前回は、新しいセグメント機能の基本インターフェイスなどを解説したが、今回は新しい強力なセグメント機能を使って、自分専用のセグメントを作成する方法について解説する。
記事の後半では、「コンバージョンしたユーザーが、コンバージョン以前にいつごろからどんなコンテンツを見ていたかを調べる」方法も解説している。
新しいセグメント機能の基本は前回の記事を参考にしてほしい。
新しいセグメントの作り方(基本編)
図1は[ユーザー]>[サマリー]レポートの左上部分だが、「チェックマーク」のようなアイコン表示(図1赤枠部分)が新しいセグメント機能だ。
- グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面の左側にあるメニューで、[ユーザー]をクリックする
- メニューが開くので、[サマリー]をクリックする
レポートでセグメント機能のボタン((図1赤枠部分))をクリックすると、セグメント機能が下に出現するので、その左上にある[+新しいセグメントを作成]ボタンをクリックする(図2赤枠部分)。すると、セグメントの新規作成画面(図3)が表示される。
新規作成画面の左側(図3赤枠部分)がセグメントのカテゴリで、右側(図3青枠部分)が個々のセグメントの設定項目だ。
ユーザーの属性や興味でユーザーを抽出する「ユーザー属性」のカテゴリ
デフォルトでは「ユーザー属性」のカテゴリが選択されているので、その中の項目の年齢や性別など(図3青枠部分)からセグメントを設定する画面になっている。
性別、年齢、アフィニティ カテゴリ、その他のカテゴリについては、第75回の「ユーザーの属性や興味が分かる!「ユーザー」系の新レポートを一挙に紹介」で解説したが、その情報でセグメントする場合に利用しよう。
閲覧環境でユーザーを抽出する「テクノロジー」のカテゴリ
2番目の「テクノロジー」のカテゴリは、
- OS
- ブラウザ
- 画面解像度
- デバイス カテゴリ(PC、スマートフォン、タブレットの3種類)
- 携帯端末ブランド
といったサイト利用者の閲覧環境を指定するセグメントが集約されている。
訪問やトランザクションでユーザーを抽出する「行動」のカテゴリ
3番目の「行動」のカテゴリは図4のようになっている。
たとえば、レポート期間が過去1か月に選択されていたとしよう。その1か月で5回以上訪問数があった訪問頻度の高いユーザーを抽出したければ、図4青枠部分のような、
訪問数 | ≧ | 5 |
という指定を行えばよい。
またEコマースサイトでトランザクション数(購入回数)が過去1か月で2回以上のユーザーを抽出したければ、図4緑枠部分のような
トランザクション数 | ユーザーごと | ≧ | 2 |
という指定を行えばよい。
このように複数の条件を指定した場合は、全部で何個の条件設定がされたか表示される(図4黒枠部分)。
「ユーザー属性」や「行動」などのカテゴリをまたいで複数の条件を指定することもできる。すべての条件を設定してから[保存]ボタン(図3黒点線枠部分)をクリックすれば、それらすべての条件が掛け合わされた1つのセグメントが作成されることになる。
初回訪問したユーザーを抽出する「初回訪問日」のカテゴリ
「初回訪問日」カテゴリのセグメントは、図5のように、特定の期間や日に、計測対象サイトに初めて訪問したユーザーを抽出したい場合に選択しよう。
指定方法はシンプルで、「範囲」を選択(図5赤枠部分)した場合は、期間を指定するだけでよい。特定の1日を指定する場合は、プルダウンの選択を「範囲」ではなく「一致」にして、特定の1日を指定しよう。
流入方法でユーザーを抽出する「トラフィック」カテゴリ
「トラフィック」のカテゴリは、特定のキャンペーンやメディア、参照元、キーワードなどで流入した訪問あるいはユーザーでセグメントを指定できる。
トランザクションや収益でユーザーを抽出する「eコマース」カテゴリ
「eコマース」のカテゴリ(図6赤枠部分)は、たとえば、eコマースサイトで10万円を超える購入をしたユーザーの行動だけを抜き出したいといったセグメント(図6青枠部分)を作成できる。
- 自由にセグメントの設定を行う場合は?
- コンバージョンした顧客のその後の行動を分析する条件設定
- コンバージョンした顧客の、コンバージョン以前の行動を分析する条件設定
- 順番を指定できる「シーケンス」
- 新しく作成したセグメントを管理するには?
新しいセグメントの作り方(上級編)
自由にセグメントを設定したい場合は?
