来週(8月2日)は、筆者所用のためこのコーナーの更新をお休みさせていただきます。
パンダアップデート日本導入から1週間、影響は? 対策は?
遥か彼方に行ってしまったサイトも (Google ウェブマスター向け公式ブログ)
「パンダアップデート」がいよいよ日本語のグーグル検索にも導入された。前回は入稿の関係で間に合わず冒頭で軽く触れただけだったので、今回あらためてピックアップする。
パンダアップデートは、低品質なコンテンツを検索結果から排除するためのアルゴリズム更新で、質が低いコンテンツが含まれているとサイト全体が影響を受ける。開発の中心となったエンジニアの名前にちなんで「Panda」と名付けられたということだ。
2011年2月に米グーグルで英語での検索にまず導入され、2011年8月には全言語に展開した。しかし日本語と韓国語、中国語の3言語は依然として対象外だった。日本語への導入は、「遂に」と言っていいだろう。
パンダ関連で参考になる記事を紹介する。
日本でのパンダアップデートによる概状をサイバーエージェントの木村賢氏がレポートしている。
日本のパンダアップデートの概況渡辺隆広氏は、代表的な業種における対策を教授している。
Googleパンダアップデート 傾向と対策 通販、求人、旅行、不動産 など竹内潤平氏は、自分が管理するサイトの“落ち”具合を公開している。
パンダアップデートが日本上陸しアクセス数が減るそのほか、過去のパンダ関連の記事で役立つものをSEOのホワイトハットジャパンブログさんがまとめている。
パンダアップデート対策まとめ
竹内氏のアクセス解析では壊滅的なダメージを受けたサイトはなかったようだ。しかし実際には、大きく順位を下げて圏外に飛んでしまったサイトも存在するようだ。愛らしい動物のパンダとは違い、グーグルのパンダはやはり怖かった。
パンダアップデートは、導入以来10回以上の更新を重ねている。今後も調整は続くだろう。今はよくても次の更新でどうなるかわからない。質が低いと感じるコンテンツがあれば質を高めるか、思い切って消し去ってしまおう。
なお、米グーグルのツイッター公式アカウントがパンダアップデートの次のデータ更新を日本時間で7月25日の午後あたりに実行することを予告した。
New data refresh of Panda starts rolling out tonight. ~1% of search results change enough to notice. More context: goo.gl/huekf
— A Googlerさん (@google) 7月 24, 2012
この記事が公開されるころにはどんな変動があるか結果が出ているだろう。
日本語で読めるSEO/SEM情報
疑わしきは警告!? 不自然リンク警告をグーグルが拡大送信
届いていないか要チェック (アイレップのSEMフロンティア)
グーグルは、不自然なリンクに対する警告の送信方法を変更したことを発表した。
これまでは故意と判断するガイドライン違反の不自然なリンクに対して警告メッセージを送っていた。以前は、こうした警告メッセージを受け取ったサイトは手動措置(順位下げ)の対象となっていた。
しかし新たに、不自然なリンクが検出された場合にも警告メッセージが送られるようになった。こちらは手動措置(順位下げ)の対象となっていない場合でもメッセージが届く。
この発表から2~3日の間にさまざまな騒動があったのだが、状況とウェブ担当者が取るべき対処を渡辺隆広氏がまとめている。
新たな警告メッセージが届いていないかグーグルウェブマスターにログインしてチェックしてみよう。もっともメッセージ転送を有効しておけば普段使っているメールアドレスに警告が送られてくるのですぐに気づける。万が一ウェブマスターに登録してないなら今すぐ登録しよう。警告メッセージは取り置きされているので、登録前に送られたメッセージでも読むことができる。
なお、ことの詳しい経緯はSEMリサーチの同氏による一連の記事を読むとわかる。
- 米Google、不自然リンクを指摘する警告メッセージを全世界のウェブマスターに送付
- Google Matt Cutts、ウェブマスター宛警告メッセージ送付の対象拡大を明らかに
- [解説] Googleが早期段階で不自然リンク警告を通知するようにした狙いは?
