マット・カッツが明言「TwitterもFacebookも、検索順位の要因として特別扱いしてない」
それでもソーシャルメディアは重要(Google Webmasters on YouTube)
グーグルのマット・カッツ氏は、ツイッターとフェイスブックに対するグーグルの現在の扱いについて、次の2点を明確にした。
ツイッターもフェイスブックも特別扱いしていない。通常のウェブページと同じようにインデックス処理しているだけだ。
フォロワーの数やいいね!の数などの、いわゆるソーシャルシグナルは、順位付けには利用していない。
それぞれの理由は以下のとおりだ。
ツイッターやフェイスブックを(効果的に)クロールするようにエンジニアを割いたことがかつてあったが、1か月半にわたってクロールをブロックされてしまった。今後またこのような事態が起こる可能性があるので、警戒している。
ソーシャルメディアでのつながり関係など、個人情報の変化を即座に反映することが難しい。
これを聞いて、「じゃあツイッターもフェイスブックもSEOには関係ない」と結論づけてしまうのは早計だ。ツイッターやフェイスブックに限らず、ソーシャルメディアは自身をプロモーションしてファンとの関係性を築くために欠かせないツールだ。間接的にはSEOにも役に立つはずだ。
順位を上げることを目的とせずに、ユーザーと適切にコミュニケーションすることで理解してもらいファンになってもらうことを目的に、ソーシャルメディアを適切に活用したい。
ちなみに後者の変化の反映について、筆者の意見だが、通常のウェブページに比べるとソーシャルメディアの状態はずっと変化が激しいというのも、最新状態の反映が難しい大きな要因になっているのではないだろうかとも考えた。
また動画の後半でマット・カッツ氏が「10年後には、だれがどこでどんなコンテンツを書いたか、そしてその人がどんな人間関係なのか、わかるようになっているだろう(今はまだ無理だけど)
」と言っているのも興味深い。やはり、グーグルはコンテンツの著者を軸に判断するという方向性を強めていくのだろうか。
日本語で読めるSEO/SEM情報
グーグルのスマホ版クローラ名から「Mobile」が消えて「Googlebot」に
影響がないかチェック(Google ウェブマスター向け公式ブログ)
グーグルは、スマートフォン版クローラのユーザーエージェント名(UA)を変更することを発表した。3~4週間後に実施予定だ。
スマホ版クローラのユーザーエージェント名に使われるキーワードは、次のようになる。
現在 | Googlebot-Mobile |
---|---|
今後 | Googlebot |
つまり、「Googlebot」の部分はデスクトップ版と変わらなくなり、スマホ版かどうかの判別は「iPhone」「iPhone OS」の部分で行うことになる。
具体的なユーザーエージェント名の例は次のとおりだ。
Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 6_0 like Mac OS X) AppleWebKit/536.26 (KHTML, like Gecko) Version/6.0 Mobile/10A5376e Safari/8536.25 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)
フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)のクローラに変更はない。
影響を受けるURLは全体の0.001%未満とのことなので、対応が求められるサイトはほとんどないはずだ。しかしながら、ユーザーエージェント名での振り分けでGooglebot-Mobileを指定していたり(普通は指定しない)、Googlebot-Mobileを対象にrobots.txtを記述していたりしたら、修正の必要が出てくるかもしれない。チェックしておこう。
検索クエリレポートはやっぱり信用できない
日本のSEO実力者も疑っている(辻正浩 | Masahiro Tsuji (tsuj) on Twitter)
so.laの辻正浩氏が、グーグルウェブマスターツールの「検索クエリ」の数値についてこんなツイートを残していた。
Googleウェブマスターツールの検索クエリ機能で出てくる数値、実数とのズレの傾向は掴めないかと色々見てたけど諦めた。そういうレベルの差じゃないっぽい。改善されて期待してたけど、やはり参考値なだけだなあ。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2014, 1月 25