もっと自由にセグメントを設定したい場合は、「条件」(下に再掲した図3緑枠部分)をクリックし、各種指標やディメンションを選択して条件指定していこう。
フィルタ条件で「訪問」ベースか「ユーザー」ベースか選択(図7赤枠部分)し、各種指標やディメンションの条件を指定(図7青枠部分)し、複数の条件を「OR」や「AND」あるいは「+フィルタを追加」(図7緑枠部分)でつないでいけばよい。
コンバージョンした顧客のその後の行動を分析する条件設定
ここでは、少々変わったディメンションを使った例を示そう。図8は、2013年の7月(図8赤枠部分)に目標達成した(図8青枠部分)ユーザーをセグメントする設定条件だ。
この条件のユーザーが後日どのように行動したか、別の成果に結びついたかを分析できるので、顧客獲得月別にその後の顧客のライフタイムバリューを評価したいといった用途で利用できるというわけだ。
特定の期間に訪問したユーザーを指定するディメンションが「訪問日(YYYYMMDD)」(図8緑枠部分)なので、これを使うのだ。
コンバージョンした顧客の、コンバージョン以前の行動を分析する条件設定
もう1つ活用例を紹介しよう。
たとえば特定の時期にコンバージョンしたユーザーが、コンバージョン以前のどの位のタイミングでどのコンテンツに接触したのかを知ることで、検討に要した期間やコンバージョンに寄与したコンテンツを明らかにできないだろうか。
先ほどの例は、コンバージョンした顧客の後日の行動分析で、こちらの例は事前の行動分析になる。
まず2013年5月にコンバージョンしたユーザーのセグメントを作成する。前出の図8で「訪問日(YYYYMMDD)」の範囲指定期間が異なるだけで、基本的には同様のセグメントを作成する。
そして2013年5月を含めた過去90日間の集計期間を指定(図9赤枠部分)し、[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートを表示させよう。
- グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面の左側にあるメニューで、[行動]をクリックする
- メニューが開くので、[サイト コンテンツ]をクリックし、[すべてのページ]をクリックする
上部の折れ線グラフを見る限りでは、5月にコンバージョンしたユーザーのページビューは4月上旬から発生しており(図9青枠部分)、検討期間は1か月~2か月のようだ。
検討期間中やコンバージョンした訪問も含めて、どのコンテンツを見ていたかは[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート下部(図10)の明細から読み取ることができる。
たとえば、ページビュー数で第6位のコンテンツはページ滞在時間が14分を超え、大変長く見られているので、このコンテンツが後日のコンバージョンに大きく寄与していると考えられる。また、ページの価値も高い(図10赤枠部分)ので、コンバージョンした訪問時にこのコンテンツが読まれていたことがわかる。
8位のコンテンツもページ滞在時間は7分と長いので、関心が高かったページだと想像できる。しかしページの価値はゼロ(図10青枠部分)なので、コンバージョンした訪問では見られなかったページだということがわかる。今まではこういったページの存在を簡単に見つけることはできなかったが、これからは容易にこういったページを見つけることができるようになるわけだ。
順番を指定できる「シーケンス」
「シーケンス」(下に再掲した図3黒枠部分)は、順番を指定できるセグメントだ。「あるキャンペーンから初回訪問した人で、その後特定のコンテンツを見てから、コンバージョンに至った人」といった条件で抽出するためのセグメントを作成できる。
図11がその設定例だ。「シーケンスの開始」で「最初の通過地点」(図11赤枠部分)が選択されているが、「すべての接点」というものを選択することもできる。これは順番条件のステップ1を初回訪問に絞るのか絞らないかという違いだ。
また次のステップとの関係を指定する部分としては、直後に行われた場合に限るのか、何回か訪問した後でも良いのかによって別の指定をできる(図11青枠部分の「の直後のステップは」と「の次のステップは」)。
新しく作成したセグメントを管理するには?
最後に「アナリティクス設定」画面の方から、この新しく作成した「セグメント」の管理をする方法を解説する。図12は「アナリティクス設定」ボタンをクリックし、該当の管理画面で、ビュー(プロファイル)の「セグメント」のリンク(図12赤枠部分)をクリックした画面だ。
- グローバルナビゲーションの[アナリティクス設定]をクリックする
- 画面の右側にあるメニューで「ビュー(プロファイル)」を選択する
- 「パーソナルツールおよびアセット」の下にある、[セグメント](図12赤枠部分)をクリックする
すでに自分で作成した「セグメント」があれば、それが一覧表示(図12青枠部分)される。
新規に作成したセグメントはそれを元に別のセグメントを作成したり、他の人と共有したり、削除することもできる。図12緑枠部分の「コピー」「共有」「削除」のリンクがその機能だ。
また、この画面から新しいセグメントを作成したり、別の公開されているセグメントを取り込んだりすることもできる。それぞれ、図12黒枠部分の「+ 新しいセグメント」「ギャラリーからインポート」のボタンを使おう。
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オリジナル記事:【速報5】新しいセグメント機能で、自分専用のセグメントを作成する(第77回) [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum
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