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トレンド眼を身につける方法。近道はプレイヤーとしての実践にあり [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum

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Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の322

トレンドを見る目

日本史上初の「ネット選挙」は盛り上がりに欠けたまま終了しましたが、私は小金を得ることができました。ネット選挙をエサに政治家をたぶらかしたのではありません。「株式取引」です。もちろん、事前に有利な情報を入手して取引する「インサイダー」ではありません。「SEO」です。

トレンドを予測できれば、Web担当者の仕事にも利用できます。TwitterやFacebookでブレイクした人々を見るまでもなく、先回りすることで躍進が期待できるからです。そんな「トレンド」を「株式投資」で知ることもあります。また株式投資は中長期のトレンドです。

お盆休みを前にして、トレンド眼を鍛えながら、資産運用にも明るくなる一石二鳥を狙った厚かましい企画です。

ネット選挙の主戦場を見極める

ネット選挙の主戦場は「SEO」になると見ていました。Facebookの選挙利用はあまり進まないとの予測です。「身内」の集まりに政治が入ってくることを好まないからで、これはLINEも同じです。また、Twitterはフォロワー数によって広報効果に開きがでるので、一般論になり得ません。しかし、「検索」はネットでだれもが利用します。

実際に東京選挙区に「みんなの党」から出馬した桐島ローランド氏に対して、「ネガティブキャンペーン」と思われるSEOが仕掛けられていました。これについては、拙稿(ブログ)に記しています。

さて、SEOといえば本サイトでもお馴染みの渡辺隆広さんが取締役を務める、ジャスダック上場企業の「アイレップ」。選挙戦が始まると新聞紙面にアイレップや渡辺さんの名前を見かけます。そこで株価は必ず上がると購入し、小遣い程度の利益を得ました。

SEOの賞味期限

アイレップの株価上昇は、ウェブ屋にとっても大切なトレンドを教えてくれます。初のネット選挙とはいえ、いまになって同社に取材が殺到するということは、我々にとっては基本装備に過ぎない「SEO」の一般的な認知度がまだまだ低いということです。そこから、いまでも「SEO」は商品価値を持っていることと、その先の成長を確認できるのです。

実際、先の桐島ローランド氏の件は、ある報道関係者経由で持ち込まれた案件で、候補者陣営はまったく対抗手段を持っていませんでした。そこで先のブログを書いたところ、公開から3日目には当該キーワードで、検索結果の1ページ目に表示させることに成功します。これは陣営の応援ではなく、情報をくれた報道関係者にSEOの実力を示すための取り組み。もちろん無償です。

ソーシャルゲームの時代なら

机上の空論をどれだけ重ねても、思春期男子の恋愛相談と同じく、妄想の域を出ません。身銭を切ることで、考えの甘さ、ヌルさに気がつくことができます。当たればごほうび付きです。私は株式取引をそう位置づけ、アイレップに、すなわち「SEOに投資」したのです。

Web担当者が次に来るトレンドとして一番先に思い浮かべるのは「ビッグデータ」でしょうか。これが大ブレイクすると予想するなら、関連銘柄に投資します。日立、NEC、富士通、NTTデータの他に、データ解析のブレインパッドやラック、そして老舗の野村総研もビッグデータ銘柄と呼ばれています。

ソーシャルゲームの時代が、未来永劫続くと信じているならガンホーやKLab、エイチームなどの銘柄があります。ただし、業界からはこんな話も聞こえてきます。

任天堂を倒すまえに3割に

一年ぐらい前に、ネットで話題となった

俺たち、任天堂の倒し方知っているよ

と放言したと噂のあった某ソーシャルゲーム企業の株価は、1年半前のピーク時と比べて3分の1に落ち込んでいます。「コンプガチャ問題」が大きな転機ですが、海外展開の苦戦も1年以上続く低迷の理由です。海外市場の競争はすでに激化しており、加えてアイテムにお金を払うお客が日本に比べて少ないのです。

新聞記者から聞いた話によると、コンプガチャが社会問題になる前から、海外での課金収入が想定以上に伸びていなかったそうです。株価がこの話を裏付ける形となり、いまは次々と海外事業の整理、縮小が発表されています。

一般論として、株価は未来の収益を反映するもので、株価の下落は先行きの不安を表します。上場直後のFacebook株の大暴落は、日本国内での盲目的な礼賛をよそに、先行きの失望感を如実に表していました。株価からこうした、日米の温度差を知ることができます。ちなみにFacebookの株価は、上場時の価格に戻りつつあります。

プレイヤーとしての実践

さらに国策という「トレンド」も見逃せません。この十数年、叫ばれているスローガンがあります。

貯蓄から投資へ

小泉政権時代に顕著になった政策誘導で、つまりは確実に訪れる未来です。来年の春から「NISA(ニーサ)」もはじまります。ニーサとは個人向けの「少額投資非課税制度」で、年間100万円までの取引が非課税になります。国策は強制的に生み出されるトレンド。のらない手はありません。

最後にもう1つ、株式投資を勧める理由があります。それは「自己責任」だということ。私は本当に紙切れとなった「旧ライブドア株」を持っています。証券がすべて電子化された現在は、投資先が倒産すれば、その紙切れすらありません。一片の言い訳も意味を為さず、結果はすべてプレイヤーのもの。だから社会を見る目と、ニュースに接する姿勢が変わり、トレンドに対して敏感になります。

1万円前後から購入できる金融商品や株式もあるので、お盆休み中、ウェブ業界の未来を想像しながら、投資先を検討するのも一興です。

今回は株を例に挙げましたが、ブログやTwitterにも同じことがいえます。会社としてではなく、個人のプレイヤーとして実践してみることで得られる経験は多いものです。会社では試せない実験やツールも、個人のホームページであれば手軽に実践できます。集客のために、お小遣いでリスティング広告を出すのもいいでしょう。Web担当者にはトレンド眼を養うための、実践の場が揃っているものなのです。

今回のポイント

株式投資は1万円単位からはじめられるスキルアップ

自ら実践し、未来予想のおもしろさと難しさを知る

この記事の筆者
ユーザー 宮脇睦(有限会社アズモード) の写真

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『完全! ネット選挙マニュアル』(Kindle版)、『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、冷静な視点からのIT業界分析に「週刊ポスト」など、様々な媒体から情報発信を続ける。

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