グーグル社員の長山氏が、4月21日に迫るモバイルフレンドリー状況の検索順位への反映について、質問に答えた記事は、必読。
ほかにも、Web ComponentsとJSON-LD、アドレス変更ツールのサブドメイン対応、モバイル向けページの表示高速化、サーバーの場所と順位の関係など、SEOの情報をお届けする。
グーグル社員だけど、モバイルフレンドリーについて質問ある?
なんでも答えてくれた長山さんに感謝(Tokyo Search Professionals)
Webサイトのモバイルフレンドリーと、4月21日に予定されている検索結果へのモバイル対応状況の反映について、Googleのサーチクオリティアナリスト、長山一石氏が語った。
3月20日に開催された The 13th In-house SEO Meetup に招待された長山氏が、講演とパネルディスカッションに登壇し、解説したり、質問に答えたりしたものだ(パネルディスカッションには筆者も参加した)。
そのときの内容を主催者がレポートしている。
この場で初めて明らかになった情報もある。役立つことがたくさんあるのでぜひ読んでおこう。
特にパネルディスカッションで解説されたなかで重要な点としては、次のようなものがある。
順位に影響するモバイルフレンドリーの指標は、ウェブマスターツールに出てくるものが、現状ではすべて。
モバイルフレンドリーテストで問題なしと表示されていれば、レスポンシブかどうかなどは関係ない。
モバイルフレンドリーかどうかの判断であって、「どの程度モバイル対応しているか」という段階的評価ではない。
評価はページ単位で、サイト単位ではない。
ナビゲーショナルクエリでは、モバイル非対応でもちゃんと表示されるはず。
現状ではモバイル版ページの表示速度は影響しない。
なおレポートに対する長山氏の補足にも目を通しておいてほしい(「もっと読む」で展開する)。
またイベントでは、モバイルフレンドリーテストを一括で実行できるエクセルツールが紹介された。一般公開されているので、だれでも利用可能だ。
日本語で読めるSEO/SEM情報
モバイルEFOに役立つ「autocomplete」をグーグルが紹介
SEOではないが実装したい(グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
ウェブでのフォーム入力を簡単にするための「autocomplete」属性を、グーグルが公式ブログで紹介した。
「autocomplete」属性を利用すると、あらかじめ設定しておいた名前やメールアドレス、電話番号などの項目が、フォームなかの対応するフィールドに自動的に入力される。すばやくフォーム入力が完了するし、入力ミスが減る。
モバイルフレンドリーのアップデートとは関係なく、ランキングに影響するものではない。だがモバイルのユーザビリティ向上のために非常に役立つ機能だ。実装しよう。
ただし、この仕様に関してはセキュリティ面の懸念もあるため、注意が必要だ。
詳しくは、Web担の編集部ブログでautocompleteの仕様に関して解説した記事と、そこから参照しているセキュリティ関連の問題提起記事をご覧いただきたい。
上記の記事は古いx-autoompletetype仕様に関する解説だが、テストしてみたところ現在のautocompleteでも同様のようだ。
Web ComponentsとJSON-LDの併用でウェブサイトの開発が簡単になる
グーグルが推奨する2つの最新テクノロジー(グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
グーグルは、ウェブサイトの開発を簡単にするための2つの最新のテクノロジーを公式ブログで紹介した。
次の2つだ。
- JSON-LD(ジェイソン・エルディー)
- Web Components(ウェブ・コンポーネンツ)
これらの2つのテクノロジーを併用することを、グーグルは推奨している。
ウェブ担当者というよりは開発者向けの情報になるが、興味があれば、それぞれの詳細や使い方を元記事が紹介しているサイトやドキュメントで確認してほしい。また社内の開発者に教えてあげてもいいだろう(ただしリソースがすべて英語のため、敷居が高いと感じてしまうかもしれない)。
上級者にも役立つ初心者向けウェブマスターオフィスアワー
こちらもモバイル中心で(Google Webmasters on Google+)
日本語版のウェブマスターオフィスアワーが久しぶりに開催された。
次のようなモバイル関連のトピックを中心に、今回もさまざまな質問にグーグルの金谷氏と長山氏が回答している。
- (モバイルユーザビリティレポートの)ウェブマスターツールへの反映
- モバイルフレンドリーテストについて
- タブレット端末について
- ドメイン名が異なる場合の対応方法
「初心者向けウェブマスター オフィスアワー」となっているが上級者でも参考になるやりとりがある。視聴しておこう。
グーグルが共有する「ハッキングの復旧事例」日本語訳
ハッキング内容の詳細も知っておきたい(グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
ハッキング被害にあった2つのサイトのケーススタディを紹介したグーグルの記事を、1か月少し前にこのコーナーで紹介した。
英語の記事だったので要点だけを解説したのだが、完全な日本語訳が公開された。
日本語で読んでも得られる教訓は変わりないが、より詳細なハッキングの内容を知っておくことは、被害にあわないようにするためには重要だろう。目を通しておきたい。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
構造化データとAjaxに関係する更新情報を今週はピックアップ。
- 構造化データの品質ガイドラインをGoogleが更新、見えないコンテンツのマークアップを厳格に規制
違反しないように注意 - AjaxクロールのガイドラインのサポートをGoogleがまもなく終了予定
Ajaxをそのままでクロールできるようになるのか?
