「DFO」に取り組む際に気をつけるべきこと
DFO(Data Feed Optimization:データフィード最適化)とは、集客の拡大に向けて集客チャネルに登録する商品データを最適化する手法のことだ。才藤氏によれば、米国ではすでに浸透しており、日本でも急速に注目されつつあるという。ここで言う集客チャネルの例としては、Googleなどの検索エンジン、Rakuten LINKSHAREなどのアフィリエイト広告、価格.comなどの価格比較サイトなどが挙げられる。最近は、CRITEOなどのリターゲティング広告も、新たな集客チャネルとして注目されている。
このように多くの集客チャネルが存在するが、「それらを十分に活かせているECサイトはそれほど多くはありません」と才藤氏。ECサイトが多数の集客チャネルを活用するとなると、それぞれのチャネルごとに異なるデータを登録しなければならないが、その作業は想像以上に手間がかかる。
具体的には、1つの商品データを各チャネルのルールに沿った形に変換したうえで登録するという作業を毎日行うのが基本となる。ただし、より高い効果を得るには、キーワードの入力やカテゴリへの登録といった作業も必要だ。
商品情報に適切なキーワードを付加しておけば、各チャネルでその商品を紹介してもらって、より多くのユーザーを集客できる可能性が出てくる。そのため、効果的に商品を訴求できる情報をチャネルに渡せるように、キーワードのチューニングが必要になる。カテゴリの登録については、ECサイト側から出力したデータを、各チャネルのカテゴリに入れてもらえるように考慮したうえで登録することが重要になる。
「商品データ出力」→「フォーマット変換」→「最新データに更新」→「キーワードを入れる」→「カテゴリに登録する」といった一連の流れを最適化するのがDFOです。最適な商品情報を提供することで各チャネルでの露出を増やし、集客力を上げるための取り組みだと言えます。
才藤氏は、DFOを実践する際のポイントとして次の3点を挙げる。
- キーワードの最適化
ユーザーが検索サイトで検索をして商品に行きあたるためには、どういうキーワードを打つかを推測したうえでデータを作り、商品データに反映させる。
- 商品カテゴリの最適化
各チャネルが独自に保有する数百~数千のカテゴリコードに対する自社商品の割り当て方を、商品情報を更新するタイミングも含めて十分に検討する。難易度が高いが、売上アップにつながる可能性は大きい。
- 情報の正確性と更新性
リンク切れ、在庫切れ、新商品の掲載漏れ、価格相違はNG。これらがあると、ユーザーは訪問したサイトから直帰し、購入率が低下する。データを更新し、正確な情報を登録することが必要である。
コマースリンクでは、DFOのサービスを2008年より提供。専門スタッフがデータの精度を上げるとともに、キーワードのチューニングやカテゴリのマッチングについても代行を行っている。
こうしたサービスを提供する背景には、月間訪問者数約270万人、商品データ約3,500万件を誇る商品検索サイト「ショッピングサーチ.jp」を運用するなかで培ってきたノウハウがあるという。
「多くのユーザーが商品検索をすると、必然的にキーワードのトレンドが見えてきます」と才藤氏。そこで同社は、ユーザーが打ったキーワードに対して商品のマッチ度を上げるために、ショップの商品情報にチューニングを加えて、検索でヒットさせることに取り組んできた。「どういう商品情報を作れば、検索に出てくるかを熟知しているからこそ、DFOをサービス化できたのです」と才藤氏は語る。実際に、ショッピングサーチ.jpでDFOを実施することで、月間の売上をそれまでの4倍近くに伸ばしたファッション系ECサイトもあるという。
才藤氏は、米国におけるDFOの取り組みについても言及した。米国では、2011年に約10万社のECサイトがDFOを活用しており、すでに普及期に入ったと言える状況だという。日本においても、徐々に大手企業などに導入されつつある。
なお、コマースリンクは、2012年10月にツール型DFOサービス「DFOマネージャー」の提供を開始している。これは、クラウド上で動かすDFOツールである。2012年12月時点ですでに10社以上が利用しており、滑り出しは好調だという。
ビッグデータ活用の普及でDFOの重要性がさらに高まる
続いて才藤氏は、EC集客の最新動向として、有力なECサイト向けサービスを紹介した。
Googleは、2010年10月に「Google ショッピング」を日本でも開始した。その後、2011年8月にはアドワーズに商品情報も表示する「商品情報表示オプション」を、2012年6月には「商品リスト広告(PLA)」を開始した。
また、2012年、かなり動きがあったものとして「リターゲティング広告」を挙げた。これは、一度訪問したユーザーに対して、一人ひとりの行動履歴に合わせた広告を配信するものである。なお前述の「DFOマネージャー」も、2013年1月よりCRITEOのリターゲティング広告に対応している。
才藤氏はさらに、「ビッグデータ」についても言及した。ビッグデータをあらためて説明すると、次々に更新されていく、いろいろな種類の大量の情報を処理・活用し、次のアクションにつなげ、将来を予測するという考え方である。
ビッグデータは、アドテクノロジーの進化を加速させるトレンドだと言えます。膨大な量の情報を即座に分析することが可能になることによって、より効果的な1to1マーケティングを実現できる可能性があります。この流れのなかで、最適な商品情報を提供すること、つまりDFOもますます重要になっていくでしょう。
セッションでは、才藤氏に続き、ニフティ株式会社の池田氏による「NIFTY Business Market」の紹介も行われた。
NIFTY Business Marketは、2012年10月にオープン。インターネット経由で利用できるSaaS(Software as a Service)型のサービスを集めたマーケットプレイスである。池田氏は、「DFOマネージャー」をはじめ、EC事業社向けのサービスを中心に取り揃えているので、ぜひ利用してほしいと来場者に呼びかけた。
コマースリンク株式会社
Tel:03-5493-4980
Mail:info@commercelink.co.jp
URL:http://www.commercelink.co.jp/
NIFTY Business Maket
Mail:cs_saas@list.nifty.co.jp
URL:http://saas.nifty.com/
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オリジナル記事:ECサイトの集客力を高めるDFOの実践ポイント、ビッグデータ時代の鍵となる商品データの最適化/コマースリンク [ネットショップ担当者フォーラム セミナーレポート] | Web担当者Forum
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