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いきなり訪問数が急増! 原因は何!? トラフィックメニューで流入元を探ってみよう[第42回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 4.5

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

前回までは「ユーザー」のメニューを中心に、ユーザーの利用環境などから垣間見える特徴やサイト改善へのヒントの見つけ方などについて話をしてきた。

今回からは、ユーザーの行動を「サイトへの流入」→「サイト内の回遊」→「目的の達成」という段階に分けて考える場合の、「サイトへの流入」をテーマにして何回かお届けしていこう。

ユーザー行動の段階をGoogleアナリティクスのメニューのカテゴリにあてはめると、次のようになる。

ユーザー行動の段階Googleアナリティクスのメニュー
サイトへの流入トラフィック
サイト内の回遊コンテンツ
目的の達成コンバージョン

つまり、今回から見ていくレポートは、「トラフィック」系レポートが中心となる。

今回は、訪問数が急増した場合に、トラフィック系のレポートを使ってその流入元を探っていく方法を解説する。

訪問数が急増した日がないかをチェック

Googleアナリティクスにログインして、プロファイルを開いたときに最初に表示されている「ユーザー」>[サマリー]レポート上部には、図1のような訪問数の日別の折れ線グラフが表示されている。折れ線のパターンは、メルマガを発行している頻度とか、情報更新を行う曜日とかによって、サイトごとに異なると思う。

図1:[ユーザー]>[サマリー]レポート上部のトレンドグラフ
図1:[ユーザー]>[サマリー]レポート上部のトレンドグラフ

たとえば図1は、平日に利用が増えるビジネス系の特徴を有しているサイトのデータである。このトレンドグラフの中からまず読み取れるのは、「11月20日に通常の倍くらいの訪問が来ている」ということだ。

この場合、次に見るべきデータは、「なぜ訪問が増えているのか」という「流入原因」がわかるようなデータだ。流入原因を探る場合は、参照元、すなわち「トラフィック」系の軸から攻めていくのが王道だ。さまざまな方法があるが、ここでは、[ユーザー]>[サマリー]レポートのまま、「アドバンス セグメント」を適用してみよう。

アドバンスセグメントを使って増加原因のあたりをつける

「アドバンスセグメント」は、特定の訪問条件だけを抽出して分析できる機能である。まずは、レポート左上の[アドバンス セグメント]ボタン(図2赤枠部分)をクリックしよう。すると、図2のようなセグメントの設定画面が表示される。

図2:「アドバンス セグメント」の設定画面
図2:「アドバンス セグメント」の設定画面

今回のようなケースは、影響力のあるサイトに記事で取り上げられたといった外部要因、つまり「参照トラフィック」が増えているのが原因ではないかという仮説で入っていくのがよいだろう。

もし、その仮説が外れても次へ進めるように、チェックするセグメントは「すべての訪問」に加えて、「検索トラフィック」「ノーリファラー」「参照トラフィック」(図2青枠部分)の4つにしておく。これで[適用]ボタン(図2緑枠部分)をクリックする。

この「アドバンス セグメント」を適用した結果が図3だ。

図3:「アドバンス セグメント」の適用
図3:「アドバンス セグメント」の適用

検索トラフィックは普段と変わらないが、参照トラフィックが予想どおり通常の3倍程度に増加、ノーリファラーも倍くらいは増加が見られた(図3赤枠部分)。

訪問数のデータは、月別では大きな動きが感じられない場合でも、日別の折れ線グラフを見ると、トレンドのわずかな差異が簡単に発見できる。さらにその原因を探る際には、アドバンスセグメントを使うことで、切り分けることが容易にできる。多くのメニューで表示されるこの日別折れ線グラフは、ちょっとした変化に気付かせてくれる点では、地味だがすばらしい機能である

もちろんECサイトなどで、細かいキャンペーンや特集などを頻繁に実施し、メルマガも不定期に行っているようなサイトだと、毎日がセールなので、それこそ毎日の成果をそれぞれ確認していく作業が必要になるだろう。そのあたりはサイトの事情に応じたデータ活用をしなければいけないのは言うまでもないことだ。

