この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。今回は、セマンティック戦略を立てる際に便利なツールと、戦略の立て方について見ていこう。
関連性をマッピングする
関連性におけるプロファイルを積極的に改善するためにオフサイトの活動計画を検討する際に、最初に手を付けなければならないことがある。それは、セマンティクス(意味論)的世界で自分のサイトが、何にどのように「関連している」と考えられているのかを理解することだ。
具体例として、「コンテンツマーケティング」に関連する言葉にどんなものがあり、それらがどのように結びついているのか関連グラフを示す。
ここで喜ばしいのは、推測に頼る必要がないということだ。手順を効率化して手間暇のかかる作業をなくしてくれるツールがあるので、選りすぐりをいくつか紹介しよう。
セマンティックエンジン「CTRL」―― ページのコンテンツを向上させてくれるすばらしいツールだ。サイトの意味論的な最適化を効率的にやってくれる。ブログ投稿の本文テキストを貼り付けると、意味的に関係のある画像などのコンテンツを見つけてくれ、そこにリンクを張って取り込める。
LSI Keywords―― このところ、潜在的意味インデックスをテーマとするすばらしいブログがいくつか書かれている。このサイトもその1つで、うちのブログからもリンクしている。
このサイトについて書いたのは、今ではこのサイトが僕たちのアウトリーチ活動(リンク獲得のための働きかけ)の重要な要素になっているからだ。これからはどんな作業においても、このようなツールを使って関連性を確保することになるだろう。
意味的に関連するキーワードやフレーズをリストアップしてくれて、アウトリーチのやり方を広げるのに便利なツールがいくつかある。LSI Keywordsはその1つだ。
Bottlenose―― これは以前僕がここで紹介したことのあるツールだ。多様な情報、とりわけビッグデータを基にしたコンテンツキュレーションに適したサイトで、ここで提供されているツールの1つが、関連性の隔たりの度合いを理解するのにとても便利なのだ。
キーワードを入力するといろんなツールをスクロールで選べるが、使ってほしいのはその中にある「Sonar+」だ。このツールは、Twitter空間における共有や他のビッグデータに基づいて、コンセプト間の意味の関係をリアルタイムで視覚的にマッピングしてくれる。
グーグルのセマンティック演算子―― 独立したツールではないが、意味によるキーワードの関係性を明確にするのに便利な演算子だ。グーグルで検索する際、キーフレーズにチルダ(~)記号をつけると、グーグルがその言葉に関連づけている他の言葉を知ることができる。
たとえば「~travel」と検索すると、「Hotels」「Flights」「Holiday」「Tours」などを含んだ検索結果が表示される(そうした言葉も太字で表示される)。
Ubersuggest―― 正式にはセマンティクス的なツールと違うが、グーグルの予測検索エンジンに基づいており、そのまま使うと意味的に関連性のある検索語を返してくれるので、アウトリーチのためのキーワードをリストアップするのに便利だ。
以上紹介したツールはすべて、リンクを目的としたプロジェクトで使うと、キーワードをベースにしたアウトリーチ先の地図を作る武器になる。
アウトリーチの計画を立てる
関連性の高いリンクのためにアウトリーチしたい対象が見えてきたら、次は実行計画を構築する。
次の段階として、時間ベースのプロジェクト計画を作り、プロセスの各ステップを書き込んでいく。アウトリーチを実行する際は気を取られやすく、決めておいた意味の関連性の範囲から横道にそれてしまいがちなので、この作業は極めて大切だ。
われわれは、簡単なExcelの表を使って計画を作成している。たとえば、フィットネスブランドのための2週間のアウトリーチキャンペーンはこのようになる。
ご覧の通り、われわれは1つひとつのトピックに対して複数日にわたる予定を立て、意味的に関連性を持つ機会をできるだけたくさん捉えるようにしている。この計画書には、さらにアウトリーチの連絡先を追加し、それぞれとどんなやり取りをしたか記入していく。
アウトリーチをうまく行う方法については、(さまざまな記事で詳しく取り上げられて)おり、この記事でその点を掘り下げるには、もう長くなりすぎている。
ただ守るべき点を1つ挙げるとすると、各アウトリーチ先の検討は可能な限り徹底的に行うということだ。連絡手段は、
- 対面
- 電話
- 電子メール
の順番で考えること。この順番の後ろになるほど、リンク獲得の成功率は低くなる。
セマンティックを活用したプロジェクトにおいてオフページの活動で非常に興味が高まるのは、この仕事の本当の価値が何であるかについて、すなわち、キャンペーンの重要業績評価指標(KPI)としてのメトリクスは何にすべきかと考え始めるころだ。
