのインターフェイス刷新、タッチ対応でダッシュボードはPinterest風の“カード型”フィードに [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

博報堂DYホールディングス、O2Oに課題を持つ企業を支援する「O2Oソリューションスタジオ」を設置 [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0

この記事を読むのにかかる時間: 1分弱

博報堂DYホールディングスは、グループ内の情報や人材を集約し、O2Oに課題を持つ企業に向けたマーケティング支援を強化する組織「O2Oソリューションスタジオ」を設置した、と3月6日発表した。スマートフォンの普及により、企業は広告活動や販促活動において、店頭でスマートフォンに向け電子クーポンを配信したり、TV放送と連動した動画やゲームコンテンツを配信するなど、オンラインとオフラインを融合した新しいマーケティング(O2O)に対する取り組みを強化している。O2Oソリューションスタジオは、企業や生活者のニーズに応えるために設置した。

O2Oソリューションスタジオは、「博報堂DYグループ・スマートデバイス・ビジネスセンター」と「博報堂DYグループ・ソーシャルメディア・マーケティングセンター」からの選抜メンバーを中心に、O2Oに関する知見や業務経験のある人材16人で構成する。独自の生活者意識調査や海外の先端事例研究を行いつつ、企業に向けてグループ共通の新サービス開発を行う。グループ参加の事業会社と連携し、O2Oに着目した広告、販促活動の支援なども行っていく。

博報堂DYホールディングス
http://www.hakuhodody-holdings.co.jp/

O2Oソリューションスタジオ
http://o2o-solution.jp/

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:博報堂DYホールディングス、O2Oに課題を持つ企業を支援する「O2Oソリューションスタジオ」を設置 [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

NEC、スマホやタブレットと連携し店舗への来店と購買を支援する「NEC O2Oクラウドサービス」を発売 [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0

この記事を読むのにかかる時間: 1分弱

NECは、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスと連携して、ユーザーの店舗への来店、購買行動を支援する「NEC O2Oクラウドサービス」を3月5日発売する、と同日発表した。インターネットで商品の情報や価格を調べてから店舗で購入する消費行動の普及に伴い、ユーザーのネット上での行動を分析して実店舗の購買につなげる「O2O(Online to Offline)」マーケティングに注目が集まっていることから、通信事業者やサービスプロバイダなどに向けて新サービスを発売することにした。

NEC O2Oクラウドサービスは、NECの通信事業者向けサービス基盤をベースにスマートデバイスを利用する「Smart Mobile Cloud」を活用。ユーザー認証や会員情報を管理する「会員管理サービス」、ボイント付与と管理を行う「ポイント管理サービス」、ユーザーに店舗情報などをプッシュ配信する「PUSHサービス」、来店・購買・ポイント履歴などを分析しマーケティングに活用する「データ分析サービス」などを体系化し、トータルソリューションとしてクラウドで提供する。

NEC
http://jpn.nec.com/

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:NEC、スマホやタブレットと連携し店舗への来店と購買を支援する「NEC O2Oクラウドサービス」を発売 [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.


Webスパムやリンクの疑問について、グーグルの考えをもとに回答 | グーグル公式Q&A #最終回 [グーグルのサーチクオリティ担当者が答えるグーグル検索Q&A] | Web担当者Forum

$
0
0
この記事を読むのにかかる時間: 約 3.5
グーグルのサーチクオリティ担当者が答える“グーグル検索Q&A”

前回から半年以上の間があいてしまいましたが、最終回では自作自演リンクや隠しテキストなど、Webスパム関連の質問3つにお答えします。

今回のQ&A
  • ECの商品説明にメーカーの文章をそのまま使うと、検索結果の順位が落ちてしまう?
  • 自作自演のリンクも有料リンクのようにペナルティが発生しますか?
  • デフォルトでは表示されないコンテンツをHTMLに記述すると隠しテキストになる?

ECの商品説明にメーカーの文章をそのまま使うと、
検索結果の順位が落ちてしまう?

ドロップシッピングの商品説明にメーカーと同じ説明文を載せると、検索エンジンの順位が落ちてしまう場合があるというのは本当ですか?

