来週(6/14)は、筆者SMX取材のためこのコーナーの更新はお休みです。次回6/21の更新をお楽しみに。
サイトのリニューアルでアクセスを激減させないための5つの注意点
温故知新な基本ネタ(SEOのホワイトハットジャパン)
ウェブサイトのリニューアルを期に、検索からのトラフィックが予期せず減ってしまったというトラブルはありがちな話だ。
サイトをリニューアルする時に気を付けたいポイントを5つ、こちらの記事では解説している。
- 意味のないURLの変更を極力行わない
- URLを変更する際には、適切に301リダイレクトの処理を行う
- タイトルタグの無意味な変更は行わない
- すでに成果の出ているリンク構造を考えなしに変更しない
- 出来る限りコンテンツの内容が伝わりやすいような仕様を意識する
非常に基本的な内容で、昔はこういう解説がよくされていたのだが、ここ数年はあえて説明されることがなかったトピックだ。
自分でやる際はもちろんのこと、ウェブ制作会社など外部にリニューアルを依頼する際にも読んでもらうといい。
日本語で読めるSEO/SEM情報
ペンギンアップデート2.0の分析結果よりももっと重要なこと
まじめにやること(SEMリサーチ)
先日導入されたペンギンアップデート2.0を渡辺隆広氏が分析し、その結果を公開した。
とはいえ、このコーナーの対象読者である一般のウェブ担当者は、興味があればざっと眺める程度で構わない。入念に読んでほしいのは、後半部分の「対策:まじめにやってください」からだ。
次のことに注意を払うように渡辺氏は促している。
- SEOを外注するなら、相手の信頼度をよく考える。
- 安全性ばかりをアピールするリンクサービスに注意する。
- 自分で自社サイトへのリンクをチェックする。
- 初歩的なウェブスパムを学ぶ。
- リンクをどこかからお金で買う、という発想を捨てる。
しっかりと読んで実行してほしい。特に、次のようなポイントは押さえておくこと。
技術的な安全性の強調は、「私たちはGoogleにバレないよう努力しています」という意味です。
SEOをするのであれば、「やってはいけないこと」も同時に学んで下さい。
初級者でも検索結果ページに商品・イベント・レシピ・レビューを出せるようにするグーグル公式ツール
構造化データをマスターしてグーグルを味方につけよう(Google ウェブマスター向け公式ブログ)
グーグルは、構造化データを利用しやすくするために2つのツールの提供を始めた。
- データハイライター
- 構造化データ マークアップ支援ツール
「データハイライター」は、HTMLを編集することなく、実際のウェブページを見ながら構造化データをグーグルに伝えることができるツールだ。
新しいツールではないが、サポートする構造化データの種類が増えた。今までは「イベント」だけに対応していた。新たに7つが加わった。
- 商品
- 地域のお店やサービス
- 記事
- ソフトウェア アプリケーション
- 映画
- レストラン
- テレビ番組のエピソード
「構造化データ マークアップ支援ツール」は、データハイライターとは違い、HTMLに構造化データを埋め込むためのツールだ。
優れているのはその使い方にある。データハイライターのように実際のウェブページを見ながら、各種の構造化データを指定していく。すると、元のHTMLにschema.orgの仕様で構造化データを埋め込んだHTMLを、最後に生成してくれるのだ。
生成されたコードをダウンロードして、ウェブサイトに構造化データを実装する際の参考用として使用できる。
「データハイライター」や「構造化データ マークアップ支援ツール」と、「構造化データテストツール」などの提供をみるに、構造化データの利用を明らかにグーグルは推進している。物事が持つ意味を理解するセマンティック検索をもっと向上させたいのであろう。
