- 自社サイトに「ビッグコンテンツ」を作るということ
- ステップ1対象が誰なのかを理解する
- ステップ2人間関係に重点を置く(4/7公開予定)
- ステップ3「作業終了」=「完成」ではない(4/7公開予定)
- ステップ4休息を取るべきときを知る(4/14公開予定)
- ステップ5もっと発展的に活用する(4/14公開予定)
この記事では、筆者がオウンドメディアのために「ビッグコンテンツ」を作った事例をもとに、そうしたコンテンツを作るためにどんなことが必要で、どんなことに注意すべきかを解説する。
そのコンテンツとは、筆者の会社のコアである「オンラインコミュニティを作る」ことのガイドだ。
自社サイトに「ビッグコンテンツ」を作るということ
コンテンツは、驚くほど強力な統合マーケティングツールだ。コンテンツで何ができるか、主だったものを挙げてみよう。
- 関係を築く
- ブランドに対する信用と信頼性を高める
- リンクを獲得してドメイン名のオーソリティを向上させる
- 自サイトのオーディエンスとリーチを増やす
- コミュニティを育てる
- 適切な顧客からのコンバージョンを得る
あなたがWebコンテンツを活用する理由が、上に挙げたような目標を自らのビジネスで達成するためならば、道筋は正しい。だが留意してほしい。あなたが作るコンテンツはすべて、「より高い目的」に貢献すべきだということだ。
コンテンツを作るのは、マーケティング用のToDoリストをこなすためだけではない。重要なのは、コンテンツを活用してビジネスに差をつけることだ。
ビッグコンテンツの世界へ足を踏み入れる
最近まで、当社Mack Web Solutionsが自社ブランドのために作ってきたコンテンツは、ブログ投稿、インフォグラフィック、スライド資料などだった。だが数週間前に、今まで書いた中では最大規模のコンテンツを公開した。オンラインコミュニティの作り方を指南する147ページのガイドだ。
ここでは、次の3つのことを説明する:
- このビッグコンテンツを作って公開するまでに私たちが歩んだ主要な5つのステップ
- そこから学んだこ
- このビッグコンテンツのおかげで当社が達成できた「より高い目標」
ここで当社のガイドを宣伝するつもりはない。それよりも、私たちが初めてのビッグコンテンツ作りの過程でたどった戦略の各段階を記録することで、読者が同様の旅に出ることを奨励し、道案内ができればと期待している。
現在までに、私たちが作ったコンテンツは約1900回ダウンロードされているし、他にもたくさんの指標が私たちの成功を示している。これをまとめるのは本当に大変な作業だった。さて、ここからは、私が共有したい戦略上のヒントを紹介しながら、進め方を簡単に話していこう。
戦略的ビッグコンテンツ制作ステップ1
対象が誰なのかを理解する
ビッグコンテンツにリソースを投じようと考えているなら、なぜ作るのかだけでなく、誰を対象に作るのかをはっきりと理解しておく必要がある。
私たちの望みは、実際のコミュニティ作りに必要な取り組みについて、このガイドで正確に説明することだった。
当初から、147ページもあるコンテンツを誰もが喜んで読みたがるとは思っていなかった。それで構わない。私たちは、このボリュームでも読みたいと思う人のために、このガイドを作り上げた。つまり、このガイドを実際に活用してくれるであろう人々だ。
きっかけ
Mozのイベント「MozCon 2012」に参加した際、私はRaven Toolsの共同創設者であるジョン・ヘンショー氏と朝食をともにした。私はヘンショー氏に、カンファレンスで講演することに関心があると伝え、次のように尋ねてみた。
業界で私自身や当社のことを知ってもらうには、何から始めればいいでしょうか。
ヘンショー氏のアドバイスは、次のようなものだった。
何かツールを作り、それを無償で提供してみてはどうか。
そうか、「ツール」はWebサービスやアプリとは限らないのか
役に立つツールの開発につながりそうな気の利いたアイデアをうっすらとでも思いつくまでに、それから数か月を要した。
私は当初、「ツール」という言葉を文字通りに考えていた。つまり、プログラミングと開発が必要なアプリかプラグインのようなツールを作ろうとしたのだ。将来はそうしたことも当社に関係してくるのかもしれないが、現時点で私たちが持つ既存のリソースとは結び付きそうにないものだった。
私たちは、この先8か月もの間、その「ツール」に取り組むのだから、私たちがやっていることと自然に調和するものでなければならなかったし、私たちが本当に情熱を注げるものである必要があった。
こんな風に考えていると、ひらめきの瞬間が訪れた。
私たちが常にやっていて、しかも大好きなことの1つに、オンラインコミュニティを作ることがある。人や企業を手助けするのに、コミュニティ作りを支援する「ツール」を開発するよりもいい方法があるだろうか?
