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すぐにオウンドメディアを強化できるウェブ接客サービス「ライブエンゲージ」ライブパーソンが日本法人で提供開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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企業サイト上でのユーザーの行動を把握したうえで、サイト上で訪問者とチャットしたり自動的にコンテンツをレコメンドしたりする、カスタマーエクスペリエンス向上のためのウェブ接客サービス「ライブエンゲージ」を、ライブパーソンジャパンが提供開始する。

米ライブパーソン社が日本法人としてライブパーソンジャパン株式会社を設立(代表取締役:深沢明生氏)し、12月4日に発表した。

オウンドメディアを強化するWeb接客サービス「ライブエンゲージ」

ライブエンゲージは、Webサイトへの訪問者がスムーズにその目的を達成できるように、オンラインで「おもてなし・接客」を提供するクラウド型のサービス。

ページに埋め込んだJavaScriptタグで各ユーザーのサイト上での行動を把握し、特定の行動をしたユーザーに対して次のようなことを行える。

  • レコメンド―― おすすめのコンテンツやクーポンなどを自動的にそのユーザーに表示する。

  • アクティブサポート―― オペレータとのチャット(テキスト・ビデオ・ボイスなど)にそのユーザーを招待して、直接やりとりする(やりとりはユーザーが招待を受諾したときのみ発生、ユーザーが入力した電話番号へのコールバックも可能)。

サイト訪問者がページを見ているときに、企業側からチャットサポートに招待すると、その招待が訪問者のブラウザに表示される仕組み。

同社では、こうした「One to Oneのウェブ接客」によって、「探している情報が見つからない」「エラーが発生して進めない」「簡単な質問にすぐに答えてほしい」「ログインに失敗する」といった問題を解決し、離脱率を下げてコンバージョン率を向上できるとしている。

通常、オウンドメディアを強化するにはコンテンツの増強やリニューアルなどを行うため、成果が出るまで数か月の時間がかかるものだが、ライブエンゲージを導入すると時間をかけずに短期間で成果を伸ばせるという。

行動分析に基づいたプロアクティブなコミュニケーションで
コンバージョンを増加、外部システムとの連携も

ライブエンゲージは、次の2つの機能から構成されている。

  • 顧客の行動を分析してターゲティングする機能
  • 特定のターゲットに対してプロアクティブにコミュニケーションを行う機能

顧客行動の分析とターゲティングには、さまざまなデータを使い、ルールを自由に設定できる。利用できるデータとしては、たとえば、次のようなものがある。

  • 検索エンジンからの訪問検索キーワード
  • サイト内検索キーワード
  • 閲覧ページ履歴
  • クリック
  • ページ閲覧パス
  • ページ滞在時間

こうしたアクセス解析のデータを使って「ページ間を行ったり来たりしている」「FAQページで検索した」「商品比較ページを60秒以上閲覧している」「送料のページを30秒以上閲覧している」などのユーザーに対してプロアクティブに働きかけられる。

また、外部データなどとも連携できるため、以下のようなデータも統合して分析やターゲティングに利用できる。

  • 予測アルゴリズムに基づく分析
  • 既存CRMなどの登録データとの接続
  • オフライン行動データとの接続
  • その他サードパーティのデータや分析との接続

こうしたデータに基づいてカスタムで行動ターゲティングを行うことで、「一押しすると購入に至りそう」「この人はこういうことで困っていそうだ」という人にプロアクティブにアプローチできることが、ライブエンゲージと他のチャットサポートツールとの違いだ。

ユーザーの行動をトラッキングして行動ターゲティングモデルを作り、どういう行動のユーザーに対応すればコンバージョンが増えるかをデータ分析から予測していくことで、効果的にコンバージョン率を向上できるため、既存の導入顧客では、「コンバージョン率が20%以上向上」「平均購入単価が35%向上」「サポート担当の接客数が20%向上」といった実績が出ているという。

同社によると、平均では大きなサイトでは、チャットを招待するのは訪問者全体の10%~15%程度。招待を受け取った人でコミュニケーションを開始するのが訪問者全体の2%程度で、チャットなどによってコミュニケーションした人は、その後コンバージョンする率が25%になるという。