訪問数データを調べたい日だけに絞り込む

この例でさらに続けていこう。動きがあったのは、参照トラフィックとノーリファラーだったが、ノーリファラーは文字どおり手掛かりがない。どうにもならないから放置しておこう。

次は、増加している「参照トラフィック」が、どのサイトのどのページから来たのかを特定することが大事だ。どのサイトから来たのかは「参照サイト」のデータを使う。

図4:[トラフィック]>[参照元]>[参照サイト]メニュー
図4:[トラフィック]>[参照元]>[参照サイト]メニュー

まずは[トラフィック]>[参照元]>[参照サイト]のメニュー(図4)で、該当のレポートに移動する。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、[参照サイト]をクリックする

「参照サイト」データを、この調べたい日(今回の例では11月20日)だけのデータに絞り込むために、レポート右上にある日付の指定を行う(図5)。

図5:日付を指定
図5:日付を指定

折れ線グラフは、11月20日の1日だけを表す点が表示されるが、そちらは気にせず、レポート下部の一覧を見よう。訪問が急増した11月20日の参照元サイトの一覧を表示したのが、図6だ。

図6:[トラフィック]>[参照元]>[参照サイト]レポート
図6:[トラフィック]>[参照元]>[参照サイト]レポート

図6の[トラフィック]>[参照元]>[参照サイト]レポートは、ドメイン名あるいはサブドメイン単位で見るレポートだ。

1位と2位はFacebookドメイン、3位のt.coドメインはTwitterからのリンクなどで発生する短縮URL、4位はGoogle+、5位のhootsuite.comはソーシャルメディアを管理するWebツールだ。ということで、どうやらソーシャル界隈で話題になったようだということがわかる

  • 参照元ごとの増加率を見るために前日と比較する
  • どのページから流入したのかを探るにはドメインをドリルダウン

参照元ごとの増加率を見るために前日と比較する

念のため前日と比較してどうかをチェックしておけば万全だろう。図7のように「比較」にチェックを入れて(図7赤枠部分)、前の期間を選択すれば、前日との比較が指定できる。

図7:前日と比較する
図7:前日と比較する

これで[適用]ボタン(図7青枠部分)をクリックしたのが図8だ。

図8:参照元サイトの訪問数を前日と比較する一覧
図8:参照元サイトの訪問数を前日と比較する一覧

前日とのボリューム(図8赤枠部分)の差を見ても、変化率(図8青枠部分)を見ても、今回の訪問数増加の要因は、これらソーシャルメディアからの訪問であることが確実だ。また「利用状況」指標グループの「訪問別ページビュー」「訪問時の平均滞在時間」「新規訪問の割合」「直帰率」のデータ(図8緑枠部分)から見ると、直帰率は相対的に低めで、1訪問あたりの閲覧ページ数や滞在時間も長い、質の良い利用者が集まっていたことが分かる

どのページから流入したのかを探るにはドメインをドリルダウン

さらに、各ドメインのどのページのリンクから流入したかを知りたい場合には、このレポートの各参照元のリンクの1つ1つをクリックすれば、そのドメインに所属する各ページにドリルダウンしてくれる。

たとえば、前ページ図6青枠部分の「facebook.com」をクリックしたのが図9だ。「プライマリディメンション」が「参照元URL」(図9赤枠部分)になっているのがわかる。

図9:参照元となっているページ一覧
図9:参照元となっているページ一覧

「facebook.com」をページにドリルダウンしても、図9青枠部分のように、トップページのタイムライン表示などで表示されたリンクからのアクセスの場合が多いので、これだけではどうにも次に役立てることは難しいが、[トラフィック]>[ソーシャル]レポート群の中には、共有されたURL情報を見ることができるレポートがあるので、何が話題になったのかを窺い知ることはできる。これらは別稿で触れる予定だ。

参照元ページまでドリルダウンしたら、図9緑枠部分のマークをクリックしてみよう。このマークをクリックすると、参照元のページが別ウィンドウで表示される。どういったページにどういう文脈でリンクが貼られていたのかを実際に確認しておこう。

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この記事の筆者
ユーザー 衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン) の写真

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

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