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いつの間にかコンバージョンページが真っ白に! 他人事ではない「外部タグ」による重大トラブルが増加中 | Web担当者Forum

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コンバージョン寸前で離脱した顧客に対し、綿密なリターゲティングを行い、再訪してもらうことに成功した。ところが自社のサーバー環境、ネットワーク環境には全く問題がないのに、なぜか肝心のコンバージョンページが表示されない。

最近このような、マーケターの努力と工夫を水泡に帰す恐るべきトラブルが、相次いで報告され始めている。原因は、広告配信の効率化やリターゲティングのためにWebページに埋め込まれる「外部タグ」だ。

本来は強力な顧客獲得ツールとなるはずの外部タグが、逆にサイトの表示トラブルを引き起こす原因となり、機会損失リスクを高めているのだ。

なぜ外部タグが、このような障害の原因となるのか。また対処法はあるのか。2013年2月に、外部タグ監視&管理ツール「TagKnight(タグナイト)」をリリースしたFringe81の田中弦氏と佐藤洋介氏に、昨今のWebマーケティングの動向に伴って増えている「外部タグに潜むリスク」との向き合い方についてお話をうかがった。

左・Fringe81代表取締役社長 田中 弦氏 右・Fringe81 digitalice事業部 執行役員兼事業部長 佐藤洋介氏
左・Fringe81代表取締役社長 田中 弦氏
右・Fringe81 digitalice事業部 執行役員兼事業部長 佐藤洋介氏

外部タグのトラブルが原因で、コンバージョンページが表示されない

――Webサイトに埋め込まれている「外部タグ」が、以前と変わってきているということですか?

田中●埋め込まれる外部タグの数が急増しています。最近のWebサイトでは平均で10個程度、人材業界や不動産・金融業界では、20個近くのタグが用いられることも珍しくありません。DSPの活用や、リターゲティングの実施によって広告効果を高めようとすると、どうしてもさまざまな種類の外部タグを埋め込む必要が生じるのです。

中でも多くなりがちなのがリターゲティングのタグです。タグを外すのは面倒なので、一度埋め込んだタグをそのままにしてしまいがちなのです。あちこちのアドネットワークで用いたリターゲティングタグがそのまま放置され、どんどん累積してしまっているWebサイトもあります。

結果として今、Webサイトは、外部タグの動作不良という新たなリスクにさらされつつあります。現実に、次のようなトラブルが発生しています。

2013年1月、とある大手広告プラットフォームで、外部タグの読み込み異常が原因でコンバージョンページが表示されなくなったサイトが複数あった。

同時期に、別の大手広告プラットフォームでも、外部タグの設置場所によってはHTMLの書き出しが止まり、ページが全く表示されない、あるいは途中までしか表示されないという事故が起った。

佐藤●広告プラットフォーム側のサーバートラブルが原因で、リターゲティング用のタグが読み込み中のままになり、ページの表示に問題が生じた事例です。

田中●通常、ブラウザは外部タグを順番に読み込みますから、問題が発生したタグ以後に設置されている他のタグがすべて機能しないこともありえます。あるお客様では、コンバージョンページが数時間の間、表示されない、というトラブルが1か月の間に3回も起きていました。水面下では、もっと頻繁に起きていると考えていいでしょう。頻繁にというのは、つまり皆さんが気づかないうちに、すでにそういう事故に遭っている、ということです。

今までサイトの表示がなんだか遅いと思っていたのは、実は外部タグのせいだったかもしれません。

  • ページが表示されない
  • ページが表示されてもなぜか読み込みが続いている
  • 外部タグのうち1つが問題を抱えているせいで、その他の正常なタグが読み込まれず、リターゲティングタグが機能していない