- アドレス変更ツールがついにサブドメインの移転に対応
- モバイル向けページの表示速度を遅くするのは画像
- 検索エンジンが評価するコンテンツに求められる三原則
- ウェブサーバーの物理的場所がランキングに影響した事例
- グーグルはGmailのリンクをURL発見に使うのか? 実験してみた
- モバイルフレンドリー・アルゴリズムについての新情報!~ロールアウトには1週間ほどかかる見込みも、対応/非対応のみを判断、その他~
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
アドレス変更ツールがついにサブドメインの移転に対応
実際に確認済み(Menashe Avramov on Google+)
ウェブマスターツールのアドレス変更ツールがサブドメインの移転にも対応したことを発見したユーザーがいた。
すでに、日本語版のウェブマスターツールでも、利用可能だ。
日本語のヘルプ記事も、次のように更新されている。
サイトの移転によってドメインまたはサブドメインに変更が生じた場合(たとえば http://fish.example-petstore.com から http://example.com または http://example-petstore.com に変更した場合)は、アドレス変更ツールを使用します。
アドレス変更ツールは、今までは、wwwあり・なしのドメイン名での移転でしか利用できなかった。
実際に筆者が試したところ、たしかにサブドメインのサイトからの移転に利用できた。
サイトの移転に際しては、アドレス変更ツールの使用は必須ではない。しかしグーグルの移転処理を促進するために利用できるに越したことはない。したがってサブドメインの変更に対応したのは歓迎だ。
次はHTTPからHTTPSへの変更のサポートもお願いしたいところだ。
モバイル向けページの表示速度を遅くするのは画像
遅いページはUXにもSEOにもマイナス(Google Webmaster Central office-hours)
遅いページはユーザー体験にもSEOにもマイナスだ。
グーグル社員によれば、モバイル端末でのページの表示速度を遅くしている大きな原因の1つは、最適化されていない画像とのことだ。モバイル向けページでも、PC向けと同じ高解像度でファイルサイズが大きい画像を配信しているサイトが非常に多いらしい。
グーグルが提供しているPageSpeed Insightsで検証すると、表示速度を遅くしている画像の問題点を検出してくれる。
必ずやりたい画像の最適化としては、ロスレス圧縮やEXIF情報の削除などがある。ツールを使えばこの処理は簡単にできる。
たとえば筆者が普段使っているのは、TinyPNGというツールだ。画質を落とさずにファイルサイズを軽くしてくれる。
画像を最適化してスピードアップし、モバイルのユーザー体験向上に役立てよう。
検索エンジンが評価するコンテンツに求められる三原則
動画を貼り付けただけで検索順位が上がるはずがない(Google Webmaster Help Forum)
検索結果での表示回数が激減したというサイト管理者が、グーグルの公式ヘルプフォーラムで助けを求めた。
グーグルのジョン・ミューラー氏が次のように指摘した。
一般的にいって、私たちのアルゴリズムが評価するのは、独自性・独創性があり、人の心をつかみ、高品質なコンテンツだ。
したがって、ただ単にどこでも手に入るような動画を編集するのではなく、こうしたことに焦点を当てるべきだというのが、私からのアドバイスだ。
質問者のサイトを覗いてみると、たしかにひどい。動画を貼り付けただけのページを量産しているだけだ。
YouTubeなど他のサイトから埋め込んだ動画だったり、自分で編集してはいるがテレビのニュースの一部分だけを切り取っただけの動画だったりする。
その動画の説明文もない。あったとしても1行だ。
上記は、YouTubeではない。質問者のサイトは、これだけのページが並んでいるのだ。検索ユーザーにとってなんら価値をもたらさないコンテンツと言っていいだろう。
筆者が最近実施したセミナーで、次のような質問を受講者から受けたことがある。
動画が、検索エンジンの評価を高めると聞いたことがあります。そこで、YouTubeの動画を貼り付けたページをたくさん作ろうと思うのですが、どうでしょうか?