チームのみんなとアイデアを議論していくなかで、これから作るツールを本当に使えるものにしたいなら、この時点で明確にしておかなければいけないことが見えてきた。それは、次のようなことだ。
私たちが提供するのは、「私たちの顧客が必要とするもの、つまり、コミュニティとコミュニティに集う人々が必要とするもの」に関するツールでなければならない。
決して、「私たち自身や私たちがやりたいこと」に関するツールであってはならない。
これは、今まで私たちが企業に対してさんざん言ってきたアドバイスだった。そのアドバイスに、私たち自身が従わなければならないことに気づいたのだ。
初めてのビッグコンテンツ、スタートへ
私たちは、「ツール」を「ガイド」と定義し直し、その「ガイド」を書き始めることにした。それが、我々にとって初めてのビッグコンテンツだった。
ガイドに方向を変えた理由は次の通りだ。
ニーズに応えたい
コミュニティ作りのためのガイドを作ろうと決める前に、私たちはある調査をして、そうした種類のリソースがないということに気がついた。
私たちがこれから作ろうと計画しているものは、すでに世に出ているコミュニティ作りの知識にユニークな価値を加えることだろう。
加えて、SEO業界の変化のペースを考えれば、キーワードやグーグルのアルゴリズムの先を考えようとするSEO担当者、マーケター、代理点、企業などにとって役立つものになることもわかっていた。
ムーブメントを起こしたい
私たちは、私たちの会社が業界のリーダーとしての地位を確立する足がかりを得たかっただけでなく、マーケティングに対する多くの企業の見方や評価の仕方も変えたかった。
私たちは、マーケティングに対する数々の努力はほぼ確実に、企業全体としての目標達成につながり、売り上げの増加をもたらすという哲学を持っている。だが、そうした取り組みはさらに、企業経営の手法や、生涯つきあってくれる顧客のコミュニティを育成し関わっていく方法を変えることもできる。
私たちがこれから作るガイドは、その方向に向けての最初の1歩になると思っていた。
培ってきた経験を提供したい
見込み顧客を「コンバージョンのじょうご」の下部へと流すのに役立つ強力なリソースを手に入れたかっただけでなく、このリソースを、「私たちと一緒に仕事をするとどうなるかということ」を間接的に伝えるものにもしたかった。
このガイドを通じて、私たちの専門知識、個性、製品の品質、活力、サービスのレベル、企業の目標達成に向けて私たちが積極的に手助けできることを、明確に宣言したかった。
ここまでは私たちのストーリーだ。では次に、あなたのことを考えてみてほしい。
- あなたがターゲットにすべき相手は誰だろう?
- ビッグコンテンツについて考えた場合、そのメッセージを真正面から本当に伝えたい相手は誰か?
- 本当につながりたい相手は?
- あなたが価値を見いだしているものは何か?
- あなたは、どんな哲学を持っているのか?
- 適切なオーディエンスを引きつけるられるように、そのビッグコンテンツでその価値や哲学をどうやって伝えられるだろうか?
この記事は、前中後編の3回に分けてお届けする。中編となる次回は、ステップ2「人間関係に重点を置く」とステップ3「『作業終了』=『完成』ではない」について説明する。(次回は4/7公開予定
- 内容カテゴリ:SEO
- コーナー:Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:自社サイトを強化する「ビッグコンテンツ」を作るための5つのステップ(前編) [Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.