- 米Google,不自然リンク警告メッセージの仕様変更を発表
また、サイバーエージェントの木村賢氏も、この件に関してわかりやすい解説をしているので参考になる。
悪徳SEO業者、順位低下でトンズラして連絡つかない状況に
これはヒドイ (Google ウェブマスター向け公式ヘルプフォーラム)
ブラックハットなSEO業者に騙されたウェブ担当者の海外事例を前回紹介したが、日本も例外ではないようだ。グーグルのウェブマスター向け公式フォーラムに、次のような投稿があった。
クライアントからSEOを頼まれ、再委託でSEOの業者にコンサルティングを依頼したところ、自社で
1.相互リンク募集のプログラムをやること
2.リンクを貼ってくれたらお金を払うサイトをつくること
などの指示があり、ページの作成などを依頼しました。このほか、リンクを購入することが効果的であるとのコンサルを受け、リンクも購入いたしました。(4、5年程前から)
この結果、最近までは効果が出ていたのですが、3月末より急激に順位が下がり、業者にクレームを伝えたところ、最近では連絡すらつかなくなってしまいました。
そのため、自分でフォーラムや文献を読み漁ることで、今までの行為がGoogleのガイドラインに明らかに抵触することを理解いたしました。
投稿者が他人を非難せずに「自業自得」だと認めているのが、せめてもの救いだろうか。
このコーナーの読者にはこんな悲惨な末路に至ってほしくない。「グーグルの品質ガイドラインを必ず読んで遵守せよ」というアドバイス、もう聞き飽きたかもしれない。しかし、グーグル検索からのトラフィックを期待してビジネスを営むのであれば、ガイドライン違反を犯すことは、すなわちそのビジネスを崩壊させるリスクを包含している。このことを常に理解しておかなければならない。
大手ニュースサイトがガイドライン違反でペナルティ?
優秀なSEO専任者がいれば防げたのに (SEO 検索エンジン最適化)
某IT系のメディアサイトが、グーグルのガイドラインで禁止されている隠しテキストを使っていたためペナルティを受けているようだと暴いた記事。
このサイトは2ページ目以降を読むには会員登録してログインしなければならない。しかし検索エンジンにはコンテンツをそのまま見せていた。ユーザーには見ることができないコンテンツ(テキスト)を検索エンジンには見せていたのだ。
関係者からは次のようなコメントが出ている。
昨晩アップされた下記のブログのエントリー↓に関して、弊社のメディアマーケティング部門によると、「(事実として)少なくともGoogleからペナルティの警告は来ていません」という報告があがってきています。
どうやら手動対応としてのペナルティは受けていないようだ。
しかし、だからといって問題がないわけではない。渡辺隆広氏は厳しいコメントを残している。
米国の新聞社やニュース系サイトには大抵、SEO会社などから引き抜いた優秀なインハウスSEO担当者を複数配置するか、外部のコンサルティング会社に都度相談したりするような体制整えているものなんですけどね。New York TImesとか WashingtonPostとか TIMES とか WSJ とか。まぁ英語圏だからSEOきちんとやったときに得られるトラフィックが桁違いだからそこまで投資できるという事情もあるかもしれないけど、それにしてもこのレベルのお粗末なミスは見苦しい しかもマーケティングのサイトなのに!
隠しテキストやクローキングのようなガイドライン違反を犯すことなく、会員登録したユーザーにだけコンテンツを見せつつ検索エンジンからのトラフィックを望むのであれば「First Click Free」ポリシーを採用するといい。
更新頻度が高いサイトやページ数が多いサイトは評価が上がるのか?
ランキングを上げるのが目的なら無意味 (無料SEO対策のススメ)
SEOにおいて、更新頻度は高いほうがいいのか? ページ数は多いほうがいいのか?
読者から受け取った上記の質問に竹内氏がブログ記事で回答した。
更新というのは、サイト評価を上げるために行うものではなく、そのサイトにとって必要な情報を追加したり、最新の状態に修正するためのものだと思います。必要のない更新は意味が無いですし、ましてやSEOの為に更新しようという考え方は捨てた方が良いと思います。
更新頻度の高い低い、ページ数の多い少ないというのを気にするのは、SEOのことしか見えていない人の発想だと思います。更新が必要であれば更新すれば良いですし、新しいページが必要であれば新しいページを作ればいいだけの話です。
まったくそのとおりだ。
新しいコンテンツを絶えず公開すれば、一般的にクロール頻度は増すし、ホットなトピックであればタイムリーさを求めるアルゴリズムに拾われることがある。ページ数が多ければ、含まれる言葉の種類も増えるはずで、複合キーワードでのロングテール検索に引っかかる確率が高まるだろう。
しかしそれは、「関連性があってかつ質の高いコンテンツ」という大前提があっての話だ。中身のない薄っぺらなページを矢継ぎ早に量産してもサイトの評価は逆に下がる。
パンダアップデートが導入された今、この傾向はさらに強まるはずだ。ユーザーにとって、更新と追加が本当に意味のあるものなのかが重要だ。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
筆者のブログからもパンダアップデートに関する記事を1本ピックアップ。もう1本はGoogleが推奨するフィーチャーフォン向けサイトの構成についてだ。
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2012年7月18日、パンダアップデートが日本語にも遂に導入。一部で大きな順位変動あり。
パンダさん、日本へようこそ -
Google推奨のスマホとフィーチャーフォンに最適化したサイトの作り方
ガラケー対策に
- 誘導(ドアウェイ)ページにならないのはどんなページ?
