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この記事では、SEOにおける競合ドメイン分析について解説する。SEOコンサルタントの立場からクライアントを啓蒙する視点も含めて解説しているが、インハウスSEOの方は、上司や経営層がクライアントのようなものだと考えて読んでもらえれば役に立つはずだ。
SEOコンサルタントなどの立場からみると、SEOの外注を検討しているクライアント(見込み顧客)によくあるのが、SEOについて現実離れした期待を抱いていたり、どこかで間違った情報を聞きかじってきたりすることだ。
SEOはこの1年で大幅に進化した。そのせいで、かつてはキーワード検索の金科玉条だったものも、今では望みどおりの検索順位を獲得する役には立たなくなってしまった。
新たな複雑化をもたらしたのは、間違いなくパンダ・アップデートというやつなのだが、何が原因なのかがわかったら、あとは状況に合わせて仕事のやり方を変えないといけない。SEO担当者は、SEOを適切に導入および実行するとともに、クライアントが成功について抱く期待をコントロールするために、常に最新かつ最高の情報を知っている必要がある。これはかなり大変な仕事だ。
とはいえ、クライアントがSEOを正しく理解していないからといって、一緒に仕事をする相手としてふさわしくないということにはならない。私たちがするべきことは多くのクライアントが抱えている誤解に不満を抱くことではない。本当にするべきなのは、誤解を解き、プロセスをしっかり教えて、ウェブマーケティングのニーズについて十分な情報を得た上で決定できるようにすることだ。
そして、これを確実に実行してから、契約を交わすべきだ。さもないと、とても気まずい状況に陥って、簡単には抜け出せなくなる。
仕事相手を慎重に選ぶことが大切
良いクライアントを選んで契約を結ぶには努力がいる。案件を獲得する段階(まだ契約には至っていない)なら、適格性の判断と見込み顧客のふるい分けを行う効率的なプロセスが必要だ。
そのために私たちが見つけた最も効果的な方法の1つが、競合ドメイン分析を行うことだ。私たちは、最初にクライアントのおおまかな適格性を判断する電話をして、その後に競合ドメイン分析を行うが、それには2つの理由がある。
- 競合ドメイン分析によって、クライアントを適切に啓発する機会が得られ、(もちろん競合相手がたくさんいる中で)どのくらいの順位にいるか、現在の順位を向上させるために何を、なぜする必要があるかを、理解させるのに役立つ。
- 競合ドメイン分析によって、プロジェクトに本格的に取り組む前に、自分の知識をクライアントに示して信頼を築き、そのクライアントが自分たちにふさわしいかどうかの感触が得られる。
ドメインオーソリティの正しい認識
実際にSEOの仕事をしてみると、キーワードに注力しすぎるあまり、自分たちの業界で最も競争率の高いキーワードで第1位になりたがるクライアントが多いことに気づくだろう。
ドメインオーソリティ(DA)は、そのWebサイトが検索エンジンでの順位においてどの程度良く評価されるかを表す指標の1つ。SEOmozが提唱する用語で、同社の提供するツール「Open Site Explorer」や「MozBar」で調べられる。数値は最低値が0、最高値が100で表される。
外部リンクの数、リンクの価値、リンクの信頼性、リンク元ドメイン名のバリエーション数、リンク元サイトのIPアドレスブロックのバリエーションなど、150以上のシグナルをもとに計算されており、その計算はグーグルのアルゴリズムを参考にしている。
コカ・コーラやナイキのように、1980年代や90年代にドメインオーソリティ(DA)を確立しているブランドならそれでもいいが、オンラインに登場して間もない(DAが30以下の)企業が、リンク獲得やブランド認知の向上、あるいは顧客体験の向上にまだそれほど時間を費やしてもいないのに、「ベビー毛布」というキーワードで(DAが97の)アマゾンと対抗したいなどと言ってきたら、はっきりと目を覚ましてもらう必要がある。
過度に期待を抱かれて失敗に終わるより、入り口をくぐる前にDAについてしっかり議論し、クライアントには以下のことをちゃんと理解してもらおう。
- やるべきことはたくさんある(キーワードに関連することだけではない)。
- おそらく彼らが認識しているより、はるかに競争は激しい。
- 彼らがアマゾンに勝てる見込みはまずない(言うだけは言っておこう)。
ただし知ってのとおり、生のDAは相対的なDAほど重要ではない。クライアントは、アマゾンやアップルやコカ・コーラと戦って勝つ必要はない。検索結果ページで直接競合する相手に追いつけばいいだけだ。だから、競合ドメイン分析を提示することで、その差を詰めるためにどれだけの作業が必要かを理解してもらえる。
クライアントを啓発する方法
いよいよ作業に取りかかるという場合に備えて、見込み顧客のために競合ドメイン分析を実行する手順を紹介しよう。
ミーティングの日程を決める
SEOを進めたいという企業の担当者(見込み顧客)からSEO依頼の電話がかかってきたら(そして、その相手が1度機会を作って会うにふさわしい相手だと判断できたら)、この分析を実行する余裕を考えて、実際に会うのは数日後にしよう。
そうすることで、分析から分かったことを先方に直接伝えられるし、相手にも君が依頼先として適切だと納得してもらえるだろう。
分析の結果は、ミーティングに先立ってメールで送信することもできるが、レビューの準備が整ったら、直接会って(あるいはGoogle+のビデオチャット機能「ハングアウト」で)説明するといいだろう。
競合相手を尋ねる
見込み顧客に、競合相手を最大4つ挙げてもらおう(正しいサイトを分析できるよう、必ずURLを貰うこと)。
※注意:クライアントが業界内のさまざまなセクターで事業を展開しているなら、そのセクターごとに異なる競合相手を抱えているかもしれない。当社では4件まで、もちろん無料で分析を提供している。やりたければ、追加料金を貰って分析の対象を増やしてもいい。
Open Site Explorer(OSE)を使う
http://www.opensiteexplorer.org/へ行き、競合相手のURLを入力して、結果が出るのを待つ。
OSEの扱いに慣れていない人のために念のために説明しておくと、次のようにするといい。
- Open Site Explorer(OSE)のサイトに行く。
- OSEトップページの窓に、SEO対象のサイトのドメイン名を入力して[Search]ボタンをクリックする。
- データが表示されたら、タブを[Compare Link Metrics]に切り替える。
- 表の[+ Add URL]をクリックして、競合サイトのドメイン名を入力し、[Compare]ボタンをクリックする。
- データが表示されたら、上のほうの[Page Specific Metrics](ページ、つまりトップページの指標)だけでなく、その下のブロックにある[Subdomain Metrics]の各データや[Root Domain Metrics]のDomain Authorityをはじめとするデータも調べる。
Wordドキュメントを用意する
OSEの結果が出たら、「Compare Link Metrics」(リンクメトリクスを比較)タブに表示される情報に注目しよう。ドメインオーソリティとページオーソリティ、両方のスクリーンショットを取る。
この分析で私たちが注目するのはこの部分だけだが、状況に応じて、これ以外の情報を選んで提供したり分析したりしてもいい。この記事では、ページ固有のメトリクスについてのみ説明する。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編(11月26日公開予定)では、競合ドメイン分析にどのような内容を盛り込むべきかを紹介する。
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オリジナル記事:競合ドメイン分析(前編):ドメインオーソリティの正しい理解とその調査方法 [SEOmoz - 検索マーケティングのニュース&テクニック] | Web担当者Forum
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