Clik here to view.

前回までのあらすじ
クライアントの八瀬さんが持ち込んで来た引き継ぎ案件の請負契約を、なんとか自社に不利にならないように改訂できそうなところまでこぎ着けた山ノ内くんと有栖川さんだが、まだまだ危険なワナがたくさんありそうなことを、なんとなく察知していた2人であった。
Clik here to view.

Clik here to view.

- ウィキペディア内の記事を利用するには
- ウィキペディア内の記事、著作権は誰が持っている?
ウィキペディア内の記事を利用するには
今回、サイト内の健康食品の説明文を書きおろす必要があります。著作権法との関係で、ウィキペディアの記事内の文章(テキスト)を利用する場合の注意点を教えてください!
次の4つのトピックについて説明するわ。今回は文章(テキスト)についての話よ。画像は別ね。
- 記事の著作権は誰が持っている?
- ウィキペディア記事を二次利用する
- ウィキペディア記事を引用する
- ウィキペディアの信用性~著作権侵害記事への対策~
最初に断っておくけど、実務的に需要の高そうな点に絞って解説するわ。問題化する可能性が低い、細かい例外などのルールは省くわよ。正確なルールを知りたければ、必ずその時点での利用規約を確認してね。でも、私の解説を聞けば、利用規約をそのまま読むよりもずっと理解しやすくなるはずよ!
ウィキペディア内の記事、著作権は誰が持っている?
ウィキペディアって、インターネット上で見られる無料の百科事典ですよね。
あと、「誰でも編集に参加できる」ってところもポイントね。
なるほど。2人以上の人が執筆してできた記事って、著作権は誰が持つんですか?
今回はひとまず、2人以上の人が執筆している記事内の文章(テキスト)の著作権は、その文章を書いた人とか、創作的な修正作業をした人とかが持つ、ってイメージしておいて。
わかりました。
あと、注意しなければならないのは、ウィキペディアの記事内の文章(テキスト)に、外部コンテンツから取り込まれたものが含まれている場合があることよ。元のコンテンツ著作者の権利に配慮する必要があるからね。たとえば、こういうときよ。
- 外部コンテンツから「引用」されているとき。
- ウィキペディアが採用している「クリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンス」と同等のライセンスに基づいて提供されているコンテンツが取り込まれているとき。
なるほど。ところで、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスって何なのですか?
- 「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」とは?
- ウィキペディアを二次利用するには
「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」とは?
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、国際的な非営利組織「クリエイティブ・コモンズ」という団体が提供しているライセンスよ。このライセンスは、著作権を作者のもとに残しつつ、一定のルール下で著作物の利用を許諾するためのものなの。ライセンス条件を守れば、著作権者から個別に許諾を取らなくても利用できるわ。
なるほどですね。ライセンス条件は、どのようなものですか?
おおまかにいうと、4種類の条件「表示」「非営利」「継承」「改変禁止」の組み合わせにより、6種類のライセンスが設定されているの。ちなみに、英語版は2014年4月1日時点で「4.0」までバージョンアップされているわね。日本語訳版は「2.1」までね。
そうなんだ~。
ウィキペディアを二次利用するには
で、ウィキペディア日本語版の記事には、ふつう、ページの下部に、テキストはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンスの下で利用可能と書いてあるでしょ?
(検索して)どれどれ…本当だ、そのように書いてますね。
ウィキペディア日本語版の記事内の文章(テキスト)は、2014年4月1日現在、「表示」と「継承」の2つの条件が課される「クリエイティブ・コモンズ 表示-継承3.0(CC-BY-SA 3.0)」によって提供されているわ。
そうだったんだ…(←無料だから自由に使っていいと思っていた)。
「表示」と「継承」ですか。どういう意味ですか?