SEOをビジネスにしている人も一般のウェブ担当者も、構造化データについては早いうちにしっかりと学んでおくことを強く推奨する。間違いなく、グーグルを味方につけることができる。
不自然リンクのペナルティを解除するための6つのステップ
質の低いリンクの見極めが重要(SEO Imagination!ブログ)
不自然なリンクに対する警告を受けた際の対処方法を、SEO Imagination!ブログで伊藤氏がまとめている。順を追って説明しているのでわかりやすい。
- リンクのリストのダウンロード
- 不自然なリンクとそれ以外のリンクの切り分けを行う
- 不自然なリンクの削除を検討する
- 削除出来なかったリンクは否認ツールを活用してみる
- 再審査リクエストを送付する
- 再審査リクエスト送付の後にすること
不自然リンクの手動対応を解除するために必要な行動は、生産性に乏しいうえに精神的に苦しい。かといって放置しておくわけにはいかない。いまだに解除できていないなら、こちらの記事を参考にするといいだろう。
なお渡辺隆広氏による「Googleが問題視する『低品質なリンク』って、どんなリンク?」という記事も併せて読むことをすすめる。認識が甘いがために、デジタル資産として価値のある「良いリンク」まで取り去ってしまうケースがあるようだ。
ペンギンじゃなくてパンダからの脱出に成功しました。
どれが効いたのかはわからないけどためになる(電気設備SEO)
ペンギンアップデートの影に隠れて存在感がすっかり薄くなってしまった気がするが、パンダアップデートも検索史上に残るGoogleの大きなアルゴリズム更新だ。
パンダアップデートからの回復事例を公開した記事を紹介する。
行った施策は以下のとおり。
- 内容の少ないコンテンツのnoindex対応
- サイトの高速化(gzip設定)
- サイトの高速化(キャッシュ有効期限設定)
- サテライトサイトの削除
- 独自ドメインの取得
- 旧サイトのメタリフレッシュを廃止
- リンク登録サイトの登録解消
- コンテンツを本文上部に移動
- W3Cに準拠したHTMLタグの記載
- strongタグの復活
- meta name="keywords"の復活
これらの施策が本当に功を奏したのは確かめられない。功を奏していたとしても、どれが効いたのかを調べることも難しい(一部「これは関係ないのではないか」というものも含まれている)。
だが、パンダアップデートとは無関係に、質の高いサイトを作りあげるために取り組みたい施策も多い。参考にしてみよう。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
サイト移転の際に知っておきたい知識と、Google+と連携するWordPressプラグインについての記事を、今週はピックアップ。
- 301リダイレクトによるサイト移転時に重要なTIPSほか、気になる最新SEOのQ&A
グーグル社員から聞いた話 - Google+のコメントを表示するWordPressプラグイン: Google+ Comments for WordPress
WPブログにぜひ
- 記事広告からのリンクが有料リンクにならないようにグーグルが注意を喚起
- グーグル、リンク販売サイトのPageRankを一斉に下げる
- 検索アクセスが90%減った原因は著者情報……、ではなかった
- 不自然リンクの見分け方
- ウェブサイトの国際化対応に役立つ6つのTIPS
- Googleがウェブサイトを品質評価でランク付けする仕組み
- Googleは世界を壊滅状態に追い込むか?