まずGoogleでは、Googleの検索結果においてランキングやインデックスに変動をもたらす対応(検索結果からの削除を含む)がとられる可能性のある不正行為について、ウエブマスター向けガイドラインの「品質に関するガイドライン」として公開していますので、Google検索からの集客を考えるのであれば、一読されることをおすすめします。

いただいた質問については、以前、Google ウェブマスター向け公式ブログに掲載した記事「アフィリエイトを導入されているウェブマスターの皆さまへ」が参考になると思います。

しかし、ここでお伝えしたいのは、ガイドラインに違反するかしないかを意識するのではなく、ユーザーに対して独自の価値を提供しているかどうかを意識することが重要だということです。ドロップシッピングやアフィリエイトサービスプロバイダから提供されている商品説明のみで構成されているサイトは、ユーザーに独自の価値を提供しているとは言い難いでしょう。

商品の使用感覚がわからないため、どうしてもメーカー側の説明が必要になる

という場合もあると思いますが、サービスプロバイダから提供されている商品情報は、一般的に他のサイトにも掲載されているケースが多いでしょう。

あなたのサイトに同じ情報を掲載した場合、他のサイトではなくあなたのサイトにユーザーが来る理由は何でしょうか

もし、この質問に答えられないのでしたら、ぜひ他のサイトにはない、ユーザーの役に立つ独自コンテンツを作ってあなたのサイトならではの価値(たとえば、自身の使用感や実体験に基づく商品の比較など)を提供していくことをおすすめします。

自作自演のリンクも有料リンクのようにペナルティが発生しますか?

日本は欧米と違って、どうしても自発的な被リンクが集まりづらい。有料リンクはともかくとして、自作自演のリンクは避けて通れないのが現実ではないでしょうか。どのように考えていますか?

まず「ウェブマスター向けガイドライン」に違反するような自作自演のリンクについては、ガイドライン違反として対処しています。

自発的なリンクが集まりづらいとのことですが、多くのユーザーの支持を集める良質なコンテンツを持ち、自然なリンクを集めているサイトは日本でも数多く存在しています。また、自然リンクを得るためのTipsを、過去に公式ブログの記事「良質なリンクを得るには」で紹介しています。

たとえば、サイトができたばかりであまり知られていない場合は、そのサイトのテーマに関連するコミュニティに積極的に参加することが、サイトの評判を上げ、良質なリンクを得るのに有効です。ただし、他の参加ユーザーに対して迷惑となる行為やあからさまなサイトの宣伝などは慎むようにして、参加ユーザーにとって有益な投稿を心がけて交流しましょう。

重要なのは、良質なリンクを得るにはそれなりの時間が必要だということです。ブログでは、この他の方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

デフォルトでは表示されないコンテンツをHTMLに記述すると
隠しテキストになる?

ページにタブで内容が切り替わるコンテンツを配置したいと思っています。次のような対応では、どちらがGoogle検索に対して望ましいでしょうか?

  1. JavaScriptなどで制御し、HTMLソースコードにはデフォルトで表示される領域部分の内容のみ記述する。
  2. デフォルトでは非表示となっている領域の分もすべてHTMLソースコードに記述する。

(1)と(2)のどちらが望ましいか、ということについては質問の情報だけで回答するのは難しいですが、検索エンジンを意識するのではなく、ユーザーを意識してHTMLソースコードを記述していただければと思います。

ポイントは、そのテキストがユーザー向けであること

と、「隠しテキストについてのブログ記事」にも記載しました通り、HTMLソースコード内のテキストが、検索エンジンが存在しなくてもユーザーの利便性のために必要なものである場合、おそらくそれはガイドライン違反ではありません。

◇◇◇

これまで5回にわたり、みなさまからのご質問に回答させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。この企画が少しでも疑問の解消につながれば、と願っています。

さて、最後になりますが、Googleのサーチクオリティ チームは、ウェブマスターのみなさまをサポートする新しいチャネルとして、Google+のビデオチャット機能であるハングアウトを利用したウェブマスター ハングアウトを開始しました。ここではウェブマスターのみなさまの様々なご質問に答えることに加えて、モバイルサイトの制作のポイントのようなサイト制作のTipsなどもお伝えしていきたいと思いますので、ぜひご覧ください!