実数値になっても「検索クエリ」の数値には実際のデータと大きな開きがあるという意見があり、信頼できないと結論づけた海外での分析結果を、前回の注目ピックアップで紹介した。日本のSEO界の実力者も同様の見解のようだ。
すべてのサイトでということではないのだろうが、傾向もなく、無視できないデータの差異がどうして見られるだろうか? 原因を知りたい。
SEO業者のスキルを測るための3つのポイント
2つ目と3つ目に同感(ウェブライダー松尾茂起(松尾シゲオキ) (seokyoto) on Twitter)
業者のSEOスキルを測るための基準として、ウェブライダーの松尾茂起氏が以下の3つをツイッターで挙げた。
- 独自ドメインでつくったサイトを1年以内にビッグワードで上位表示させているか(最初から強いドメインを使って上位表示させるのは簡単)
- リンクを張る人の気持ちを考えてコンテンツを提案できるか
- きちんとした内的SEOの知識があるか
1つ目は、ブラックハットな手法でも達成できなくはないので違った意味での実力になってしまうかもしれないが、2つ目と3つ目はたしかにそのとおりだと筆者も考える。
被リンクが今でも重要なSEO要因であることは、松尾氏による以前のツイートを引用して前々回このコーナーで説明したとおりだ。そのリンクは捏造するものではなく、自発的に張られたもの(オーガニックリンク)でなければならない。自発的にリンクが張られるには、リンクを張りたくなるようなコンテンツが必要になる。そんなコンテンツを提案できるSEO業者は、頼もしい存在だ。
内的SEOは今までも重要な要因だった。しかしバックリンクだけでも上位表示が達成できていた時代には、ないがしろにされていた傾向にある。不自然なリンクの取り締まりが強化された今、内的SEOの重要度は高まっている。検索エンジンにクロールやインデックスされやすく、内容をきちんと理解してもらうための内的SEOは実は奥が深い。人工リンクを張ることしかできなかったSEO業者は、そのスキルに乏しいであろう。
あとは、発注前にそれをどう判断するかなのだが……。
リダイレクト元URLのクロールエラーを報告するようにウェブマスターツールが改善
実際にそったレポート(Google ウェブマスター向け公式ブログ)
グーグルウェブマスターツールの「クロールエラー」にレポートされるエラーの扱いに変更があった。対象となるのは、リダイレクトが関係するURLだ。
ページAからページBにリダイレクトしていたとする。クロールエラーが起きている場合、エラーが発生しているURLとしてページAがレポートに出てきた。しかしエラーのHTTPステータスコードを実際に返しているのはページBだ(ページAは、301または302の転送を示すHTTPステータスコードを返す)。そこでこれからは、エラーが発生しているURLとしてページBがレポートに出るようになった。
クロールエラーを診断する際は、リダイレクト元URLではなく実際に404を出しているURLがわかったほうが、都合がいい。良い改善と言える。
グーグル検索の「もっと見る」の種類が減ってしまった
適切なカテゴリだけ(グーグル ウェブ検索ヘルプフォーラム)
検索結果の「もっと見る」オプションを使うと、「ブログ」「ショッピング」「レシピ」などカテゴリごとの絞り込みができる。
しかし検索クエリによってはいくつかのカテゴリが表示されないようになり、選べるカテゴリが減った。ユーザーの役に立つと思われるカテゴリだけが表示されるようだ。
絞り込みができなくなったカテゴリの結果は、通常の検索結果には引き続き表示されるとのことである。
ウェブ担当者としてではなく検索ユーザーとしてのニュースになるが、「もっと見る」の絞り込みを利用していたひともいるだろうと思い、紹介することにした。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
URLの作り方とゲスト投稿に対するグーグルの扱いについての記事を今週はピックアップ。
- SEOのために、商品名やカテゴリ階層をURLに入れる必要はない
SEO要件としては不要 - Googleのマット・カッツ、リンク獲得が目的のゲスト投稿にダメ出し
背景を理解することが重要
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
米国のSEOプロも断言「リンクは終わってない」
価値がないリンクが評価される時代が終わっただけ(Rand Fishkin on Quora)
正当なSEOの戦略としてのリンク獲得は本当に終わったのですか?
