人工リンク vs. 価値あるコンテンツのジレンマ
あの辻氏でも結論出せず? (辻正浩 | Masahiro Tsuji (tsuji) on Twitter)
今や「時の人」だと言ってもいいフリーのSEOコンサルタント、辻正浩氏のツイートを紹介する。
今年ある方から聞いて私にはその視点がなかった事が「中小企業にとって一番大事な事の一つは、事業継続性」という事でした。ある意味当然なのですが。リスクを取るべき事はもちろんあるでしょうが、外部リンク周りはSEO「なんか」のために取るべき規模のリスクじゃないです。
— 辻正浩 | Masahiro Tsujiさん (@tsuj) 10月 26, 2012
大きめの企業であればドメイン一つの検索流入を失っても担当者の首が飛ぶことはあっても事業継続性に影響あるわけでも無いですし、全ての人工リンク施策が甚大なリスクがあるわけではないですので、全てを否定するわけじゃないのですが。リンクを買わざるを得ないサイトも実際ありますし。
— 辻正浩 | Masahiro Tsujiさん (@tsuj) 10月 26, 2012
しかし、どこからどう買うか?そのリスクを低減するための方法は?などの判断は余りに難しいので、結局いまは私はどこにも薦められないです。
— 辻正浩 | Masahiro Tsujiさん (@tsuj) 10月 26, 2012
ただそのかわりに皆が価値あるコンテンツを作れるか?といいますと極めて難しい企業が大半なのも事実なわけで。そのあたりを現実的にサポートできたりリンク以外でSEOの価値を出せる人が増えればいいのですが短期間で出来るようになるものでも無いので試行錯誤している所というのが現実と思います。
— 辻正浩 | Masahiro Tsujiさん (@tsuj) 10月 26, 2012
試行錯誤の中で微妙なサービスを提供する会社があったりしますね。結局、今はSEO周りは過渡期の混乱の真っ最中ということかと思います。もうすこししたら安定しだすのでしょうが、それまでをどう凌ぐかは本当に難しい所と思います。
— 辻正浩 | Masahiro Tsujiさん (@tsuj) 10月 26, 2012
思い付くままに投稿したのか若干まとまりのない文章になっているように思えるが、言いたいことはおそらく次のようになるはずだ。
(有料リンクや自作リンクなど)人工的に作り上げたガイドライン違反のリンクがグーグルに見つかることでペナルティを受け検索からの流入が途絶えた場合、特に中小企業にとっては事業の存続が危うくなる危険性がある。
たとえリスクを取る覚悟があったとしても人工リンクに頼った最善の方法を見つけることはできない。したがって自分は勧めない。
かといって価値のあるコンテンツの作成が難しいことも十分に理解できる。
リンク以外でSEOをサポートするような人材やサービスが今後登場することを望むが今はまだその段階にはなく過渡期である。
結局「こうすればいい」という結論には至っていない。しかし、「悪いと思っていてもリンクに頼らざるをえない、重要だとわかっていてもコンテンツを作れない」、こんなジレンマに陥っているウェブ担当者が少なからずいるはずで共感したかもしれない。
「人工リンク vs. 価値あるコンテンツ」の戦いは辻氏にとっても攻略が難しいようだ。
ちなみに、辻氏は11月8日に開催されるイベント「Web担当者Forumミーティング2012 Autumn」で「『悪のSEO』に泣かないために ~SEO業界の実情&裏事情と現実的な取り組み」という基調講演をする。もしまだ参加申し込みをしていない人は、早めに登録しておくといいだろう。
イベント情報&申し込み→ http://web-tan.forum.impressrd.jp/events/201211
日本語で読めるSEO/SEM情報
検索順位が3位から5位に下がった! なぜだ? その原因は?
正しい順位はないし原因は誰にもわからないから (SEOとその周辺)
検索順位が3位から5位に下がったからといってその原因を探ろうとすることに意味はないし、そもそもそんなことを探ることは不可能だと説いた記事。
そう主張する2つの理由を挙げている。
- 誰にとっても妥当な順位なんて存在しない
- 人間には膨大な計算はできない
SEOの成功指標として検索順位があることは確かだが、微々たる変化に気を取られていても、実質的に得ることは何もない。何もないどころか時間の損失であろう。
Googleの職員、仮にその職員がMatt Cuttsであったとしても、なぜこの検索結果がこの順位になるのか? は正確に説明することができない。
という言葉がわかりやすいところだろう。
あなたが一般のウェブ担当者であるなら“順位チェック症候群”にならないように注意してほしい。
ちなみにこの後に投稿された「グーグルのせいにするな」という記事も面白い、Web担の読者のなかにもハッとさせられる人がいるのではないだろうか。
リンクの否認ツールを使う前に読むべき15個のQ&A
もしお世話になるなら必ず確認しておくこと (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
グーグルが公開した「リンクの否認」ツールを先週紹介した。日本版ウェブマスター向け公式ブログの日本語訳ではQ&Aが省かれていたのだが、日本版のフォーラムで挙がった質問も含めて続きの記事として公開された。
- このツールは、どのサイトでも使用する必要がありますか?