外部タグに問題が生じ、本来獲得できるはずだったコンバージョンを、逃しているかもしれない

このような問題が発生し、本来獲得できるはずだった売上を、知らないうちに逃しているかもしれないのです。

もちろん、サイトが遅くなる全ての要因が外部タグにあるというわけではありませんが、そこで起きているトラブルは最も気づきにくいものなのです。Webマスターが管理されているサイト内部の問題であれば、Webマスターがいち早く問題に気づくことが可能です。しかし、外部タグは、外部のサーバーレスポンスの問題であるので、気づきにくいんですね。

Google Chromeのエクステンション/Firefoxのアドオン「Ghostery」を用いると、Webページに埋め込まれている外部タグの数や種類、送信先などを表示させることができる。たとえばWeb担当者Forumのトップページでは、効果測定やソーシャルとの連携などのために7つの外部タグを用いていることがわかる。

スマートフォンでは外部タグを処理しきれず、画面が固まるケースも

田中弦氏

――問題の原因は外部タグにあると、簡単に突き止められるものなのでしょうか。

佐藤●原因を突き止めるのは、ものすごく大変です。お客様の管理しているWebサイト内の問題ではなく、実は外部タグが原因なのではないかという仮説を立て、お客様のサイトのレスポンスを調査したら、たまたま当たりだった、というケースはよくあります。外部タグが怪しいと気がつかなければ、どれだけ調べても原因不明ということになりかねません。

田中●原因を特定するといっても、マーケターご自身が全ての外部タグのレスポンスを調査して、遅延を起こしている外部タグを削除していくことは、容易ではありません。

そもそもWebマスターはまず、自社のサイト内に問題があるのではないかと疑います。自社で管理しているデータベースやサーバーなど、自分が把握している部分からエンジニアに調査を指示するわけです。ところが外部タグまでは、なかなかたどり着きません。調査中、広告をストップすれば当然売上が落ちますし、もちろんエンジニアの人件費もかかります。

マーケターは成果を高めるために、DSPなどを活用して配信に工夫を凝らし、リターゲティングを行います。しかしそれらのための外部タグが増えれば増えるほど、問題発生のリスクが増大するというジレンマが生じているわけです。

たとえば階層の深いページは、トップページよりもリターゲティングなどのタグが多くなりがちです。深い階層に訪れるのは興味関心の高いユーザーであることが多く、マーケターとしてはしっかり成果を出したいと考えるからです。しかし前述のように外部タグが増えれば、表示速度が遅くなったりするリスクが高まります。

このことはつまり、コンバージョン一歩手前の状態にあるユーザーに対し、問題が発生しやすいページを見せることを意味します。要はマーケターが広告効果を向上させるために頑張れば頑張るほど、顧客を逃がしかねないという、広告主にとっても、ユーザーにとっても不幸な状況になってしまいます。

コンバージョン一歩手前の状態にあるユーザーに対し、外部タグによる問題が発生しやすいページを見せている

――スマートフォンでWebサイトを見ていると、表示が非常に遅く感じることがあります。これも外部タグが原因なのでしょうか。

田中●その可能性はあります。スマホでページを見ていて、スクロールするときにカクカクすることがあると思います。JavaScriptを一生懸命処理している最中によく起こる現象です。PCなら一瞬で処理が終わっても、スマホではそうはいかないケースも多いのです。低スペックのスマートフォンでは、画面が固まってスクロールできなくなっているかもしれません。

今、EC事業者にとって、スマホは非常に重要な販売チャネルなのは明らかです。スマホのリターゲティングも活発に行われていますが、外部タグを増やせばPC以上に問題が生じるリスクが高まります。スマホサイトにおいても、マーケターが頑張れば頑張るほど、売上が下がりかねないわけです。

このようなリスクを未然に防ぐためには、外部タグを常時監視するしかありません。既存のツールでは、外部タグの一括管理はできても、正常に動作しているかどうかを監視することはできない。そこで、外部タグの監視機能付きマネジメントが必要だろうということで開発したのが弊社のWebサービスであるTagKnightです。外部タグの状態を常時監視し、挙動があやしい外部タグを通知して、オンライン上ですぐにそのタグを止められる。埋め込まれる外部タグが、今後ますます増加する中、ページのトラブル、特にコンバージョンページの非表示といった大事故を防ぐためには、そのようなツールが必要だと思ったわけです。

