今週は、ピックアップ記事として海外情報から2記事を併せて紹介する。
Webコンテンツの長さや更新頻度なんてどうでもいい。重要なのは「質」だ
質が高くユニークで、人を惹きつけるコンテンツを(Google Webmaster Help Forum)
Webコンテンツの文字数や更新頻度などを気にするサイト管理者に、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のように助言した。
「Webコンテンツは少なくともこれぐらいの分量であるべきだ」といった最低限の長さというものはないし、1日に投稿しなければならない最低限の記事数というものもない。そればかりか1サイトの最低限のページ数というものさえない。
ほとんどの場合は、量よりも質が大切だ。
我々のアルゴリズムは明確に、質が高くユニークで、人を惹きつけるコンテンツを提供するサイトを発見して上位表示しようとする。
自分のサイトを最高にしようすること(つまり質の高いコンテンツを作ること)に取り組むのが大切なのだ。分量や更新頻度を意識してコンテンツの質に気を遣わないのは、問題だ。
そして、個別の質問に次のように回答した。
(質問)短い記事は将来的にペナルティを受けるのでしょうか。単刀直入な答えが知りたいです。
短かろうが長かろうが、質が低いコンテンツを書くならそのとおりだ。アルゴリズムもそうだし、手動のウェブスパムチームもそのサイトを信用しないだろう。
(質問)質が低いページはサイト全体に影響しますか。
影響する。サイト全体として質が低ければ(そうした評価が)反映されるだろう。
(質問)全部ではないけれど質が低いページもいくらかあります。1年に1回以上はできるだけ更新するようにすれば大丈夫でしょうか。
更新頻度は重要ではない。重要なのは全体としてすばらしくあることだ。
もちろん、現時点で、検索エンジンが人間と同様に「質」を評価できるようになっているわけではないはずだ。リンクやさまざまなシグナルを使って評価しているのだろう。それでもグーグルは、文字数や更新頻度でコンテンツを評価するのではなく、コンテンツの質で評価するという方向に向かっていっていることを、あらためて肝に銘じておこう。
1つの本当にすばらしいサイトを作ることが成功への鍵
いくつも作っても結局うまくいかない(Google Webmaster Help Forum)
もう1本、Webコンテンツの質に関する話題を。1つのテーマに関して複数のサイトを作って運用している人からの相談に、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のようにアドバイスした。
運営している複数のサイトを1つにまとめて、その1つのサイトを、ものすごくすばらしくする。そうすることを、強く勧める。
どれか1つが上位表示できればしめたものだと、関係するサイトをいくつも立ち上げるのは、一見すると良いアイデアに思える。
でも現実はそうではなく、1つのサイトに努力を向け、そのサイトを、優れていてユニークでそれ自身が質の高いコンテンツを持つ、本当にすばらしいサイトにすればもっとずっとうまくいくものだ。
扱う商品やサービスが同じあるいは非常に似通っているのに、いくつものサイトを作ろうとするサイト管理者をときおり見かける。
ジョン・ミューラー氏の指摘に加えて、次のような点からもおすすめできない。
- コストや労力の分散
- 管理・維持の手間が増える
- ブランド認知を形成しにくい
- サイト・ドメイン名の評価が分かれる
- 重複・類似コンテンツの発生
このほかにも問題点はあるだろう。1つの本当に優れたサイトを作り上げることに力を注ごう。
本気でコンテンツを作り続けたことがある人ならば、本当に質の高いコンテンツを保つためには、複数のサイトに分けるなんて現実的ではないことを知っているはずだ。
日本語で読めるSEO/SEM情報
売れる営業マンに生まれ変わったホームページ
あなたのサイトは押し売り営業マンになっていませんか?(SEO 検索エンジン最適化)
自社サイトを売れる営業マンに生まれ変わらせた社長のストーリーを紹介する。
といっても実話ではなく、SEOにおける重要な考え方をストーリー仕立てでわかりやすく説いた物語だ。住太陽氏による2つの物語を前回紹介したが、3つ目の今回は、前の2つよりも、さらに響く良い内容になっている。
