当クリニックの代表。
イケメンの研修医。
優しい天然ボケの研修医。
ここ「アクセス解析5分クリニック」には、Webサイトについてさまざまな悩みを抱えた患者が、毎日のようにやってくる。研修医の来栖と綾瀬はデコボココンビだが、院長の丸山先生がとにかく名医。たった5分ですべての悩みを解決する!というのだ……。(登場人物紹介を詳しく見る)
今回のお悩み
中小企業でアクセス数が少ないのですが、アクセス解析に意味があるのでしょうか?
アクセス数が少ないサイトのアクセス解析
今のクライアントさんのサイトなんですが、ニッチ分野のBtoB企業なので、かなりアクセス数が少ないんですよ。アクセス解析をしても、いまいち何も見えてこなくて。
そういうクライアントさんだと、「そもそもウェブサイトも必要ないんじゃ?」って思うときもあるわ。
アクセス解析をしようにもアクセスがない。少し難しい状況だね。今日は“アクセス数が少ないサイト”について考えてみよう。
まず来栖君は、ふだん、どんなデータを見ているのかな?
サイトの来訪者数や、コンバージョンしたキーワードなどですね。でも今回は、そもそも数が少ないので、傾向もよくわからず改善提案につながりません。
アクセス数が多いけど、コンバージョン数が少ないサイトも同じよね。次に何をしていいかわからなくなるわ。
確かに、数が少なすぎて、傾向や対策が見えてこないことは多いね。とはいえヒントがあることもある。
2人には、「新規顧客獲得のための“3つの王道”」を教えていなかったかもしれないね。まずはそのことを話そう。
ウェブサイトの改善策を考えるために大切な“3つの王道”
どんなWebサイトでも、より多くの新規顧客を獲得したいと思うならば、“3つの王道”がある。
- 見込顧客を、よりたくさん集める
- 見込顧客に信頼・安心・決断してもらえるよう、より多くのコンテンツなどを揃える
- 見込顧客が気に入るサービスを、より正しくアピールする
アクセス解析は、この3つの施策検証に使うのが基本だ。コンバージョンしたキーワードなどのデータから逆算するようなイメージが強いかもしれないけど、それはアクセス解析ノウハウの1つでしかない。
ちょっと抽象的すぎてよくわかりません。具体的にどのデータを見ろということですか?
たとえば、見込顧客を集められているかどうかは、各キーワードの直帰率の低さが参考になる。来栖くんのサイトの直帰率はどうかな?
サイト全体の平均直帰率は46.3%となっていて、一般的な水準だと思います。「うまく見込顧客を集められている」ということではないでしょうか?
その時点で、「お客さんを理解しよう」という気持ちが少し弱いな。王道ノウハウは、シンプルだけどちょっと深いんだ。「見込顧客」という言葉がいかに大切か? 先ほどの王道の1番である「見込顧客の集客」をもう少し突き詰めてみよう。
「見込顧客」を理解しよう
来栖君は、サイト全体の直帰率を見たわけだけど、直帰率が一番低いキーワードを探したことはあるかな?
ありませんね。直帰率が低いキーワードは、どうせアクセス数が1など、少なくて参考になりませんから。
でも、その1人の方はサイトに興味を持ってくれたということだ。大切に考えたいよね。
単純にそのキーワードを狙うのではなく、見込顧客を理解するヒントとして使うんだよ。たとえば先ほどのキーワードをよく見ると、Googleアナリティクスの専門用語で検索していることがわかるよね?
専門用語が大切ということですか?
