ウェブマスターツールが「Google Search Console」になった理由でもある、アプリ開発者向けの新機能を紹介。ほかにも、常時HTTPS化、モバイルフレンドリーアップデートで激減したトラフィック、Bingのアプリインデックス、モバイル評価などなど、SEOの話題をお届けする。
Google Search Consoleに加わった、アプリ開発者なら絶対に使いたい機能
ウェブマスターだけのものではない(グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)
ウェブマスターツールから名称変更したGoogle Search Console(サーチ・コンソール)に新たな機能が登場した。App Indexing関連で、主な機能は次の3つだ。
- グーグル検索からアプリ内コンテンツへどのようなトラフィックがあったかを、公開されたばかりの検索アナリティクスで分析できる。
- クロールエラーレポートでは、アプリ内コンテンツのインデックスに失敗があれば内容を報告してくれる。
- アプリ用 Fetch as Google ではグーグルがアプリをどのように見ているかをシミュレーションできる。
これらの機能を利用するには、アプリをSearch Consoleに追加したうえで、サイトとアプリを関連付ける設定が事前に必要だ。詳細は公式アナウンスを参照してほしい。
グーグルが「ウェブマスターツール」を「Search Console」へと改名したいちばんの理由は、ウェブマスターツールを必要とするのはウェブマスターだけではなかったからだ。今回の機能拡張はウェブマスターというよりもアプリ開発者に向けたものである。
Search Consoleには、カバー範囲が広い機能の提供をこれから先も期待できそうだ(何よりも正式名称をカタカナでわかりやすくしてもらいたいところだが)。
日本語で読めるSEO/SEM情報
モバイルフレンドリーアップデート、順位が上がったサイトはないが、下がったサイトはある
実体験としてそのとおりかも(辻正浩 on Twitter)
辻正浩氏が次のようなツイートを投稿していた。スマホ対応ができていないサイトが、モバイルフレンドリーアップデートによってどのような影響を受けたかを分析した記事を読んだ感想だ。
そうそう、対応した所が流入伸びた、は滅多に見られませんが、対応していない所が落ちたは、よく見られます。>モバイルフレンドリーアップデートの影響ってどんな感じ? | 供養関連企業のSEO対策なら“葬儀社・仏壇店・石材店のためのSEO” http://t.co/s46UJYJVz9
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2015, 5月 19
「スマホ対応が完了していて、アップデート後にトラフィックが見違えるように増えた」という話は確かに筆者も聞かない。
だが反対に、「スマホ対応が未完了で、アップデート後にトラフィックが激減した」という事例は確かにある。何を隠そう筆者のサイトだ。筆者のブログは、アップデート後の約1か月間はスマホ対応していなかった(今はしている)。
次に示すのは、検索アナリティクスで調べたクリック数の変化だ(モバイルデバイスに絞り込んでいる)。アップデート実施後にモバイル検索のトラフィックが半減しているのがおわかりだろう。
もっとも筆者のブログはモバイルからの検索アクセスがもともとかなり少ないので、全体で見るとトラフィックの減少は微々たるものだったのが救いだ。
常時HTTPSが必須の時代は、間違いなく近づいている
実施するためにはどうするかを考えたい(ITmedia エンタープライズ)
サイトの常時HTTPS化が必要な理由を説いた記事。「常時HTTPS化」とは、Webサイトとしてのコンテンツやサービスの提供をすべてHTTPSで行うことだ。
金融機関のように高いセキュリティが要求されるサイトはいうまでもなく、あらゆるサイトでHTTPSへの移行を検討すべき時期に差し掛かっていると、喚起を促している。
元記事では、移行すべき理由をいくつか述べた後で、次のように言っている。
……「できない理由」を並べるより、「実施するためにどうすべきか」という建設的な考えに転換すべき時期……
若干“煽り感”がないでもないが、少なくとも新たにサイトを公開するのであれば最初からHTTPSを導入したいし、現時点では非HTTPSのサイトも、いつかは常時HTTPS化することを視野に入れておくべきだという点には同意する。
とはいえ、グーグルやソーシャルメディアが「http:」と「https:」を別のものとして扱っている間は、それが難しいのも事実だ。リンク評価などはリダイレクトで引き継げるが、ソーシャル評価を引き継ぐうまい方法は、今はまだないからだ。
