Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。
Googleアナリティクスには、各レポートのデータをさまざまなフォーマットで出力する機能がある。今回は、そのデータを出力する機能の使い方を解説する。
表示しているレポートによってダウンロードできるデータの内容が変わってくることなども解説するので、データの扱い方を理解している人でも後半まで読んでほしい。
レポートのデータを出力する方法
Googleアナリティクスのほとんどのレポートには、レポート名のすぐ下のナビゲーションバーに[エクスポート▼]というボタンがある(図1赤枠部分)。エクスポートは「出力」という意味だ。図1は[ユーザー]>[サマリー]レポートの例である。
- ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
- 画面で左側にあるメニューで、[ユーザー]をクリックする。
- メニューが開くので、[サマリー]をクリックする。
- グラフの上にあるバーの[エクスポート▼]をクリックする。
[エクスポート]をクリックすると、4種類の出力フォーマットがプルダウンメニュー形式で表示される(図1青枠部分)。上から順に、
- CSV(カンマ区切り)
- TSV(タブ区切り)
- TSV 形式(Excel)
の4つがある。
エクスポートしたいファイルフォーマットを選択すると、ダウンロードが開始される。ブラウザによって動作は違うが、保存するように促す表示になったり、自動的にダウンロードが開始されたりするので、それぞれの方法でデータを保存、表示しよう。
出力形式がPDFしかないレポートもある
また「ゴールフロー」([コンバージョン]>[目標]>[ゴールフロー])などのページ遷移系のレポートや、ダッシュボード機能である「マイレポート」では、エクスポートはPDFしか選択肢がない(図2)。
PDF出力の場合の注意
PDFとして出力される要素のフォーマットは、各レポートによって異なる。つねにレポート本体の画面どおり(レポートの左にあるディレクトリ部分を除いた部分)というわけでもないので、一度実際に出力し、個々のレポート別に出力される要素は確認しておくことが必要だ。
Excelで加工する場合の注意
CSV(カンマ区切り)やTSV(タブ区切り)でダウンロードした場合、Excelに読み込むと文字化けする。Excelで使いたい場合は、TSV 形式(Excel)でダウンロードすれば、正常にファイルを開くことが可能だ。これはCSV(カンマ区切り)やTSV(タブ区切り)では、UTF-8が文字コードとして利用されているからだ。Googleアナリティクスでダウンロードしたデータは、Excelで加工することが多いと思うので、素直にTSV 形式(Excel)を選択してそのファイルを利用しよう。
PDFを選択したときの出力フォーマットが、レポート画面とまったく同じレイアウトではなかったように、TSV 形式(Excel)を選択した場合も、出力される実際のデータはレポート画面と若干異なるので、一度試してみることをお勧めしたい。
- 出力データの表示例を見てみよう
出力データの表示例を見てみよう
[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポートを
エクスポートしてExcelで表示した場合
たとえば、[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポートで、
- 上部の折れ線グラフでは「訪問数」と「訪問別ページビュー」の2つの指標を選択(図3赤枠部分)
- 集計対象期間は「日別」を表示(図3青枠部分)
- 下部のデータ一覧データ表示部は25行表示(図4赤枠部分)
のように表示しているとしよう。
- ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
- 画面で左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする。
- メニューが開くので、[参照元]をクリックし、開いたメニューから[すべてのトラフィック]をクリックする。
- グラフ上部左側にある[訪問数▼ 対]の右にある[指標を選択]をクリックし、表示されるリストの[利用状況]にある[訪問別ページビュー]をクリックする。
- ページ下部のデータ表の右下にある[表示する行数]の右の[10▼]をクリックして「25」を選ぶ。
以上のような設定にしておいて、TSV 形式(Excel)でエクスポートしたデータを、Excelで読み込んで表示してみたのが図5だ。
まず一覧表示部のデータが表示行数分(ここでは25行分)出力され(図5赤枠部分)、その下にサイト全体の各指標データ(図5青枠部分)が続き、最後にグラフ表示部で指定した2つの指標が日別に出力されている(図5緑枠部分)。
[ユーザー]>[サマリー]レポートを
エクスポートしてExcelで表示した場合
また[ユーザー]>[サマリー]レポート(図6)のように、レポート上部に折れ線グラフと主要指標の表示しかないようなレポートだと、一覧表示データがないので、ここからエクスポートしたデータには前出の図5赤枠部分が含まれない。
また、ここでは集計対象期間に「時間別」を選択(図6青枠部分)しているが、この場合は10月1日の0時~23時、続いて10月2日の0時~23時という順番で、168個(7日×24時間分)の訪問数(図6赤枠部分)がダウンロードデータとして出力される。
ただしこの場合、ダウンロードしたデータには、「10月1日の0時台」…「10月7日23時台」といった丁寧なラベルは付いておらず、0から167という連番が振られているだけだ(図7赤枠部分)。
出力されるデータの件数は、たとえばデータ一覧表示部の表示行数を「50」と指定していれば、どのファイル形式でも画面表示行数のとおり(つまり50件)のファイルが出力される。この表示行数の最大値は500件となっている。そのため通常は一度にダウンロードできる件数は500件ということになる。
もし、500件を超えるデータを一度にダウンロードしたい場合には裏技を使おう。それは前回の「最大表示行数500件を超えるデータをGoogleアナリティクスで一気に表示する方法[第30回]」で説明したので、そちらを参照してほしい。
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- 内容カテゴリ:アクセス解析
- コーナー:衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:Googleアナリティクスのデータを、思いどおりにファイル出力するには?[第31回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum
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