ウェブマスター ハングアウト

今後のウェブマスター ハングアウトの告知は、「ウェブマスター ヘルプフォーラム」、Google+の「Google Japan for Business アカウント」を通じて行います。ぜひチェックしていてください。

この記事の筆者

グーグル
サーチクオリティチーム

サーチクオリティチームは、ウェブマスターの皆さまが、少しでも上手にGoogle 検索との相性の良いサイト制作ができるよう様々な活動を行っています。例えば、「Google ウェブマスター向け公式ブログ」や「ウェブマスター向け公式ヘルプフォーラム」などを運営しています。また、検索エンジン最適化について、図を用いてわかりやすく解説した「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド(PDF)」を公開していますので、まだご覧になっていない方は、ぜひご一読ください。

グーグル、サーチクオリティチーム
サーチクオリティチーム
この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:Webスパムやリンクの疑問について、グーグルの考えをもとに回答 | グーグル公式Q&A #最終回 [グーグルのサーチクオリティ担当者が答えるグーグル検索Q&A] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

検索エンジンと流入キーワードをクロス集計するには? セカンダリディメンションやピボットを使った流入分析[第44回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

$
0
0
この記事を読むのにかかる時間: 約 6.5

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

前回は「トラフィック」メニューの全般的な活用法を紹介した。今回は、「トラフィック」メニューの1つの要素である「検索エンジン」と、そこからの流入の明細である「キーワード(検索語)」に関するレポートを使って、サイトの改善活動につなげていくことができないかを見ていこう。

検索エンジンからの流入解析や、キーワード解析の基礎知識については、以前に「SEOには欠かせない「キーワード」解析のしくみ(第26回)」で取り上げた。

検索エンジンの流入において、

  • 検索キーワードの情報が取得できる仕組み
  • 「(not provided)」といった表示の意味
  • 有料検索(検索連動型広告からの流入)との区別
  • 「キーワード」と「検索クエリ」の言葉の違い

などについては、第26回の記事を参照してほしい。

検索エンジンからの流入は、メディアの表記が「organic」

[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート(図1)では、「参照元/メディア」の組み合わせのディメンションが選択(図1赤枠部分)されている。これは前回も説明した。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、[すべてのトラフィック]をクリックする
図1:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート下部の一覧データ表示部
図1:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート下部の一覧データ表示部

これらのうち、「メディア」の表記(「/」の右側)が「organic」となっているものが、検索エンジンからのトラフィックを意味している。図1で表示されている1位から7位までの範囲では、検索エンジンからの流入は、「google」と「yahoo」の2つ(図1青枠部分)が該当している。

では、なぜ検索エンジンとわかるのか? それは、あらかじめGoogle アナリティクスが、参照元のドメイン名と検索クエリー・パラメータの組み合わせ条件などから判定して、検索エンジンとしてリストアップしている一覧があり、それに照らし合わせて集計しているのだ。

当然このようなリストアップ形式には限界がある。世界中に日々生まれてくるであろう「検索エンジン」を網羅的に把握できるはずがないからだ。特に英語圏以外のローカル言語での検索エンジンなどのリストアップには時間がかかることが想像できる。

実際、日本ローカルの検索エンジンは、2012年2月になってやっと「BIGLOBE(biglobe)」や「楽天(rakuten)」、「goo(goo.ne)」が追加されたという状況だ。詳しくはアナリティクス日本版公式サイトの「オーガニック検索に 楽天、goo , BIGLOBE が加わりました」を参照してほしい。

計測しているサイトにもよるとは思うが、日本で多くのサイトは検索エンジンと言えば、YahooとGoogleからの流入が大半を占めているだろう。例として挙げた図1のサイトのデータでは、圧倒的にGoogle検索の割合が高い。一方、以下に例として挙げる図2のサイトのデータではYahoo!検索の割合が高いという違いがある。

図2:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート下部の一覧データ表示部の一部
図2:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート下部の一覧データ表示部の一部