そう。他にも「Googleアナリティクス」ではなく、「Googleアクセス解析」と入れているところが気になる。おそらく初心者なんだと思うけど、こうやって、見込顧客を“セグメント”として理解すると、集客対策も変わってくる。
なんだか探偵みたいでおもしろいですね。直帰率が低いキーワードを集客のヒントとして使うということですね。
今回は“「専門用語を探している初心者」というセグメント”が見込顧客候補ということですか。
アクセスが少ないときほど、細部にこだわる
アクセス数が少ないときほど、全体を見ても何もわからない。逆に、細部からヒントを得るという考え方でデータを確認していこう。
ふだんは見ないような細部を見るのですね。
これは一般的な商売で考えるとわかりやすい。たとえば、スナック菓子の新商品を開発して全然売れなかったけど、1人のお客さんがたまたま買ってくれたとする。その人は他と比べてもとても大切なお客さんだ。
なぜ他と比べて大切なのですか?
新商品が売れる「最初の鍵」を教えてくれる可能性が高いからだよ。たとえば、その人が「パッケージイラストを見て興味を持った」という理由ならば、パッケージが鍵なのかもしれないという可能性が見えてくる。
不特定多数へのアンケートでなく、ピンポイントのインタビューで最初の突破口を見つけるということですね。
不特定多数の100人にアンケートを取るより、実際に買ってくれた1人のお客さんに聞いたほうが実りが大きいことも多い。全体をぼんやり見るより、細部にこだわるんだ。
なんとなくわかりますが、アクセス解析では具体的にどうすればいいですか?
集客においては、先ほどのようにキーワードごとの直帰率や平均ページビューが役に立つね。コンテンツに関しては、サイトで3ページ以上滞在した人が見たコンテンツや、ページの価値が高いコンテンツなどが役に立つ。そこからヒントを得ていこう。特に、たまたま来たお客さん候補を見逃さないように。
まとめ
アクセス数が少ないサイトでは、アクセス解析に意味がないと考えてしまいがちだ。確かに、アクセス解析は事実を教えてくれるだけなので、確実にヒントが見つかるというわけでもない。しかしお客様候補に絞ってデータを確認すれば、見えてくることもある。それがたった1人しかいなかったとしてもだ。
アクセス数が少ないときほど、アクセス数が1人だけのキーワードなど細部にこだわろう。そこにヒントを見つけることができれば、突破口を見つけることができる。
なお、細部を見てもダメなこともある。それは、今のサイトやサービスがまったく顧客に響いていない場合だ。そうすると、アクセス解析で細部を見ても「今のサイトは顧客に響いていないらしい」という事実しかわからない。
しかし、どちらにしろ行き詰まったときほど細部は大切だよ。有名な言葉のように「神は細部に宿る」んだ。
お悩み中小企業でアクセス数が少ないのですが、アクセス解析に意味があるのでしょうか?
アドバイスたった1人しか検索していないキーワードから、ヒントを得れないか考えてみましょう。次の3ステップで見ていきます。
- 【1分】 直帰率が低いキーワード順に並べ替えてみる
Googleアナリティクスのメニュー[トラフィック]>[検索]>[オーガニック検索]のレポートを表示し、表の直帰率の列をクリックすると、直帰率の低い順にキーワードを並べて見られます。
- 【1分】 思ってもみなかったキーワードを探す
自分が思っても見なかったキーワードからの訪問客はいないでしょうか? なぜ、その人は、あなたのサイトで直帰しなかったのでしょうか? 考えてみましょう。
- 【3分】 “セグメント”が存在しないか検討する
あなたのサイトは、どのような顧客に響いていると考えられますか? また、その人達に対して、もっと役に立つコンテンツやサービスは提供できませんか? また、同じような人をもっと集めることはできませんか? ぜひ“セグメント”として捉えて考えてみましょう。
※キャラクターイラスト(来栖、綾瀬):「コミPo!」にて制作
- 内容カテゴリ:アクセス解析
- 内容カテゴリ:Web担当者/仕事
- コーナー:誰もが受けたい!アクセス解析5分クリニック
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オリジナル記事:中小企業でアクセス数が少ないのですが、アクセス解析に意味があるのでしょうか? [誰もが受けたい!アクセス解析5分クリニック] | Web担当者Forum
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