Quantcast
Channel: Web担当者Forum
Viewing all 19485 articles
Browse latest View live

Web担 編集後記 2017年2月

$
0
0
Web担当者Forum編集後記

毎月、最終営業日に更新する予定のWeb担編集部の編集後記です。こんなメンバーでゆるゆるWeb担を運営しています。

2月の編集後記

安田 英久
編集長 安田 英久

今月の「んまいもん」は、京都の和菓子屋「仙太郎」さんの、「ご存じ最中」。

ぼくの一番好きな最中です。甘いですよ。あんがたっぷりですよ。

あんがたっぷりの最中といえば切腹最中が有名ですが、こちらも負けず劣らずのあんのボリューム。女性だと食事の代わりになるぐらい。

ちなみに、地方発送はできないし日持ちもしない(1~2日経ったころの、砂糖が表面に浮かんできてる感じもまたよし)ので、近くの百貨店に仙太郎さんがないという方は、通販の「お好きに召しませご存じ最中」をお試しください。

……これ以前に紹介したことがあるような気もしてきた。まぁ、いいか。

池田 真也
デスク 池田 真也

(執筆中)

西倫英
西倫英

2017年は花粉の量がかなり多いそうですね。

数年前に発症したばかりの花粉症ビギナーですが、今年はすでにやられています。日によってばらつきはあるものの、デスクで鼻をかみ続けるのも辛いので市販の薬を買って飲んでいます。

近所の薬局で「アレグラ」を買ってカバンに入れているんですが、この薬、ちょっと箱がお菓子っぽいんですよね。箱が目に入るたびに「おっ、チョコじゃん」と錯覚しています。

アレグラの箱
チョコですよね

まだまだシーズンは始まったばかり。同志のみなさん、がんばりましょう。

内藤 貴志
内藤 貴志

最近、とみに電車の遅延に遭遇します。通勤時間帯でもないのに、ここ1ヵ月で4回というのは、個人的にはちょっと多い感じです。先日など、旅先の九州で、土曜日の朝7時にもかかわらず、人身事故のため、予約していた特急列車が運休になりました。小心者なので、打ち合わせや予定に遅れないようにするための対策としては、早めに出発するしかありません。遅刻を気に病まない人が少し羨ましいです。

冨岡 晶
冨岡 晶

花曇り気味の曇天でしたが、盆栽美術館「春花園」に行ってきました。古いお屋敷を、庭も屋内も盆栽の展示場にしており、800円で存分に和の雰囲気を堪能できます。展示物の数も多いのですが、とくに屋内には、評価額○千万円の逸品が無造作に飾ってあります。

「盆栽=サザエさんとかに出てくる、昔懐かしい枯れた小趣味」の印象でしたが、実物は、ギンギンにエクストリームな加工品ばかりで、植物なのか鉱物なのか、自然なのか人工なのかまったく分からない、“異形の物体”がズラリ。幹の絡み合いや艶めかしさが非日常すぎて、夜中に見たら目を背けたくなりそう(日中なので凝視してきました)。


[ユーザー投稿] 【無料開催】製造業のための成功するBtoB Webマーケティングの考え方とGoogle アナリティクスの分析軸

トランスコスモスが「SmartNews」内広告でチャットコミュニケーション「DECAds」開始

$
0
0

ITアウトソーシングサービスのトランスコスモスは、スマートフォンアプリ開発のスマートニュースが運営するスマートフォン・タブレット向けニュース閲覧アプリ「SmartNews」内の広告で、チャットでコミュニケーションするメニュー「DECAds(デックアズ)」の提供を始める、と2月28日発表した。4月1日に正式販売を開始する。見込み客を広告からチャットに誘導し、適切な情報提供やコミュニケーションでユーザーの課題解決や興味・関心度の向上を図る。正式販売を前に全日空が3月上旬から試験運用する。

DECAdsはトランスコスモスが開発したチャット広告で、機械での無人対応とオペレーターの有人対応が選択できる。SmartNewsでは無人でのサービスとなる。チャットのコミュニケーション実績に応じて最適な広告配信が可能になり、広告商品に合ったユーザーへのアプローチで広告の価値を高められる。トランスコスモスのDMP(データマネジメントプラットフォーム)サービス「DECode(デコード)」を使い、広告で得た指標の数値とチャット運用でのコミュニケーション履歴データを分析してレポーティングする。

ブライトコーブがシンフォニーマーケティングと提携、動画マーケソリューションを展開

$
0
0

動画プラットフォームのブライトコーブは、マーケティング支援のシンフォニーマーケティングと提携し、企業による動画マーケティングキャンペーンの促進、追跡、実行を実現する統合マーケティングソリューションを展開する、と2月27日発表した。ブライトコーブの動画マーケティングソリューション「Video Marketing Suite(VMS)」を活用し、マーケティングオートメーションに強みがあるシンフォニーマーケティングとマーケティングシステム、動画サービスを一括提供する。動画とマーケティングオートメーションがテーマの無料セミナーを3月16日に開く。

ブライトコーブは、動画マーケティングとマーケティングオートメーションの連携が重要になると考え、シンフォニーマーケティングと組むことにした。VMSはオールインワン型となり、自社サイトやソーシャルメディアで快適な視聴体験が提供できる。シンフォニーマーケティングはBtoB(企業間取引)のマーケティングサービスを手掛け、ツールの選定から運用まで支援する。セミナーは「BtoBマーケティングで成果を出す仕組みをつくる~MA(マーケティング オートメーション)と動画を活用したデジタルマーケティングについて~」で定員は50人。概要は次の通り。

日時:3月16日午後1時半~同3時40分
場所:日本オラクルセミナールーム(東京都港区北青山2-5-8)
内容:「売上に貢献するための『組織』と『コンテンツ』の重要性」(シンフォニーマーケティング)、「Marketing Automationのちょっと面白い使い方」(日本オラクル)、「マーケティングオートメーションにおける動画利用について」(ブライトコーブ)

米アドビ調査で日本はインターネットトラフィックに占めるスマートフォン割合トップ

$
0
0

米国アドビは、モバイルに関する最新調査「Adobe Digital Insights(ADI)」の結果を2月27日発表した。2016年の世界のインターネットトラフィックに占めるスマートフォンの割合を地域ごとに調べたところ、日本が最も高く、日本ではトラフィック全体の47%がスマートフォンだった。タブレットは世界的に減少傾向にあり、日本は6%だった。調査は米国、日本、インド、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、英国を対象にした。

日本のスマートフォンのトラフィックシェアは2014年35%、2015年42%、2016年47%でいずれも最も高かった。2016年は日本に次いで韓国の43%、インドの40%となった。2014~2016年でトラフィックと利用者が最も増えたのはインドで、トラフィック成長率はプラス290%となり、新たに2億6900万人増加した。2016年のタブレットのトラフィックシェアは英国の13%、ノルウェーの12%など欧州では比較的使われているものの、アジア太平洋や米国は減少。日本は2014、2015、2016年とも6%だった。

IBM Watsonの対話AIが都市デザインを変える。次世代のアクセシビリティを体験してきた | デジマラボ出張所

$
0
0

こんにちは、岡田です!

