Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。
2013年1月16日、Googleアナリティクスでは、メニュー配置などの基本的なユーザーインターフェイスが大幅に変更された。それを受け、今回は連載予定を急遽変更して、Googleアナリティクスのユーザーインターフェイス変更について、レポートする。
- [ホーム]ボタンの位置と表示が変わった
- レポートの位置が変更された
- グローバルナビゲーションが常に表示されるようになった
- 「最近アクセスしたプロファイル」が一覧表示されるようになった
- マイレポートの機能強化ポイントは2点
なお、今週解説する予定だった、[ユーザー]>[モバイル]>[デバイス]レポートを使ったモバイル分析は、来週、改めて解説する。
[ホーム]ボタンの位置と表示が変わった
まず目に入るのは、グローバルナビゲーションの変更だ。どこがどう変わったのか、順番に見ていこう。
個別のレポート画面内に入った直後の画面左上には、従来は図1のようなグローバルナビゲーションが表示されていた。これが図2のように変更されている。
○旧画面
○新画面
ご覧のとおり、[ホーム]ボタン(赤枠部分)の位置が左端へ移動し、イラスト表示になっている。[ホーム]ボタンの内容は旧画面では図3の内容だったが、新画面では[ホーム]ボタン(図2赤枠部分)をクリックした後は、ログイン後の「アカウント ホーム」画面に移動する。
レポートの位置が変更された
各グローバルメニュー配下に所属するレポート群の構成も変化している。
○旧画面
○新画面
従来の「ホーム」と「標準レポート」画面の配下のメニューは、以下のように再編成されている。
順番に説明しよう。
(旧)「ホーム」メニューは(新)「レポート」の「マイレポート」へ移動
従来の「ホーム」配下の「インテリジェンス イベント」「マイレポート一覧」「ショートカット」(図3赤枠部分)は、新画面では「レポート」配下の「マイレポート」グループに再配置された(図5赤枠部分)。ただし、「リアルタイム」は新画面では「標準レポート」グループ直下に再配置されている。
(旧)「標準レポート」メニューは(新)「レポート」の「標準レポート」へ移動
従来の「標準レポート」配下の「ユーザー」「広告」「トラフィック」「コンテンツ」「コンバージョン」(図4青枠部分)は、新画面では「レポート」(図5黄枠部分)配下の「標準レポート」グループ配下に再配置された(図5青枠部分)。
(旧)「広告」も(新)「レポート」の「標準レポート」へ移動
さらにAdWords関係で独立して存在していた「広告」メニュー(図4緑枠部分)が、「トラフィック」メニューのサブグループ(図5緑枠部分)に取り込まれた。つまり1階層レベルが下がって、別のメニュー群の配下になったというわけだ。
以上の移動関係を、わかりやすくまとめたのが以下の図だ。
グローバルナビゲーションが常に表示されるようになった
次は、グローバルナビゲーション部分が常に表示されるという変更だ。縦長のレポート画面を下にスクロールして、下の方を見ている状態(図7赤枠部分)でも、グローバルナビゲーション部分(図7青枠部分)が常に上部に表示される。
「最近アクセスしたプロファイル」が一覧表示されるようになった
グローバルナビゲーションの「プロファイル名の表示と選択」(図8赤枠部分)をクリックすると、各「アカウント」と「プロパティ」「プロファイル」を選択することができるプルダウンが出てくるが、今回新たに、この一番下の部分に、「最近アクセスしたプロファイル」(図8青枠部分)がまとめて表示されるようになった。
筆者は少し前にこの機能を見た記憶があり、しばらく表示されなくなっていたようだったが、これが正式にリリースされた模様だ。管理しているアカウントやプロファイルの数が少ないと、あまりこの機能は利用しないかもしれないが、多くのアカウントやプロパティ、プロファイルの閲覧権限を持っている場合に重宝する機能と言えるだろう。
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- その1:ウィジェットのレイアウトの自由度が広がった