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
記事広告からのリンクが有料リンクにならないようにグーグルが注意を喚起
検索エンジンとユーザーに開示すること(Google Webmaster Help on YouTube)
グーグルのマット・カッツ氏は、「アドバトリアル(Advertorial)」に対するグーグルのポリシーを、ウェブマスター向けビデオを通して伝えた。
アドバトリアルとは、記事の体裁をとった広告だ(日本では「記事広告」や「タイアップ広告」と呼ばれることもある)。一見すると普通の記事だが、実際には何らかのPRや宣伝を目的として書かれている。
ニュース記事やインタビュー記事だと思ったところ、よく見たら隅に「PR」と書かれた記事を新聞で見たことがあるだろう。あれに相当する。
アドバトリアルそのものには問題はない。しかしアドバトリアルを利用して有料リンクの売買が行われていることをグーグルは問題視している。
上位表示させたいキーワードのアンカーテキストで、アドバトリアル依頼主のサイトへ、記事中からリンクを張るのだ。アドバトリアルは広告であるからお金を払う。つまりグーグルが定める品質ガイドラインに違反する有料リンクにあたる。
またアドバトリアルであることを隠していた場合は、それを読んだ人間の読者は広告だと気付かないだろう。あたかも編集者による記事であるかのように見せて、騙すことになりかねない。
アドバトリアルについてマット・カッツ氏はガイドラインを次のようにまとめた。
検索エンジンに開示すること―― 有料リンクはPageRankを流してはならない
対処例: rel="nofollow"を付ける
読者に開示すること―― よく見える場所に明確に示す
対処例:「広告」や「スポンサー」を入れる
英国の大手フラワーショップが、アドバトリアルを悪用したリンク購入でグーグルに手動対応を与えられた事件が、実際に最近発生している。ひょっとすると記事を装った有料リンク販売が横行し始めていて、大々的に広がる前にマット・カッツ氏は釘を差したのかもしれない。
なおアドバトリアルによるPageRankを転送するリンクがガイドライン違反とみなされるのは、グーグルニュースにも適用されることにもマット・カッツ氏は触れている。
グーグルは、アフィリエイトや宣伝、広告など営利目的のコンテンツが混在するメディアをグーグルニュースの検索結果から除外する方針を公式ブログですでに通達している。
ニュースメディアサイト関係者はくれぐれも注意してほしい。詳細は、このコーナーの以前のピックアップで確認できる。
グーグル、リンク販売サイトのPageRankを一斉に下げる
PageRankの高さを売りにしたサービスは利用しちゃダメ(Matt Cutts (mattcutts) on Twitter)
グーグルは、「テキストリンク広告」として販売されているサイトのPageRankを大幅に下げた。
TextLinkAds、通称「TLA」と呼ばれるテキストリンク広告のサービスがある。TLAは、広告出稿者と広告掲載者を仲介する。
単なる広告ならよくあるサービスだが、検索エンジンのランキングを上げるための被リンクとしての広告を、TLAは公然と仲介販売しているのだ。
TLAが販売する広告を掲載する多くのサイトの(ツールバーの)PageRankを大幅に下げたことを、米グーグルのウェブスパムチームのトップ、マット・カッツ氏がツイッターで明からにした。
@mikrutd you might have noticed a big drop in PageRank on thousands of TLA linkselling sites a couple weeks ago.
— Matt Cuttsさん (@mattcutts) 2013年5月29日
2週間ほど前に、TLAのリンクを売っている数千のサイトでPageRankが大きく下がったことに気づいているかもしれない。
ほぼ同じタイミングで、渡辺隆広氏がこんな情報をツイートしていた。
久しぶりにPageRankチェックしてみたけれど、某者さんのディレクトリはマイナーなやつ除いて軒並み PageRank 調整されてるのかな、ご愁傷様です 料金支払った方はお気の毒ですが・・・
— Takahiro Watanabeさん (@takahwata) 2013年5月30日
この手のものを申し込む人は PageRank すらチェックしなさそうだから営業的に影響はないのかもしれませんが・・・ なんだかなー。
— Takahiro Watanabeさん (@takahwata) 2013年5月30日
今どき、ツールバーのPageRankを売りにして勧誘しているディレクトリに登録するほうがどうかしている。Web担の読者はくれぐれも注意してほしい。