- 20万本以上の動画コンテンツでコンバージョンは増加、返品は減少
- 検索結果へのインデックスを防ぐのに最適な方法は?
- SEOにおいてはリンクがすべてでない、あなたが時間と労力を費やすべきものは別にある
- Googleアナリティクスで参照元に自分のドメイン名が表示される理由
- Googleによる過去最大の警告メッセージ配信に関してマット・カッツがコメント
- 【速報】Googleが警告メッセージの仕様変更、ペナルティ認定かどうか一目瞭然に
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
誘導(ドアウェイ)ページにならないのはどんなページ?
リンク先ページにはない価値を持つ (WebmasterWorld)
「誘導ページ」(Doorway page: ドアウェイページ)とは、特定のキーワードをターゲットにしてユーザーを別のページに誘導することだけを目的に作られた質の低いページのこと。グーグルは誘導ページを禁止しており、今年の初めには公式ブログで誘導ページについて詳しく解説している。
だがガイドラインに違反する誘導ページに該当するのかどうか我々には判断が難しいこともある。日本版のグーグル公式ヘルプフォーラムでも自分のサイトが誘導ページとしてみなされるのかどうか判断がつかないウェブ担当者による質問があった。
WebmasterWorldでも、「誘導ページにならないようにするにはどうしたらいいか」を尋ねる投稿があった。1人のメンバーは次のようにアドバイスした。
リンク先のページにないものを訪問者に提供するようにすれば、それは誘導ページにならない。
最初にも言ったように、誘導ページはユーザーを素通りさせて別のページに送り込むのが唯一の目的であり、そのページ自体にはほとんど価値はなく、その内容は他の誘導ページと差別化できないものだ。
ということは、逆に考えれば、訪問者にとって何らかの有益な情報があり、関連する有益な情報を持つ別ページへリンクしているのならば、誘導ページには相当しないということになるだろう。
日本版公式ブログの記事は次のように締めくくっている。
検索エンジンがなかったとしても、そのようなページを作ったかどうか、考えてみてください。Google ではあくまでユーザーにとってそのページを訪れる価値があるかという観点から判断をおこなっています。本当にユーザーのために作られたページと、検索エンジンからの誘導のみを目的としたページとでは、手のかけ方に大きな違いがあることを Google は認識しています……
20万本以上の動画コンテンツでコンバージョンは増加、返品は減少
米国ECサイト最大手のザッポスの事例 (Video-Commerce.org)
ファッション製品をネットで販売する米国大手ECサイトのザッポスは、ビデオコンテンツを積極的に活用していることで有名だ。3年前から始め、2011年には10万本を公開、今年の目標は15万本だそうだ。これまでに公開したビデオは20万本を超える。
ビデオをコンテンツにする最大の理由は、顧客を教育し自分にとってもっともふさわしい商品を選んでもらうためとのことである。
ビデオを公開したことで次の2つの成果があったと、ザッポスの担当者がインタビューで語っている。
- 売上の増加
- 返品の減少
ビデオの内容は次のカテゴリに分けられる。
- 商品紹介
- 使い方の説明
- 舞台裏
- スタッフによるトレンド紹介
同業他社と同じ商品を取り扱っているネットショップで付加価値を与えることに精力的に取り組んでいる担当者は、ザッポスのビデオを研究して参考にしてみてはいかがだろうか。
ちなみに、「ビデオといわれても、どうやって作ればいいかわからない」という方のために、ビデオを使った低予算で可能なマーケティングの特集を以前にWeb担で組んでいる。参考にしてほしい。
検索結果へのインデックスを防ぐのに最適な方法は?
