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Webの取り組みを社内に理解してもらうにはどうすればいいの? リンナイの福本啓史さんに聞いてきた | Webのコト、教えてホシイの! | Web担当者Forum

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ここから始まります給湯器って、どこのメーカーを使っているか、わかるか?
え、意識したことないですね。
どうしてですか?
実はこの前な。
ぎゃああ、お湯が出ない。修理しなきゃだめだ。
だったらリンナイがいい。
別に給湯器なんてどこでもええやろ。
リンナイ!
リンナイ愛が凄いですね。なぜ?
気になってリンナイの福本さんの講演会を聞いてみたら、Webの取り組みに共感してね。
ECサイトが凄いとかですか?
いや、eビジネスを始める時の社内との付き合い方やね。
そこですか?
顧客満足度とかの話じゃないんですか?
そこにもつながるから。
たしかにWeb担当者は社内から冷遇されているところが多いですからね。
何をやっているか分からないとか。
へぇ、そうなんですか。
ここから始まります
というわけで、リンナイの福本さんに、Web担当者として社内の人間とどう付き合うか、お話ししていただきます。
リンナイ株式会社
管理本部
eビジネス推進部
室長 福本啓史さん
こんにちは、よろしくお願いします。
わざわざ名古屋からすみません。
面白く描いてくれるなら大丈夫です。
う…。
色々と聞きたいことがあるんですが、まずは、リンナイがeビジネスに参入したきっかけは、どういった経緯ですか?
トップダウンですね。
え、そうなんですか? 福本さんの得意分野でゴリ押しかと思いました。
ここから始まります
私はそれまではただの営業でした。Webについては、ずぶの素人です。
ひぇえええ。
ミツカンの加藤美侑さんもそうでしたね。
会社もとにかくやってみようということで、eビジネス推進プロジェクトとして始まりました。
学生のノリみたい。
メーカーがeビジネスに参入って、目的はやっぱりECサイトでユーザーに直接販売することだったんですか?
いえいえ、当初からの目的は、ブランドの構築とユーザーとの接点を作ることでした。
けど、ユーザーとの接点と言われても、なにをすればいいのか、雲をつかむような日々でした。あの頃は悩みました。
具体的にはどんなことしたんですか?
SNSです。
写真を載せられるSNSサイトを作って、お客様との接点を作ったんですが、誰もお風呂とかコンロを撮る人はいなくて、犬の写真とか、全然関係ないものばかりでしたね。
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あの当時はどの会社もSNSやっとったからな。
その後も色々試したんですが、結局残ったのはECサイトぐらいですね。
ちょっと待ってください。リンナイのECサイトってまさかコンロ売ってるんですか?
ええ、取り扱ってますが。
コンロって高いですよね、売れるんですか?
そ、それは。あまり売れません。
そうだろ。だったらどうしてECサイトが残っているんだ。白状しろ!
僕たちが扱ったのは、これです。
なんだこれ、月桂樹か?
むりやりボケなくていいですよ。
ここに付いてるやつ。ごとくですよ。
R-STYLE(ECサイト)では、ごとくとかバーナーキャップとか、単価が安く手間が掛かるため、販売店が扱いたがらない製品をメインで販売しているんです。
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けどこんなものわざわざ購入する人いるんですか?
こらこらっ。
僕たちもこんなに売れるとは思ってませんでした。
ええ!
ガスコンロって、修理しても使いたいって言ってくれる人が意外と多いんですよ。毎日使うコンロに愛着持っていてくれたんです。
それは嬉しいわな。
最高です。そして私たちがやることが明確になったのもこの頃です。Webでリンナイ愛をはぐくむ。
リンナイ愛?
市場シェアではなく個人シェアつまりLTVライフタイムバリューを上げるのです。
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これだったら社内の他部署も受け入れてくれやすいってことですね。
いやいやいや、甘い甘い甘い。
それとこれは別ですね。
そ、そうなんですか。
ごとくなどがメインであっても、他部署はWebは魔法のツールで、売上がドンドンと増えて、仕事を奪われてしまうと危機感を持つんです。
そんなバカな。
そんなもんなんです。
す、すみません。
