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AdWordsからのトラフィックをGoogleアナリティクスで分析する方法[第47回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 7 分

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

今回はいよいよ、Googleの広告サービスAdWordsからのトラフィックと、Webページの閲覧データを連動して解析する方法を解説しよう。その前提となるGoogleアナリティクスとAdWordsのアカウント間の連携に関しては、以下の第46回の記事を参考に設定してほしい。

AdWordsの構造を理解しておこう

Google アナリティクスでAdWordsの分析をする場合は、[トラフィック]>[広告]>[AdWords]配下のレポートを使う。まず、[AdWords]配下のレポート全体で共通のAdWords特有の構造をしっかり理解しておこう。これがきちんと理解できていないと、レポートを見ていくときに混乱する。

AdWordsでは、

「アカウント」>「キャンペーン」>「広告グループ」>「キーワード/広告」

という階層構造になっていて、左から右へ細かくなり、包含関係にある(図1)。

「キャンペーン」は予算、表示の地域、表示の時間を指定できる単位で、「広告グループ」は「キーワード」と「広告」の組み合わせを決める最小単位だ。

図1:AdWordsの階層構造
図1:AdWordsの階層構造

GoogleアナリティクスのディメンションとAdWordsの対応

[AdWords]配下のレポートには、「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」というディメンション名が出てくるが、これらはそれぞれAdWordsの「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」と同じ意味になる。注意したいのは「広告」で、AdWordsでいう「広告」はGoogle アナリティクスでは「広告のコンテンツ」に対応する

AdWordsの単位Googleアナリティクスのディメンション名
アカウントアカウント
キャンペーンキャンペーン
広告グループ広告グループ
キーワードキーワード
広告広告のコンテンツ

[AdWords]配下の各レポートでは、それぞれのディメンション間でドリルダウンができるようになっているものが多い。本稿では、AdWordsの単位に即して、指標をチェックする方法を次の順で解説していく。

  • 「キャンペーン」別に指標をチェックするには
  • 「広告グループ」別に指標をチェックするには
  • 「キーワード」別に指標をチェックするには
  • 「広告」別に指標をチェックするには

「キャンペーン」別に指標をチェックするには

まず、この「キャンペーン」と「広告グループ」ディメンションの軸からデータを見ることができるのが[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[キャンペーン]レポートである。上部に折れ線グラフの表示(図2)、下部にデータ一覧表示部(図3)のある標準的なレポートだ。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする
  3. メニューが開くので、[広告]をクリックし、[AdWords]をクリックする
  4. [キャンペーン]をクリックする
図2:[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[キャンペーン]レポート上部
図2:[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[キャンペーン]レポート上部
図3:[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[キャンペーン]レポート下部
図3:[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[キャンペーン]レポート下部

プライマリディメンションは、デフォルトで「キャンペーン」が選択されており(図3赤枠部分)、キャンペーン別に各指標を見ることができるレポートになっている。

デフォルトでは「利用状況」が表示されている

「エクスプローラ」タブ直下の部分は「利用状況」「目標セット」「eコマース」「クリック」の指標グループが表示されている(図2青枠部分)。デフォルトの指標グループは「利用状況」が選択されており、以下の7つの指標から評価をすることができる(図2緑枠部分、図3緑枠部分)。

  • 訪問数
  • 訪問別ページビュー
  • 訪問時の平均滞在時間
  • 新規訪問の割合
  • 直帰率
  • 目標の完了数
  • 収益

トラフィックの種類を絞り込みたいときは

デフォルトでは「すべて」のトラフィックが対象になっているが、「モバイル以外」「スマートフォン」「タブレット」という分類で見ることのできるボタン(図2赤枠部分)が用意されている。

サイトによってはスマートフォンやタブレットからの利用の割合も増えてきているだろう。広告でもモバイルの存在感は増してきているので、この軸で絞り込んでデータを見ることが重要だ。

AdWords経由のトラフィックの割合をチェック

その直下にある「訪問数の割合」(図2黒枠部分)は、このレポート対象サイトにおける、AdWordsからの訪問割合だ。訪問数全体に占めるAdWordsのシェアをつかんでおこう。

「クリック」指標グループを見てみよう

図2の「エクスプローラ」タブ配下で「クリック」指標グループ(図4赤枠部分)を選択したのが図4だ。

図4:「クリック」指標グループ
図4:「クリック」指標グループ

こちらは全体に加えて、キャンペーン別に、以下の9つの指標(図4青枠部分)を見ることができる。

  • 訪問数
  • 表示回数
  • クリック数
  • 費用
  • クリック率
  • クリック単価
  • 収益単価
  • 投資収益率
  • 利益率

ボリュームとサイトへの誘導効率、収益への貢献の軸で俯瞰して見ることが可能だ

「目標セット」や「eコマース」など各指標グループでのデータ活用法は第43回の記事を振り返ってほしい。基本的にはボリューム、誘導したお客さんの質、成果といった軸で各ディメンション別に評価していただきたい。

  • 「広告グループ」別に指標をチェックするには
  • 「キーワード」別に指標をチェックするには
  • 「広告」別に指標をチェックするには

「広告グループ」別に指標をチェックするには

[AdWords]>[キャンペーン]レポートでは、プライマリディメンションで「キャンペーン」に加えてもう1つ、「広告グループ」(図5赤枠部分)が選択可能だ。

「エクスプローラ」タブで「利用状況」を選択した状態(図2青枠部分)で、プライマリディメンションで「広告グループ」を選択(図5赤枠部分)したのが、図5だ。「広告グループ」を選択すると、AdWordsの「広告グループ」別に各指標を見ることができるようになる。

