セミナーイベント「Web担当者Forumミーティング 2013 Spring」(2013年4月24日開催)の講演をレポートする。他のセッションのレポートはこちらから。
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「ページの表示速度が35%速くなると、売上が5%増加する」。アカマイ・テクノロジーズの松原達也氏はこのように話し、さまざまなデータを交えながら、Webサイトの高速表示の重要性を説いた。
消費者の購買意欲は数秒のうちに失われていく
アカマイ・テクノロジーズ(以下「アカマイ」)は、コンテンツデリバリーネットワーク事業などを世界81カ国に展開する企業で、インターネットをより速くし、安全性と信頼性を高めることをビジネスのゴールにしている。世界中に12万8,000台以上のアカマイサーバーを設置し、世界のWebトラフィックの15~30%を配信。日本でも10年にわたってビジネスを行っており、350社のサービス導入実績がある。
松原氏はこのように同社の概要を紹介したあと、この15年ほどのWebのトレンドを振り返った。
アカマイが創設されたのは1998年。当時ブロードバンドは普及しておらず、静的なコンテンツが中心の軽いサイトがトレンドであり、WebサイトにアクセスするデバイスはデスクトップPCがメインだった。アカマイは設立当初のこの時期から、アカマイサーバーによる通信経路の最適化やキャッシュ技術などを通じ、Webサイトの表示速度向上に取り組んできたという。
2005年にはブロードバンドも普及し、Webサイトにはパーソナライズ化された情報によって、商取引を実現するという役割が期待されるようになった。これにともない、リッチな動的コンテンツや双方向のWebサイトも増加した。このころになると、キャッシュ技術だけではコンテンツの高速配信が難しくなったため、アカマイは「Dynamic Site Accelerator」というソリューションを通じ、通信ルートやTCPを最適化し、レスポンスのスピードを向上させてきたという。
動的コンテンツやパーソナライズされたリッチなWebサイトはその後も増加しており、たとえば2005年には150KBだったWebページの容量は、2011年には679KBへと増加。Webページ内のオブジェクト数も、2005年の21個から2011年の85個へと4倍以上に増加している。このようなトレンドがあるなか、ページの表示速度が遅いことが現在のWebサイトにおける重大な課題になっている、と松原氏は指摘する。
ユーザーはどのくらい待たされると、Web上で購買行動をしなくなるのでしょうか。いくつか調査がありますが、1996年には、表示されるまで10秒は待ってもらえました。しかし1998年には8秒になり、2006年は4秒、2009年は3秒とどんどん短くなっています。現在では待ってもらえるのは1~2秒だと言われています。その一方で、リッチなコンテンツを見たいというユーザーの要望は高まっており、この相反する要望をどう両立させるかが、みなさまの最大の悩みになっているのではないかと思います。
10%の表示速度改善で売上が1%増加
ではWebサイトのパフォーマンスは、実際にビジネスにどのようなインパクトを与えるのか。この点については、米オークションサイトのeBayが、自社の技術ブログで興味深い情報を公開しているという。
このグラフは、ページの表示速度と売上の相関を示しています。表示速度が10%上がると、約1%の売上増が見込め、35%上昇すると5%もの売上アップにつながるとeBayが指摘しています。仮に100億円の売上があるサイトで、表示速度が3秒かかっているなら、0.3秒レスポンスを速めれば1億円の売上増が期待できるわけです。
しかし、パフォーマンスを優先するあまりに、コンテンツを簡素化すると、今度は企業やお店のブランドイメージが低減するリスクが生じると、松原氏は次のように説明する。
最近ではネットで下調べをしてから実店舗で購入するというスタイルが定着しています。店頭でタブレット端末を使って商品情報を検索する人もいるでしょう。この下調べの段階でアクセスしたサイトがぱっとしない出来栄えだったら、購入の選択肢から外れてしまうかもしれません。BtoBの商品にも、同じことが言えると思います。ブランドイメージが低下すれば、やはり売上も低下するのです。
企業のWebサイトは今、高速化とリッチ化を実現しながら、売上などの成果を出すことが求められている。しかも、多様化が進み、仕様の異なるさまざまなデバイスに対して、一定のパフォーマンスが発揮できるようにしなければならない。Facebookの「いいね!」情報など、外部サイトのコンテンツを取り込んでいる場合は、自社のサイトを最適化しただけでは高速化につながらない場合もある。「この相反する2つの課題の解決は、今後ますます大変になっていく
」と松原氏は話す。
高速化とリッチ化、相反する課題を解決するソリューションとは?
セッションの後半は、この課題の対応策として、アカマイの持つWeb最適化のソリューションがクローズアップされた。
1つはオーバーレイ超分散型アーキテクチャと呼ばれる高速化技術を用いた「Akamai Intelligent Platform」だ。コンテンツのWeb配信に特化した超高速&高機能サーバー(EdgeServer)、ダイナミック・マッピング、多段キャッシュ、高速経路といった機能を備えており、十分な帯域をもってスケールできるのはもちろん、データセンター間の振り分けやインターネットの遅延にも対応できる。
2つ目はフロントエンド、つまりWebページの表示処理を最適化するソリューション。オフラインで分析と検証を行い、動作を確認したうえで自動最適化を行う。
自動化は不安だという意見もありますが、今後、Webサイトはますます複雑化していきます。2~3年後には、フロントエンドの自動最適化は、当たり前になるのではないかと思っています。
松原氏によると、現在、2秒以内にコンテンツをロードできるWebサイトは、2割未満にとどまっているという。アカマイではこの割合をフロントエンドの自動最適化によって48%まで高め、コンバージョン率の改善につなげることを目指している。
3つ目は、多様化するモバイルデバイスでの表示を高速化するためのソリューション。モバイルデバイスを検知したら、そのデバイスに適したコンテンツを自動配信し、高速化を実現することや、モバイルデバイスの電波の状況に応じて、コンテンツを圧縮することも可能だという。
そして4つ目は、セキュリティの強化だ。Akamai Intelligent Platformを通じてWebコンテンツを配信している場合、悪意のある攻撃は同プラットフォーム上のサーバーで吸収される。オリジナルのWebサイトには影響が出ず、たとえばDDoS攻撃の対象になった場合でも、オリジナルサイトのトラフィック・ボリュームが上昇する事態は避けられるそうだ。
より詳しい製品情報は、Twitterアカウント(@akamai_jp)で発信しているので、ぜひフォローをお願いいたします。
松原氏は最後にこのようにアピールし、講演を終えた。
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オリジナル記事:コンテンツのリッチ化とパフォーマンスを両立するには、アカマイが実現する最高のWeb体験/アカマイ [【レポート】Web担当者Forum ミーティング2013 Spring] | Web担当者Forum
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