- その2:ウィジェットの表示形式に「GEOMAP」「棒グラフ」が追加された
マイレポートの機能強化ポイントは2点
あと今回は複数のレポートを一望できる機能の「マイレポート」(図9、図10)で機能強化がされた。「マイレポート」は、本連載では初出なので、詳細は別途まとめて解説記事を書くつもりだが、簡単に言えば図9のように、1つの画面で、「ウィジェット」と呼ばれるコンパクトなレポート(図9赤枠部分がその1つ)を最大12個まで表示することができるような機能だ。
「マイレポート」では、このウィジェットを自由に選択でき、好きなように配置することができる。またこの「マイレポート」は最大20個作成することも可能だ。
その1:ウィジェットのレイアウトの自由度が広がった
この「マイレポート」での機能強化の1 つは、レイアウトの自由度が広がったことだ。従来は3列配置(図10青枠部分)で並べるしかなかったが、新たな「マイレポート」では、「マイレポートをカスタマイズ」ボタン(図10緑枠部分)をクリックすると、「レイアウトオプション」(図11)が表示され、6つの選択肢からレイアウトのパターンを選択することができるようになった。
たとえば「左側70%、右側30%の2列表示」(図11赤枠部分)を選択すると、図12のようなレイアウトにしてくれる。
2つの指標を表示して合計3列表示になる一覧表形式のウィジェット(図12赤枠部分)などは、このくらい横幅がゆったりしている方が格段に見やすくなるので、横にゆったりと見たい場合はこういったパターンを選択するとよいだろう。
その2:ウィジェットの表示形式に「GEOMAP」「棒グラフ」が追加された
機能強化の2つめは、ウィジェットの表示形式の種類が2つ増えたことだ。従来は、「指標」「円グラフ」「タイムライン」「表形式」の4つ(図13赤枠部分)だったが、今回の更新でさらに「GEOMAP」「棒グラフ」(図13青枠部分)が選択できるようになった。
ここではウィジェットの表示形式について詳細は解説しないが、「GEOMAP」を選択し、図13緑枠部分のように、
選択した指標をプロット | 「市区町村」と「ユーザー数」 |
---|---|
地域を選択 | Japan |
ウィジェットの名前 | ユーザー数 |
という設定を行うと、図14のようなウィジェットが表示される。日本の地図表示で、プロットの細かさは「市区町村」レベル、指標は「ユーザー数」という設定内容だ。
もう1つの新規表示形式である「棒グラフ」を選択(図15赤枠部分)も見ておこう。たとえば図15青枠部分のような設定を行うと、図16のようなウィジェットが表示される。
「新規」と「リピーター」の積み上げグラフで、「参照元/メディア」別の訪問数を棒グラフで表示という設定内容だ。
今回取り上げて解説するバージョンアップは以上だが、これ以外にも同時にリリースされた変更があるかもしれない。Googleからの公式発表はなく、すでにリリースされているマイナーリリースのアップデートとの区別ができないため、確度の高そうな機能の更新しか紹介していない可能性がある。そのあたりはご容赦いただきたい。
「マイレポート」以外の各種機能やレポートに大きな変更はないので、「マイレポート」を頻繁に利用しているユーザー以外は、今回新機能を新しく学ぶ必要はないだろう。見た目や配置場所などが変わっているが、使いながら徐々に慣れていこう。
Googleアナリティクスでは、今回のような大幅な変更以外にも、マイナーリリースは頻繁に行われている。あっという間に各レポートで新しい機能がさりげなく増えていることもある。しばらく見ていないと大きく様変わりしているかもしれない。せっかくGoogleアナリティクスを導入しているなら、最低でも月次で主要指標を見るくらいの頻度で見ておくことをお勧めしたい。
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オリジナル記事:緊急レポート Googleアナリティクスのユーザーインタフェースが大きく変更に[第38回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum
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