「表示」とは、
①適切なクレジット(著作者へ著作権が帰属する旨表示すること)
②ライセンスの表示(ライセンスの利用許諾条項の全文写しの添付、またはリンクの提供)
③改変内容の明示(※改変した場合のみ必要)
「継承」とは、
④ライセンスの継承(その作品を利用して自分が制作した二次著作物も、同等のライセンスの下に提供すること)
という意味よ。
なるほど。では、「クリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンス」とは、「表示」「継承」の条件を守れば、営利目的利用や、改変・翻案をしてもいい、というライセンスなのですね。
そのとおりよ!
他にも制約(条件を加重してはいけない等)はあるけど、とりあえず押さえておくべきポイントは上記①②③④よ。
「①適切なクレジット(著作権帰属表示)」は、どのようにすればいいですか?
ウィキペディアの記事を利用する場合について教えてください。
ウィキペディアの利用規約を参考にすると、以下いずれかのような方法で行えると考えられるわ。
a) 利用元のページヘのハイパーリンクかURLを表示する方法
(各ページには執筆者・編集者を一覧する履歴ページがあるため)
b) 利用元のページのオンライン上の複製
(安定し、自由にアクセス可能であるもの)へのハイパーリンクかURLを表示する方法
(ただし、執筆者・履歴者のクレジットが、元のページと同等の方法で表示されていること)。
c) 著作者のリスト添付
(寄与の微少な投稿者は除外しうる)
「②ライセンスの表示」は、どうすればいいですか?
「このライセンスの下に、この著作物の利用を許諾します」と示す必要があるの。そのために、ライセンスの利用許諾条項全文の写しを添付するか、ライセンスのありか(URI)を示す必要があるわ。採用できるライセンスは元記事が採用していたのと同じCC-BY-SA3.0よ。ただし、自分の創作的寄与が加わった二次著作物を配布する場合なら、CC-BY-SA3.0のほか、それと互換性のあるライセンス(同種ライセンスの後継バージョンなど。制約を増やすのはNG)も選べるわ。
では、①②③④の条件を満たすための具体例を示してもらえますか?
たとえば、ウィキペディアの記事「アサイー」から流用した場合、①②④については、こういう風に表示することが考えられるわね。
「この文章は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0の下で公表されたウィキペディア日本語版の項目『アサイー』内の文章を利用して記述しています。 この文章は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0の下、二次利用できます。」
なるほど。「③改変内容の明示」についてはどうですか?
改変箇所を「明確に示す」必要があるわ。ケースバイケースだけど、わかればいいと思う。内容を改変しなければ③は不要よ。
わかりました。
そのほか、注意すべきなのは、もとの記事中に、(CC-BY-SAの下で提供されているのではない)別のコンテンツから「引用」されている箇所がある場合。これは、ページ内の注釈などの記載やノートなどを見て確認してね。
「引用」部分を自分の著作物に使うには、著作権法上のルールに沿って使わなければならないから(※「第3話」参照)。
「引用」に慣れていないと、ハードル高いかもしれませんね。
最後に、ウィキペディア日本語版の記事内のテキストは、「クリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンス(CC-BY-SA)」の他、もう1つ、「GNU フリー文書利用許諾 (GFDL)」というライセンスによっても、だいたい利用できるわ。だけど、前者 (CC-BY-SA)がメインで通用しているとイメージしておけばいいわ。
利用可能なライセンスが2つ…デュアルライセンスというやつですね。
あら、よく知ってるわね。
ちなみに、「CC-BY-SAがメイン」と言ったのは、ウィキペディアの記事に外部から取り込まれたコンテンツが使われている場合、その部分は、「CC BY-SAで再利用可でも、GFDLでは再利用可でない」ことが(利用規約上)ありうるからよ。まあ、特にGFDLによる必要がない限りCC BY-SA一本勝負でいいんじゃないかしらね。
- ウィキペディアを引用して使うこともできる
- ウィキペディアの信用性~著作権侵害記事への対策~
ウィキペディアを引用して使うこともできる
ウィキペディアを、著作権法の認める範囲で「引用」して利用することができるわ(この場合、前述のCC-BY-SA利用許諾に従う必要はないわよ)。「引用」については以前詳しく説明したわよね。覚えてる!? (※「第3話」参照)
確か、引用される著作物のボリュームがあまり多かったらダメ、とか、内容を改変したらダメ…とか…?