図5:プライマリディメンションで「広告グループ」を選択した画面
図5:プライマリディメンションで「広告グループ」を選択した画面

「広告グループ」別に指標を確認するのは、これ以外の方法でも可能だ。たとえば、プライマリディメンションで「キャンペーン」が選択(図3を以下に再掲。赤枠部分)されているレポートを見ていただきたい。

図3:[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[キャンペーン]レポート下部
図3(再掲):[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[キャンペーン]レポート下部

このレポートで、キャンペーンの一番上の項目(図3青枠部分)をクリックして、ドリルダウンしてみた(図6)。

図6:プライマリディメンション「キャンペーン」からドリルダウンした画面
図6:プライマリディメンション「キャンペーン」からドリルダウンした画面

ここでは、該当キャンペーンを「広告グループ」「キーワード」「広告のコンテンツ」の3つのディメンション(図6赤枠部分)で見ることができるので、「広告グループ」を選択すれば、「広告グループ」別に各指標を確認することができる。

また、「広告グループ」がプライマリディメンションとなっている「広告グループ」別のレポート(図5)の広告グループの一番上の項目(図5青枠部分)をクリックしてドリルダウンすると、「キャンペーン」「キーワード」「広告のコンテンツ」の3つのディメンションで見ることができる。

ちょっと混乱したかも知れないが、ディメンション間のドリルダウンのバリエーションはけっこうたくさんあるということを知ってほしかった。すべてのバリエーションを覚える必要はない。絞り込んで別のディメンションに展開したい場合は、おそれずにどんどんクリックしてみよう。

「キーワード」別に指標をチェックするには

AdWordsの「キーワード」別に指標を確認したい場合は、[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[広告キーワード]レポート(図7)を見てみよう。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする
  3. メニューが開くので、[広告]をクリックし、[AdWords]をクリックする
  4. [広告キーワード]をクリックする
図7:[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[広告キーワード]レポート下部
図7:[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[広告キーワード]レポート下部

プライマリディメンションはデフォルトで「キーワード」が選択されていて(図7赤枠部分)、キーワード別に各指標を見ることができるレポートになっている。

画面上部は、タイトル以外は[キャンペーン]レポート(図2)とまったく同じ画面になっている。レポート下部の一覧表示部では、プライマリディメンションは「キーワード」と「広告のコンテンツ」である。つまりAdWordsの管理レベルでは一番下のレベルの細かさで見るレポートになる。

なお、この一覧表示部に表示されているキーワード(図7青枠部分)は、AdWordsに登録された「キーワード」のことだ。つまり、この「キーワード」を AdWordsで部分一致やフレーズ一致などで登録している場合には、検索エンジンでの実際の検索クエリとは異なる可能性があるということだ。

「広告」別に指標を確認するには

プライマリディメンションとしては、もう1つ、「広告のコンテンツ」を選択(図8赤枠部分)することができる。こちらを選択したのが図8だ。AdWordsの広告別に各指標を見ることができるレポートになっている。

図8:[広告キーワード]レポートで、プライマリディメンションに「広告のコンテンツ」を選択した画面
図8:[広告キーワード]レポートで、プライマリディメンションに「広告のコンテンツ」を選択した画面

各ディメンションの項目(図7緑枠部分、図8青枠部分)をクリックすると、所属するキャンペーン別にデータを見ることができるようになる。

実際の検索クエリでデータを見たい場合

AdWordsで設定した「キーワード」ではなく検索エンジンにおける実際の検索クエリで見たい場合は[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[一致した検索クエリ]レポート(図9)を見よう。

図9:[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[一致した検索クエリ]レポート下部
図9:[トラフィック]>[広告]>[AdWords]>[一致した検索クエリ]レポート下部

プライマリディメンションはデフォルトで「一致した検索クエリ」が選択(図9赤枠部分)されており、実際にユーザーが入力したキーワード別に各指標を見ることができるレポートになっている。

ちなみに、このレポートはレポート画面上部で「モバイル以外」「スマートフォン」「タブレット」などに絞り込みができない。

プライマリディメンションで「クエリのマッチタイプ」を選択

もう1つのディメンションとしては、「クエリのマッチタイプ」を選択(図10)することができる。こちらを選択したのが図10で、キーワードのマッチタイプ別に見ることができるようになるレポートだ。

図10:クエリのマッチ タイプ
図10:クエリのマッチ タイプ

それぞれのマッチタイプの意味は以下のとおりで、このような設定がAdWordsでは可能ということだ。

クエリのマッチタイプ意味
Exact match完全一致
Broad match部分一致
Phrase matchフレーズ一致
Content network adsディスプレイ ネットワーク

キーワードのマッチタイプの詳細の意味に関しては、下記AdWordsのヘルプを参照してほしい。

プライマリディメンションで「一致した検索クエリ」が選択(図9赤枠部分)されているレポートからでも、「検索クエリのマッチタイプ」を確認することはできる。一番上の表示項目(図9青枠部分)をクリックして、ドリルダウンしたのが図11だ。

図11:マッチ タイプ
図11:マッチ タイプ

ここで、プライマリディメンションは「クエリのマッチタイプ」「キーワード」「キャンペーン」が選択可能で、「クエリのマッチタイプ」を選択すれば、該当項目の「検索クエリのマッチタイプ」にドリルダウンすることができる。

このレポートでも、他にプライマリディメンションで「キーワード」「キャンペーン」が選択できるし、ディメンション間のドリルダウンのバリエーションは結構たくさんある。絞り込んで別のディメンションに展開したい場合は、どんどんクリックしてみよう。

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この記事の筆者
ユーザー 衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン) の写真

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

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