「近くのホテル」「近くのラーメン」といった検索が急増していることを示したグーグルの記事に注目。ほかにも、モバイルフレンドリーによる順位低下、2ちゃんまとめサイトの順位下落、誘導ページ対策アルゴリズムの状況、App indexingの効果、検索結果ページ内で絵文字でアピールなどなどの情報をお届けする。
「近くの○○」検索が急増中。2011年から34倍に
ローカルビジネス運営者は無視できないユーザー動向(Think with Google)
グーグルが実施した調査によると、"near me"や"closest"、"nearby"などと組み合わせたクエリが急上昇しているそうだ。日本語だと、「近くの」や「いちばん近い」「すぐ近くの」といった言葉をあわせた検索だ。
2015年3月では2011年の34倍に増加し、昨年比でも2倍近くにまで増えている。2014年の下四半期においては、80%がモバイルからとのことである。
米国での状況だが、日本でも同じようなことになっていると思われる。
グーグルトレンドで、日本における「近くの」の検索ボリュームの推移を調べてみた。
急上昇しているのがわかる。
「近くの」と組み合わせて用いられるキーワードがこちらだ。
グーグル日本のGoogle+公式アカウントがこんな投稿をしていた。
「近くの」検索が日本でも増えていることをグーグルが認識していて、それに対応できるようにしていることをこの投稿は示していそうだ。
さらに、グーグルによれば場所に関する検索を実行したモバイルユーザーに関してはこんなデータも出ている。
- 50%はその日のうちにそのお店に訪問している
- 18%はその日のうちに購入している
- どのお店で食べるか決めていないときは、食べに行く30分前までは(どのお店にしようかを)検索して調べようとしない
- 若者の40%は、レストランの中でメニューの情報を調べる
あなたが実店舗を構えているなら、こうした「近くの」検索ユーザーを確実に取り込む作戦を練っておきたい。
日本語で読めるSEO/SEM情報
2ちゃんまとめサイトの評価をグーグルが下げた!?
一例だけでは判断できない(グーグル ウェブマスター向けヘルプフォーラム)
グーグルのウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムにこんな投稿があった。
はじめまして。2chまとめブログを運営しているものです。
4月14日以降、2chまとめ系ブログが一斉に順位を下げられましたが、原因がわかりません。
そしてアクセス数が激減したデータを見せている。ウェブマスターツールの検索クエリと思われる。
「一斉に」と書いているので、複数の2ちゃんまとめサイトが同じような状況になっているのだろうか?
まとめサイトのページが上位表示されている検索結果を快く思わないクレームをたびたび耳にする。こうしたフィードバックを受けてグーグルが対策した……と決めつけるのは早急だ。
ほんの1例に過ぎずデータが足りない。それに「まとめサイトだから」ということではなく、別の要因による順位下落の可能性だってあり得る(むしろ、こちらの可能性のほうが高い)。
まとめサイトのランキング下降について情報を持っていたら、ぜひ教えてほしい。
ペナルティの原因は、不自然リンクではなくクローキング
グーグル社員が教えてくれた(グーグル ウェブマスター向けヘルプフォーラム)
「悪質なスパム」だとして手動対策が与えられたサイト管理者が、助けを求めてヘルプフォーラムに投稿した。
フォーラムメンバーの援助もあり、なんとか再審査リクエストに合格した。
ここまではよくある話だ。しかし、背景を知るとあまり見られないケースだったことが判明する。
投稿者はもともと、コンテンツをスパムサイトに盗用されたりスパムサイトからリンクが張られていたりしたことが「悪質なスパム」としてみなされた理由だと考えていた。これに対処し、実際に再審査リクエストに合格した。
ところが、本当の理由は違っていた。
グーグル社員のTakeaki氏によれば、「クローキング」が理由だったとのことだ。つまり、Googlebotがアクセスしてきたときには、ユーザー向けとは異なるコンテンツを見せていたのだ。
ヘルプ記事を読むと、「悪質なスパム」の例として「クローキング」がたしかに挙がっている。
クローキングが原因だとはっきり伝えてくれればいいのだが、情報を与えすぎてスパマーに悪いように利用されないようにするために、「悪質なスパム」とだけしかグーグルは言わないのであろう。
誘導ページ対策アルゴリズムはすでに実施済みだった
導入に気付いた人はいたのか?(ウェブマスター オフィスアワー)
「誘導ページ(ドアウェイページ)」が検索結果に表示されにくくするためのアルゴリズム更新を実施することを、3月の下旬にグーグルは発表していた。
誘導ページ対策アルゴリズムはすでに導入されているとのことを、4月16日に開催された直近のオフィスアワーで、サーチクオリティチームのリーダー、金谷氏が明らかにしている。
このオフィスアワーについては前回紹介したが、モバイルフレンドリーアップデートの実施直前でほとんどがモバイル関連の質問だったので、注意深く聞いていないと気付かなかったかもしれない。
英語版のオフィスアワーでも、ジョン・ミューラー氏が、実施されているはずだと参加者からの質問に答えている。
このコーナーで取り上げたときに筆者はこのように書いていた。
健全にサイト運営していればまったく心配ないはずだし、おそらく日本ではこの影響を受けるサイトはほとんどないと思われる
発表以来、騒動になるような順位変動は起こっていないはずだ(起こっていればこのコーナーで取り上げているだろう)。一部で煽り立てていた人がいたようだったが、検索結果全体に及ぼす影響はかなり小さかったということだ。
App Indexingがモバイル検索に与えた影響はどの程度なのか?