リンクがいらないコンテンツ
リンクしてもらう必要のないコンテンツを投稿すると言うと、途方もない提案に聞こえるかもしれない。掲載順位や検索エンジンにおける露出度をメトリクスにして成功を評価している人だと特にそう感じるだろう。しかし、そうではない場合もある。
真のマーケティングとは、リンクのことではない。同じような興味と考え方を持つ人たちにブランドや企業を結びつけるのがマーケティングだ。リンクは単に、グーグルにおける露出度を高め、そうしたより多くの人々によりたくさん知ってもらうための仕組みにすぎない。
グーグルは、今のところ事業全体をリンクに基づいて構築しているが、本当はこのモデルを脱却し、ウェブマーケターがマスメディア広告のマーケターのように行動するよう動機づける必要があるということを理解している。こうして、前編の冒頭で紹介した「共起(co-occurrence)」という話になる。
この点に本当に関心がある人向けに、共起とは何でありどのように機能するのかについて、ビル・スロースキ氏とジョシュア・ジャルディーノ氏が専門的な素晴らしい記事を書いている。
ただし、簡単な用語で説明するなら、ウェブサイトやページの評価を、外部から張られたリンクに基づいてではなく、主要な検索語と強い関連性を持って「言及」された回数で行うということになる。
これは、根本的なルール変更だ。
何と関連しているのかを、役立たずなアンカーテキストを参照するのではなく、サイトについて人々が書くことや、一緒に使われることの多いフレーズからグーグルが算出できるとすれば、アウトリーチやコンテンツマーケティングのやり方は一変する。
リンクを探し求めることなしにすばらしいコンテンツをアウトリーチできると想像してみよう。自分がやっていることを人々に気づいてもらい、語ってもらうだけだ。これがあるべき姿であり、君が作成するコンテンツや目指すブランドマーケティング活動のタイプに根本的な影響を及ぼすだろう。
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セマンティクスを応用したオンページ最適化
セマンティックな「リンクビルディング」のもう1つの重要な要素として、関連性を拡大し、何に「ついて」なのかという範囲を広げることが考えられる。グーグルが検索結果の多様化を目指しているとすれば、自分を関連づけられる言葉や語句は多いほどよい。
これはつまり、レパートリーの拡大だ。ブランドに関係するものではあっても意味論的には話題の中心から外れたフレーズについてもっと多くの記事を書けば、関連する検索の数が増えて検索上位獲得に役立つかもしれない。
いろいろな意味で、すぐれたコンテンツ戦略はどう構築すべきかという問題と異なるものではないが、ここでは、セマンティック検索エンジン向けのコンテンツを設計する際に考慮するべき簡単なメモとポイントをいくつか紹介しておこう。
意味的な近接度
すでにみんな知っているように、グーグルのようなキーワードベースの検索エンジンに何に関するサイトなのかを理解してもらうには、「キーワードの言及」が有効だ。
これをさらに向上させるためにも、そのキーフレーズを同義語で補強しよう。「このサイトはその語句群に関連している」という強力な意味論的シグナルになるからだ。
次に、通常行うページの強化と同じように、URL、h1要素、太字や斜体などを調整して、一貫性を確保する。キーワードは、主要な修飾語やその他のリンクに近いほど、そしてソースコード内で最初の方にあるほどよい。
関連する語句群とキーワード共起
前述のツールを使い、ページの本文の中に共起語句を加えるようにする。
同義語キーワードのリンク
意味的に関連のあるキーワードから、より強力なキーワードが使われたランディングページにリンクを張り、意味的な主題を強化しよう。たとえば、「travel」(旅行)がキーワードのランディングページに、「holiday」(休日)「hotels」(ホテル)といった言葉でサイト内からリンクする
外部サイトにリンクする
これもまた新しい話ではないが、ヒルトップアルゴリズムで説明されているように、ニッチ内の「オーソリティ」や「エキスパート」のドキュメントを選んで行う。つまり、関連付けたい検索語ですでに検索上位にあるオーソリティの高いサイトを探すわけだ。
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オリジナル記事:SEOの未来は、セマンティックウェブとリンクのないリンクビルディング?(後編:セマンティクスツールと戦略) [SEOmoz - 検索マーケティングのニュース&テクニック] | Web担当者Forum
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