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「コンバージョン数」と「コンバージョン率」を理解する[第20回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 5.5

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

今回は、アクセス解析でもっとも重要な指標の1つであるコンバージョンに関する2つの指標「コンバージョン数」と「コンバージョン率」を学ぼう。まずは、コンバージョンとは何かから説明を始める。

「コンバージョン」「コンバージョン数」とは?

「コンバージョン」とは、Webサイトを訪問した人が、商品を購入したり資料請求したりするなどして、あらかじめサイトのオーナーが設定した“Webサイトの目標”を満たす行動をとったことを指す。

何をコンバージョンとするかは、サイトの目的によってさまざまだ。ECサイトなら商品購入、顧客獲得サイトなら会員登録や資料請求が一般的だが、その他にも、サイトによっては、

  • サポートページでプログラムの更新ファイルをダウンロードすること
  • アンケートに回答すること
  • メールマガジンに登録すること

などをコンバージョンとする場合もある。

コンバージョンは、コンバージョンした訪問に結び付けてカウントされ、集計期間中にコンバージョンがあった訪問の回数のことを「コンバージョン数」という。

「コンバージョン数」をカウントするために必要な準備

「コンバージョン数」をカウントするためには、Googleアナリティクスの管理画面で特別な設定をしておかなければならない。具体的には、プロファイルの目標設定画面(図1)で、目標を設定する。ここで設定する「目標」が、コンバージョンの対象となる行動のことだ。

プロファイルの目標設定画面の開き方など、くわしい設定方法は第5回の「プロファイルの目標を設定する」で説明しているので、そちらを参照してほしい。
図1:プロファイルの目標設定画面
図1:プロファイルの目標設定画面

目標は、以下の4つのタイプから選んで設定できる(図1赤枠部分)。画面での表記とは異なるが、噛み砕いて説明するとそれぞれの意味は以下のようになる。

  • URLへのアクセス ―― 特定のURL(群)にアクセスしたらコンバージョン
  • 訪問の滞在時間 ―― ある訪問内でサイトに一定時間以上滞在したらコンバージョン
  • 訪問別ページビュー ―― ある訪問内で一定数以上のページを閲覧したらコンバージョン
  • イベント ―― 特定のイベントが発生したらコンバージョン(Googleアナリティクスのトラッキングコードでイベントトラッキング用のカスタマイズが必要)

たとえば、「URLへのアクセス」で、「このページにたどり着いたらコンバージョンとみなす」というページのURLを目標URLとして設定したとしよう。この場合、サイト滞在中にそのURLへアクセスした訪問は「コンバージョンした」と見なされ、コンバージョン数にカウントされる。その他のタイプも同様で、設定した目標を達成した訪問がコンバージョン数にカウントされる。

「コンバージョン数」を確認できるGoogleアナリティクスのレポート

Googleアナリティクスでは、コンバージョン数は、コンバージョン系のレポートで表示される。たとえば[コンバージョン]>[目標]>[サマリー]レポート(図2)などで確認できる。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面で左側にあるメニューで、[コンバージョン]をクリックする。
  3. メニューが開くので、[目標]をクリックし、開いたメニューから[サマリー]をクリックする。

これで、「サマリー」というページが表示される。下の図は、「サマリー」ページの中ほどにある目標に関する指標の一覧だ(図2)。

図2:[コンバージョン]>[目標]>[サマリー]ページ
図2:[コンバージョン]>[目標]>[サマリー]ページ

この「サマリー」ページでは、設定した目標ごとの目標完了(コンバージョン)数(図2赤枠部分)と、各目標の単純合計である全体の目標完了(コンバージョン)数(図2青枠部分)を確認できる。

この例では、設定した目標は、

  • 2ページ以上閲覧
  • 問合せ
  • 編集長

の3つだ。目標の名前は自由につけられる。「編集長」という目標は、意味不明に思えるかもしれないが、運営者が把握していれば問題ない。

ここでは、「2ページ以上閲覧」の目標完了数が1,572、「問合せ」の目標完了数が4、「編集長」の目標完了数が0となっている(図2赤枠部分)。

これらの目標完了数の合計が、図2青枠部分だ。1,572+4+0=1,576となり、先ほどの各目標の完了数の合計と一致しているのがわかる。

コンバージョン数のカウントに関して知っておくべきポイント

同一訪問内に何度同じ目標に到達しても、コンバージョンは1回しかカウントされないことは理解しておいてほしい。

たとえば、ECサイトで購入完了ページを目標ページに設定してある場合、同一訪問内で何度も購入を繰り返したとしても、1回しかコンバージョンはカウントされない。なぜなら、「コンバージョン数」は「その目標に対するコンバージョンが発生した訪問の数」だからだ。