余談かもしれないが、筆者がこのコーナーで書いた記事が、あるディレクトリサービス提供業者に、本来の趣旨とはまったく異なる趣旨で販促に利用されてしまった(こちらのピックアップ)。非常に心外だ。
PageRankの転送を謳った広告やディレクトリは、グーグルのガイドラインに違反する可能性が極めて高いことを忘れてはならない。乗せられないように、くれぐれも気を付けてほしい。
検索アクセスが90%減った原因は著者情報……、ではなかった
実はペンギン2.0にやられていた(Jitbit Official Blog)
著者情報を設定してグーグルの検索結果に写真が載るようにしたとたんに、検索からのアクセスが90%も激減してしまったサイト運営者がいた。
ウェブマスターツールには、「著しくクリックが減少した」という警告メッセージも届いていた。
「写真が良くなかった」「顔写真が出るのにふさわしい検索クエリでなかった」などいくつか原因が考えられた。ところが、検索トラフィックが激落ちした原因は著者情報ではなかった。
なんと導入されたばかりのペンギンアップデート2.0の影響を受けていたのだ。ペンギンで評価が下がり検索順位が落ちていたのだった。
グーグルのマット・カッツ氏が、ハッカー・ニュースというフォーラムで事実を伝えた。
マット・カッツ氏に指摘されたそのサイト管理者も白状している。自分のサイトに向かって、ポルノサイトからリンクが張られていたそうだ。
本人にしてみれば、笑うに笑えない笑い話だったというべきか。
不自然リンクの見分け方
最終的には目視でチェックするしかない(WebmasterWorld)
スパムリンクによって悪影響を受けているかもしれない。1,500本ほどのバックリンクが現在あるが、すべてのサイトが自分で認識しているサイトではない。
リンクの否認ツールを使おうと思っている。どれが否認すべきリンクでどれが否認の必要がないリンクなのか、見分けるにはどうしたらいいだろうか?
こんな質問がWebmasterWorldフォーラムに投稿された。
フォーラムメンバーがいろいろアドバイスしている。最終的には、知識と経験のある人間の目によって1本1本精査しなければならないだろう。
リンクの種類を分類したり不自然なリンクの目星をつける海外製のツールがあるが、完全に信頼するにはどれも程遠い精度のようだ。
ペンギンアップデートにせよ、不自然なリンクに対する手動対応にせよ、問題となるリンクを探し出すのは非常に骨の折れる作業だ。自動化はまず不可能だと考えていい。
自分が関与しない第三者によるスパムリンクはともかくとして、ツールを使ったり適当なSEO業者に頼んだりする不正なリンク獲得は絶対に利用してはいけない。後になって必ず痛い目を見る。
ウェブサイトの国際化対応に役立つ6つのTIPS
グーグルが採用している(Official Google Webmaster Central Blog)
ウェブサイトの国際化に関するTIPSを、英語版のグーグルウェブマスター向け公式ブログが公開した。
グーグル自身が実際に採用しているものだ。多言語・多地域向けサイト運営に役立つだろう。
以下の6項目について説明している。
- スタイルシートだけではなく、マークアップ内でi18Nに対応しておく。
- すべてのロケールに共通した1つのスタイルシートを使う。
- [dir='rtl']属性セレクタを使う。
- :lang() 疑似クラスを使う。
- leftとright関連の値を正確に合わせる。
- 細部に注意を払う。
グローバルサイトの運用といえば、「hreflang="x"」属性の利用が真っ先に思い付くのだが、実際の閲覧ユーザーに対してもページを適切に表示するためにも、こういった項目も取り入れてみたい。
詳細は公式ブログで確認してほしい。インターナショナルでサイトを運用しているなら、英文記事でも苦労しないはずだ。
ちなみに、ここでいう「国際化」(Internationalization)は、最初の「I」と最後の「n」の間に18文字あることから、英語で「I18n」と表記される。「多国語化」を意味する「L10n」(Localization)に加えて、文化や背景に関しても各国に合わせるという意味を含むものだ。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
グーグルが取得した特許に書かれているサイトの品質評価の仕組みを解説した記事と、グーグルと世界の関係性について論じた記事を今週はピックアップ
- Googleがウェブサイトを品質評価でランク付けする仕組み
パンダはこういった要素を見ているかも - Googleは世界を壊滅状態に追い込むか?
SEOとは直結しないけれど読んでみて
- 内容カテゴリ:SEO
- コーナー:海外&国内SEO情報ウォッチ
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