突然ですが、本日はここに来ています。

東京日本橋にある商業施設、「コレド室町」です!

実は、2017年2月8日〜2月28日までの期間、「コレド室町」ではIBM Watsonを使ったAI音声アシスタントが施設内を案内してくれるという実証実験が開催中なんです。

ちょっとした詳細
今回の実証実験は、日本IBM・清水建設・三井不動産の3社共同で実施。それぞれ
  • 日本IBM: IBM Watson技術の提供
  • 清水建設: Bluetoothビーコン技術などの提供
  • 三井不動産: 施設情報の提供

という役割。技術面にはもちろん、サービス設計にも注目され、視覚障害者や車椅子利用者・海外からの旅行者にも考慮した試みになっている。

AI音声アシスタントをつかった実証実験で、この規模は日本で初めてではないでしょうか?早速体験してきましたので、レポートします。

準備は簡単。誰でもつかえる。

実験に参加するには、iPhone6以上のスマホにNavCogというアプリをインストールするだけ。

NavCogとは
IBMとカーネギーメロン大学が、視覚障がい者の方のために開発しているアシスタントアプリ。

インストール後、利用規約への同意や、簡単なアンケートに答えるだけで使える状態になります。簡単ですね!

アプリを立ち上げると、こんな画面が表示されます。左下にあるマイクアイコンをタップして、さっそく話しかけてみます。

いざ体験レポート開始!

さぁ、どれほどの精度なんでしょうか。

時間がお昼前ということもあり、お腹がペコペコ……。

というわけで

顔写真
岡田
ラーメン屋さんに行きたい

と話しかけてみました。

おお、自然言語を認識してくれています!そして、画面に文字がでるだけではなく喋りました!

って… バル?うどん?

ラーメン屋さんはなかったのかな? じゃあ、おなじ麺類の「2」で。

顔写真
岡田
2番目の店で
顔写真
これど
日本橋 稲庭うどんとめし 金子半之助 にご案内しますか?
顔写真
岡田
お願いします

すると、ナビゲーションが開始しました!

ナビ中も、アシスタントが「直進してください」「左に曲がってください」と細かく話しかけてくれます。

ナビに従って、歩いていきます。

すると、「おっ!」と思ったポイントが1つ。

顔写真
これど
エスカレーターを下ってください

そう、指示の表現が細かいのです。

これがもし「下の階に降りてください」だけだったら、視覚障がい者の方が、階段かエスカレーターかエレベーターかわからなくて、思わぬ怪我につながりそうですもんね…。

なるほど、とても親切な設計。これなら、どんな方でも安心して利用できそうです。

エスカレーターを下ってナビに従っていくと、目的のうどん屋さんに辿り着きました!

曖昧な表現でも対応可能

そろそろコーヒーが飲みたいなぁ…。次は曖昧な表現にして、難易度を上げてみます。

顔写真
岡田
休憩したい

おお、自然な会話になりましたよ。

曖昧なニーズにも、丁寧に選択肢を提供してくれます。

顔写真
岡田
お願いします

再度ナビに従い、無事コーヒー屋さんにも無事到着!

思った以上に使えそうですね。

この調子でいろいろ試してみましょう。お店以外の設備にも案内してくれるんでしょうか?

顔写真
岡田
トイレに行きたい

すごい!きちんとトイレの選択肢も出してくれました。親切ですね。

顔写真
岡田
男性用トイレでお願いします

ナビに従い、建物の外へ…。

外でもナビは健在です。

無事到着です!

かなり作り込まれてますね。

駅の帰りまでもサポート

とても楽しい体験ができました。さて、そろそろ帰ろうかな…。

顔写真
岡田
駅はどっち

なんと、これにも対応。コレド室町以外の場所もナビしてくれました!

駅にも無事到着!

実験の後には、アンケートもあります。

公式発表によれば、これをもとにシステムを改善していき、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでの実用化を目指しているそうです。楽しみですね!

体験をふりかえって

AIで自然な対話ができることはもちろんですが、アクセシビリティとホスピタリティの両方が徹底的に考えられていることに驚きました。

普段は意識してなかったのですが、私たちが普段通っているルートも、体の不自由な方にはとっては危ないんだな、と気づきました。
それを考えると、このシステムが当たり前じゃないことがおかしいぐらい…。

街を見渡すと、健常者向けにしかデザインされてないものが多い現状… はやくこれがスタンダードになる時代が来てほしいですね。

デジマラボではこうした試みがあれば、今後もレポートに向かおうと思います。

それではまたー!

岡田 孟典 by
AIのリアルを追う、“やってみた”ライター兼エンジニア。過去には、海外向けにチャットボットをリリースした実績もある。エンジニアとしての成長も目指して日々奮闘中。

「BITA デジマラボ」掲載のオリジナル版はこちらIBM Watsonの対話AIが都市デザインを変える。次世代のアクセシビリティを体験してきた

この記事の筆者

AI(人工知能)やbotなどの最新技術とデジタルマーケティングの現場をつなぐデジマラボの出張所です。

BITAが運営する「デジマラボ」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしています。

マーケティングに無料から活用できるLINE@の使い方を教えてください!/LINEの藤原彰二さん、桃木耕太さんに聞いてきた | Webのコト、教えてホシイの!