noindex robots metaタグとrobots.txtは処理が異なる (High Rankings Forum)
「検索結果からURLを非表示にするのに最適な方法」を尋ねる質問が、High Rakingsフォーラムで投稿された。
検索エンジンのインデックスやクロールの制御には、noindex robots metaタグ と robots.txt がよく使われる。だが両者には、使う目的と処理のされ方に違いがあることを知っておかなければならない。
このコーナーで何回か説明したことがあるが、再確認しておこう。
noindex robots meta タグ ―― 検索エンジンはそのページをクロールしインデックスする。しかし検索結果には表示しない。
robots.txt ―― 検索エンジンはそのページをクロールしない。したがって中身を見ない。
しかし、そのURLにたくさんのリンクが張られている状況では、検索結果に表示することがある。ただし中身を知らないのでページタイトルやスニペットは表示できず、URLだけの表示になる(ページタイトルがアンカーテキストから作成されることもある)。
検索結果から非表示にしたいならnoindexタグを使い、Googlebotにクロールしてほしくないならrobots.txtということになる。
またnoindexタグを記述したページをrobots.txtでブロックすると意味がなくなることにも注意してほしい。Googlebotは、中身を見ることを拒否されていてnoindexタグの存在に気付けないからだ。
SEOにおいてはリンクがすべてでない、あなたが時間と労力を費やすべきものは別にある
Bingからのありがたいお言葉 (Bing Webmaster Center blog)
リンク構築に関連して核心を突いた記事を、Bingのシニア・プロダクト・マネージャのデュアン・フォレスター氏がBing公式ブログに投稿した。
フォレスター氏は、「リンクは検索エンジンがランキングを決定するための重要な要素である」ことを認めたうえで、「リンクばかりに時間や労力、予算をつぎ込むのはいかがなものか」と提言し、次のようにメッセージを投げかけている。
リンクばかりに気を取られていて、今使っているCMS(コンテンツ管理システム)がSEOの観点から適切に構成されているかとか、alt属性を空のままにしていたりmeta descriptionタグの記述を忘れていたりしていないか、たとえばこういったことにも注意を払っているだろうか。
リンクは重要であったとしてもあくまでも1つの指標にしかすぎない。
ソーシャルメディアを活用したりユーザーとの関わりを深めたりすることにも力を入れているだろうか。
もし検索エンジンにとってリンクが有益な指標でなくなったとしたらどうだろうか? それでも大丈夫か?
リンクを短期間で集めようとかツイッターのフォロワーを手っ取り早く増やそうとかいった近道を探す時間を、質が高くユーザーとの関わりを深めるコンテンツ作りに費やしたほうが成功に繋がる。
優れたユーザーエクスペリエンスと魅力あるコンテンツが勝利をもたらすのだ。
Googleアナリティクスで参照元に自分のドメイン名が表示される理由
正規化漏れやコード忘れ (LunaMetrics)
Googleアナリティクスで参照サイトに自分のドメイン名がレポートされることがある。
原因はいくつかあるようだが、ありがちなのは次の2つらしい。
正規化の未設定 ―― たとえば「www.example.com」と「example.com」のように、ドメイン名に「www」を付けても付けなくてもアクセスできる状態では、Googleアナリティクスに登録していない側のドメイン名が参照元に出ることがある。
トラッキングコードの設定ミス ―― トラッキングコードを挿入していないページがサイト内にあった場合に発生する。コード未設定のページにある内部リンクをクリックしてサイト内の別ページに移動すると、移動先のページにトラッキングコードが設定されていると、自分のドメイン名が参照元として出てくることがある。
データ解析に支障をきたさないほどのわずかの数であれば無視できるが、参照元レポートの上位に自分のドメイン名が出てくるようならば、上記の2つを疑ってみよう
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
日本記事でも取り上げた不自然リンク警告に関するグーグルのマット・カッツ氏のコメントを詳しく取り扱った記事を2本ピックアップ。
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Googleによる過去最大の警告メッセージ配信に関してマット・カッツがコメント
そもそもの混乱のもと -
【速報】Googleが警告メッセージの仕様変更、ペナルティ認定かどうか一目瞭然に
混乱の沈静化ための対応
- 内容カテゴリ:SEO
- コーナー:海外&国内SEO情報ウォッチ
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:パンダアップデート日本導入から1週間、影響は? 対策は? など10+4記事(海外&国内SEO情報) [海外&国内SEO情報ウォッチ] | Web担当者Forum
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