グーグルが対策するまで、品質の低い「まとめ記事」「リライト記事」が上位に表示されていたのはなぜなのか。先日の検索品質向上アップデートに関するわかりやすい解説をアイレップが公開した。
ほかにも、「PC向けページに張られているリンクはMFI後どうなるのか」「AMP関連」「PWAとAndroid」「グーグル社員のSEO豆知識DYKシリーズまとめ5連発」などなど、SEO関連の情報をまとめてお届けする。
来週のこのコーナーは、筆者取材につきお休みです。次回3/10の更新をお楽しみに。
![今週のピックアップ]()
日本語における検索結果品質を向上するための日本独自のアルゴリズム更新を、グーグルが実施した。だが、このアップデートに関してグーグルは多くを語っていない。
導入から3週間がたち、「対象となるサイト」「実際の影響」「実施の背景」などを、よくある質問を交えながらアイレップが独自解説している。
前半は基本的なことをあらためて整理している内容だが、後半では、
- なぜGoogle は「低品質なまとめ記事・リライト記事」を上位表示していた?
- 「ウェブのエコシステム作り」とは?
- 今後は、どんな理由があっても「まとめ」「リライト」は避けるべき?
といったことも解説されており、非常にわかりやすい。
このコラムの読者は普段から質の高いコンテンツ作りに励んでいるはずだ。したがってこのアルゴリズムによって悪影響を受けたとは思わない。
それでも、グーグルが目指している方向性や、このアルゴリズム更新を経ても「品質が高い」とグーグルが判断するコンテンツがどういったものかについて興味があったり疑問点があったりするのであれば、読んでみるといい。
★★★★☆
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
MFI関連の情報をもう1つピックアップする。
モバイル ファースト インデックス(MFI)では、モバイル向けページが「主」のインデックスになり、ランキングを決めるための評価対象になる。
では、MFI 後に次のような状態だったら、どうなるのだろうか?
- PC向けページには外部リンクがたくさん張られている
- モバイル向けページに張られたリンクはゼロ
MFI では評価対象がモバイルサイトだから、PC 向けページへのリンクは無視され、評価には含まれなくなってしまうのだろうか?
レスポンシブウェブデザインや動的配信の構成ならこんな心配は出てこないが、別々の URL で構成していたら不安になるかもしれない。
しかし安心してほしい。実際には、MFI 後も、PC向けページに張られたリンクは、モバイル向けページに張られているリンクとして扱われるようだ。
つまり、MFI に合わせてモバイル向けページにリンクをわざわざ張り替える必要はない。
実際にどう処理されるのかはまだ不明だが、少なくとも現時点でグーグルのジョン・ミューラー氏はそのように解説している。
★★★☆☆
- 別々のURLでモバイルサイトを構成しているWeb担当者
- ホントにSEOを極めたい人だけ
日本語で読めるSEO/SEM情報
AMP ページには次の3種類の URL が存在する。
- オリジナル URL(元のドメイン名)
- AMP Cache(キャッシュ) URL(cdn.ampproject.orgのサブドメイン名)
- Google AMP ビューアー URL(www.google.com/amp以下)
なぜ同じ AMP コンテンツに3つの URL が存在するのかは後述するが、このせいで発生している問題がある。それは、「シェアする URL」の問題だ。
たとえば検索結果から AMP ページを表示して、そのページをツイッターで共有しようと思ったとする。
その場合、共有される URL は、その記事本来のオリジナル URL ではない。あなたが作ったコンテンツなのに、あなたのドメイン名の URL ではなく、google.co.jp ドメイン名上の AMP ビューアー URL で共有されてしまうのだ。
このことに対する不満の声があるため、グーグルはオリジナルの URL を確認し利用しやすいように AMP ビューアーを改良した。この改良により、本来の URL での共有が容易になった。
![アンカーボタン]()
「アンカーボタン」と呼ばれるリンクマークのアイコンをタップすると、オリジナルの URL を参照できる
元記事では、こうした機能が必要になった背景を、次のようなことを含めて解説している。
AMP ページが即座に表示されるために、ブラウザが検索結果ページの裏側でどのような処理を行っているのか
なぜAMP キャッシュ URL のほかに、AMP ビューアー URL が存在するのか
なぜ検索結果から表示する AMP ページには上部にドメイン名を示したヘッダーバーが表示されているのか
今後使われるようになるだろう Web Share API
技術的な内容も多いが、かなりわかりやすく解説されている。興味がある人は読んで知っておくといいだろう。
★★★☆☆
- AMPがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- AMPページをよく共有する人
- 技術がわかる人に伝えましょう
レンタルサーバーの契約更新を忘れてサーバーを凍結されたことで、検索トラフィックが失われてしまった。そんな経験をした人が、検索トラフィックがどう減り、サーバー復旧後にどのように戻ってきたかを体験談として記事にしてくれていたので、紹介する。
そのサイトは、運悪く4日間ほどサーバーが「凍結」され、サイトにアクセスできない状態が続いたそうだ。
ということはその間、ユーザーはもちろん、グーグルのクローラーもサイトにアクセスできない。当然のことながら、サーバーが凍結されて間もなく、検索トラフィックはほぼゼロに近くなった。
では、凍結されていたサーバーが元通り動くようになったあと、検索トラフィックはどう戻っていったのだろうか。次のような動きだったという。
- 復旧1日目:2/3程度
- 復旧2日目:2/3程度
- 復旧3日目:元の80%程度まで回復
- 復旧4日目:元の90%まで回復
サーバーにアクセスできない状態が数日から1週間程度であれば、最終的には元どおりになると解釈していいのではないだろうか。
とはいえ、絶対の保証はないから、サーバーの更新忘れやドメイン名の契約更新忘れのようなうっかりミスを犯さないように十分気をつけたい。
プログレッシブ ウェブ アプリ(以下、PWA)に対応したウェブサイトをあたかもアプリのように扱える機能の提供が、Androidで試験的に始まった。アプリと同じようにウェブサイトのアイコンをホーム画面に追加したり、アプリ設定で管理したりできる。
たとえば、PWA に対応したサイトを訪問すると、次のようにインストールを促される(メニューからの手動インストールも可能)。
インストールした PWA は、通常のモバイルアプリと同様に、ホーム画面にアイコンとして追加できる。
ここまでなら通常のサイトでもできるが、インストールした PWA はホーム画面だけでなく、アプリドロワーにも表示される。
アプリの管理画面にも、インストールした PWA が表示される。
ほかにも、Androidで シェアなどを実現する「インテント」の仕組みにも対応できるし、通知も Chrome の通知管理ではなく Android の通知として管理できる。
つまり、PWA が通常のモバイルアプリとまったく同様に扱われるようになるわけだ。
現在は、Android 版 Chrome の Canary(開発者向け試験運用版)と DEV、Betaで設定を変更することで試せるようになる。
ウェブサイトとアプリの垣根がなくなる機能で、正式公開が楽しみだ。1つ懸念があるとすれば、iOS では Android と同様の機能がサポートされていないという点だろうか(今後もその見込みは薄い)。
★★★☆☆
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は"まだ"気にしなくていい)
- 技術がわかる人に伝えましょう
国内最大手のブログサービスであるアメーバブログ(アメブロ)が、常時 HTTPS へと移行することを発表した。
同種のブログサービスの Bloggerや WordPressは HTTPS 対応しているが、純粋な日本のブログサービスとしてはアメーバブログが初ではないだろうか。
まだ移行は始まってはおらず、2017年3月以降に順次対応とのことである。
![アメーバのトップページはHTTPS移行]()
アメーバのトップページはすでにHTTPSになっている
超巨大サイトの HTTPS 移行は相当な困難がつきまとうはずだ。それにもかかわらず、時代の変化に対応して HTTPS 化に踏み切ったアメブロには賛辞を呈したい。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
MFI とインデックスの仕組みに関する記事を今週はピックアップ。
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ- グーグル社員のSEO豆知識「DYKシリーズ」まとめ5連発
- 漢字ドメイン名はSEOに不利? 有利?
- DYK? JavaScriptリダイレクトと301リダイレクトは同じなのか?
- HTTPSのインデックスが15%増加、検索1位~10位のHTTPS比率は間もなく50%を突破へ
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏による「SEO 豆知識」を紹介する。題して「DYKシリーズ」だ(「DYK」は「Did you know?」の略、つまり「知ってたかい?」という意味)。
イリェーシュ氏は検索エンジンやSEOにまつわる豆知識を「DYK」として紹介するツイートを連続して投稿しており、このコーナーで先週3つ紹介した(重複コンテンツペナルティ、PageRank、検索結果件数)。
今週も、役立ちそうなものを選んでいくつか紹介する。
●サイト移転でトラフィック減?