Q&Aサイトに投稿された質問に、Mozのランド・フィッシュキン氏がコメントを返した。
簡単に強化できて検索ユーザーに価値を与えないバックリンクは、終焉に向かい始めてしばらく経っている。
楽に強化できて、比較的簡単に実行できるやり方を見つけたとして、その方法で、
- 自分のブランドの評判がもっと良くなる
- サイトの質がもっと高まる
- 訪問者がもっと喜ぶ
といったことにほとんど影響しないなら、間違いなく、最終的にはグーグルはそのリンクの価値をなくすだろう。
グーグル(とすべての検索エンジン)は、「そのサイトやページやブランドがほかよりも上位に表示するにふさわしい選択だと正確に指し示すリンク」だけを評価する必要がある。この15年間、検索エンジンは徐々にその現実に近づいてきている。結果として、SEOは以前よりも能力が試され、繊細で、何か間違えるとすぐに検索エンジンに見つかってしまうようなものになってきている。
こんな状況ではあるが、それでも、リンク獲得は終わってはいない。これまでMozのリンクビルディング関連の記事をざっと見てみたところ、どれも今でも有効な価値がある有用な戦術だ。すぐには拡大できないし、実行するのは特別容易でもない。多くは、サイトとコンテンツ、ユーザーとの関係性とブランドの知名度を改善する必要があるからだ。
これのいいところは、リンクビルディングが困難で能力が試されるものになればなるほど、もっと価値があるものになり、リンクビルディングができる人の需要が高まることだ。SEOをやる人で、この能力を身に付けることに踏み出せる人は、(より良い検索結果から利益を受ける検索者と同様に)リンクを取り巻く環境の変化を歓迎するだろう。
前々回の注目ピックアップでも取り上げたように、本来検索エンジンが評価したいオーガニックリンクの価値はなくなっていない。価値がなくなったのは、検索エンジンを欺くために人工的に集めたリンクだ。まだ完全には遠いとしても、不正なリンクを見破るグーグルの能力が日に日に向上していることは疑いようのない事実だ。
「削除ページ ⇒ 301 ⇒ 404」はやってはいけない
ありがちな構成ミス(Bill Slawski (bill_slawski) on Twitter)
グーグルが申請した特許研究の第一人者として名高いビル・スロースキ氏のツイートを紹介する。
When you remove a page from a site, attempts to access that page shouldn't 301 redirect to a 404 page. :)
— Bill Slawski (@bill_slawski) 2014, 1月 25
サイトからページを削除したときは、そのページヘのアクセスを404ページへ301リダイレクトすべきじゃない。
わかりやすく言い換えると、「削除したページへのアクセスを、404を返すページへ301リダイレクトしてはいけない」ということだ。こういった間違った構成のサイトが多いらしい。リダイレクトなどせずに、削除したページのURLが404のエラーコードを返すようにする。
リダイレクトしたうえに、さらにリダイレクト先のページに中身がないにもかかわらず200を返すのは、言うまでもなく論外だ。検索エンジンが嫌うソフト404になってしまう。
意外と知られていないウェブマスターツールの「アドレス変更」の仕組み
必須ではなくオプション(Google Webmaster Help Forum)
サイトのドメイン名を変更した際は、グーグルウェブマスターツールの「アドレス変更」ツールを使用すると、サイトが移転したことをグーグルに通知できる。
このツールについてありがちな2つの質問が英語版の公式ヘルプフォーラムに投稿され、グーグル社員のジョン・ミューラー氏が回答した。
ミューラー氏の説明も参照しながら、「アドレス変更」ツールに関して知っておくべき仕組みをまとめておく。
サイト移転時にこのツールを使うのは必須だというわけではない。何もしないよりも、ドメイン名の変更をグーグルに速く処理させることができる補助的なものと考える。
移転元と移転先の両方のサイトの所有権をウェブマスターツールで事前に確認しておくこと。
「ルートレベルのドメイン名(example.comまたはwww.exapmle.com)」の移転のみ利用可。サブドメインやサブディレクトリの移転では利用不可。
301リダイレクトでの転送設定が完了していることが条件。
180日間有効。ただしグーグル側で移転が正常に処理されているなら、180日を過ぎても再び実行する必要はない。
ドメイン名を移転したドメイン名がツールを使わなくてもグーグル側で正常に処理されているならば、改めてツールを実行する必要はない。
頻繁に使うツールではないが、使う機会が出てくることもあるだろう。上記の仕組みを覚えておくといい。
グーグル、ナレッジグラフと検索の融合を進める
まだまだ序の口(Inside Search)
グーグルはナレッジグラフを個々の検索結果に組み込む機能を導入した。
検索結果に出てきたページが著名なサイトであった場合、そのサイト名をURLのあとに表示する。そのサイト名をクリックするとそのサイトの簡単な説明がポップアップ形式で飛び出てくる。
ここに出てくる説明はナレッジグラフに基づいているとのことだ。通常、ナレッジグラフは検索結果とは別に、検索結果ページの右側あるいは上部に出てくる。しかし検索結果に組み込まれたのは興味深い。今後もナレッジグラフと検索の融合が進んでいくに違いない。
今のところは米グーグル(google.com)で利用できる。
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- 内容カテゴリ:SEO
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