自社の製品の良いことばかり押し売りする営業マンのようだった企業サイト。しかし、あることをきっかけに社長はそれがあるべき姿ではないことに気付き、時間をかけて丹念にサイトを修正する。そして見事にサイトからの集客を大きく伸ばすことに成功する。
一方的に自社の売り込みばかりするのは売れない営業マンの典型なんだ。うちのホームページはそういう売れない営業マンのようなものだった。売れる営業マンは、相手の立場で相手の役に立つことを話すんだ。そうして信頼を獲得したあとで、相手の抱える問題を解決する手段として、自社の製品やサービスを薦める。私はそれをホームページでやったんだよ
どうやって社長が自社サイトを売れる営業マンに変身させたのか、物語を読んで確かめてほしい。
SEOの“テクニック”は一切紹介されていない。検索エンジンのアルゴリズムにも一切触れていない。それでもこの物語は、SEOに携わる人間にとって非常に大切なことを、わかりやすく伝えている。
グーグルの検索結果を分析してユーザーのニーズに応える方法
検索意図を理解する(ウェブクルーSEOブログ)
検索キーワードには現れない、検索ユーザーの意図やクエリの意味を理解する能力を、グーグルは飛躍的に向上させている。
そこで大切になってくるのは次の2つだ。
- 検索者の意図を理解する
- 意図に応えるコンテンツを提供する
こちらの記事では、検索結果と検索結果に出てくるページを分析し、この2つを実現するためのヒントを得る方法を説明している。
元記事のタイトルは「競合分析の一環として」となっている。しかし実際に記事で説明しているのは、競合調査というよりも、「ユーザーのどんな検索ニーズに検索エンジンがどんなコンテンツを選んでいるのか」を把握することだ。このように、検索結果と競合調査で発見できることは多い。実践してみるといい。
海外の無料サーバーは使うべきでない理由
信頼性・サポート体制が不安(グーグル ウェブマスター向けヘルプフォーラム)
無料で使える海外のサーバーで、そのサーバー会社から与えられるサブドメインで自社サイトを運用していました。
ところがそのサーバーがダウンしてしまいました。なかなか復旧しないため新規にドメイン名を取得し別のサーバーに同じコンテンツを移し、そちらで運用を始めました。
元のサーバーが復旧したらどうするべきでしょうか。同じコンテンツが2つのサイトに存在するため、重複コンテンツになってしまいます。
こんな質問が、グーグルのウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムに投稿された。
トップレベルユーザーのべしみ氏がアドバイスするように、このような場合、本来ならば、旧サイトを新サイトに301リダイレクトするのが適切な選択肢だろう。代替として立てた新サイトを旧サイトにリダイレクトする選択肢もあるが、再びダウンする可能性がありそうなので選びたくない。
それよりももっと気にかけておいてほしいことがある。それは、大切なサイトでは、海外の無料サーバーを利用しないことだ。主な理由は次の3つに当てはまりやすいからだ。
- 信頼性に欠ける
- サポート体制が不十分
- 何かあったときに連絡をとりにくい
もっとも海外に限らず日本でも同じことかもしれない。今回の相談では幸いにもサーバーが復活したようだが、「安かろう悪かろう」で損害を被らないように注意したい。
ユニバーサルアナリティクスの「utm_」は標準で「?」「#」どちらででもOK
切り替える動機の1つになるかも(真摯のブログ)
標準仕様になったGoogleアナリティクスの新バージョン、ユニバーサルアナリティクスでは「utm_campaign」などのトラッキングパラメータを、URL内の「?」以降だけでなく、標準でURL内の「#」以降でも使えるようになっているそうだ。
以前からトラッキングコードで特別な指定をすれば「#」でも使えたのだが、ユニバーサルアナリティクスでは何もしなくても「#」内にトラッキングパラメータを指定できるということだ。
「#」がURLに付いているとき、検索エンジンは「#」以降を無視する。前回のピックアップで説明したとおりだ。
この動きをSEOで利用できる。Googleアナリティクスでキャンペーン計測するときに「#」を使えば、重複コンテンツの発生を防げるのだ。rel="canonical"でも重複コンテンツの発生を防ぐことはできるが、重複するURLをそもそも発生させないほうが好ましい。
ユニバーサルアナリティクスに切り替える1つの動機になりはしないだろうか?
