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企業向けスマホサイト変換サービス6選、PCサイト → スマホ変換を徹底比較 [Product Showcase] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 10 分

Webアクセスにおけるスマートフォン比率が高まるにつれ、多様な「変換サービス」が出揃ってきた。これまで企業サイトのスマホ対応はスクラッチ(ゼロからの独自開発)での制作が主流だったが、今後は、ワンソースでマルチデバイスに対応できる「PCサイト → スマホサイト変換」サービスの導入が常識になるだろう。企業担当者からすれば、開発、運用におけるサイトのコストパフォーマンスやマーケティング的な利便性が重要となってくるからだ。

検索するだけでもさまざまな変換サービスを見つけることができるが、今回は企業サイトに相応しい変換サービスの選び方とともに、「PC → スマホ」変換に絞り、製品をピックアップして紹介する。

市場にあるさまざまな変換サービス一覧※リンクは詳細情報あり

自由度、信頼性、コストパフォーマンスの両立がポイント

スマートフォン変換サービスとは、一般的にPCやモバイル(フィーチャーフォン)向けに制作したコンテンツ(Webページ)をスマートフォンにサイト向けに変換し、最適化するサービスを指す。先行する北米では、すでにスマートフォンのみならず、タブレット端末にも対応した「マルチデバイス」対応が注目されている。

スマホ向けのコンテンツをPCサイトとは別にスクラッチで構築するのに比べ、変換サービスを利用すればPCサイト更新時にスマホサイトも自動的に更新されるので、Web関連の制作費や運用コストを抑えることができる。

ひとくちに「スマホ対応サイト変換サービス」といっても、簡易な個人サイト向けのサービスから、変換エンジンを使いつつスクラッチに近い自由な構築が可能なものまで幅広い。個人向けのなかには無料で利用できるサービスもあるが、デザインの自由度などの制限、導入実績などの面で企業サイトへの導入には心許ない。

さらに、フィーチャーフォン向けのコンテンツをスマホ対応に変換するサービスも存在する。また、同じ変換エンジンやシステムを活用しつつ、別ブランドで他社から販売しているサービスもある。こうしたさまざまなレベルのサービスが混在していることが、企業のWeb担当者が「自社サイトにどのサービスを導入すればいいか」判断するのを難しくしているというのが現状だ。

これまで企業サイトに変換サービスを導入するときには、サイト全体をまるごと変換するというよりも、特定の商品やサービスについてのコンテンツを部分的にスマホ対応にするケースが多かった。またPCサイトとはユーザーシーンが異なるため、PCとは違うコンテンツやUIが必要だという考えもある。いずれにせよ、ある程度のPVを想定し、サイトのルックスが商品などのイメージにも影響する企業サイトでは、デザインの自由度やセキュリティの信頼性を担保しつつ、いかにコストパフォーマンスのよいサービスを選ぶかがポイントになる。

ここでは「PC → スマホ」の変換に目的を絞り、現在市場に発表されている中で、小規模な個人サイト向けのサービスを割愛し、企業サイトへの導入に適した主なサービスについて目安となるコストなどを一覧で比較する。