また企業側に視点を移すと、オペレータ1人がライブエンゲージメントを使って対応できるのは1時間あたり10人~15人程度ということなので、そのうち2人~3人がコンバージョンすることになる。

日本パートナーは電通レイザーフィッシュ・ISID・ヴィクシア

日本での展開としては、日本法人設立のほか、電通レイザーフィッシュISID(電通国際情報サービス)との戦略的パートナーシップを締結したことも発表している。この2社と、2013年5月に提携しているヴィクシア(もしもしホットラインの部分所有子会社)の3社が、初期の日本パートナーとなる。

利用料は、「エンゲージメント」発生ごとの従量課金。エンゲージメントとは、チャットの開始やクーポンの提供などの行動のことで、何をもってエンゲージメント発生とするかは、サイトごとに決定するという。

平均的な利用料は、エンタープライズ企業では月額100万~200万円程度だとしている。

ロバート・ロカシオ氏

米ライブパーソン社創立者兼CEOのロバート・ロカシオ氏は、次のように言っている。

Webサイトは自動販売機ではなく、オンラインの店舗です。ライブパーソンが日本市場にマッチする理由の1つに『おもてなし』がある。米国にはこうした概念はないが、最高のサービスを提供して顧客に満足してもらうという文化のある日本には、ライブパーソンはマッチしている

ライブパーソンは金融サービス、通信、旅行、リテール、ITといった業界の顧客が多く、世界で8000社が導入している。日本でもアドビ、IBM、マイクロソフト、シスコ、ミズノといった企業が導入済み。

ライブエンゲージメントでの訪問者とのやりとりは、既存のコールセンターで行うことも多いが、すでに導入が進んでいる欧米では、営業スタッフがライブエンゲージメントを通じて顧客とやりとりをするケースが、特に金融機関などで増えてきているという。

オウンドメディアの強化を時間をかけずに行える

電通レイザーフィッシュ代表の得丸氏は、ライブエンゲージメントのサービスの、マーケティング全体での位置づけについて、次のように説明する。

ライブエンゲージメントは、マーケティングファネル全体のなかの、検討・コンバージョン・フォロー・関係作りといった部分に該当するサービスです

昨今ではマーケティングファネル上部の集客の部分はさまざまなアドテクノロジーが出現して可能性が広がっており、比較的短期間で成果が出るため、多くの企業が積極的に活用している。

しかし、集客後のオウンドメディア上での接客に関しては、そこまでは進んでいない。何か施策をしようとするとコンテンツ作成やリニューアルなどが必要になり、成果が出るまでに時間がかかることなどもあり、その前段階と比べると、まだ活用されていない状況である。

ライブエンゲージメントは成果が出るまでの時間が短いため、まだ伸ばす余地があるオウンドメディア上での施策としては導入しやすいはずだ」(得丸氏)

金融機関の要求を満たすセキュリティ監査

また、同サービスの特徴として、セキュリティ監査を厳格に行っていることが挙げられる。

オウンドメディアにJavaScriptを埋め込むため、悪意をもった者にライブエンゲージメントのサーバー側が攻撃された場合には、自社サイトの訪問者が被害を受けることになる。

しかしライブパーソン社では、顧客である金融機関が求めるセキュリティ対策とその監査を行っているため、セキュリティ面での利用リスクは、金融機関のオンライン取引を行う場合と同様のレベルになっているということだ。

必要ならば、サードパーティクッキーではなくファーストパーティクッキーを使うことも可能だとのこと。

場合によってはチャットを通じて訪問者の個人情報などをやりとりする場合があるため、こうしたセキュリティ面での信頼性は、利用企業としても大きな安心感につながるだろう。

SLAは99.998%稼働。日本に最も近いサーバーは英国でオーストラリアのデータセンターも近々設置予定だが、アカマイのCDNによるキャッシュがされているため、動作パフォーマンスなどは問題がないということだ。

この記事の筆者
ユーザー 安田英久(Web担 編集長) の写真

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

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