比較的どこの会社でも、新しいことを始めるのは嫌がることが多いんですよ。なんだかわからないので、必要以上に恐怖心があったのは事実ですよね。
それでは本題ですが、福本さんはどうやって社内のWebへの理解を深めていったんですか?
まず社内向けの販売サイトを作りました。
社内向けって?
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とにかく一度Webサイトで買い物をしてみてほしかったんです。
だから社員・グループ会社・OBがリンナイ製品を安く買えるためのサイトを作ったんです。
使ってみるのが一番やもんな。
eビジネス推進室はこんなことをしているって知ってもらいたいんです。
みんな買ってくれますか?
なかなか…。だから工場などを回ったりして、キャラクターを使ってサイトのアピールをするんですよ。
なんですかこのキャラクターは?
ゴトーくんです。
面白いですね。
かわいいから評判がいいですよ。
ふふふ、ゴトーくんのマンガを作るんだったら安くしますよ。
売り込まない。
認知度向上の取り組みは社内向けの販売サイトを作っただけですか?
いえいえ、各部署ごとにもアプローチしました。
私が特に意識していたのは、営業部門、開発部門、製造部門です。
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テーマはWebを使って彼らが悩んでいることを解決する!
おおぉ。これが大事や。
まずはeビジネスをやるのに、誤解を受けたままだとまずいと思っていたので、eビジネスは決して利益を食い合うものではなく、共存できるものだと理解してもらう努力をしました。
具体的には?
まず営業部門とは話し合いをする場を毎月一度設けました。
私が元営業マンなんでこのあたりのハードルは低かったかもしれませんね。
お互いの課題や取り組みなどを包み隠さず話し合いました。かれこれもう4年間やっているので、すでに50回以上ですね。
話し合いって大切やからな。
営業部のための販促キャンペーンを行ったんですよ。すると前年比で133%の伸び率を記録したんです。
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すると営業の人に。
福本さん、実は今まであまりECサイトのこと、こころよく思っていなかったんだ。
誤解していて済まなかった。これからもよろしく。
ありがとうございます!
少しずつ社内にも浸透しているのを感じるようになりました。
開発部門にはメルマガなどで生活実態のアンケートをとって、商品開発などに活かしてもらっています。
製造部門にはWebで何ができるんですか?
製造現場はリンナイの子会社の場合が多いんです。技術力はとても高い。
けど、リンナイの仕事だけをやっていくのは、先細りだと考えています。
え、どういうことですか?
ここから始まります
少子化です。今後少子化が進めば、どうしても販売数は落ちてきますし、そうなると子会社の仕事が減ってしまいます。
大変な問題ですね。
ええ、彼らの会社には凄い技術があるのに、うちからの仕事が減ってしまって失うのはとてももったいないことです。
その問題を解決するのに、彼らの会社のBtoB向けのサイトを作りました。
すると他社さんからの問い合わせが増えたそうです。
まさにWebの力ですね。
まだまだ未熟ですが、今後ともWebの力を最大限に使って助け合っていきたいと思っています。
それでは最後に、他部署との関係に悩んでいるWeb担当者に向けて、ひと言お願いします。
そうですね。
ここから始まります
ビジネスは人です。他部署の人間は決して敵ではありません。会社としての目標は一緒なんです。コミュニケーションをとって共に歩んでいく関係を作れるようにしてほしい。
今回の話を読んでWeb担当者の立場がみんなに理解されればいいですね。
いやいやいや、甘い甘い甘い。

第30回は4月公開予定

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:Webの取り組みを社内に理解してもらうにはどうすればいいの? リンナイの福本啓史さんに聞いてきた | Webのコト、教えてホシイの! | Web担当者Forum
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この記事の筆者

星井博文(ほしい・ひろふみ)

漫画家・漫画原作作家。ヤングジャンプにてデビュー。著作に『中京女大レスリ ング部物語「ちゅうじょ」』(実業之日本社)など多数。

「グランドジャンプ」にて、『未解決事件 File.02 オウム真理教』などの構成を担当。


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