他にも「明確区別」と「出所明示」などもあるわよ。たとえば、「アサイー」についての記事から引用すると、こんな感じね。
“アサイーの実は非常に栄養価が高い。アサイー果実100g中に含まれるポリフェノールは約4.5gで、ココアの約4.5倍、ブルーベリーの約18倍ともいわれている。”(「アサイー」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2014年2月28日 (金) 13:53 UTC)
おお~、イメージが持ちやすいですね。ありがとうございます!
ウィキペディアの信用性~著作権侵害記事への対策~
これも大事なとこね。
投稿者が著作権侵害の記事を投稿したのを、僕たちがそれと知らずに使って著作権を侵害してしまうおそれがあるということですか?
そうなのよ。ウィキペディアの運営主体は、投稿者に対して、著作権侵害の記事はアップするな!って義務づけているわ。だけど、利用者に対しては、著作権侵害等のコンテンツが含まれて「いない」ことについては保証していないからね。利用は自己責任で、ってことよッ!!
もし、気づかずに著作権侵害の記事を利用してしまったら、どうすればいいですか?
気づいた時点で、たとえば権利者から差止請求が来たらただちに権利侵害行為をやめることね。当該部分を削除するとか、差し替えるとか。
ひゃ~、わかりました~。
損害賠償責任を負ったりしませんか?
損害賠償の要件を満たすかが問題ね。もし著作権侵害の損害賠償請求をされてしまった場合、請求が認められるためには、私達が「故意又は過失」によって著作権侵害をして、「それにより損害が生じた」ことを、請求者が立証する必要があるわ。公示制度のある特許権や商標権と違って、著作権は、権利を侵害しただけでは過失が推定されないからね。
ちなみに「過失」とは「著作権侵害であることを予見することが可能だったのにもかかわらず、著作権侵害の結果を回避する注意義務を怠ったこと」よ。
「過失」って、なんだか難しい概念ですね! ポイントはどこですか?
ずばり「予見可能性」よ!!
著作権侵害していることを予見できたか?ってことですか。
そうよ。「怪しい」と思うべき兆候があったか、ともいえるわね。どこかからパクってる表現があれば、危ないわ。パッと見ではわからない場合でも、こういう対策をしておくのは有益ね。
①著作権侵害かどうか確認するためにすべき調査をする。
②その調査結果を記録に残す(証拠化のため)。
①は、具体的には、利用しようとする部分に常識的にみて疑わしい記載が無いか(内容自体、参考文献の記載、リンク先、編集履歴などにも参考にしつつ)チェックし、利用元の記事を複製しておく(ページ自体の複製の他、プリントアウトやスクリーンショットでもいいかも)、って感じね。
わかりました!
まとめると、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示-継承ライセンス」の下で二次利用が可能、ただし、著作権侵害コンテンツでないか用心した方がいい、ってとこですね。
勉強になりました~。
そのほか、記事の内容についても、正確さが要求されるときは、信用できるソースに同様の記載があるかも確認が必要ですね。
法律の問題じゃないけどね。ウィキペディアの仕組み上、仕方がないわね。
さて、色々わかったところで、書いちゃいましょう★
……そっすね…。
(手伝うって言おうかしら…でも要らないって言われたらどうしよう…じゃなくて…!)
- 問題のある文章は、ウィキペディアを利用して修正します!
- 納期はいつなんですか? 八瀬さん!!
Clik here to view.

第9話は2014年5月中旬ごろに公開予定
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:ウィキペディアの文章は、誰の許諾もとらず自由に流用してかまわないの?/【漫画】僕と彼女と著作権・第8話 [僕と彼女と著作権] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
Clik here to view.
Clik here to view.
Clik here to view.
Clik here to view.
Clik here to view.