- リンクを否認すると具体的にどうなるのですか?それらのリンクは完全に無視されるのですか?
- ファイルをアップロードした場合でも、再審査リクエストを申請する必要がありますか?
など、合計15個の質問に対する回答になる。
1つめのQ&Aで答えられているように、リンクの否認ツールを使う必要があるウェブ担当者は限られているはずだ。そもそも、こんなツールのお世話になるような状況になるのが問題なのだが、利用せざるを得ない状況にあるならば、必ず目を通しておこう。
やっぱり不可能だった、301リダイレクトによるペナルティからの逃亡
グーグルはどこまでも追いかけてくる (SEO Imagination!ブログ )
手動処置あるいはアルゴリズム的な自動処置による、いわゆる“ペナルティ”を受けた場合に、301リダイレクトを使って別ドメイン名にサイトを移転することで正の評価は引き継いだまま負の評価だけを置いて逃げることはできるのだろうか?
SEOに取り組んでいるなら一度は疑問に感じたことがある“抜け道”に違いない。
SEO Imagination!ブログさんが、ペナルティを受けたと思われる3つのサイトでそれぞれパターンを変えて別のドメイン名にサイトを移す実験を行ったそうだ。
結果を言うと、やはり301リダイレクトでペナルティから逃亡することはできなかったらしい。最初はペナルティは引き継がずにリンク資産だけ引き継いでいるような挙動をしていたものの、結局1か月ほどすると、移転先のドメイン名のサイトにも「不自然なリンクの警告」が届き、監視していた3つのキーワードの順位はいずれも圏外になってしまったということだ。
以前は可能であったかもしれないが、301リダイレクトはもとより他の手段を使ったとしても負の遺産だけをおいてペナルティから逃げ切るのは、そもそも不可能なのではないだろうか。ちなみに、筆者が以前に参加したカンファレンスでグーグルのマット・カッツ氏は、「専用のツールで301リダイレクトを監視している」とも言っていた。
タグマネージャに日本語UI登場
思いのほか素早かった (アナリティクス 日本版 公式ブログ)
複数のWebビーコンなどのタグを一元管理する「タグマネージャ」というツールをグーグルが公開したことを1か月前にこのコーナーでお伝えした。
あいにくインターフェイスは英語だけだったのだが、日本語版も登場した。
意外に早かったというのが筆者の率直な感想だ。使ってみたいけれど英語のため二の足を踏んでいたとしたら、もう心配はいらない。さっそく使い始めよう。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
リンクの否認ツールと再審査リクエストに関する記事を今週はピックアップ。
-
リンクを無効化する「リンクの否認」ツールをGoogleが公開、よくありそうな13個の疑問に答えてみる from #PubCon Las Vegas 2012
公式ブログより先に書きました -
Googleに送った再審査リクエストは本当に人間が読んでいるのか?
生身の人間がちゃんと読んでます
- 検索結果1位のクリック率は36%
- リンクの否認ツールでさっそくリカバリに成功!
- ソフト404を修正したら大量の404が発生したとアラートが飛んできた
- 50ページのサイトなのにインデックスステータスで「未選択」ページが3,500って!?
- グーグル地図検索で重要な「NAP」の表記は統一すべし
- Googleの最新アルゴリズム変更がリンク構築に与える影響
- リンク無効化ツールについて徹底討論 with マット・カッツ
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
検索結果1位のクリック率は36%
ウェブマスターツール調べ (DEJAN SEO)
検索結果の順位に応じたクリック率(CTR)のデータをこのコーナーで過去に何度か紹介してきた。
数字を割り出したデータは調査によってそれぞれ異なる。今回紹介するのはグーグルウェブマスターツールの検索クエリのデータから算出したクリック率だ。
検索結果1位のクリック率は約36%だったとのこと。
172のドメイン名のサイト、7825のキーワードを対象にウェブマスターツールのデータから算出したとのことだ。
調査によって、順位ごとのクリック率には幅がある。
- 検索者の場所
- 動画・画像などが差し込まれるユニバーサル検索
- 特定のサイトを探すブランド名での検索
など、検索の状況やタイプによってもクリック率は大きく左右されるはずだ。単純に平均値を出しても実はさほど参考にならないのかもしれない。
リンクの否認ツールでさっそくリカバリに成功!
