「インタビューは独自コンテンツだからSEOに強いはず」と思って作ったコンテンツがグーグルに評価されず、その原因と対策を解説した記事が、今週のトップストーリー。
ほかにも、グーグルの新しいアルゴリズム「RankBrain」、インタースティシャルで順位低下、SEOでやるべきこと・やってはいけないことなどなど、SEOの情報をまとめてお届けする。
![今週のピックアップ]()
生の声が聞けるインタビュー記事はユーザーの役に立ち、かつ検索エンジンにも評価されるだろうと期待し、1,500万円の費用と1年半の年月をかけて4,000本以上のインタビュー記事を公開したものの、まったく成果が出なかった失敗談を暴露した記事。
失敗した理由は次の4つによるものだったと分析している。
- 文章量の多さと情報量の多さは比例しない
- びっくりするぐらいキーワードが含まれていない
- 話が脱線してタイトルとコンテンツ内容の一貫性がなくなる
- 専門家だから詳しいわけではない
しかしこのままでは終わらせていない。次の6つの対処を実行したところ、検索トラフィックが増えてきたそうだ。
- ムダな部分の削除
- 質問に対してきちんと答えられていない部分を削除
- 文節の修正
- 記事タイトルの変更
- ツールを使った重要キーワードの入れ込み
- ツールを使った補足情報の入れ込み
【情報開示】記事で紹介されているツールは、筆者が所属するFaber Companyのグループ企業が提供しているものだ(記事のピックアップは純粋に内容によるもので、ツールのPR目的ではない)。
対処はまだ完了していないとのことで、検索トラフィックは今後さらに伸びてくる可能性もある。
インタビュー記事の教訓として最も重要なのは、ただ単純にインタビューを文字起こししただけではダメだということだろう。インタビューの内容が検索エンジンにも適切に伝わるような文書化が必要と言える。また、インタビュアーの質問の仕方や答えの引き出し方もポイントになりそうだ。
Web担編集部に聞いたところ、そもそもインタビュー内容をそのまま記事にすることは、ほぼないという。
というのも、取材時には、
- 場をほぐすためのやりとり
- 話を引き出すために行う、記事化できない質問
- 質問の意図を理解してもらうための別切り口からの説明や質問
- 想定していなかったが突っ込むと良い内容になりそうなトピックの掘り下げ
- 気持ちよく話してもらうために止めなかった脱線
など、そのまま記事にしても意味がない(または本筋を外れたりストーリーが成立しなかったりする)ものが多くあるからだ。
また、インタビューに限らず最も大切なのは、「その記事を読むことで、読者がどんな情報や価値を得られるのか」であり、その点にフォーカスした「編集」が必要になる。
そして、インタビュー以外のコンテンツでも同様のことが言えるはずだ。
グーグルの新アルゴリズム「RankBrain」関連情報
今週は、グーグルが導入した人工知能タイプの新しいアルゴリズム「RankBrain」に関する情報を、海外SEO情報ブログとSEO Japanからそれぞれお届けする。
なお、RankBrainの発表は検索業界において大きなニュースであったので取り上げたが、ウェブ担当者として日々のSEO施策に変更をもたらすものではない。これまでどおり、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供することを第一に考えていけばいい。
グーグルのジョン・ミューラー氏も、RankBrainに対してどう最適化すべきかを尋ねられ、次のように答えている。
RankBrainのために何か特別なことをする必要はない。
日本語で読めるSEO/SEM情報
グーグルはモバイルフレンドリーアルゴリズムを更新したことを通知した。かねてから予告していた、アプリインストールのインタースティシャルがあるページをモバイルフレンドリーとみなさなくするものだ。
もし、アプリのダウンロードを促す目的のインタースティシャルを、画面を覆い尽くすようにして表示させているならば、すみやかに対処する必要がある。ユーザー体験を損ねているし、モバイルフレンドリーではないとみなされてモバイル検索のランキングが下がることもある。
モバイルサイト構成における、「ユーザーが望まないリダイレクト」について、グーグルが注意を喚起した。
たとえば、検索結果からやってきたPCユーザーには正常にページを表示するが、モバイルユーザーにはまったく無関係なページへリダイレクトするような状態だ。ユーザー体験を損ねるだけでなく、グーグルが定める品質ガイドラインにも違反する。
サイト管理者が意図的に設定するのは論外だが、広告システムがそういう挙動をする場合や、サイトがハッキングを請けている場合など、知らないところで勝手に設定されていることもあるとのことだ。
筆者はこういった事例を知らなかったのだが、公式ブログでアナウンスするということは、それなりに問題になっていることの現れなのだろう。
Googleアナリティクスのアラート機能を使って、万が一にもそうした状況になっていたら気づけるようにする設定方法を、記事では紹介している。
その他の調査方法や対処方法も含めて、詳細は公式記事を参照してほしい。