$
0
0
ここから始まります
LINE@…?安田さん、内藤さん、この@ってなんですか?
LINE@を知らないんですか?最近LINEデビューした僕でも知ってるのに。
LINEとLINE@って違うんですか?
全然ちゃうわ。それに加えて、LINE公式アカウントってのもあるんや。たくさんの有名な企業が使ってるんやけど、運用費用は毎月数百万円かかるんやで。
えええええ!
それじゃあ、この@ってのは、いったいいくらかかるんですか?
無料からや。
無料から?
数百万円のLINE公式アカウントと無料からのLINE@って何が違うの?
ここから始まります
というわけでそれぞれの活用法を聞きにきました。
ようこそ(LINE株式会社マーケティングコミュニケーション室マーケティングチーム・藤原彰二さん)。
待ってましたよ(LINE株式会社マーケティングコミュニケーション室PRチーム・桃木耕太さん)。※所属部署名は2016年12月時点のもの
わぁいムーンだ、ブラウンだ、コニーもいる。
すみません。
いえいえ…。
もういいでしょ、話聞きますよ。
せっかく会えたのに。
まだ写真撮ってない。
さっそくですが、LINEとLINE公式アカウントとLINE@、どう違うのかを教えていただけませんでしょうか。
ここから始まります
それではまずLINEを。まぁ説明の必要がないとは思いますが、個人間やグループなどのコミュニケーションツールとしてご利用いただいています。今はそれだけでなく、LINEマンガや、ゲーム、ニュース、占いなどといったサービスも提供しています。
ホントだ。調べてみるとたくさんサービスがある。便利やな。
あとでやってもらっていいですか…。
次にLINE公式アカウントです。2012年にサービス開始、企業や有名人のご利用が多いですね。具体的な利用法は、新規顧客の開拓、自社のサービスを知ってもらうためのPR活動や、クーポンなどの配布、多くのユーザーとコミュニケーションすることなどがメインとなっています。
ここから始まります
けど、毎月数百万円くらいかかるんですよね?そんな退勤払えるのって限られていると思うんですが。
どういった企業が公式アカウントを採用しているのですか?
公式アカウントに関しては、全国どこにいてもその商品やサービスが受けられるような業態に向いていますね。なので、スタンププレゼントや、キャンペーンなどで、全国から友だちを集める傾向があります。
なるべくユーザーとの接触時間を増やして、想起率を上げるのに役立てているんやな。
そういうことです。他にブランディングとして役に立つ場合もあるんですよ。
ブランディング?
無料でスタンプをプレゼントして数百万のユーザーに短期間で認知を広めたり、LINEアプリないで露出し、多くのユーザーに見てもらうことができるんです。
そう考えると、毎月数百万円って安く感じてきましたね。
意見変えるの早っ。
ここから始まります
最後にLINE@です。こちらは公式アカウントのような全国的ではなく、商圏をターゲットとしたものだと考えていただけるとわかりやすいと思います。
駅の側の美容院や飲食店など、店舗単位や中小企業、さらに個人にご利用いただく傾向があります。
利用料はメッセージ配信回数や友だち数、機能でプランが選択できます。有料プランになればより機能が充実し、効率の良い集客や分析が可能です。
メッセージ使いすぎて数百万円ってことは…。
ありませんっ。
LINE@は具体的にどのような使い方をするんですか?
そうですね、例えば急な雨にお客様の足が途絶えるとしましょう。
ここから始まります
暇で手の空く美容師はもったいない。割引してもいいからお客様に来てほしい。そんなときLINE@で「突然な雨でお店が空いています。先着五名様、10%OFF」などのクーポンを一斉送信します。すると時間に余裕のあるユーザーがそのサービスを受けることができる。これってお客様にとっても店側にとっても有意義ですよね。他にも高校生の下校時刻の少し前を狙ってカレーパンの割引クーポンを配信。するとお腹を空かせた高校生達にバカ売れなんて例もあります。うまい使い方でしょ。
カレーパンだけにうまいってか。
ご利用にあたってこんなデータがあるんですよ。LINE@でメッセージを配信して20分以内にそこに含まれるURLをクリックする人が50%以上なんです。
ここから始まります
なので、20分未来のペルソナを考えて利用すれば、有効活用の幅は広がります。
何やってるんですか?
家の近くの店を検索して登録してるんです。こんなにお得なら、登録しないと損じゃないですか。あれ、ちょっと待ってください。それってLINEの機能で事足りるんじゃないですか?お店に来てもらった人に友だち追加してもらって、割引のメッセージを一斉に送ればいいじゃないですか。回数に制限もないし、何通送っても無料に!
あの、営業、宣伝、広告など、商用目的でのLINE使用は規約違反なんです。他に機能面でも、一斉配信の後、ユーザーから問い合わせがあれば、一対一でメッセージをやり取りすることができます。今後はカスタマイズもできるように開発し、どんどんと個別にあった使い方ができるようにしていきます。
それでは最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
そうですね。
ここから始まります
店舗でお客様と接客するのと同じように、LINE@を店舗に来ていないお客様を接客するイメージで使ってみてください。きっとこれまでにない自分流の新しい使い方がみつかるはずです。
話を聞けて良かったです。
もっとたくさんのお店が導入してくれたら、双方にとって機会損失が減りますね。
そやな。
今日をきっかけに、最大限LINE@を利用してみます。
まずは加盟店の発見ですね!
よっしゃみんなで探そか!
あ、ここにもLINE@、登録!登録!登録!
数日後、助けてください。メッセージが多すぎて寝られません。
知らんわ。さっさと寝ろっ!

第46回は3月公開予定

この記事の筆者

星井博文(ほしい・ひろふみ)

漫画家・漫画原作作家。ヤングジャンプにてデビュー。著作に『中京女大レスリ ング部物語「ちゅうじょ」』(実業之日本社)など多数。

「グランドジャンプ」にて、『未解決事件 File.02 オウム真理教』などの構成を担当。

[ユーザー投稿] パンセと24-7、資本業務提携について


[ユーザー投稿] 【無料セミナー】3/15(水)10分でつくるデータフィード「 dfplus.io 」を実画面で解説!~新機能、カスタムデータフィードの追加で利便性が拡大!~

話が通じないのはなぜ? Web担当者が知らない営業マンの生態 | 企業ホームページ運営の心得

$
0
0

心得其の493

営業という仕事の誤解

営業マンととび職がお互いの仕事を想像し、職業交換は無理だと互いに敬意を抱く、缶コーヒージョージアのCM「おつかれ、俺たち。」編。

CMでは山田孝之さん演じる背広姿の営業マンと、とび職役の新井浩文さんが想像のなかで和解していましたが、実際の現場ではなかなかこうはいきません。営業と他部署の軋轢が多くの業界で確認されるのは、営業という職種があまり知られていないからなのでしょう。

CMにも登場した営業の「土下座」などは最たる誤解。Web担当者も接することの多いであろう営業マン。彼らとの人間関係を構築する上で、誤解を解き、業務上から身につけてしまう習性を知ることは必ず役に立つことでしょう。

なお、本稿における営業は一般論を心がけていますが「ウチの会社の○○のことを言っている」と思ってもきっと気のせいです。

土下座の真実

CMでは土下座による謝罪が試みられていました。大手広告代理店の営業部門を面白おかしく描く、ビッグコミックスピリッツの長寿連載『気まぐれコンセプト』でも土下座がたびたび描かれており、あちらの世界では多用されるのかもしれませんが、一般的なビジネスの場で土下座は見たことがありません。営業マン=土下座は誤解といえるでしょう。