あの人でさえ分析は困難(辻正浩 on Twitter)
モバイフレンドリーだけではなくApp Indexingも、グーグルのモバイル検索ではランキング要因になっている。このコーナーで伝えたばかりなので覚えているはずだ。
App Indexingは、ランキングにどのような影響を与えているのであろうか?
SEOコンサルタントの辻正浩氏がこんなツイートを残している。
昨日から腰を据えてapp Indexingの影響の分析をしてましたけど、確かに影響が「比較的」大きくなってます。
しかし分析が大変すぎますね……
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2015, 4月 30
解析で見るには至難、順位で見るにもAndroidが4台必要。Googleも何度も調整してますし、モバフレ影響もあって切り分けが困難な中GW突入で検索動向が変化してさらに混沌。
もぅマヂ無理。。。リスカしょ。。。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2015, 4月 30
複数のApp Indexing大規模導入サイトのデータを見比べないと絶対分からない気がするけど、私の見られるデータではまだ足りないなあ。うーん……
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2015, 4月 30
しかしどれだけデータ揃っても、App Indexingの実成果に対する評価って現実的に無理なんですよねえ。比較できない軸の変化が何本もあるので。
まぁそれでも少しでも把握したい所。ちょうどGWに入るのは検索傾向が崩れるけども、じっくり分析できる時間でもあるし、がんばらなきゃ。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2015, 4月 30
影響が出ているには出ているらしいが、辻氏でも正確な分析は難しいようだ。
Googleタグマネージャの新しいUIへの移行手順を解説
6月1日からは新UIのみ(アユダンテ株式会社 コラム)
グーグルは昨年10月に、タグマネージャのユーザーインターフェイス(UI)を新たにした。とはいえ既定のUIは以前のままで、ユーザーが自分の意思で新しいUIに切り替えていた。だが、6月1日を境にすべてのユーザーが強制的に新しいUIに切り替わる。
6月1日を待たずして、新UIに移行することもできる。そこでアユダンテさんが、移行ツールの使い方と新しいUIの操作方法を説明している。
タグマネージャを利用しているなら参考にするといい。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
モバイル検索結果のUI変更とモバイフレンドリーアップデートの影響についての記事を今週はピックアップ。
- Google、パンくずリストとサイト名をURLの代わりにモバイル検索結果で表示。構造化データで指定可能
モバイルユーザー体験を高めることが目的 - モバイルフレンドリーアップデートで海外SEO情報ブログはどのくらい順位が下がったのか?
多少のマイナス影響が出ている
- 🌟🏨絵文字で検索結果のクリック率アップ?? 👍🎉
- モバイルフレンドリーアップデートで検索結果が急降下した事例
- あなたのサイトをグーグルが軽量化&スピードアップしてくれる
- XMLサイトマップを装飾すべきか?
- モバイルフレンドリー・アルゴリズムによる順位変動がようやく開始か?アメリカではMozの順位が下落。
- コンテンツマーケティングをグローバルに展開するために必要な5つのこと
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
🌟🏨絵文字で検索結果のクリック率アップ?? 👍🎉
グーグルが対策してくるかも(Search Engine Land)
最近、グーグルは検索結果で絵文字を表示するようになった。これを利用してトラベルサイトのエクスペディア(米国のエクスペディア)が、titleタグに絵文字を挿入している。いちばんの狙いは、検索結果でのクリック率を高めるためだろう。
Google+の投稿で筆者も実験してみた。すると見事に検索結果のタイトルに絵文字が出てきた。
検索結果で目立つために取り入れたい衝動に駆られるが、みんなが同じことをやり、度が過ぎれば、乱用だとして何らかの対策をグーグルが講じるであろう。
モバイルフレンドリーアップデートで検索結果が急降下した事例
一部のクエリではそれなりにインパクトあり(The Internet Marketing Driver)
モバイルフレンドリーアップデートをグーグルが実施してから2週間が経過した。検索結果にはどんな変化が起きたのだろうか?