Google検索の割合が高い場合は、ITやWeb業界の人が好んで利用するサイトであることが多くYahoo!検索の割合が高い場合は、ごく普通の消費財や一般的なテーマを扱った内容のサイトが多いといった特徴がある。まずはそんな自分のサイトの特徴を把握しておこう。

オーガニック検索と有料検索のボリュームをチェック

オーガニック検索も有料検索もデータの見方はほぼ同じだが、検索連動型広告(有料検索)を行っているのであれば、そのボリューム感と成果の違いをまず大雑把にチェックしておこう。

具体的には、まず[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポートを開き、「エクスプローラ」タブで「eコマース」(または「目標セット1」など)を選択(図3赤枠部分)する。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、[すべてのトラフィック]をクリックする
  4. 「エクスプローラ」タブで「eコマース」(または「目標セット1」など)をクリックする
図3:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポート上部
図3:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポート上部

「eコマース」を選択した[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポート(図4)で、

  • 「organic」(オーガニック検索、自然検索)
  • 「paid」(有料検索、検索連動型広告)

の「訪問数」のボリュームや、「コンバージョン率」の違いを確認しておこう。

図4:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポートで、「eコマース」の指標グループを選択した一覧データ表示部
図4:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポートで、「eコマース」の指標グループを選択した一覧データ表示部

図4のデータでは、自然検索による流入(訪問数)の倍以上を検索連動型広告によって集客し、「eコマースのコンバージョン率」も相対的には悪くないように見える。ただし検索連動型広告は費用をかけて実施しているので、単純にこれだけ見て喜んでいられる状況かどうかは別問題だ。

私は検索連動型広告を運用したことはないので、細かいところでは利用する指標やその組み合わせなどは異なると思うが、ボリューム、集客の質、(コストを加味した)成果の軸で見ることは同様と考えてよいのではないだろうか。この見方は前回の記事を参考にしてほしい。

検索キーワード分析の基本レポート

それでは実際の検索キーワードが出てくる[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[オーガニック検索]レポート(図5)を見ていこう。ディメンションは「キーワード」(図5赤枠部分)、つまり検索語別のデータを見ることができる。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、[検索]、[オーガニック検索]を順にクリックする
図5:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[オーガニック検索]レポート下部の一覧データ表示部
図5:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[オーガニック検索]レポート下部の一覧データ表示部

デフォルトで選択されている指標グループは「利用状況」なので、「訪問数」(図5青枠部分)というボリュームと、訪問者の質を表す各種指標群(図5緑枠部分)が表示されている。成果の指標群を見たい場合は、いつものように「目標セット」や「eコマース」の指標群など(図3赤枠部分)にしてみて、各検索語の評価をしよう。

  • 「検索エンジン」と「キーワード」をクロス集計してみよう
  • 「セカンダリ ディメンション」を使ったクロス集計のしかた
  • 「ピボット」を使ったクロス集計のしかた

「検索エンジン」と「キーワード」をクロス集計してみよう

前ページの図5ご覧いただいておわかりのように、デフォルト表示では、キーワードしか表示されていない。この一覧からは、それぞれのキーワードが、Yahoo!検索によるものなのか、Google検索によるものなのかは、わからない

できれば、検索エンジンとのクロス集計で見た方がよいだろう。クロス集計する場合の選択肢としては次の2つがあり、それぞれ適している用途が異なる。

  • 「セカンダリ ディメンション」を利用する―― 訪問者の質の指標群を複数比較したい場合に適している。

  • 「ピボット」表示を利用する―― ボリュームだけを横並びで比較したい場合に適している。

それぞれの分析方法を解説していく。

「セカンダリ ディメンション」を使ったクロス集計のしかた

「セカンダリ ディメンション」を利用する場合は、一覧表の上部にある「セカンダリ ディメンション」のプルダウン(図6赤枠部分)をクリックし、出てきた表示の中から、トラフィックのグループ配下にある「参照元」(図6青枠部分)をクリックしよう。