スマホサイト変換サービス、主要6製品一覧

スマートフォンサイト変換ツール比較表
製品名 Domobi Pro shuttoプロ版 WEBトラン スマートコンバート スマホ自動変換サービス ナビキャスト スマートフォンコンバーター
提供会社 株式会社ドーモ 株式会社イー・エージェンシー ネクシム・コミュニケーションズ株式会社 株式会社アイスリーデザイン 株式会社イーライン 株式会社ショーケース・ティービー
初期費用 15万円 1万5,750円、フリー版あり 100万円~、(制作テンプレート数などによる)※1 150万円~、(制作テンプレート数などによる)※1 50万円~(提案内容による) 10万円
月額費用 定額制:8万円
※従量制(10万円~)のEC版もリリース予定
5,250円、フリー版あり 従量課金:5万円~※1
※セッション管理ありの場合は10万円~
従量課金:10万円~、(共用サーバーは5万円~)※1 5万円~ 従量課金
  • 3万円(10万PVまで)
  • 5万円(100万PVまで)
  • 7万5,000円(300万PVまで)
  • 300万PV以上は個別見積
セルフサービスツール × ×
スマホサイト
制作費
個別見積 ※50万円~(自社制作も可能) ユーザーが作業 初期費用に含む(個別見積) 初期費用に含む(個別見積) 初期費用に含む ユーザーが作業
更新(修正)
制作費
テンプレート制作:3万~5万円程度※1 ユーザーが作業 簡易修正は月額費用に含む、複雑な修正は個別見積 テンプレート制作:6~10万円程度※1 保守費用に含むが、修正内容によっては個別見積 ユーザーが作業
最低利用期間 6か月 1年 1年※2 1年※2 6か月、プランによっては1年契約 3か月
構築期間 6週間 即日~ 最短1か月 2~3か月 約2か月~(30ページほどを想定した場合) 即日~
SSL対応
標準でセキュアを確保


変換サーバーに設定(15万円程度)※1

変換サーバーに設定(費用は制作規模による)

Webページに準じる
iPhone対応
Android携帯
対応
タブレット対応
標準でテンプレート設定可能
×
初期制作時にカスタム設定※3

初期制作時にカスタム設定※3

備考 同一URL、同一ページで対応可能。 Eコマース向けメニューを今秋発表予定。 初期設定やカスタマイズをパートナー会社に依頼可能。 インストール型の「WEBトラン プロフェッショナル」もあり。 予算や社内コンプライアンスなどの要望に応じてさまざまなレベルのソリューション構築に対応可能。 サイト公開後の集客支援サービスなどを用意。公開後はPCサイトとの一元管理が可能。 入力フォームを使用する場合は、系列サービスの「フォームコンバーター」(別料金)との併用がオススメ。
※1 表記の料金は目安です
※2 キャンペーンなどの期間限定利用も対応可能
※3 初期制作時にタブレット端末用のテンプレートをカスタム構築。料金は都度見積

Domobi Pro(ドゥ・モビ)
URL:http://www.domore.co.jp/domobi/
提供:ドーモ

海外で約4年間の運用、2万件の実績があるカナダ製の「Mobify(モビファイ)」社の変換エンジンを採用し、日本では2012年1月からサービスを開始した。すでに米スターバックスや英ヴァージンワインなどのeコマースで使われている。クラウド型サービスのため導入コストが低く、月額固定制が特徴(10万円~で従量制のEC版もリリース予定)。

PCサイトと同一URLでの変換表示が可能で、SEOやソーシャルメディア上での活用において優位性を持つ。セキュリティ対応、タブレット対応も標準で実装できる。大規模サイトでも安心して使用できるポテンシャルがあり、EC、企業系サイトなどでの導入事例が増加中だ。

導入実績の一例
花王キュレル
Oggi(小学館)

WEBトラン
URL:http://www.nexm.jp/product1.html
提供:ネクシム・コミュニケーションズ

プロキシサーバーを活用した変換サービス。レイアウト、機能ともに独自構築(スクラッチ制作)に匹敵するフルカスタマイズが可能。タブレットや携帯ゲーム機、3G以降の携帯電話端末などにも対応でき、デバイス別にコンテンツを追加することも可能。タグの挿入や文字修正などを含めてユーザー側の作業は一切なく、すべてサポートしてくれる。

2007年にイスラエルの変換エンジンを導入してスタートした日本における変換サービスのパイオニア的存在。新規端末への最適化は3週間~4週間程度で対応する。

導入実績の一例
ジェーシービー
CASIO

Shuttoプロ版
URL:http://shutto.com/
提供:イー・エージェンシー

PCサイトに変換用のJavaScriptを貼り付けて利用するSaaS型のサービス。初期設定からデザイン修正まで、すべてをユーザーが行うセルフサービス型であり、スマホサイトをドラッグ&ドロップでデザインできる独自のインターフェイスを管理画面に備えているのが特徴。