サイト移転のあとの検索トラフィックの落ち込みは、たいていは、新しいサイトでのタグやディレクティブの設定忘れや削除忘れが原因だ。たとえば、hreflang を設定していなかったり、余計な noindex をそのまま残しておいたりといったようなね。
「ディレクティブ」は、robots.txtのdisallowやnoindexタグなど検索エンジンが従うべき命令のこと
イリェーシュ氏の経験によれば、サイト移転後のトラフィック減少の半分以上は、robots meta タグの間違いだそうだ。また、hreflang の設定ミスでトラフィックが激落ちするケースも多いらしい。
●声にだして読みたいSEOコンテンツ
ページに書いた文章を声に出して読んでみて自然に聞こえないようなら、その文章は検索順位の評価が低くなるかもしれない。
検索エンジンを意識しすぎて記事を書くと、不自然な文になりがちだ。記事を読むのは人間のユーザーだということを忘れてはいけない。
グーグルの自然言語理解の能力は飛躍的に向上しているので、検索エンジンだけに向けた文章は、むしろ評価が下がるようになっていくかもしれない。
●キーワードはどこに書くかで重要度が変わる
キーワードはページ内での出現場所や周りの要素によって重要度が違ってくる。ページフッター内のテキストは、メインコンテンツ内のテキストよりも重要度が下がるかもしれない。
サイドバーやフッターのようなテンプレート部分のコンテンツは、そのページ固有のメイン部分のコンテンツよりも重要視されないことは、よく知られている。すでに常識だと言ってもいいかもしれない。
さて、あなたが知らない SEO 豆知識はあっただろうか?
漢字ドメイン名はSEOに不利? 有利?
IDNでもアルファベットでも評価に影響しない(John Mueller on Twitter)
漢字のドメイン名は日本での SEO で不利ですか?
グーグルのジョン・ミューラー氏にツイッターでこんな風に聞いた日本人フォロワーがいた。ドメイン名にアルファベット以外の文字を使える「国際化ドメイン名(IDN)」が検索エンジンでどう扱われるのかに関する質問だ。
ミューラー氏は次のように答えている。
問題ないだろう。ラテン文字(アルファベットなど欧米の言語で使われる文字)と変わらない。
英数字を用いた一般的なドメイン名であるか、それとも、日本語で使われるひらがなや漢字、ギリシャ文字、アラビア文字などを用いた国際化ドメイン名であるかは、単純にそれだけで検索エンジンの評価に影響するものではない。
★★★☆☆
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
現在のグーグルは、JavaScript によるリダイレクトも301リダイレクト相当として処理できる。だが、HTTP ステータスコードで示す本当の301リダイレクトと JavaScript によるリダイレクトは、まったく同じなのだろうか?
グーグルのジョン・ミューラー氏によれば、ほぼ同じだとのことだ。ただし、次のような違いがある。
- Googlebot が JavaScript を認識して実行できなければならない
- 301リダイレクトはクロールのあとすぐに処理に入るのに対し、JavaScript リダイレクトは多少時間がかかる
JavaScript の実際の処理は、HTMLのクロールとは別に行われる。そのため、すぐにリダイレクトの処理は始まらないという違いがあるのだ。
また、万が一 robots.txt で JavaScript ファイルのクロールをブロックしてしまっていたら、問題が発生する。ブラウザで見るとちゃんと新しいページに転送されるのだが、Googlebot はリダイレクト用の JavaScript を実行できないため、リダイレクトを認識できないからだ。
★★★☆☆
- ホントにSEOを極めたい人だけ
- 技術がわかる人に伝えましょう
HTTPS をランキング要因にして以来、グーグルがインデックスしている HTTPS の URL は15%増えた。
これは、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏が、アムステルダムで開催されたSEOカンファレンスで伝えた情報だ。
グーグルが公開している情報によれば、これまでにグーグルがクロールした URL は130億ページだ。15%といえど、膨大な数になる。もちろん、クロールしたページがすべてインデックスされるわけではないが、HTTPS のページが飛躍的に増えていることは、疑いようのない事実だ。
一方、1,000種類のキーワードで、検索結果を常時監視しているMozCast(モズキャスト)のデータによれば、検索結果1ページ目に表示される結果のうち45%が HTTPSになっているという。
![MozCastによるHTTPSページのパーセンテージ]()
過去30日間の検索結果1ページ目におけるHTTPSのパーセンテージ
これまでの上昇傾向がこのまま続くと、3か月後には50%を突破すると予測されるとのことだ。
ウェブの流れは、確実に HTTPS 化に進んでいる。あなたのサイトはどうするだろうか?
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
果たして更新再開はあるのか?
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:なぜグーグルは低品質なまとめ記事を上位表示していたのか?【SEO記事12本まとめ】 | 海外&国内SEO情報ウォッチ
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