現実のビジネスシーンはもっとドライです。マンガやドラマで描かれるような土下座級の失態が発生していたなら、土下座をするヒマすら惜しみ、金銭面も含めた保証や対応に追われているものです。

人気ドラマ「半沢直樹」でも土下座が注目されましたが、あれは銀行内の身内に対してのもので、謝罪というより見せしめや仕返しにあたり、遺恨を残すだけの不毛な行為。ビジネスシーンで相手が土下座をしようとしたなら、止めてなだめて「貸し」を作ることでしょう。

ザギンでシースー

営業マンはザギン(銀座)やギロッポン(六本木)といった繁華街で、接待を理由に美味しいものを食べて飲み歩いている。まるでお笑いタレント「平野ノラ」のバブルネタですが、いまだに営業=接待と信じて疑わない人たちが少なからずいます。これも誤解です。

盆暮れの挨拶など、社会常識の範囲内の謝礼などは「潤滑油」として存在しますし、お酒の席を通じて人間関係を深めることはありますが、それだけで取引が決まることはありません。というより、それは違法性を帯びます。民間企業同士の場合、「贈収賄」には該当しませんが、接待の飲食という私的な利益を得るのと引換に、会社に不利益な取引を結んだなら「特別背任」という罪が待っているからです。

なにより「接待」による取引が、長続きすることはありません。接待費用は取引価格に反映され、市場競争力を失うからです。

昭和時代ならいざ知らず、現代において土下座や接待はドラマの「記号」として、安易に濫用されているように感じます。

サボりのメカニズム

こちらは誤解ではなく、多分に事実であるのが「サボり」です。営業マンはサボります。20世紀は喫茶店やパチンコ屋でサボっていましたが、最近は「漫画喫茶」や「スマホゲーム」に興じているようです。モバイル機器の発達によって、カフェで仕事をする姿も見かけますが、いつ何時も仕事をこなしているわけではありません。ただし、サボりは主従の従です。

打ち合わせが予定より早く終わり、次の予定までに生まれた空き時間、次の約束までの時間が帰社して再び出向くよりも短いとき、外で時間を潰す方が、いちいち帰社する交通費も不要という経済的合理性もあります。これが「サボり」が生まれるメカニズムの1つです。

悲しき習性が語る

また、営業マン自らが「サボり」を自慢し、誤解を深めている場面は多々あります。それは彼らが業務で身につけた習性の影響によるものです。

営業マンになると「盛り気味」に話をするクセがつきます。お客は小さい会社より大きい会社、平社員より役職者を漠然と信じる傾向があるからです。また、ときには強面の取引先とも渡りあわなければなりません。私自身、いわゆる「ヤバイ」稼業の方と接したこともあります。そんな営業マンにとって、嘘にならない程度の「盛り」はRPGにおける「そうび」と同じです。

この盛りたがる悲しき習性が、裁量権の範囲内にすぎない時間調整を「サボり」と自慢させてしまうのです。真に受けずに、社交辞令的な相づちでスルーしてあげてください。

営業マン適当伝説

営業マンは適当なことばかり言う。これも概ね事実です。

営業の仕事とは、新しい業務を受注すること、継続受注のための働きかけや調整をすること、と言葉にすれば簡単ですが、実態は簡単ではありません。Web業界をみればわかるように、最新技術が生まれても、すぐにキャッチアップされてしまいます。

取り扱う商品が同じなら、価格以外の優位性で差別化することは困難であり、価格勝負になれば中小は大手に太刀打ちできません。だからといって、「差別化できないから売れません」とは言えないのが営業職。営業マンのほぼ毎日は逆風です。

そこで死にものぐるいに、口八丁、手八丁を駆使します。好意的なお客の誤解を訂正せず、大局に影響しない語弊を放置することもあります。ここに「盛り気味」が加わり、客観的に見たとき「適当」との誹りは当たらずとも遠からず。しかし、「適当」とは逆風を越えて、契約を取るための技術の1つなのです。

だからといって、適当を押しつけられる現場はたまらない」という声が聞こえてきそうですが、その通りです。営業マンの無理難題に振り回されぬよう、関係部署の間でしっかりと話し合うことが大切です。ひいてはお客のためにもなります。

営業とコミュニケーションするときは、事前に「美味しいものを食べ歩いている」といった「誤解」を解いておき、営業マンとして身についてしまう「習性」を理解しておくといいでしょう。

そしてもう1つ大切なのが、営業マンは仕事を取ってくるのが仕事だということ。現場に意地悪しようという悪意はありません。

今回のポイント

誇張された誤解も多い

習性を知れば理解しやすい

この記事の筆者

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『完全! ネット選挙マニュアル』(Kindle版)、『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、冷静な視点からのIT業界分析に「週刊ポスト」など、様々な媒体から情報発信を続ける。

[ユーザー投稿] 第4回:サクラサクLABO無料SEOセミナー開催

オプトがパブリッシャーの広告収益最適化を支援する100%出資の新会社「brainy」設立

$
0
0

eマーケティングのオプトは、パブリッシャー(媒体社)の広告収益最適化を支援する事業を分社し、100%出資の新会社「brainy」を3月1日に設立した、と同日発表した。パブリッシャー支援領域での技術の進化や、生活者の動向などといった環境の変化に迅速に対応して事業の拡大を図り、これまで以上に多くの企業の支援を目指す。

brainyはオプトグループのノウハウを生かし、従来のRTB(リアルタイムビッディング)取引に加えて複数のアドネットワークを活用してパブリッシャーの収益を最適化する。オプトは広告配信システム「Xrost SSP」をリニューアルし、パブリッシャートレーディングデスクサービス「brainy」として展開していて、新会社が引き継ぐ。

動画アドネットワーク「LODEO」がブランド毀損を回避するブランドセーフティ機能追加

$
0
0

インターネット広告のサイバーエージェントは、広告技術商品開発を行う同社の技術者横断組織、アドテクスタジオが、スマートフォンに特化した動画アドネットワーク「LODEO(ロデオ)」にブランドの毀損(きそん)を回避するブランドセーフティ(保護)機能を追加した、と3月1日発表した。配信前にページ内のコンテンツを分析し、ブランドを損ねる可能性があるページを検出して広告配信を避ける。

飲酒運転による事故のニュース記事にアルコール飲料の広告を配信しないようにできる。デジタル広告管理ツール開発のMomentumのブランド保護ツール「BlackSwan」と連携して実現した。ページ単位で分析・評価が可能になる。従来は事前に特定媒体を指定して限定配信する方法を採っているが、企業にとってポジティブとネガティブの両方のコンテンツがあるニュースサイトで対応が課題だった。