デザインテンプレートは、管理画面上で自由に設定できる反面、ユーザー自身による設定が必要なため複雑なサイトでは作業負担が大きい。テンプレート数の多いページでは変換作業が重くなるため、小規模から中規模向けのサイトに適している。低コストながらフォーム変換、SSLページなどにも対応し、PCサイトと同一URLでの表示が可能。

公式の制作パートナーに変換作業を依頼することもできる。無料版も提供するが、広告が表示されるため企業利用では有料のプロ版が前提となるだろう。

導入実績の一例
ウィズの旅どり免許 ※パートナー企業が制作
那須高原チーズガーデン

スマートコンバート
URL:http://www.i3design.jp/service/sc/
提供:アイスリーデザイン

変換サービスでありながらスクラッチ開発並の自由度と変換ソリューションによるコストダウンの両方を実現できる。その分導入コストは比較的高額となるが、「エンタープライズ」「スタンダード」「ベーシック」と3種のグレードが用意されており、ニーズに応じたプランを提案する。主力はプロキシサーバーを使ったサービスだが、インストール型のサービスも提供している。カルーセル、アコーディオンなどのスマホならではの画面展開機能、jQuery Mobileを用いた実装も可能。

サービス開始から1年以上の実績があり、大規模なサイトの導入実績が豊富。

導入実績の一例
チケットぴあ
ピーチジョン

スマホ自動変換サービス
URL:http://www.ee-line.co.jp/smartphone/02/index2.html
提供:イーライン

ユーザーの要望や環境にあわせて変換プランを提案する、コンサルティングに近いサービス形態をとる。初期設定には企画や個別開発提案、スマホサイトのデザインや検証作業などが含まれ、サイト公開後の保守まで対応する。公開後はPCサイトのコンテンツと一元管理することが可能。

ECサイトをターゲットとして開発されているため、会員登録、マイページ、SSLほか、決済フローまわりの変換に対応する。中規模から大規模のECサイト、大手情報系コンテンツサービス、メーカー系の大規模サイトまで対応可能。

導入実績の一例
TSUTAYA ONLINE
ファミマ・ドット・コム

PCサイトのコンテンツをそのまま利用する、ASPタイプの変換サービス。PCサイトからスマホサイトへの変換に対応する。専用タグを貼る(ユーザー作業となる)だけで、独自の変換ロジックに基づいたページが生成されるため、安価で容易に導入可能であるが、自由なデザイン設定を希望する場合は一定のスキルが必要だ。

料金は月額のPV数によって変動し、月額3万円~、初期設定費10万円~。同一ドメイン名内であれば変換ページ数に制限なく利用でき、SSL対応やDBなどの既存システムと連携可能。PCサイトのフォームをスマートフォン向けに変更するには「フォームコンバータ」(別料金)が必要になる。

OEMとして他社エンジンにも採用されており、EC、金融、キャンペーンなどの導入実績も多数。

導入実績の一例
エービーシー・マート
芝浦工業大学
  • 自社サイトのニーズと変換サービスの相性を見極める
  • 目に見えないコストへの配慮もポイントになる

自社サイトのニーズと変換サービスの相性を見極める

今回は、いま日本で提供されているなかで、企業サイト向けとして導入実績がある製品から主に選んで紹介した。

今回紹介したサービスのなかで、「ナビキャスト スマートフォンコンバーター」「Domobi Pro」「Shutto」は、セルフサービス型ツールとしてユーザーがサイト設定を行う。ナビキャスト スマートフォンコンバーターやShuttoは、紹介したサービス中では導入コスト的に手軽ではあるが、変換ページへのタグ埋め込みや管理画面の操作などの制作作業はユーザーが行うことになり、他のサービスに比べると制約が多い面がある。

Domobi Proはツールを利用したセルフサービス(自社内制作)を用意する一方、販売会社による構築代行も用意しており、デザインの自由度などは高いといえる。また、「スマートコンバート」もセルフサービスへの対応が可能となっている。

変換サービスの導入費用は、サイト規模によって大きく変わる。自動変換とはいえ、変換対象ページのテンプレート作成などが必要であり、導入作業に着手してから数週間から数か月の作業が必要になるからだ。導入にあたっては、自社サイトに必要な機能やデザイン性を明確にしたうえで、各社から個別に見積りをとることになる。