正しく使えば期待どおりに働く (Branded3)
ベータテスト段階でのリンクの否認ツールの成功(とおぼしき)事例を前回のこのコーナーでピックアップしたが、ツールが一般公開された後の成功事例が早くも上がってきた。
3つのサイトがツールを使って被リンクペナルティのリカバリに成功したとのことである。
2つは不自然リンク警告によって手動処置を受けており再審査リクエストを送っても通過することができないでいた。もう1つは過度なアンカーテキストが原因でアルゴリズムによるフィルタを受けて順位が下がったままだった。
自力で取り除けるリンクを取り除いた後に、どうしても取り除けないリンクをツールを使って否認した。手動処置を受けていた2つのサイトは再審査リクエストを送り見事に合格した。その後順位に回復傾向が現れ始めた。
アルゴリズムに引っかかっていたもう1つのサイトは、再審査リクエストを送ったところ「手動での対応は行っていない」との自動返信が戻ってきたが、しばらくすると同じように元の水準まで順位が戻った。
リンクの否認ツールは期待どおりに機能するようだ。ただし気を付けてほしいのは3例とも可能な限り不自然リンクを自分で削除してからツールを使ったという点だ。努力もなしにホイとツールを使っただけで問題となるリンクすべてを簡単に無効化できるなどと甘く考えてはいけない。そんな安直な使い方をグーグルが許すはずがない。
ソフト404を修正したら大量の404が発生したとアラートが飛んできた
スルーしてOK (WebmasterWorld)
ソフト404が発生していたので正常に404エラーを返すように修正した。
するとウェブマスターツールから「大量の404エラーが急に発生した」という警告メールが届いた。
普通にあることなのだろうか? それとも何か致命的な間違いを自分は犯してしまったのだろうか?
このような質問がWebmasterWorldに投稿された。
このケースでは無視して構わない。今まで404を返すべきなのに返していなかったURLが正しく404を返すようになりそれらを一度にグーグルが検出しただけのことだ。存在しないページなのにHTTPレスポンスコード200を返すソフト404を放置しておくことのほうがずっと問題だ。
ウェブマスターツールは404エラーやアクセス拒否など通常と異なる状態のページが急に増えたときにアラートを通知する(このコーナーで以前にピックアップした)。不測の事態であれば対処しなければならないが、今回のように理由がわかっていてそうなることが当然の結果であるならば無視して大丈夫だ。
ウェブマスターツールはさまざまな問題について通知を送るようになっている。ありがたいことなのだが、技術的レベルが高くないウェブ担当者にとってはかえって混乱してしまうことがあるのが厄介なところだ。とはいえ通知が不要ということではなく、我々のレベルアップが必要ということになるだろう。
50ページのサイトなのにインデックスステータスで「未選択」ページが3,500って!?
疑うべきは重複URL (High Rankings Search Engine Optimization Forum)
グーグル ウェブマスターツールの「インデックス ステータス」では、管理サイトのインデックスの状態を詳しく知ることができる。
このインデック スステータスのレポートについて、High Rankingsフォーラムに次のような質問があった。
インデックスに登録されたページ数は46だが「未選択」の数が3,500もある。実際のサイトには50ページしかないのに。なぜだろうか?
ウェブマスターツールの不具合だという意見も出ているが、まず疑うべきは重複URLだ。同じページなのに複数のURLが存在していないかを確認する必要がある。「未選択」は、
- 他のページと類似している
- 別のURLにリダイレクトされる
などの理由により、インデックスに登録されていないページを示すからだ。
意図的な悪意がない限りは、重複コンテンツが多いからといってガイドライン違反に問われることはない。しかし重複コンテンツが発生していると被リンクの分散やクロール資源の無駄遣い、ともするとパンダアップデートによる低評価に繋がることがある。
インデックス ステータスでレポートされるインデックス総数と未選択に大きな乖離があるときは要注意だ。
グーグル地図検索で重要な「NAP」の表記は統一すべし
念には念を入れて (Small Business Search Marketing)
グーグルの地図検索・プレイス検索においては、「NAP」と呼ぶ要素がランキング指標の1つになっていると考えられる。
「NAP」とは、
- Name(店舗や会社の名前)
- Address(所在地)
- Phone(電話番号)
の頭文字を取ったものだ。
ウェブ上でNAPが言及(サイテーション)されるときは統一された様式になるようにしておくのが好ましい。
どういうことかというと、
- 株式会社インプレスビジネスメディア
- (株)インプレスビジネスメディア
- 渋谷区1丁目2番3号
- 渋谷区1-2-3
- 03-5432-6789
- (03)5432-6789
のような複数の形式の表記が散在しない方がいいのだ。同一の存在だとしてグーグルが認識できなくなる可能性が生じるからである。最悪の場合は別の店舗・会社として処理されてしまうこともありえる。
しかし実際のところは、グーグルはほとんどの差異を上手に処理し同じものとして処理してくれるようだ。
とはいえ100%ではないし起こりうる問題を最小限にするためにも、可能な限りNAPは統一した表記を使うべきだと推奨している。
ちなみに、これは英語での表記の話だが、日本語での表記も同じように上手に同一処理してくれるかはわからない。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
バックリンクとリンクの否認ツールに関しての記事を今週はピックアップ。
-
Googleの最新アルゴリズム変更がリンク構築に与える影響
4つの視点からリンクを分析 -
リンク無効化ツールについて徹底討論 with マット・カッツ
今が旬のリンクの否認ツール
- 内容カテゴリ:SEO
- コーナー:海外&国内SEO情報ウォッチ
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:人工リンク vs. 価値あるコンテンツのジレンマ など10+4記事(海外&国内SEO情報) [海外&国内SEO情報ウォッチ] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.