セガネットワークスとグリー子会社のGlossomが動画広告サービスで業務提携契約締結

$
0
0

ゲーム関連コンテンツ企画・開発・販売を展開するセガゲームスの社内カンパニーでスマートデバイス向けゲームを手掛けるセガネットワークスと、ゲーム・メディア事業のグリーの100%子会社で広告事業のGlossom(グロッサム)は、スマートフォンゲームのユーザー向け動画広告サービスで業務提携契約を締結した、と3月1日発表した。Glossomが提供する動画広告配信プラットフォーム「AdColony(アドコロニー)」などを活用し、ゲームユーザーに動画で訴求できる新しい広告サービスを共同で開発して運営する。

セガネットワークスがスマートフォンゲーム運営会社向けに行っているマーケティング支援サービス「Noah Pass(ノアパス)」に参加するゲームの画面に動画広告を導入する。ゲーム内で体力がなくなったりゲームオーバーになったりした時に表示し、ユーザーはゲームを続けられるようになる。ゲーム運営会社は動画の視聴状況に応じて広告収入が得られる。ユーサーに利点のある広告のため、広告主は効果的な広告展開が可能になる。今後、ユーザーごとに適した広告を配信するターゲティング機能も予定する。

川崎重工グループのWeb強化施策――目的・役割と、成功したこと・うまくいかなかったこと | 【レポート】Web担当者Forumミーティング 2016 Autumn

$
0
0

社会インフラを提供するような大規模なB2B企業はいま、グローバルでWebをどのように強化しているのか。「Web担当者Forum ミーティング 2016 秋」2日目の基調講演では、「川崎重工の企業ウェブ改革事例――目的・役割と、成功したこと・うまくいかなかったこと」と題して、川崎重工の山下氏がWeb施策の強化事例を紹介した。

山下 まいか氏
川崎重工業株式会社
コーポレートコミュニケーション部ブランド戦略課
山下 まいか氏

B2C企業やECと違い、買うのはビジネスマンだけという業態でも、マーケティングは必要で、Webはブランディングにも使える。しかし、コンテンツの目的・役割の違いを意識することが重要だ。

身近に情報が少ないB2B製品こそWeb展開

川崎重工と聞くと、「バイクのカワサキ」をイメージするが、実は、船舶海洋、航空宇宙、プラント・環境、ガスタービン・ジェットエンジン、工業機械、精密機械、産業用ロボットなど、広範囲な事業をグローバルで展開している。

社会インフラのような大きな物をネットで買う人はいないので、以前はブランディングやマーケティングは川崎重工には無縁と考えられていたし、Webの活用ノウハウも社内理解もないという状況だった。

しかし、山下氏は次のように言う。

実は複雑で身近に情報が少ないB2B製品こそ、Webの展開に向いている

なぜなら、B2B事業のほとんどの製品は、購買までの時間が長く、複数人でよく調べたうえで候補を絞り、購入に至るからだ。

しかも、社会インフラを欲しがっている人は都会にはいない。多くの場合は(海外の)未開発地域で、インターネットこそが最適の、あるいは唯一の情報接点となる可能性がある。そこで川崎重工でも、インターネットを活用した海外での情報発信体制を強化することになった。

川崎重工では「現地のことは現地に任せるのが一番」と考えていたため、リニューアル前はグローバルで統一したサイト運営ルールがなく、海外拠点サイトが乱立していた。その結果、次のような問題が起きていた。

  • ブランドイメージの分散
  • ユーザーが適切な情報にたどり着けない
  • 複数の海外拠点サイトのセキュリティ問題が発覚

原因は、国や事業ごとに担当者のレベルがばらばらで、ほとんどの海外拠点では片手間でWeb担をしていることだった。たとえば、比較的顧客が多いロボット事業では、各国の販売拠点がそれぞれWebサイトを作っていて、イメージが統一されていなかった。

アクセス解析結果を見ると、さらに問題が見える。米国向けロボット販売情報のページへのアクセスの半分以上は、米国以外からだった。自分の国の販売拠点を探していたのに米国サイトに行ってしまい、別の国のサイト誘導も設計されていないため、せっかくニーズをもって来た潜在顧客を逃してしている可能性が高い

Webリニューアルで目指した姿、4つのポイント

そこで、次のようなものを目指してWebリニューアルを進めた。

  1. グローバルでのWebガバナンス(管理体制)を確立
  2. Kawasakiブランドの発信を強化
  3. マーケティングツールとして活用
  4. 各々のコンテンツ評価指標に基づいた効果測定

1. グローバルでのWebガバナンス(管理体制)を確立

まず「1. グローバルでのWebガバナンス(管理体制)を確立」では、各国、各事業部の担当者と1年かけて協議を重ね、グローバルサイトとして統合した。これは最も時間がかかって、苦労した部分だという。9部門およそ10か国の担当者と、海外出張やグローバルWeb会議なども行い、サイトのルールを統一した。

結果として、サイト、インフラ、デザイン、シナリオやKPIを統一し、モバイルを考慮したサイトが構築できた。

2. Kawasakiブランドの発信を強化

また、「2. Kawasakiブランドの発信を強化」では、Kawasakiブランドが目指す世界感に合わせて、デザインを統一した。

Kawasakiブランドの発信を強化

3. マーケティングツールとしての活用

3. マーケティングツールとしての活用」は、次のように進めた。

①デジタルマーケティングによる効果が高い事業と低い事業に分類する

デジタルマーケティングがB2Bに適しているとはいえ、すべてに当てはまるわけではない。そこで、効果が高い事業と低い事業に分類した。

顧客が比較的多く、販売地域が広範囲にわたる事業は、デジタルマーケティングを活用する効果が高い。川崎重工では、たとえば産業用ロボット事業がこれに当たる。

逆に、顧客が特定され製造している企業も少ない分野の事業は、デジタルマーケティングには向かない。川崎重工でいえば、航空機事業(顧客はボーイングとエアバスのみ)などだ。しかし、Webサイトのビジネス効果が低いとはいえ、航空機や車両、船舶は、解りにくいBtoB製品の中でも認知度が高く、技術力イメージを牽引している事業でもある。そこで、企業の信頼性(ブランド力)を向上させるためのコンテンツとして再定義した。

デジタルマーケティングによる効果が高い事業と低い事業に分類

②シナリオを策定(シンプルに)

ビジネスへの効果が高いと考えた事業はシナリオを策定し、サイト構成を見直した。4ステップと非常にシンプルだが、多くの事業部門と多様な国の人が共用するには、複雑すぎないほうがいい。

デジタルマーケティングのシナリオ

③具体的な施策

シナリオに添って、コンテンツの内容やサイトの構成変更を見直した。特に力を入れたのは、次のような点だ。

  • 「global.kawasaki.com」へドメインを変更(STEP 1「見つけさせる」)