図6:「セカンダリ ディメンション」のプルダウンから「参照元」を選択する
図6:「セカンダリ ディメンション」のプルダウンから「参照元」を選択する

ここでの「参照元」とは検索エンジンのことを意味する。そのため表示されるレポートは左から、

  • 1列目が「キーワード」
  • 2列目が「参照元」(検索エンジン)

になる(図7赤枠部分)。こうすれば同じキーワードでも、Yahoo!検索によるキーワードデータとGoogle検索によるキーワードデータが区別して表示される。

図7:「セカンダリ ディメンション」を「参照元」にした「オーガニック検索」レポート
図7:「セカンダリ ディメンション」を「参照元」にした「オーガニック検索」レポート

図7の場合で言えば、「twitter 利用者数 日本」というキーワードのデータが、yahoo検索によるものとgoogle検索によるものが、それぞれ2位と6位に分けて表示されていて(図7青枠部分)、ひと目で比較できるようになる。

一定の訪問数に絞って並び替えれば、より見やすく

しかし、このままだと、同じキーワードが隣接していないため、比較しにくい。キーワードで並び替えよう。ただキーワードで並び替えるだけだと、訪問数が1しかないスモールキーワードも混在してABC順に並び、使いにくいレポートになってしまうので、訪問数が一定以上のデータに絞ってから並び替えるなどの方法を取るのがよい

図8赤枠部分の[アドバンス]ボタンをクリックし、たとえば「訪問数が5を超える」といった条件を指定(図8青枠部分)して[適用]ボタン(図8緑枠部分)をクリックしよう。

操作手順
  1. [アドバンス]をクリックする
  2. 左から2番目のプルダウンの中から「利用状況」をクリックし、表示される指標から[訪問数]を選択する
  3. 左から3番目のプルダウンで[超える]を選択する
  4. 一番右の空欄に「5」と入力する
  5. [適用]をクリックする
図8:「アドバンス」機能で条件を絞り込む
図8:「アドバンス」機能で条件を絞り込む

その後「キーワード」ディメンション(図9赤枠部分)をクリックして並び替えたのが図9になる。

図9:「アドバンス」機能で条件を絞り込み「キーワード」で並べ替えた画面
図9:「アドバンス」機能で条件を絞り込み「キーワード」で並べ替えた画面

同じキーワードで、異なる検索エンジン同志が隣接して、各指標を上下で容易に比較できる。もちろんGoogle アナリティクスのレポート画面上でなくても、データを一括してダウンロードしてからエクセルなどで加工するのが現実的な場合もあろう。

また、この例では各キーワードの元々の訪問数が少ないので「5を超える訪問」という条件で絞り込んだが、実際は、訪問数10未満では、仮説を立てるデータとしてはボリュームが少なすぎる。分析対象にするデータの範囲を選択する際は、データの信頼度と、改善施策を行った場合の影響度をつねに念頭に置いておこう。

「ピボット」を使ったクロス集計のしかた

最後に「ピボット」を使った表示をしてみる。まず、図5(再掲)紫枠部分の[ピボット]表示ボタンをクリックしよう。

図5:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[オーガニック検索]レポート下部の一覧データ表示部
図5(再掲):[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[オーガニック検索]レポート下部の一覧データ表示部

次に「ピボット」のプルダウン(図10赤枠部分)から、トラフィック配下にある「参照元」を選択する。

図10:ピボットで「参照元」を選択
図10:ピボットで「参照元」を選択

すると図11のような表示になる。

図10:ピボットで「参照元」を選択
図11:ピボットで「参照元」を選択した時の表示

表側(ひょうそく)に「キーワード」(図11赤枠部分)、表頭(ひょうとう)に「検索エンジン」(図11青枠部分)が並んだマトリクス表で容易に一望できる。

図11緑枠部分をご覧いただきたい。「jeita タブレット 万台」というキーワードの訪問数を表示している欄であるが、google検索からの訪問数が19、yahoo検索からの訪問数が0と、大きなかたよりが見られる。このように、Google検索とYahoo!検索での訪問数が極めて偏っているキーワードをまず発見したい場合はこの方法が適している