逆に考えると、それが無理なのであれば、早く常時HTTPSに移行してしまうべきだとも言える。
レスポンシブウェブデザイン向けのフォームとは
実サイトを元に解説(EFO・フォーム改善ブログ)
レスポンシブウェブデザインのサイトに設置するフォームの参考例を集め、解説した記事。
次の4つのTIPSを、実サイトの例とともに取り上げている。
- あらかじめ横幅を狭くレイアウトする
- フォームのカラムを1カラムに落とす
- あらかじめ複数カラムにレイアウトする
- デバイスによってオファーを調節する
真似できそうな構成があれば真似てみよう。もちろん効果があったかどうかの効果測定を忘れてはいけない。
TableauとSearch Consoleでグーグル検索のトラフィックをビジュアル分析
ツウ好みの分析方法(真摯のブログ)
データを視覚化できるTableau(タブロー)というツールがある。このTableauを使い、Google Search Consoleの検索アナリティクスのデータから検索順位やCTRの推移などを把握する方法を、こちらの記事では解説している。
やや“ツウ”好みの分析だが、Tableauの利用者ならやってみるといいのではないだろうか。
なお元記事では、検索クエリのデータをダウンロードして加工しているが、新しい検索アナリティクスのデータでも使えるはずだ。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
グーグルのアルゴリズム更新とschema.orgのバージョンアップを今週はピックアップ。
- Google、コンテンツ品質に関わる「クオリティ アップデート」を5月初めに実施済み
パンダじゃない、コンテンツ評価のアルゴリズムが存在していた - schema.org 2.0が正式公開、CarボキャブラリやmainEntityOfPageプロパティの追加など
構造化データに取り組んでいるなら重要ニュース
- モバイル検索で評価されているのはPC向けページのコンテンツ?
- MozのドメインオーソリティとページオーソリティはPageRankの置き換えなのか?
- アルゴリズムによるペナルティを知らせるツールをグーグルは提供するのか?
- グローバルサイトの設定で使う言語コードと国コードを知りたい
- Bingもアプリのインデックスを開始
- 5月初旬の順位変動は、Googleの”クオリティ・アップデート”によるものと、Googleが認める。
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
モバイル検索で評価されているのはPC向けページのコンテンツ?
モバイル向けコンテンツは無視らしい(SEO & Marketing Worm on Twitter)
モバイル向けページとPC向けページのコンテンツが異なっている場合、モバイル検索でも評価の対象はPC向けページのコンテンツ。モバイル向けは別コンテンツでも無視される。
グーグルのゲイリー・イリーズ氏が、豪シドニーで先日開催されたSMXカンファレンスでこのように発言したとのことだ。
別URLの構成では、モバイル向けページから対応するPC向けページへrel="canonical"が張られているので納得だ。canonicalタグは、「こちらに正規化するように」という意味なのだから。
だが動的な配信の構成でも、PC向けページとモバイル向けページのコンテンツに違いがあれば(モバイル検索でも)PC向けページが評価の対象になると解釈していいだろう。
しかし「ならば、PC向けサイトだけちゃんとやっておけばいいのか」などとは考えないように。
あくまでもグーグルが現時点ではそうしていると発言しただけだ。モバイル向けインデックスが別途構築される可能性もあるし、そもそも見るべきはグーグルのアルゴリズムではなく、ユーザーだ。
MozのドメインオーソリティとページオーソリティはPageRankの置き換えなのか?
Moz独自の指標、グーグルとは一切関係なし(John Mueller on Twitter)
Mozが提供するSEOツールを利用すると、Domain Authority(DA、ドメインオーソリティ)とPage Authority(PA、ページオーソリティ)という数字をレポートしてくれる。DAとPAは、それぞれドメイン名の強さとページの強さを数値化したものだ。
グーグルのPageRankに似ているが、今のグーグルはこのDomain AuthorityやPage Authorityをランキング要因として使っているのだろうか?
ツールのユーザーがグーグルのジョン・ミューラー氏に質問した。
MozのDomain AuthorityかPage Authority、あるいはその両方をグーグルの公式のランキング要因として認めていますか?