    SEO強化のため、「khi.co.jp」から検索サイトで上位表示されやすいドメイン「global.kawasaki.com」へ変更した。khiは「kawasaki heavy industries」の略だが、海外では知名度が低いためkawasakiを含む文字列に変更。また、海外に向けて情報発信していることがわかりやすいように、カントリードメインの「.jp」ではなく、ジェネリックドメインの「.com」に変更した。

  • ソーシャルメディアの活用(STEP 1「見つけさせる」)

    これまでリーチできていなかった層に川崎重工を知ってもらうきかっけとして、ソーシャルメディアの活用に着手した。具体的には、公式YouTubeページ「Kawasaki Group Channel」を開設。海外からのアクセス数向上を目指している。

  • Geo IPの活用(STEP 2「惹きつける」)

    国や地域、インターネットプロバイダー(ISP)でIPアドレスをデータベース化したGeo IPを用いてユーザーの位置情報を特定し、位置情報に合わせた情報を表示させる機能を実装。別の国の情報が出てしまうといった、表示情報のミスマッチを解消した。さらに、販売店情報のページから別の国のページへたどれる設計にした。

  • ユーザー視点での情報発信(STEP 2「惹きつける」)

    Webサイトの製品区分を、組織別(企業視点)から用途別(ユーザー視点)に再編した。

    たとえば、川崎重工では産業用ガスタービン、ガスエンジン、蒸気タービンという複数のエネルギー機器を扱っているが、それぞれ事業部が違う。

    このため、以前はユーザーのニーズに応えるサイト構造になっていなかった。産業用ガスタービンの情報は、ガスタービン部門のサイトの下層ページに行かなければ出てこない。やっと見つけて、ガスタービンの情報を見たところ、実際に適しているのは蒸気タービンだったという場合は、プラント部門のサイトを下層ページまで探さなければ蒸気タービンの情報を見つけられないという状態だった。

    それを、「エネルギー関連」という用途別のサイト構成に変更した。これは、お客様からのアプローチに対して機会損失を減らすため、営業担当からも「必要だと思っていた」という意見だったという。

製品区分を組織別(会社都合)から用途別(ユーザー視点)に再編

4. 各々のコンテンツ評価指標に基づいた効果測定

さらに、「4. 各々のコンテンツ評価指標に基づいた効果測定」では、リニューアルを行うことで、各サイトのアクセス解析ができる基盤やさまざまなツールを導入、それに合わせたKPIを設定した。

効果測定設計時の注意点と変革を加速させたポイント

というわけで、1から4まで計画通りに実行できたのだが、必ずしもすべてうまくいったわけではない。実は計画通りの数値が成果として出ていないという問題があった

これは、そもそも「成果」の定義が曖昧だったため、取れるデータに飛びついて、データの海に溺れてしまったことが原因だ。また、取れる数字が多いので、優先順位がわからないという状態だった。

そこで、達成したかったことを意識しながら、KPIの再設定を常に行っている。山下氏が、「最初に気付いておけば良かった」と思ったのが、次の3点だ。

<<最初に気付いておけば良かった点>>
  • マーケティングとブランディングの役割の違いを意識

    コンテンツの目的設定時には、マーケティングとブランディングの役割の違いを意識する。コンテンツとしては役割の違うものが混在すると議論が拡散するので、役割の違いを認識し、共有して目的設定することが重要。

  • プロモーション全体での位置づけを整理

    Web担当はオウンドメディアだけの最適化を考えがちだが、それ以外の広告やSNSなども含めた、包括的な取り組みとして全体像を定義し、全社での取り組みを改めて定義することが重要。

  • 戦略的にどの指標を選択するかが重要

    データが増えるとどれも大事そうに見えるが、すべての指標を追っていると、何が達成したかったを見失う。ゴールにインパクトが大きいものに絞り、優先順位をつけることが重要で、「データが取れるから念のために取っておく」のは混乱の元だ。

コンテンツの目的や時間軸を意識する
マーケティングとブランディングの役割の違い、コンテンツの目的や時間軸を意識する

逆に、成功した部分もある。変革を加速させたポイントは、次のようなものだ。

<<変革を加速させたポイント>>
  • 社内説得には現状をデータで示す

    社内説得に現状をデータで示したことで、思い込みや感情での議論をなくし、現状認識や危機感を共有することができた。グローバル展開では、言語での意思疎通をカバーすることにもデータが大きく役立った。

  • 効果が期待できるところから着手

    効果が期待できるところから実施しフェーズを切り分けた。また、「スモールスタート」し効果を確認しながら、対象範囲を広げることで、関係部門の不安を解消した。対象範囲を限定することは、担当者の負荷軽減にもつながる。

  • 海外従業員の意見をできる限り採用

    海外現地従業員の意見を採用することで、現地従業員のモチベーションを上げることができたし、彼らのノウハウを用いることで時間短縮にもなった。

グローバルで全社を巻き込んだプロジェクトでは、やりたい気持ちが大切だ。「これをすると会社のためになる、チームのためになる」という思いが伝播することで、うまく進む。最後に、山下氏は次のようにまとめた。

当初の想定と異なる結果になっているところもありますが、プロジェクトを通し、グローバルの連携・協力体制を作ることができたので、これを実行への足掛かりとして改善を続けていきます

この記事の筆者

【執筆】

柏木 恵子
ITジャーナリスト

【撮影】

鹿野宏


Googleアナリティクスで潜在顧客を見つけ出せ! 企業の訪問を3タイプに分けて分析する[第33回] | 衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座

$
0
0

今回は「ネットワークドメイン」を活用して潜在顧客企業を発見する方法について解説しよう。ネットワークドメインは、「どのネットワークからアクセスしているか」を表すディメンションだ。前回解説した「地域」レポートと同様にIPアドレス情報をもとにしている。

特に企業向けサービスを提供している場合には、次のような足跡を残してくれるのだから、それを営業活動などに活用しない手はないだろう。

  • 潜在顧客企業の利用があったのか
  • どのページを見て何に関心があるのか
この記事で学べること:
  • ネットワークレポートの見方がわかる
  • 企業からの訪問に絞り込んで確認する

まずは「ネットワーク」レポートを見てみよう

今回紹介するディメンションの「ネットワーク ドメイン」は少し隠れた場所にある。まずは[ユーザー]>[テクノロジー]>[ネットワーク]レポートを表示しよう(図1赤枠部分)。