以上、説明してきたように、キーワードと検索エンジンをクロス集計するには、「セカンダリ ディメンションを使う方法」と、「ピボット」を使う方法がある。目的に応じて使い分けていただきたい。

『Googleアナリティクス完全マニュアル』(電子書籍)が、オンデマンドのペーパーバック版でもお買い求めできるようになりました。  → Amazon.co.jpの商品ページ

この記事の筆者
ユーザー 衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン) の写真

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
Web担当者Forumでの連載:
この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:検索エンジンと流入キーワードをクロス集計するには? セカンダリディメンションやピボットを使った流入分析[第44回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

クロスリスティング、ユーザーの検索傾向をベースにしたサーチリターゲティング広告を開始 [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0

この記事を読むのにかかる時間: 1分弱

リスティング広告のクロスリスティングは、同社のリスティング広告「レモーラリスティング」の新機能として、ユーザーの検索傾向をベースにしたターゲティング広告「PCサーチリターゲティング」の提供を3月6日開始した、と3月7日発表した。PCサーチリターゲティングは、クロスリスティングが提携する「goo」などの国内大手ポータルサイトを中心としたPC向けのコンテンツ面に、ユーザーの検索傾向をベースにしたターゲティング広告を配信する。

PCサーチリターゲティングは、ユーザーの検索傾向を分析し、グルーピングしてターゲティング広告を配信する。「今、ユーザーがどのようなサイトを見ているか」などの情報も参照し、ユーザーニーズによりマッチした広告配信を行う。検索連動型広告と同様に、キーワード単位での広告掲載、単価調整が可能。500種類に分類したカテゴリを指定した広告掲載もできる。提供開始当初の広告配信先は、NTTレゾナントが提供するQ&Aサービス「教えて!goo」となる。

クロスリスティング
http://www.xlisting.co.jp/index.html

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:クロスリスティング、ユーザーの検索傾向をベースにしたサーチリターゲティング広告を開始 [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

電通、スマホ、タブレット、パソコンと家族についての調査で「スマート3兄弟」のセット利用が増加 [ニュース] | Web担当者Forum

$
0
0

この記事を読むのにかかる時間: 約 1 分

電通は、スマートフォン、タブレット、パソコンの3つのスマート機器を「スマート3兄弟」と名付け、3兄弟をセット利用する生活者を対象に、セット利用によるコミュニケーションや生活環境の変化、将来需要を探るため、スマート機器と家族についての調査を実施。3月6日、調査結果を発表した。調査の結果、スマート3兄弟をセットで利用する人の割合は1割を超えたこと、スマート機器の普及拡大により家族間のコミュニケーションが変化してきたこと、スマートサービスの利用ニーズが高まっていることがわかった。調査は2003年から隔月で実施している「モバイル調査」と、スマート3兄弟に関する家族の利用実態について調べた「スマート家族調査」に基づいてまとめた。モバイル調査は2013年1月に、関東圏の中学生を除く15~49歳の携帯電話利用者を対象にインターネットを利用して実施。有効回答数は1000だった。スマート家族調査は2012年10月に、東京、愛知、大阪の20~49歳の既婚男女でスマホ、タブレット、パソコンの利用者を対象にインターネットを利用して実施。有効回答数は300だった。

スマート3兄弟のセット利用率は11%で、単体ではスマートフォンの普及率が1年間で36%から53%に、タブレットは9%から18%に成長していた。クラウドサービスの利用率は、スマホ利用者で22%、3兄弟セット利用者だと38%、今後のクラウド利用意向はスマホ利用者で7割、3兄弟セット利用者で8割だった。「スマートフォンで便利な機能」は1位がカメラ、2位は辞書、3位は音楽の順だった。また、「スマートフォンで代用できない機器」は、1位がパソコン、2位は本・新聞・雑誌、3位はタブレットだった。ソーシャルメディアは、既婚者で3兄弟セット利用者の利用率が5~7割と高く、その半数近くは家族同士でもソーシャルメディアを利用していた。家族に見られても平気なデータ・情報は「音楽ファイル」「写真」「電子書籍」の順で、見られると困るデータ・情報は「サイト閲覧履歴」「ブックマーク」「動画ファイル」の順だった。スマートフォンで操作したいことの1位は「テレビ番組の予約」で62%、2位は「エアコンの操作」で58%、3位は「クルマの位置確認」「部屋の様子確認」の46%だった。