初めてでも安心「コホート分析」の設定方法
一度だけでも使ってみよう(鈴木です。)
Googleアナリティクスの「コホート分析」機能を前回紹介した。「使ってみたい」と感じた読者も多かったのではないだろうか。しかし同時に「でも設定が難しそう」と感じたかもしれない。
こちらの記事は、コホート分析の設定方法を1から順に説明している。自分のサイトでの利用価値があるかどうかを確かめるためにも、一度使ってみるとよさそうだ。
完全な蛇足だが、元記事筆者の鈴木氏は、本コーナーの筆者と同姓だが本人ではないし、つながりもない。;)
UXのプロが語る「ユーザー体験」の本質
SEOでもUXの追求は重要(underconcept)
今週はピックアップを1本追加する。SEO関連ではないのだがぜひこのコーナーの読者に紹介したい記事だ。
トピックは「ユーザー体験(ユーザーエクスペリエンス/User Experience: UX)」だ。
この言葉を、SEOの世界でも最近よく耳にするに違いない。しかし「UXとはなんぞや?」となるときちんと答えられる人は少ないのではないだろうか。答えられたとしてもそれが正しい理解にもとづいていないこともありがちだ。
こちらの記事は、IAやUXの専門家でもあるコンセントの長谷川氏が、UXの本質を次の項目をもとに語っている。
- UIとUX
- 全体的アプローチとしてのUX
- UI/UXという表記の弊害
- UIがUXを規定するケース
- UIに対しての慣れの側面
後半は特に難しい話になるのだが、それでも読むことを推奨する。UXが何なのかを理解していなければ、UXの向上に取り組むことは難しいだろう。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
ほとんど知られていないGoogle+ローカルページの重要性とスライドバナーの最適化に関する記事を今週はピックアップ。
- あなたがGoogle+ローカルページを絶対に管理しなければならない理由
地域ビジネスオーナーは必ず読むこと - スライドバナー/カルーセルに必要なのは「切り替え矢印」ではなく「ラベル」
使わないのがいちばんなのだけれど
- あなたのサイトがインデックスから消えてしまう6つの原因
- 不適切なリダイレクトをしていたモバイル向けサイトの順位が復活
- グーグルが推奨する多地域・多言語サイトのトップページの見せ方
- あなたのサイトのトラフィックを激増させる15種類のコンテンツ
- Googleが検索キーワードよりも関連トピックを優先する可能性
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
あなたのサイトがインデックスから消えてしまう6つの原因
ペナルティ以外の原因が大半らしい(Pedro Dias on Google+)
サイトが検索エンジンのインデックスから消える原因となりうる6つの項目を、ブラジルの元グーグル社員であるペドロ・ディアス氏がGoogle+に投稿した。
- robots metaタグでnoindexを指定する、またはHTTPヘッダーのX-Robots-tagでnoindexを指定する
- robots.txtでサイト全体をクローラからブロックする
- グーグルウェブマスターツールのURL削除ツールでサイト全体を削除する
- 404エラー、503エラー、DNSエラー
- インデックス削除につながるペナルティや、DMCA侵害による削除
- robots.txtファイル自体にGooglebotがアクセスできない(200か404のステータスコードを返さなければならない)
もし自分のサイトが検索結果に出てこなくなったときは、これらの原因を疑ってみよう。
「インデックス削除は、品質ガイドライン違反によるものは非常に少なく、ほとんどは何らかの構成ミスによって起こる」とグーグルの人が言っていたのを聞いたことがある。
不適切なリダイレクトをしていたモバイル向けサイトの順位が復活
問題点を解消したら自動で戻った(Search Engine Watch)
スマートフォンでの検索結果の順位を下げられているサイトの事例として、スマートフォンからのアクセスをすべてPC向けサイトのトップページにリダイレクトしてしまう不適切なリダイレクト構成をしていた件を、以前に紹介したことがある。
このサイトは、正しい対応モバイル向けページにリダイレクトするように修正したのだが、その後、PCでの検索と同じ順位に復活してきたことを確認できたそうだ。
グーグルのピエール・ファー氏は次のように言っていた。
不適切なリダイレクトが修正されたならば、Googlebotがそのページを再クロールし、再インデックスし、再処理したあとに、順位低下は解消される。
今回のケースでは、修正からだいたい1か月で順位が回復した。ファー氏が言うように再クロールにより問題点が解消したことが認識され、処理が行われたのだろう。
もしあなたのモバイル向けサイトがPCサイトと比べて順位が低いとしたら、スマートフォンサイトでよくあるミスを犯していないかチェックしてみよう。当てはまる項目があれば直ちに修正が必要だ。あとは順位が自動的に戻ってくることを期待しながら待つ。
グーグルが推奨する多地域・多言語サイトのトップページの見せ方
3通りの構成方法(Official Google Webmaster Central Blog)
多地域、多言語のサイトにおけるホームページ(トップページ)の構成の仕方をグーグルが解説した。
次の3通りの方法がある。
- すべてのユーザーに同じコンテンツを見せる
- ユーザーに選択させる
- ユーザーの場所や言語に応じたコンテンツを提供する
マルチリンガルサイトを運用している担当者ならば英語はわかるだろう。それぞれの構成方法の詳細は、元記事を参照してほしい。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
有益なコンテンツ作成のためのヒントとグーグルが取得した検索関連の特許の記事を今週はピックアップ。
- あなたのサイトのトラフィックを激増させる15種類のコンテンツ
整理して選択肢として考慮 - Googleが検索キーワードよりも関連トピックを優先する可能性
検索意図をより重視するということか
- 内容カテゴリ:SEO
- コーナー:海外&国内SEO情報ウォッチ
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
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