エラーだけでなく、クッキーの付与が正常に行われているかも
チェックできる外部タグ監視&管理ツール「TagKnight」

――TagKnightは外部タグ監視&管理ツールだということですが、その概要を教えてください。

田中●サービスを開始したのは2013年2月4日です。Webマスターさんが、複数の外部タグをTagKnightにまとめ、1つのタグで管理できるようになるツールですが、主な機能としては、以下の3つがあります。

  • 外部タグの監視
  • 外部タグの管理
  • Webサイトの高速化

テクニカルな知識は全く必要なく、ご自分のブラウザを使って自分のアカウントでTagKnightのサービスにログインし、どういう条件の時にどのタグを出すといった細かな設定を全て管理画面上で行え、リアルタイム監視が開始されます。管理画面は、セキュリティソフトに近いイメージになっており、問題があれば一番上に大きく表示されます。

TagKnight上で設定した外部タグは常時監視され、障害の状況や応答速度などが表示される。
TagKnightでは、たとえばリターケティングリストごとにタグをひとくくりにして管理し、タグに接触したユニークユーザー数などを把握することも可能だ。

田中●タグの管理画面で得られる指標としては4つあります。まず「発火成功率」。これは、外部タグの何パーセントがクッキーをきちんと付与できたか、つまり役目を果たしているかという確率です。タグが遅い場合は、ユーザーはタグが読み込まれる前に他のコンテンツに移動してしまいます。このような場合、クッキーを付与できていないこともあるからです。あるコンバージョンタグの発火成功率50パーセントだったら、半分はクッキー付与ができてない、つまり半分は計測ができていない可能性があります。

2つ目は「レイテンシー」。タグの呼び出しから処理が終わるまでの時間です。

3つ目は「エラー」で、ブラウザのスクリプトエラー、タイムアウトなどにより、一連のシーケンスを完了できなかった回数です。要するに重大な問題が発生した回数になります。

最期の「アラート」は、エラーよりは重症ではないものとなります。タイムアウトはしていないが、明らかにしきい値よりも長くかかっているものです。この外部タグはそろそろ危険だということがわかります。

このような管理画面があることによって、Webマスターも、マーケターも、問題特定が遅れがちな外部タグの問題を、いち早く察知、特定し、対処することが簡単にできるようになります。

――他に何か特長はありますか。

マニアックな話ですが、外部タグによって週末に遅くなるとか昼休み時間に遅くなるといった“くせ”があります。このくせを把握して、読み込ませる順番を最適化し、多くのタグがあるページでも表示を高速化することができます。

ページの表示速度はユーザーの購買行動にも影響を与えることがわかっています。サイトの表示が1秒遅くなると、顧客満足度が16%下がり、ページビューが7%減り、コンバージョンが7%低下するという調査結果もあるほどです。ページは速く表示させるにこしたことはありません。

その他、階層ごとにタグ設定のルールを確認したり、接触したユーザー数を把握したりするなど、タグマネジメントとして必要なことはもちろんできます。スマートフォンやタブレット端末にも対応しています。

外部タグを管理するだけではなく、
トラブルを防止し、利益を生み出すツール

佐藤洋介氏

――セキュリティ面の機能もありますか。

佐藤●「https環境において、SSLではないページへのアクセスを要求するJavaScriptがないか」といった監視も行います。そのような外部タグがあった場合は、ユーザーのブラウザに、セキュリティ警告が表示されてしまいます。このような構文の間違いも、TagKnightではエラーとしてメールですばやく通知されます。