いいや。ほかのことには役立つかもしれないが、グーグルのランキング要因の一部ではない。
@Jumzler No. They might be useful for other things, but they're not a part of Google's ranking factors.
— John Mueller (@JohnMu) 2015, 5月 5
DAもPAも、Mozが独自に開発したアルゴリズムに基づいて算出している指標だ。
もしかしたら、同じような意味の指標をグーグルの内部では使っているかもしれない。しかし、Mozはグーグルとはまったく独立した企業であり、Mozの指標をグーグルがそのまま使っているはずがない。
ちょっと考えればすぐにわかる話なのだが、グーグルが使っていると思い込むユーザーが少なからずいるようだ。
とはいうものの、PAやDAをSEOの分析に活用しているSEO関係者を筆者は知っている。上手に使えば有益なツールになることも知っている。
だが彼らは、Moz独自の指標であることを理解したうえで利用しているのは間違いない。
アルゴリズムによるペナルティを知らせるツールをグーグルは提供するのか?
当分ないとのこと(Gary Illyes on Twitter)
グーグルのSearch Console(ウェブマスターツールから名称変更)には、「手動対策ビューア」といって手動の対策が与えられていることを確認できるツールがある。
手動対策ではなく、パンダアップデートやペンギンアップデートのような自動のアルゴリズムによって低評価を受けていることを確認できるツールの提供を望む声がある。グーグルのジョン・ミューラー氏は、そういった機能を提供できるかどうかを内部で話し合ったことがあるとも言っていた。
しかし当面の提供はなさそうだ。グーグルのゲイリー・イリーズ氏がコメントしている。
@glenngabe@ShahMenz@rustybrick it's not going to happen anytime soon.
— Gary Illyes (@methode) 2015, 5月 21
(そういったツールの提供は)当分はないだろう。
残念だけれども、絶対にないとも言っていないので、希望は残っている。
グローバルサイトの設定で使う言語コードと国コードを知りたい
ウィキペディアにも載っている(Gary Illyes on Twitter)
多言語・多地域を対象にしたグローバルサイトを運営するには、rel="alternate" hreflang="x" 属性を使用して、対象とする言語や国をグーグルに伝えることができる。
言語と国を指定する値としては、定められた言語コードと国コードを用いる。グーグルがサポートする各コードの一覧は、オンラインで確認できる。
言語コード
ISO 639-1コード一覧(参考日本語情報)繁体字・簡体字などの文字体系を指定するコード
ISO 15924コード一覧(参考日本語情報)
利用する場合、言語コードのあとに記載する
グローバルサイトを公開する際に対象とする国や言語のコードがわからなかったら参照するといい。
Bingもアプリのインデックスを開始
アプリも重要な時代がモバイルSEOにやってきた(Bing Webmaster Blog)
グーグルには、アプリのコンテンツをインデックスし、そのコンテンツを検索結果からアプリで直接開くことができる App Indexingという仕組みがある。実装している読者もいるはずだ。
Bingも、App Indexingに相当する機能を開始した。名称は「App Linking」だ。基本的な特徴はApp Indexingと同等だ。しかしApp Indexingとは異なり、iOSアプリのサポートもすべてのアプリ開発者に対して条件なしに公開している(グーグルのiOSアプリ向けのApp Indexingは提供が始まったばかりで、申請が必要)。もちろん、自社のWindows 10アプリのサポートは言うまでもない。
グーグルに続いてBingが、モバイルフレンドリーをランキング要因に組み込むことを前回紹介した。次にBingが続いたのは、アプリ内コンテンツのインデックスだった。
アプリが、モバイル検索では無視できない存在になってきたことを物語っている。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
約1か月前に発生した順位変動の原因を突き止めた記事を今週はピックアップ。
- 5月初旬の順位変動は、Googleの”クオリティ・アップデート”によるものと、Googleが認める。
GW中の変動はこのせいだったのかも
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オリジナル記事:Google Search Consoleに加わった、アプリ開発者なら絶対に使いたい機能 など10+3記事 | 海外&国内SEO情報ウォッチ | Web担当者Forum
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