図1:[ユーザー]>[テクノロジー]>[ネットワーク]レポート(新UI)
図1:[ユーザー]>[テクノロジー]>[ネットワーク]レポート

レポートの内容を確認してみよう。標準で「サービス プロバイダ」というディメンションが選択されているが(図2赤枠部分)、その内訳を見ると「japan network information center」や「ntt communications corporation」といった、インターネット接続事業者らしき名前が並んでいる(図2青枠部分)。

図2:[ユーザー]>[テクノロジー]>[ネットワーク]レポート
図2:[ユーザー]>[テクノロジー]>[ネットワーク]レポート

そして上位だけで全体の半分くらいのシェアを占めている(図2緑枠部分)ことから、かなり大きなくくりの分類であるということがわかる。

セカンダリディメンションで「ネットワークドメイン」を表示する

今回狙いとしているのは、どのような企業ユーザーがサイトに訪問しているのかを確認することだ。図2の状態では粗すぎる。そこで「ネットワーク ドメイン」というディメンションを活用するのだ。

図2の[ネットワーク]レポートを表示したまま、セカンダリ ディメンションを指定するプルダウン(図3赤枠部分)をクリックして、表示された選択肢から「ネットワーク ドメイン」選択する(図3青枠部分)。

図3:セカンダリ ディメンションに「ネットワーク ドメイン」を指定
図3:セカンダリ ディメンションに「ネットワーク ドメイン」を指定

すると図4のように、左から2列目に「ネットワーク ドメイン」(図4赤枠部分)の列が加わったレポートに変化する。その項目を見ると、「ocn.ne.jp」「ucom.ne.jp」「nuro.jp」といった表示が確認できる(図4青枠部分)。

図4:セカンダリ ディメンションに「ネットワーク ドメイン」を表示
図4:セカンダリ ディメンションに「ネットワーク ドメイン」を表示

これらはそれぞれ、インターネット接続サービスの「OCN」「UCOM光」「NURO光」などに対応しており、そのサービス利用者による訪問だということを表している。家庭からのインターネット利用の大半はこうしたインターネット接続サービスを利用しているので、レポートに表示される上位の項目は、一般消費者向けのインターネット接続サービスのドメイン名が表示される場合がほとんどだろう。

一般的には、巨大なインターネット接続サービス利用者ごとに利用実態が大きく異なることはめったにないので、図2図4の上位のデータを見てもほとんど発見はない。

(参考)主なインターネット接続サービスの一例
ネットワーク ドメインサービス名(社名)
ocn.ne.jpOCN(NTTコミュニケーションズ)
ucom.ne.jpUCOM光(アルテリア・ネットワークス)
nuro.jpNURO光(ソニーネットワークコミュニケーションズ)
asahi-net.or.jpASAHIネット(朝日ネット)
plala.or.jpぷらら(NTTぷらら)
bbtec.netSoftBank 光、Yahoo! BB 光など(ソフトバンクBB)
au-net.ne.jpau(KDDI)
spmode.ne.jpdocomo(ドコモ)
panda-world.ne.jpSoftBank(ソフトバンク)
インターネット接続サービスの一例。さまざまなケースがあるが、主なものを紹介する(表は編集部が作成)

企業からの訪問に絞り込んで見やすくする

一方、勘の良い方はもうお気付きかもしれないが、この「ネットワーク ドメイン」は「example.co.jp」といった企業ドメイン名も表示されるので、「どこの企業ネットワークからの利用があったのか」つまり「特定企業内からその従業員が利用した訪問」がわかるのだ。

大きな企業であれば、インターネットに接続するために専用回線を引いて、固定のIPアドレス帯を利用していることが多い。前回解説したようにそのIPアドレス情報を企業ドメイン名のデータベースに照合すれば、どの企業からの利用があったのかがわかるという仕組みだ。

各企業からの利用は、一般向けサービスの「OCN」などと比べると格段に少ないはずなので、レポートでは下位に存在している。そのままでは発見しにくいので、レポートのアドバンス フィルタ機能を利用して絞り込もう

図4の状態で、検索窓の右側にあるアドバンス フィルタ(図5赤枠部分)をクリックすると、図6のような条件指定画面が表示される。フィルタの条件に「一致」「ネットワーク ドメイン」「含む」「co.jp」(図6赤枠部分)と指定して、「適用」(図6青枠部分)をクリックする。

図5:アドバンス フィルタ
図5:アドバンス フィルタ
図6:アドバンス フィルタの指定
図6:アドバンス フィルタの指定

そして表示されたレポートが図7だ。2列目の「ネットワーク ドメイン」の項目がすべて、企業ドメインの「××.co.jp」になっていることがわかる(図7赤枠部分)。もちろん、一般のISPと比べるとセッション数は少ないだろう。しかし非常に有望な潜在顧客がこの中にいる可能性が高い

図7:企業ドメインからの利用に絞り込んだレポート
図7:企業ドメインからの利用に絞り込んだレポート

3つのタイプに分けて企業ごとの傾向を見る

まず見るべき項目はネットワーク ドメイン(図7赤枠部分)とそこから類推できる企業名だ。その企業群は大きく次の3つに分類される。分類ごとに、分析する項目は異なってくるだろう。

  • 競合他社
  • 既存顧客
  • 潜在顧客

競合他社の場合は、「なぜいま自社サイトを見に来ているのだろう」「どのサービスを見ているのだろう」「価格表を見に来ているのだろうか」という具合に、見ているページから彼らの意図を想像する必要があるだろう。

次は、既存顧客だ。既存顧客は、利用している製品やサービスについてのページを見ているのだろうか。それとも、利用していないサービスのページを見ているのだろうか?それによって、「サポートが必要とされているのか」「別のサービスの営業部隊の出番なのか」「誰が先方にコンタクトすべきか」という対応も変わってくるだろう。

そして競合他社でも既存顧客でもなく、新規顧客になりそうなのが潜在顧客だ。潜在顧客の企業はどのサービスに興味を示し、どのくらいの熱心さで調査をしているのだろうか。その会社と以前に取引があったり、営業はコンタクトしたりしたことはあるのだろうか。

そんなことを念頭に置きながら、企業ドメイン全体のユーザーの質や成果について現状把握をしよう(図7青枠部分)。たとえば、次のような具合だ。

  • 新規ユーザーは多いのか
  • 1訪問あたりのページビュー数は多いのか
  • 資料請求などのコンバージョンはしているのか

「行動」レポートでその企業の行動を深掘りする

図7で絞り込んだレポートをじっくり見て、販売子会社など分析対象外の企業は外し、気になる企業が見つかったら、次は1社ずつ絞り込んで詳しく利用実態を確認していこう。面倒だが、各企業にどのようにアプローチすればいいのかを検討するためには、ユーザー行動を追っていかなければならない。

