同じ新規顧客でも、購入のタイミングによってフォローの施策は異なるのではないか。
「初回購入客」も「リピーター」もひとくくりにして同じようにアプローチしても、優良顧客の獲得にはつながりにくい。
顧客行動に基づく施策展開が
ECサイトの収益アップにつながる!
「ネットショップ担当者フォーラム2012」開催【参加費無料】
12月6~7日の東京有明TFTホールにおいて、ネットショップ運営成功の「本質」的手法を知るショップ担当者のためのイベント「ネットショップ担当者フォーラム2012」が開催される。
特別講演A2-2セッションの登壇者は、株式会社サイバー・コミュニケーションズ 鈴木理恵氏。顧客行動に着目したECサイトの最適化を紹介する。
講演ECサイトのコンバージョン最大化に向けて(仮)(12月7日 11:40~12:20)
- 日時:2012年12月6日(木)・7日(金)
2日間、10:00~18:30 - 会場:TFTホール(東京有明)
- 参加費:無料
- 主催:Web担当者Forum
(株式会社インプレスビジネスメディア)
ECサイトの顧客ロイヤリティ向上策について、このような問題を提起するのは、株式会社サイバー・コミュニケーションズで、分析チームリーダーとして複数の分析プロジェクトを統括している鈴木理恵氏だ。
ECサイトの収益アップは、言うまでもなく、いかにリピーターや定期購入客を獲得できるかどうかにある。そうした優良顧客を獲得するためはどのようなデータに着目し、どんなアクションを起こせばいいのか。基本的な考え方を、鈴木氏にお話しいただいた。
セッションという概念を取り払って、顧客一人一人の行動に着目
――「リピーターがなかなか増えない」といった課題を抱えるECサイトは多いと思います。この課題を解決するには、どのような分析データに着目する必要があるのでしょうか。
鈴木氏 リピーターを増やすためには、その前段として顧客と最適なコミュニケーションを取る必要があると思います。そのためにはセッション単位(訪問単位)ではなく顧客単位でデータを見ることがポイントになります。セッション単位でのアクセス解析では、データから一人一人の顧客の行動をつかむことは難しいのではないでしょうか。まずはセッションという概念を取り払い、一人の顧客に着目して、初めてサイトを訪れてから購入に到るまでの流れを読み取ることが大切です。
顧客一人一人の行動を見ていくと、一口に顧客といっても、潜在層から顕在層までさまざまですし、流入経路も異なるのがわかると思います。そうした顧客をひとくくりにし、全顧客に対してアプローチをしても、優良顧客の獲得にはつながりにくいのではないでしょうか。
顧客が今どのような状態にいるのか。たとえば初回訪問客なのか、カート投入者なのか、リピーターなのか、といったことを判断し、それぞれの顧客に合わせたコミュニケーションを取る必要があります。
――「顧客一人一人に合わせたコミュニケーション」とは、具体的にはどのような施策でしょうか。
鈴木氏 たとえば新規訪問しただけで、購入しなかった顧客には、リターゲティングやメールマガジンで再誘導を図るといった施策が考えられます。再訪時には、その顧客が興味を持ちそうな情報が表示されるようにLPOをしておく方法もあるでしょう。
初回購入客に対して、再度購入を促す場合には、何かしらインセンティブのあるキャンペーンを打つといった施策があります。
大まかに分けて、「初回購入客」と「リピーター」の二つで取るべきフォロー施策は異なるのです。ところがこの二つを一緒くたにしてメール配信などをしているECサイトも、多いのではないでしょうか。
本来は、たとえば初回購入客であれば、どの商品をいつ買ったかを把握し、セグメントを分けてコミュニケーションを取るべきだと思います。「Aという商品を1週間前に買った顧客」と「Bという商品を半年前に買った顧客」では、当然フォローの仕方が変わってきます。
初回購入と再購入の間に存在する「リピート化の壁」
――やはりECサイトでは、それだけの手間をかけても、リピーターの獲得に取り組むことが大事なのでしょうか。
鈴木氏 はい。ここからはサプリメントを扱っている、とあるECサイトの事例を交えてお話しします。
そのサイトの顧客成長プロセスとライフタイムバリューの関係を調べて見たところ、「初回来訪⇒初回購入⇒リピート購入⇒定期購入」と進むにつれ、顧客数は減少していきました。一方でライフタイムバリューは右肩上がりで伸びていきます。当たり前のことですが、リピーターや定期購入客を増やすことが、収益最大化のポイントになっていました。ですからやはり着目すべきは、リピーターをいかに増やすかだと思います。
――初回購入客をリピーターにするのは、やはり相当な困難を伴うのでしょうか。
鈴木氏 商材によって異なりますが、初回購入客のうち半数以上は、リピーターにならずに離脱するのが一般的です。先ほどのサプリメントのECサイトの場合は、60%が離脱していました。家電製品などの価格競争が激しい商材を扱うECサイトであれば、9割以上が離脱することもあると思います。これが「リピート化の壁」です。
サプリメントのECサイトを調べた結果、2回目の購入客の半数以上は3回目の購入に到り、その後は、定期購入商品を購入する率が高まっていくことがわかりました。ですから、離脱率の高い初回購入客にフォーカスして集中的にコミュニケーションを取ることが、収益最大化の鍵を握ると思います。
――そのためには、どのような施策がありますか?
鈴木氏 これも商材によって異なるので、一概には言えません。やはり最適なタイミングで、最適な商品を、何かしら顧客が喜ぶオファーを付けて、ダイレクトにアプローチするのが一番効果的だと思います。年齢や性別などの顧客属性に加え、顧客行動によってもセグメントを分けて実際に施策を行い、トライアンドエラーを繰り返しながら、効果の良い方法を探っていく必要があると思います。非常に手間のかかる作業ですから、こうしたことを自動化するツールの活用するのも一つの方法です。
ネットショップ担当者フォーラムの私のセッションでは、このように顧客単位での分析や施策事例について、ツールの活用も交えながらお話ししたいと思います。
顧客行動に基づく施策展開がECサイトの収益アップにつながる!
「ネットショップ担当者フォーラム2012」開催【参加費無料】
12月6~7日の東京有明TFTホールにおいて、ネットショップ運営成功の「本質」的手法を知るショップ担当者のためのイベント「ネットショップ担当者フォーラム2012」が開催される。
特別講演A2-2セッションの登壇者は、株式会社サイバー・コミュニケーションズ マーケティング・ソリューション本部データデザイン部 マネージャー 鈴木理恵氏。顧客行動に着目したECサイトの最適化を紹介する。
- 主催:Web担当者Forum(株式会社インプレスビジネスメディア)
- 日時:2012年12月6日(木)・7日(金)/2日間、10:00~18:30
- 会場:TFTホール(東京有明) 【会場アクセス】
- 参加費:無料
- 内容カテゴリ:EC/ネットショップ
- コーナー:ネットショップ担当者フォーラム特集
- 内容カテゴリ:マーケティング/広告
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オリジナル記事:セッション単位の分析では「リピート化の壁」を突破できない。ECサイトに収益をもたらす顧客単位の分析と施策展開 [ネットショップ担当者フォーラム特集] | Web担当者Forum
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