電通
http://www.dentsu.co.jp/

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:電通、スマホ、タブレット、パソコンと家族についての調査で「スマート3兄弟」のセット利用が増加 [ニュース] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

“このWebサイトのセキュリティ証明書には問題があります” 警告の正しい理解とタイプ別対処法 | Web担当者Forum

$
0
0
この記事を読むのにかかる時間: 約 2 分
[PR]

セキュリティ警告、うっかり自社サイトで出ていませんか?
ブラウザで表示されるエラーの原因と対処法

「このWebサイトのセキュリティ証明書には問題があります」とブラウザに表示される警告を目にしたことがある人は多いはずです。

御社のサイト(スマホ向けを含む)では、“うっかり”こうした警告が出ていないでしょうか。なぜこうした警告が出るのかの正しい理解と、その対処法をお届けします。

WebサイトにHTTPS(SSL通信)で接続したときに何らかの問題が発生したら表示されるセキュリティ警告。昨今のブラウザはユーザーが安全にインターネットを使えるように、かなり強烈な警告画面を表示するようになっています。

上記のようなセキュリティ警告は、どんなときに表示されるのでしょうか?

こうしたセキュリティ警告を目にしたユーザーは、セキュリティ警告を無視してサイトを閲覧するのでしょうか? それとも、警告に従ってそれ以上の閲覧をやめるのでしょうか?

また、その傾向は企業規模によってどう違うのでしょうか? 大企業と中小企業では、どちらが警告を無視する率が高いのでしょうか?

こうしたことを調査データや具体的な画面例を出しながらわかりやすく解説するホワイトペーパーを、ベリサインが提供しています。

スマホなども含めた警告画面のサンプルや、調査データ、警告メッセージごとの対処法など、わかりやすくまとめられたホワイトペーパーです。

ホワイトペーパーでは、上記のようなセキュリティ警告とユーザー行動に関するデータのほか、次のようなことをコンパクトに解説しています。

  • SSLサーバ証明書に関する警告の種類ごとに整理した、「警告画面の例」「なぜその警告が出るのか」「どうすれば警告が出ないようになるのか」の解説

  • 携帯電話やスマートフォンではどのような警告画面が表示になるのかの例

  • 企業がやってしまいがちな、セキュリティ警告に対する誤った対処法の例

  • SSL証明書に関する警告以外の、「安全ではないWebサイト」の警告の画面例

いずれも、大切なサイト訪問者に不安を抱かせないためにも、何かあればすぐに対応できるようにするためにも、Web担当者が知っておくべき情報です。

「セキュリティは情シスの管理者に任せているから」と言わずに、少しずつでもWeb担当者としての正しい理解をしておくというのはいかがでしょうか?

ホワイトペーパーダウンロードはこちら

セキュリティ警告、うっかり自社サイトで出ていませんか?
ブラウザで表示されるエラーの原因と対処法

企業Web担当者の方が知っておくべき、「セキュリティ警告は、どんなときに、どんなデバイスで、どんな風に、サイト訪問者のブラウザ表示されるのか」や「セキュリティ警告が表示された際のユーザー行動」「Web担当者はどう対応するべきか」などをわかりやすく解説したホワイトペーパーです。

セキュリティ警告、うっかり自社サイトで出ていませんか? ブラウザで表示されるエラーの原因と対処法

全11ページ、7分程度でご覧いただけるホワイトペーパーです。

ホワイトペーパーの目次
  1. SSL サーバ証明書の警告の意味とは?
  2. SSL サーバ証明書に関する警告の種類と原因
  3. ブラウザが警告を出すメカニズム
  4. 携帯やスマートフォンでの警告例
  5. ベリサインSSL サーバ証明書の対応率
ホワイトペーパーのダウンロード
この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:“このWebサイトのセキュリティ証明書には問題があります” 警告の正しい理解とタイプ別対処法 | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

Viewing all 19485 articles
Browse latest View live