もし、このようなケースでそれぞれの購入完了をすべて、1回ずつのコンバージョンとしてカウントしたい場合は、eコマースのトラッキングコードを実装して、「トランザクション」を記録するという方法がよいだろう(「トランザクション」については、別の機会に解説する)。

一方、同一訪問内で目標1と目標2など、異なる目標が達成された場合は、目標1と目標2のそれぞれに1がカウントされる。合計のコンバージョン数は単純合計されるので、合計のコンバージョン数の方は、1訪問に対して2つ以上カウントされる可能性はある。

  • コンバージョン率とは?
  • コンバージョン率を確認できるGoogleアナリティクスのレポート
  • AdWordsのコンバージョンとは違うので注意

「コンバージョン率」とは?

「コンバージョン率」は、集計期間中の訪問数のうち、コンバージョンした割合を表す指標であり、下記の計算式で算出される。

コンバージョン率=コンバージョン数÷訪問数

サイト全体の場合は、コンバージョン数(=目標の完了数)をすべての訪問数で割った数値になる。

今回の例では訪問数は表示されていないが、サイト全体の訪問数は6,424だった。よって、コンバージョン率は、1,576÷6,424(サイト全体の訪問数)=0.2453となり、これを百分率で表すと24.53%となる(図2緑枠部分)。

図2:[コンバージョン]>[目標]>[サマリー]ページ
図2(再掲):[コンバージョン]>[目標]>[サマリー]ページ

目標別の「コンバージョン率」を確認できる
Googleアナリティクスのレポート

一方、目標別の「コンバージョン率」は、トラフィック系のレポートで表示される。たとえば[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート(図3)などで確認できる。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面で左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする。
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、開いたメニューから[すべてのトラフィック]をクリックする。

これで、「すべてのトラフィック」というページが表示される(図3)。レポート内に「目標セット」タブ(図3赤枠部分)があるような場合に、それぞれのタブをクリックして開けば、目標別のコンバージョン率を確認できる(図3青枠部分)。

図3:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート
図3:[トラフィック]>[参照元]>[すべてのトラフィック]レポート

この例では、図2でも表示されていた「2ページ以上閲覧」(目標1)のタブを開いている。「2ページ以上閲覧」の完了(コンバージョン)数は、1,572だった。よって、この目標の「コンバージョン率」は、1,572÷6,424(サイト全体の訪問数)=0.2447となり、百分率で表すと24.47%となる(図3青枠部分)。

また、左から2つ目に表示されている「コンバージョン率」(図3緑枠部分)は、サイト全体のコンバージョン率である。

AdWordsのコンバージョン数とGoogleアナリティクスのコンバージョン数は一致しないことがある

ちなみに、Googleアナリティクスの「コンバージョン」と、AdWordsにおける「コンバージョン」は、同じ「コンバージョン」という言葉が使われているが、指し示している内容が違うので気を付けよう。

Google アナリティクスはサイト解析を目的としているので、ある訪問がコンバージョンに至ったかどうかが重要だ。そのためGoogleアナリティクスの「コンバージョン」は、コンバージョンした訪問に紐付く概念であり、「コンバージョン」は、コンバージョンした訪問があった日にカウントされる

一方、AdWordsの方はというと、広告の費用対効果をトラッキングすることが目的なので、ある広告に対するクリックがコンバージョンにつながったかどうかが重要だ。そのためAdWordsの「コンバージョン」は、コンバージョンが発生した時点ではなく、広告がクリックされた日に記録される

またAdWordsでは、同じ訪問内でコンバージョンに至らずセッションが切れたとしても、その後の訪問でサイト内でコンバージョンすれば、最後にクリックしたAdWords広告のクリックに対して「コンバージョン」がカウントされる。

その他にもAdWordsでは、

  • 不正クリックをコンバージョンのカウント対象から外す
  • Cookieの有効期間が30日である

などのルールがある。つまり、カウントしている対象自体がGoogle アナリティクスとは異なるのと、カウントするタイミングも違うのだ。つまり、同じ集計期間であっても、それぞれのコンバージョン数が異なることがあるということだ。

だからAdWordsのコンバージョン数とGoogle アナリティクスのコンバージョン数が多少違っていることを問題にするのは無駄なのでやめておこう。これについては、下記の「アナリティクス日本版公式ブログ」にも詳しく書いてあるので、もっと詳細に知りたい方は参照してほしい。

衣袋教授の丸2日でアクセス解析を徹底的に学ぶ講座アクセス解析ゼミナール」の「Web担当者の学校」版を2012年9月7日と9月14日に開催します。あなたも衣袋教授のアクセス解析論を身につけませんか? → https://web-tan.forum.impressrd.jp/school/analyst

衣袋 宏美

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
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