動画があるというそれだけの理由で評価が上がるという前提が、まず大きな間違いだ。そんなことは決してない。
自分が作った動画ではなく、YouTubeの動画を貼り付けるだけならYouTubeで閲覧すればいい。そのサイトに訪問する理由がない。
ほかの人が作成した動画を埋め込むなら、その動画に対する何らかの深い考察があるべきだし、あるいは自分のコンテンツをさらに充実させるための補助コンテンツとして使うべきだろう。
ミューラー氏が言う、検索エンジンが求めるコンテンツの三原則を再確認しておこう。
- 独自性がある
- 人の心をつかむ
- 高品質
ウェブサーバーの物理的場所がランキングに影響した事例
そうとしか思えない現象に遭遇(Builtvisible)
サーバーの物理的場所が検索結果に影響を及ぼしているとしか思えない現象が観察された。
次のようなサイトだ。
- .comドメイン名で運用されている
- 使われている言語は英語
- 対象とする国は英国
- もともとは英国でホストされているサーバーで運用していた
- システムのアップグレードに伴って米国でホストされているサーバーに移動した
すると、英グーグル(google.co.uk)での検索順位(正確には全体的な表示回数)が大幅に下がったのだ。
元のように英国のサーバーに戻すと順位は回復した。
確認のために、米国のサーバーに再び移すとやはり英グーグルでの順位が下がった。
何度か繰り返したところ、再現性があることを確認できたそうだ。
多地域、多言語のサイトのヘルプ記事には次のような説明がある。
サーバーの場所(サーバーの IP アドレスを使用): サーバーは物理的にユーザーの近くにある場合が多いため、サーバーの場所はサイトのターゲット ユーザーを判断する手がかりとなります。ウェブサイトは、分散 CDN(コンテンツ デリバリ ネットワーク)を使用している場合やウェブサーバー インフラの充実した国でホストされている場合があるため、サーバーの場所は信頼性の高い情報ではありません。
今回のケースは多地域・多言語サイトではないので、そのまま当てはめることはできないのだが、はっきりと目に見えるほどに、サーバーの物理的場所が検索順位に本当に大きく影響しているのだとしたら、いささか驚きだ。
グーグルはGmailのリンクをURL発見に使うのか? 実験してみた
実験から判断すると使っていない(Stone Temple Consulting)
Gmailのメール内にあるリンクをURLの発見にグーグルは使っているのだろうか?
ストーン・テンプル・コンサルティング社のエリック・エンガ氏が、何人かの協力を得て実験した。
GmailでURLを含めたメールを送受信し(ただしクリックはしない)、様子をみたところ、Gmailにあるリンク先ページをGooglebotが訪れた形跡は認められなかった。
この実験からは、Gmailのメール内のURLは使っていないように思われる。
グーグルはGmailのメールに書かれているリンクをURLの発見に利用するのかどうかという議論を、6年近く前にもこのコラムで取り上げたことがある。利用しているはずだという意見もあれば、利用していないという意見もあった。
今回の実験結果を信じるのならば、やはりGmailのリンクをグーグルは検索には使っていないということになるだろう。
ただし、ブラウザのアドオンやシステムにインストールされている他のソフトなどによって、Gmail内のURLを利用しているように見えることは、あるかもしれない。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
モバイルフレンドリーに関する記事を1本、今週はピックアップ。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:グーグル社員だけど、モバイルフレンドリーについて質問ある? など10+3記事 | 海外&国内SEO情報ウォッチ | Web担当者Forum
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