運用にかかる月額コストも見逃せない。変換サービス各社の料金体系は、PVや変換ページ数に応じた従量課金制のものから、Domobi PROのように月額固定で価格が定まっているものまでさまざまだ。他にも、SSL設定の登録ページ数に応じて料金が発生するケースなどもある。何にいくらかかるかという詳細な金額はサイトの規模や内容などによって大きく異なる。運用上どのようなコストが発生するのか、更新や修正などの制作時にどのくらいのコストや時間がかかるのかといったことは、導入前にしっかりと確認しておきたい。

また、表に挙げたサービス中では、Shutto、Domobi Pro、ナビキャスト スマートフォンコンバーターは、PCサイトとスマホサイトを同一URLで表示することが可能だ。スマホ自動変換サービスはサービスプランによる。プロキシサーバーを経由した変換の場合、スマホサイトにはサブドメインが使用されるが、同一URLであれば、ソーシャルメディアで拡散する際にURLが分散することがなく、有利に運用できる。マーケティグデータの分析にも無理がなく、「One Web」の発想にも適合したサービスといえるだろう。

SSLやECへの対応、さらには今後ますますニーズの高まりが予想されるタブレット端末を含めたレスポンシブWebデザインへの対応など、自社サイトに何が必要か検証し、相性の良いサービスを選ぶことが大切だ。

目に見えないコストへの配慮もポイント

一覧表だけではわかりにくいことではあるが、実際にスマホ対応サイト変換サービスを導入する際に、留意しておくべきポイントがある。数多くスマホ対応サイト変換のソリューションを提供してきた実績をもつ、イーラインのスマートフォングループ・クリエイティブディレクター 佐々木氏は「あくまでも携帯回線で見るコンテンツであることへの配慮が大切」だと指摘する。

最近のスマートフォン端末は性能が向上し、PCと同等のクオリティをもった表現が可能です。とはいえ、コンテンツを盛り込みすぎると携帯回線の限界でレスポンスが低下してしまいます。ベースとなるPC向けコンテンツで、タイトルやボタンに画像を多用しないなど、レスポンスの早いサイト作りが不可欠です。

ワンソース・マルチデバイスの運用をスムーズに成功させるには、Webサイトのポリシーそのものが「マルチデバイス」を前提としたものに進化させる発想も必要になるという。また、導入後の実務を考慮したうえで選定すべきだと指摘する。

導入後のページ更新や追加などの際、個別に変換サービス提供会社に制作を依頼しなければいけないケースがあります。そうした場合のタイムロスやコストも確認しておく必要があるでしょう。また、サイト規模や変換サービスのシステムによっては、変換速度などにストレスを感じるケースもあるようです。実際の導入にあたっては、実作業をふまえた確認が大切です(佐々木氏)。

今回紹介したサービスは、セルフサービス型と提案型の違いはあっても、どれもデザインの自由度が高く、スクラッチ構築とほぼ同等の高いクオリティを実現できる。とはいえ、変換サーバーなどのシステム構造や制作システムなどには違いがある。導入検討時には各社からプランを取り寄せて、自社に合ったサービスを選択するのがおすすめだ。

企業サイトのスマホ対応はもう待ったなしの状況だ。まずは、商品やサービスの紹介など、対応を急ぐべきコンテンツから(変換するコンテンツの規模を小さくすれば、導入コストも抑えられる)スマホ向けサイトを制作して、Web担当者としての知見を積み重ねるべきといえるだろう。いずれにしても、今後の企業サイト構築には、スマホやタブレットなどマルチデバイスへの対応を前提にして、その構造や制作コストを想定していくことが不可欠な時代になったということだ。

寄本好則(三軒茶屋ファクトリー)

編集制作ユニット『三軒茶屋ファクトリー』代表。ITやEV(電気自動車)、環境問題、グルメ、旅、グラビアまで幅広いジャンルで豊富な実績があるフリージャーナリスト。

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