外部タグ管理をアウトソースした結果、知らないうちにセキュリティ上、問題のある外部タグが設置され、長期間にわたって放置されていたというケースも報告されています。このようなプライバシーポリシー違反は、一歩間違えばビジネスの土台を揺るがす大事故へと発展しかねません。そして外部タグを常時監視していないと、トラブルが起きて初めてそのような危険にさらされていたことに気付くのです。

TagKnightは、管理権限を「閲覧権限」「編集権限」「サイト反映権限」に分けて付与できます。編集権限まではマーケターや代理店に付与し、Webマスター自身が外部タグの詳細を確認したうえでサイトに反映するといったことができます。

利益を守る、新しいカテゴリのツール

――すでに利用している企業はありますか。

佐藤●現在、大手インフラ系企業様や大手EC系企業様を初め10社にすでに導入しています。「他社ツールとして比較してUIが良かった」「自社サイトが持つリスクが顕在化したタイミングだったので、ピンポイントで課題を解決できるTagKnight導入の意思決定は非常に早かった」といった声をいただいております。

――サービス価格は。

田中●初期費用10万円、月間1億ページビューまで15万円(6か月以上の契約が必要)です。1億ページビューならほとんどの企業で、お使いいただけると考えています。

佐藤●どのくらいのコストメリットがあるのか、というと、外部タグ由来の遅延やダウンによる売上損失の回避、トラブル時のコミュニケーションコストの削減、サイト読み込み速度高速化によるユーザー体験改善がもたらす売上増という3つが挙げられます。どの程度の効果があるかは以下で試算することができます。ある程度の売上規模の企業さまであれば、料金以上の利益を創出できると確信しています。ぜひお問い合わせください。

TagKnightは、外部タグ管理ツールではなく、利益創出に貢献するビジネスツール

タグナイト設置による、御社サイトにおける売上・粗利創出シミュレーション
フォームの各数値を入力して[入力した値で試算]ボタンをクリックすると、想定される創出利益を試算します。
入力された値はこのブラウザ上でのみ処理され、外部サーバーに送信したり、何らかの形で記録したりすることは、一切していません。
■遅延・ダウンのリアルタイム通知による売上損失時間を
短縮することによる売上創出
創出売上創出営業利益
WEB経由で発生している売上(年間) 円
タグ関連トラブル発生数(年間)
1回の発見にかかる時間時間
 
■タグ関連コミュニケーションコストの削減による利益創出創出売上創出営業利益
テストも含めたタグ設置にかかっている時間(月間)時間 
代理店とのタグ関連コミュニケーションにかかっている時間(月間)時間
緊急時1回あたりのサポートセンター、タグ管理者、マーケターなどとの担当者間調整時間の総量時間
関係部署担当者の異動時のタグ関連引継ぎ時間(年間)時間
常時の関係者間タグ情報共有にかかる時間(月間)時間
1時間当たりの人件費
 
■サイト読み込み速度高速化によるユーザー体験改善が
もたらす売上増加
創出売上創出営業利益
何%高速化できるか %
現状の各ブラウザ平均読み込み時間
1秒短縮あたりの売上増加率 %
 
営業利益率 %
※営業利益率:自動発生する売上に対してなので、販促費や営業人件費がほぼかからないものとして計算可(≒商品粗利率)
 
年間合計 創出営業利益
左・Fringe81代表取締役社長 田中 弦氏 右・Fringe81 digitalice事業部 執行役員兼事業部長 佐藤洋介氏
Fringe81株式会社

Fringe81は、第三者配信事業「digitalice」。RSS広告事業「Trend Match」、クリエイティブ最適化サービス「iogous(イオゴス)」、デジタルコンサルティング事業などを展開。インターネット分野の新しい未来を創出している。

問い合わせ先:03-6416-1290(佐藤)

この記事の筆者

【執筆】柏木恵子(Office LYNX)

【編集】鶴田修朗(スクリプト合同会社

【撮影】石川恵愛(株式会社Lab)

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