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今日は、プレスリリース関連で発生したある事件の話題と、情報を発信する側が気をつけなければいけない点について。
先日、米国でこんな事件がありました。
米インターネット検索最大手グーグルが米通信サービス会社を4億ドル(約330億円)で買収する、と複数の米メディアが報じたが、事実ではないと判明し、すぐに撤回する異例の事態が26日にあった。何者かが買収されるとされた会社になりすまして、ネット上でニセの「発表文」を出していた。
「グーグルがWiFi(ワイファイ)サービスの米ICOAを買収」とする資料が、報道向け発表文を集めて配信するPRサイトに掲載され、それをもとにしてAP通信などが伝えた。ICOAはすぐに報道発表そのものを否定。経営トップが自ら「どの企業とも買収を話し合っていない。完全にでたらめだ」との声明を出した。PRサイトの運営会社も、発表文を削除した。
米メディアによると、ニセの発表文は、ICOAになりすまして、PRサイト運営会社に送られた。文章には基本的な文法の間違いなどもあったという。「株価操作などを狙った何者かの行為」(ICOA)とみられるが、だれが何の目的で偽情報を流したかは分かっていないという。
http://www.asahi.com/business/update/1127/TKY201211270946.html
なぜこんな事件が起きるのでしょうか?
プレスリリースを出す側も、その情報を扱う側(メディアもブロガーも)も、「プレスリリース配信サービスから来る情報は、そのまま信頼できるものだとは限らない」点を忘れているからでしょう。
この記事にあるように、悪意を持った第三者が偽のリリースを配信することは可能なのです。そういうことが起きても、通常はメディア側のチェック機能が働くはずなのですが、
- プレスリリースを出す側が一次情報を自社サイトに掲載しない
- プレスリリースを扱う側が一次情報をチェックしていない
といったことが原因となり、今回のような事件になるのだと思われます。
以前にこのコラムで「プレスリリース配信時に最低限やっておきたい2つのこと」の1つとして「リリース配信と同時に、その原本を自社サイトに掲載する」を挙げていますが、プレスリリースは出すけれども、その情報を自社サイトに同時に掲載していない企業がまだまだ多いようです。
まっとうなメディアならば、必ず入って来た情報は、裏を取ってから扱います。自社サイトに一次情報が掲載されていないということは、その裏取りができないということですので、大きな問題だととらえてください。
唯一の例外は、日本ではニューズ・ツー・ユーさん。ここは、プレスリリースを登録するときに、パソコンに専用の「クライアント証明書」ファイルを入れていないと登録できないのです。つまり、ここに掲載されている情報は、一次情報相当のものと同様に扱えます。
ですから私は、大半のリリース配信サービスから流れてきた情報はソースを確認してからでないと扱いませんが、ニューズ・ツー・ユーさんから流れてくる情報はそのまま信用して扱います。
「偽リリースなんて、風説の流布になるようなこと、違法なんだから」と考える人もいるかもしれませんが、そういうことをする人がいるから禁止する法律があるのです。
メディアによっては、ソースを確認せずに適当な記事を出したり、市場の反応を観測する目的で記事を出したり、市場の意見を誘導する意図で記事を出したりすることもあります。ツイッターで流れてくる情報の大半は、特にその情報を出すことに責任をもつつもりのない人が気軽に書いたものです。
どんな情報であれ、それが事実なのか、裏を取ってから扱うようにしましょう。そして、情報を発信する側(つまり、企業の広報やマーケの人)は、そうした裏取りをする人が情報を確認できるように、一次情報を適切に自社サイトに出すようにしましょう。
それにしても、メディアの人間から見ると、こんなに恐ろしい事件はありません。うちでも今にも増して注意するようにしなければ――。
- コーナー:編集長ブログ―安田英久
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※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:偽プレスリリースに通信社とメディアがダマされた日 [編集長ブログ―安田英久] | Web担当者Forum
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