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良いフォームの条件と、入力フォーム最適化(EFO)に関する 4つの基本+2つの本質 [編集長ブログ―安田英久] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 3.5

今日は、「良いフォームとはどんなものか」を考え、コンバージョン率をアップさせる入力フォーム最適化(EFO)の基本を紹介します。問い合わせフォームや申し込みフォームなどを改善するヒントにしてください。

良いフォームとはどんなものか

EFOを考える前に、まず「良いフォーム」というのは、どういうものかを考えてみましょう。企業側から見ると、良いフォームとは次のようなものではないでしょうか。

  • 申し込み数(フォーム入力完了数)が多い
  • ターゲットに合った顧客層の申し込み数が多い
  • ターゲットでない顧客層の申し込み数が少ない
  • 問い合わせ(「どうすればいいんですか?」などのサポート的なもの)が少ない

まぁ、フォームの話題なので上記の「数が多い」というのは「率が高い」ということなのですが(訪問者数を増やせば、数は増やせるので)、ここは、わかりやすさのために「数が多い」としています。

入力フォーム最適化(EFO)の4つの基本

では、入力フォームをどのように改善すれば、良いフォームにできるのでしょうか。基本としては、フォームを次のような状態にするための改善ということになるでしょう。

  • 入力項目数が少ない

    EFOの基本ですね。入力項目は少なければ少ないほうがいいです。

    特に「入力必須項目」「個人情報に関する項目」は、可能な限り減らしましょう。

    マーケの人は「社員数も聞いておきましょう」「電話番号も聞きましょう」と言うものですが、「それは何のために聞くの?」「入力されたデータをどう利用するの?」と強く聞いて、本当に必要な項目かどうか、検討しましょう。

  • ユーザーが入力するのにストレスがない

    Webユーザーは「面倒だ」「なんかイライラする」と思ったら、途中で放り出してしまうものです。次のようなことを意識しましょう。

    • 「半角」「全角」や「かな」「カナ」などの入力文字種を強制しない(入力された値をフォームやサーバー側で自動変換する)
    • 郵便番号を入力したら住所も自動入力できるようにする
    • メールアドレスをユーザー名部分とドメイン名部分別々に入力させない(コピペできなくなるので)
    • ラベルとフォーム要素が関連付けられていて選択しやすい
    • 入力作業全体のなかで、いまどの段階にいて、あとどれぐらいで作業が終わるのかをイメージできる
    • 項目の並び順がユーザーの脳味噌がイメージするものと合っている

    最後の項目はちょっとわかりづらいですが、たとえば都道府県が文字コード順に並べられていると、自分が選びたい県名を探しづらくなりますよね。地名は、次のような標準仕様に準じた並び順にしましょう。

    また、入力エラーはフォーム送信後にエラーを表示するのではなく、できるだけ入力中にJavaScriptなどでチェックしてその場で修正してもらえるようにするというのも、ユーザーのストレスをなくすのに良いでしょう。

  • 各項目にどんな内容を入力すべきなのかわかりやすい

    たとえば、次のようなことですね。

    • 入力例が具体的に示されている
    • 入力要素とラベルがわかりやすい位置関係にあって、目線があちこち移動しなくてもスムーズに入力できる
  • ユーザーを逃さない

    残念ながらユーザーは移り気です。フォームと関係のない他のページへのリンクに気を取られてクリックしてしまうと、戻ってきてくれない場合もあります。

    フォーム入力に関係のないリンクは、できるだけフォームページには置かないようにしましょう。

本当に効くのは「入力する気の促進」と「不安の解消」

でも実は、良いフォームを作るには、次のような要素が一番大切なのではないかと思っています。

  • そのフォームを入力することで得られるメリットを、あらかじめ理解してもらえている

    得られるメリットが、入力の手間や面倒よりも大きければ、入力を進めてくれます。

    フォームを送信すれば間違いなく1億円もらえるのならば、多少は面倒だったり作りが悪いフォームだったりしても、がんばって入力しますよね。

    フォームにたどり着いたユーザーが、すでにそのフォームを送信する気になっているというのは、大きなポイントです。

    そのためには、フォームに入力して得られるメリットを、明確に、ユーザーのニーズに合う形で、ちゃんと伝えるようにしましょう。

  • そのフォーム入力・送信に関する不安を、あらかじめ解消できている

    1億円もらえるといっても、代わりに一生奴隷になるといった条件が付いていたり、相手が暴力団だったりしたら、怖くて申し込めないですよね。そもそも、「そんなことがあるはずがない、詐欺だろう」という疑いがあるはずです。

    そうした不安を、フォームに至る前(またはフォームを入力中に気になるタイミング)で解消できているというのは、大きなポイントです。

    ユーザーは、いろいろな不安を抱えています。たとえば次のようなものです。

    • クレジットカード番号や個人情報を入力して大丈夫なのか
    • 本当に商品が届くのか(この会社が信用できるのか)
    • このフォームを送信したら後から営業電話がかかってきて面倒なんじゃないか
    • 自分のような人間は相手にしてくれないのではないか

    どんな不安を解消するべきなのかを知るには、ただ想像するだけでなく、実際のユーザーを観察したりヒアリングしたりするのが一番です。

前述のフォーム改善は、ユーザーが面倒だと思って離脱してしまわないようにするものですが、そもそも「多少面倒でも、ぜひ入力したい」と思ってもらえばいいのです。

フォームを細かく修正しても、完了数は数パーセント~2桁パーセント程度の改善というのが一般的ですが、この部分を改善するだけで完了数が10倍以上になったという事例も、実際にあります。

ちなみに、前述の基本ルールに「他のページに離脱するリンクをなくす」というものがありましたが、単純にリンクがなければいいのではなく、ユーザーが抱いた不安を解消できるようにするリンクはアリだと思っています。

その他のフォーム改善に関する情報

おまけとして、ここ最近で気になったフォーム改善に関する情報をメモしておきますね。

この記事の筆者
ユーザー 安田英久(Web担 編集長) の写真

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

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