フォームの入力欄は分割するよりも1つにまとめたほうがユーザーにとって使いやすくなることを解説した記事。
入力フィールドを分割するよりもまとめるほうが良いのは、次の5つの理由によるとのことだ。
- 項目が少なく見える
- 移動の手間が減る
- (入力欄が分かれていると)余計な手間を生む可能性がある
- どこで区切るべきか迷わない
- (入力欄が分かれていると)どこまで必須なのかがわかりにくい
ただし、1つにまとめることにデメリットがないわけではない。入力フォーマット(入力の形式)が曖昧になることが例として挙げられる。
たとえば、電話番号なら次のどれで入力すべきかユーザーが迷うかもしれない。
- 03-1234-5678
- (03)1234-5678
- 0312345678
対処方法も記事では説明している。
どんなケースにおいても統合が分割に優っているということではないが、可能であれば入力欄は1つにまとめるほうが、メリットが多いようだ。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
RankBrainとペンギンアップデート、これら2つのアルゴリズムについての記事を今週はピックアップ(RankBrain関連記事は今週のピックアップの次にまとめて掲載)。
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ- グーグル社員がアドバイスするSEOでやるべきこと・やってはいけないこと
- www有無&http/httpsのサイトがSearch Consoleで統合表示される?
- Search Consoleに登録できるサイトの上限が1,000に引き上げ
- robots.txtを動的に生成しても大丈夫?
- 構造化データを使い過ぎるとペナルティを受けるのか?
- サイトマップはクロールを抑制するためにも利用できるのか?
SEO Japanの掲載記事からピックアップ- Pubcon 2015-GoogleのCXラボからの調査報告。モバイルを取り巻く現状のデータとサイトデザインの25の原則。
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
「SEOでやるべきこと&やってはいけないこと」を、グーグルのゲイリー・イリーズ氏がリストアップした。イスラエルのエルサレムで11月1日に開催されたSMX Israelカンファレンスでの内容を参加者がツイートしていたので紹介する。
- オリジナルコンテンツを入念に作成する
- 確実に、ユーザーが情報をすぐに見つけられるようにする
- 可能ならば、情報を分けたり理解しやすいバージョンを作ったりする
- コミュニティを(ユーザーに)任せる
- コミュニティが正しく運用されるようにハンドルする
- 検索エンジンのためにページを構成する
- サイトにない情報に対して最適化する
- すべての訪問ユーザーを他のサイトに誘導する(特にアフィリエイトサイト)
- 幅広く入手可能なデータにだけ頼っている
またイリーズ氏は次のようにも発言したそうだ。
眠りにつくときに、「今日、何人のユーザーがサイトに訪問したか」ではなく、「今日、何人のユーザーを助けることができたか」を自分に問いかけるといい。
「やるべきこと・やってはいけいこと」とともに、サイト運営にとても役立つアドバイスだ。
Search Consoleでは、たとえ同一のサイトであったとしても次のURLは別々のサイトとしてデータがレポートされる。
- http://example.com/
- http://www.example.com/
- https://example.com/
- https://www.example.com/
通常は正規化して1つのURLにまとめるべきなのだが、問題が発生したときの診断のためにすべてを登録しておくことが推奨される。
しかし、これらのサイトをSearch Consoleで統合してレポートする機能の導入をグーグルは検討しているそうだ。SMX Israelカンファレンスでグーグルのマイケル・フィンク氏が明らかにした。
筆者もSearch Consoleには、先で挙げたような4種類のURLを登録している。レポートが1つにまとめられるというのは、データを参照しやすくなってありがたい。それにレポートを参照するときに、本サイト(https://www.suzukikenichi.com/)ではないサイトをうっかり選んでしまいそうになることがときどきある。選択間違いがなくなる点でも嬉しい。ぜひ実装してほしいものだ。
Google Search Consoleに登録できるサイトの上限が1,000サイトまで引き上げられたようだ。これまでは100サイトまでしか登録できなかった。
グーグルのゲイリー・イリーズ氏が、確証は持てないとしながらも認めている。
少なくとも100サイトを超えたのは確かなようだ。190サイトを登録した状態のスクリーンショットが投稿されている。
一般的には100サイトも登録できれば十分だろうが、非常に多くのサイトを監視する立場にあるウェブ担当者やSEOコンサルタントには嬉しいニュースだろう。
robots.txtを動的に作成しても問題ありませんか?