当初言われていたような大変動は明らかに発生していない。しかしながら、一部の検索結果には確かに大きな影響を与えているようだ。こちらの記事は、モバイルフレンドリーアップデートの影響を大きく受けた検索結果を調べあげている。
その調査のなかから、PC検索とモバイル検索に大きな差が確認できた検索結果の例をいくつか抜き出してみる。
PC検索 | モバイル検索 | |
---|---|---|
ケース1 | 5位 | 11位 |
ケース2 | 7位 | 16位 |
ケース3 | 3位 | 13位 |
PC検索では1ページ目に出ているのに、モバイル検索では2ページ目に落ちている。検索トラフィックがかなり減少しているだろうことが容易に想像できる。
もっとひどいのにはこんなケースもあったそうだ。
- PC検索: 9位
- モバイル検索: 45位
モバイル検索では5ページ目にまで下がっている。検索トラフィックはきっとゼロに近いはずだ。
パンダアップデートやペンギンアップデートほどではなかったとしても、モバイルフレンドリーアップデートは“それなりの”インパクトをもたらしているようだ。
あなたのサイトをグーグルが軽量化&スピードアップしてくれる
インドネシアのモバイル検索でスタート(Official Google Webmaster Central Blog)
グーグルは先日、モバイル検索では余分な要素を取り除いて軽量化した検索結果を返すようにした。低速な回線でもすばやく表示させることが目的だった。
スピードアップに対するグーグルの取り組みは、検索結果ページに留まらず、検索結果に出てきたページにも及ぶ。今度は、軽量化したバージョンに変換したウェブページをユーザーに返す仕組みを導入することを決めた。
たとえばWeb担のトップページは次のようなイメージで変換される。
スクリーンショットだけではわかりづらいかもしれないが、画像や装飾などの要素が削除され、文字情報が中心になっている。とはいえ、なくてもたいした支障がなさそうな要素なので、コンテンツの内容を知ることを阻害してはいない(ただしページによっては、デザインやレイアウトがかなり醜くなることもある)。
グーグルによれば、次に示すような成果を変換よって実現できたそうだ。
- ページ表示を4倍高速化
- 転送するデータを80%削減
- ページビューが50%増加
軽量化ページヘの転換は、インドネシアでテストが始まる。2Gのモバイル回線がインドネシアではまだ幅広く使われているようだ。4Gが中心になっている日本に導入されたとしても、この仕組みが適用される状況はほとんどなさそうで、メリットは感じられないように思う。それでも、グーグルの高速化への追求姿勢には見習うべきものがあるだろう。
XMLサイトマップを装飾すべきか?
ユーザーのためのものではないから不要(Webmasters Stack Exchange)
次のような質問がSEO系フォーラムに投稿された。
XMLサイトマップを、レイアウトや色をつけてユーザーにも見やすいようにしたい。XSLTを使えば可能だと思うが、どうだろうか?
グーグルのジョン・ミューラー氏がコメントを返した。
XSLTを使えばいろんなことができる。昔はそうしていたし、標準でXSLTも生成してくれるサイトマップ作成ツールもある。
しかし結局のところ、XMLサイトマップが本当にユーザーの役に立つとは私は思わない。
サイトでよく使われる検索キーワードで、通常の検索結果にXMLサイトマップが出てくるようなら、私ならnoindexにしておくだろう(それに、通常のページとともにXMLサイトマップが検索結果に出てくるのは、ともすると何かおかしいのかもしれない)。
HTML形式のサイトマップは、サイト内にどんなコンテンツがあるかをユーザーに案内する目的で提供する。一方XML形式のサイトマップは、検索エンジンのURLの発見を手助けするために提供する。ユーザーのためではない。
検索結果に出てきたXMLサイトマップを、一般ユーザーが便利に利用するとは思えない。したがってわざわざデザインにこだわる必要はないだろう(もっともHTMLのサイトマップも、特に大規模なサイトでは今の時代はユーザーに活用されてないようにも思うが)。
ちなみに、XMLサイトマップが検索結果に出てくること自体には何も問題ない。しかしミューラー氏が言うように、ユーザーが一般的に検索するキーワードで頻繁に出てくるのだとしたら確かに何かおかしそうだ。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
モバイフレンドリーアップデートとコンテンツマーケティングの記事を今週はピックアップ。
- モバイルフレンドリー・アルゴリズムによる順位変動がようやく開始か?アメリカではMozの順位が下落。
あのMozもランキングダウン! - コンテンツマーケティングをグローバルに展開するために必要な5つのこと
多言語・多地域サイトのコンテンツマーケティングで大切なこと
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