各社のユーザーがそれぞれどのコンテンツを見たのかを確認するには[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートを利用する(図8赤枠部分)。セカンダリ ディメンションに「ネットワーク ドメイン」を指定し(図8青枠部分)、アドバンス フィルタを利用して絞り込む手順(図8緑枠部分)は、先述の[ネットワーク]レポートのときと同じだ。ドメイン名は1社ごとにアドバンスフィルタで条件を指定して見ていこう(図8黒枠部分)。

図8:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートを企業ドメインで絞り込む
図8:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートを企業ドメインで絞り込む

1社に絞ってレポート表示した例が図9だ。見るべきポイントは、まず上部の折れ線グラフ。この例では、「前後にわずかな利用はあるものの、ある日に利用が集中している」という点が特徴的だ(図9赤枠部分)。

もし過去に成約した企業の成約以前のウェブ利用行動の特徴などを把握しているのであれば、それらとの類似性がないかといった視点で見るとよいだろう。

図9:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートで特定の企業ドメインに絞り込んだ
図9:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートで特定の企業ドメインに絞り込んだ

また、「どのページを見たのか」(図9青枠部分)、閲覧時間の長かった(図9緑枠部分)ページはどんな内容だったのかといった部分を見て、潜在顧客の関心事や関心度合いの強さを見極めて今後の対処方針を決めていこう。

この記事の筆者

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社へ。調査部、インターネット視聴率センター長などを経て、2000年ネットレイティングスへ。視聴率サービスやアクセス解析サービスの立ち上げに尽力。2006年株式会社クロス・フュージョンを設立し代表取締役に。現在アユダンテ株式会社の社外フェロー、アクセス解析イニシアチブ副代表も兼任。

著書など:
Web担当者Forumでの連載:

[ユーザー投稿] 【無料ウェビナー】サーチコンソールで実践するテクニカルSEO

LINEをマーケティング活用するにはどうしたらいいの? 3つのサービスの違いを聞いた | Web担人気記事ランキング

$
0
0
アクセス数上位ランキング

2017年2月23日~2017年3月1日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

  1. マーケティングに無料から活用できるLINE@の使い方を教えてください!/LINEの藤原彰二さん、桃木耕太さんに聞いてきた

    無料から使えるマーケティングサービスLINE@について、公式アカウントとの違いや有効な活用事例などを聞いてきた。

  2. なぜグーグルは低品質なまとめ記事を上位表示していたのか?【SEO記事12本まとめ】

    グーグルの品質評価を「ラーメン」でわかりやすく解説

  3. 今がチャンスなの!――WebマーケとテレビCMの連係、真剣に考えてみてよ/第11話

    社内向けのWebマーケ勉強会がいよいよ始まった。板井は神原を納得させることができるのか。

  4. 「ナゼ、この商品は売れないのか?」アイデア発見サイトで“生活者のホンネ”を探る

    生活者の本音を聞く。顧客ニーズを掘り起こす。仮説を検証する。無料から可能なマーケティング!

  5. IE 9とIE 10を無視できる日まであと40日! これでCSS3も心置きなく実装できる!?

    Windows Vistaのサポート終了で、IE 9もIE 10もサポートすべきブラウザから消えます!

  6. AIでリスティング広告はどう変わる? 媒体社と広告代理店がすべきこと

    自動化に向いていることと、向いていないこと

  7. 話題にもならないなら、テレビCMにカネかける意味あんのかよ?/第10話

    いよいよ社内向けのWebマーケ勉強会の日を迎える。宣伝広告部の社員は出席してくれるのか……?

  8. サンプルでわかる提案依頼書(RFP)作成6つのポイント、発注内容の伝言ゲームは失敗の第一歩/第3回

    RFP作成のポイントを中小企業のWebシステム開発で使い勝手のよいフォーマットを示しながら解説する

  9. 失敗しないセミナー当日運営(持ち物リスト&司会台本サンプル付き)/セミナー開催マニュアル3

    2つの便利なサンプルを活用してセミナー当日のオペレーションを乗り切ろう。

  10. Yahoo!の関連検索に出るようになったネガティブ情報を消す方法

    自社のブランドで検索したときに、検索エンジンの「関連検索ワード」にネガティブな情報が出てしまう場合

  1. ページを1秒以内に表示するための最新技術、そしてSEOの未来(テクニカルSEOの復権 最終回)

    「ページ表示速度」、そして「SEOはどこに向かっているのか?」「SEOに再び偉大なものに ―― Let's Make SEO Great Again」

  2. Twitterのアプリインストール×リテンション広告でバイト応募数が大幅増、ユーザーのアクションを活性化したバイトルの必勝パターン

    アクション促進に注力する「バイトルアプリ」の取り組み

  3. お前は何もするな!――素人のあなたにWebマーケの仕事は無理ね/第1話

    シーズン5がスタート! 今度の主人公は、醍醐ビールのお荷物痛い系営業マン!?

  4. URLとURIは何が違うの? どちらが正しい呼び方?

    Webページのアドレスを指す場合は、URLとURIどちらを使うべきなのでしょうか。

  5. PVだけでいいんですか?/【漫画】Webマーケッター瞳 第1話

    入社4年目、駆け出しのコンサルタント瞳は、初めて大手のクライアントを1人で任せてもらうことになった。

  6. コンテンツの質を高めるには検索意図が大切、でもそれってどう調べればいいの?【SEO記事12本まとめ】

    昔「キーワード」、今「検索意図」。意外と難しい検索意図の探り方をわかりやすく解説

  7. 訪問者の住んでいる地域がわかる? GAの「地域」レポートの正しい使い方とその精度を知ろう[第32回]

    GAでは、訪問者がどの地域からサイトを利用しているかをレポートに表示できる。地域はIPアドレスをもとに判定されている。その精度はどれくらいあるのだろうか。

  8. 【速報】ついに登場したGoogleアナリティクスの新ユーザーインターフェースを画面付きで詳細解説!

    ついにGAの新画面が適用されはじめた。今回の変更ではいくつかの機能がなくなり、画面全体に影響がある。新旧の画面を比較しながら速報をお伝えする。

  9. KPI

  10. 冗談じゃない!Webマーケの奴の話なんか聞けるかよ/第9話

    宣伝広告部にWebマーケティングを理解してもらうため、社内勉強会を開催しようともくろむ板井と重盛だったが……。

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

[ユーザー投稿] 【無料セミナー】「伝わらない時代の伝え方」共有価値(Shared Value)を真ん中に

[ユーザー投稿] 【セミナー/東京】3/9開催:BtoB企業における「オウンドメディア×MA」活用・事例紹介セミナー

Viewing all 19485 articles
Browse latest View live