このような質問がSEOフォーラムに投稿された。
質問者は1つのCMSで複数のサイトを運用しているため、そのままではどのサイトでも同じrobots.txtになってしまう。そのため、robots.txtへのアクセスをrobots.phpなどで受けて、クローラがどのサイトにアクセスしてきたかに応じて、そのサイト用のrobots.txtを動的に生成する構成にしようとしているのだ。
グーグルのジョン・ミューラーは次のようにコメントした。
サイトごとにrobots.txtを動的に生成することに問題はない。
だが気を付けることがある。Googlebotはrobots.txtを1日1回クロールし、キャッシュする。サイトを訪問した際に毎回robots.txtをクロールするわけではない。キャッシュされた古いバージョンのrobots.txtに従うことがありうる。
robots.txtを動的に生成すること自体に問題はない。また、この事例では問題ないが、内容を頻繁に変えても、Googlebotが常に最新の状態に従ってクロールしてくれるとは限らないので注意が必要だ。Googlebotはrobots.txtをだいたい1日1回だけ(または数百ページクロールごとに)クロールしてキャッシュしていることも知っておきたい。
構造化データを使い過ぎるとペナルティを受けるのか?
★★★★☆ペナルティにはならないが重要なものだけをマークアップしたほうがいい(Google Webmaster Central office-hours)
グーグルの英語版オフィスアワーで参加者が次のように質問した。
すべてのページに構造化データをマークアップしています。構造化データを追加しすぎるということはありえるのでしょうか? スパム行為だとしてペナルティを受けることがありますか?
ジョン・ミューラー氏は次のように回答した。
構造化データをたくさん追加したことの結果としてマイナスな評価を受けるということはない。
ただしたくさんマークアップすることで(HTMLのサイズが大きくなるため)ページの表示速度が遅くなるかもしれない。それにすべての構造化データを維持管理するのは労力がかかるだろう。
サイトにとって本当に重要なものだけをマークアップすることを勧める。
あるいは、効果がはっきりとわかるようにリッチスニペットの対象になっているものだけをマークアップしてもいい。
ページにある情報を、可能な限りたくさん構造化データとしてマークアップすることは、そのページで言及されているモノゴトが持つ意味を検索エンジンに伝えることにおおいに役立つ。
しかし、ミューラー氏が言うようにすべての情報を正しくマークアップするには多大な労力と知識が必要だ。まずは重要なものだけをマークアップすれば十分だろう。たとえば、リッチスニペットなどグーグルが明示的にサポートしている構造化データを中心に実装していくとよさそうだ。
ただしポリシーに違反した構造化データの利用は、それ相応に対処されることがあるので注意が必要だ。
グーグルのジョン・ミューラー氏がツイッターでサイトマップとクロールに関してフォロワーとこんな受け答えをしていた。
(フォロワー)サイトマップでlastmodを指定していたら、Googlebotは前回のクロールから変更がないページを取得しないように動きますか?
(ミューラー氏)サイトマップでlastmodを指定していても、クローラは変更がないURLにアクセスしに行くだろう。
サイトマップに記述できる
には、そのURLのコンテンツの更新日時を指定する。
によってコンテンツが更新されたことを認識したGooglebotは、そのURLを優先的にクロールする。
しかし、
の日時が前回のクロール時と同じだったとしても、クロールが不要だと判断したりはしない。つまり、サイトマップはクロールを促すことはできるが、クロールを抑制する目的では用いられないのだ。
Googlebotはサイトマップとは無関係に、通常のクロール頻度でページをクロールする。
質問者がどうして変更がないページをクロールさせたくないのかの理由は不明だが、サイトマップではクロールを抑えることはできない。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
RankBrainのさらに突っ込んだ解説と、PubConカンファレンスのセッションレポートを今週はピックアップ(RankBrain関連記事は今週のピックアップの次にまとめて掲載)。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
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