このコーナー「禁断の外注コントロール術」が電子書籍になりました! 前回からかなり久しぶりの更新ですが、電子書籍化記念に、連載の第7回をお届けします。
外注の良し悪し、どう見分ければいいの?
「ダメな外注」と「優れた外注」を、あなたはどうやって見分けていますか?
たとえば、次のようなものも、判断基準としては悪くないでしょう。
- 実績
- 売上高
- 従業員数
- 問い合わせしたときの対応
- 営業の印象
これらの基準でうまくいくこともあれば、うまくいかないこともあると思います。
では、こうした規準でうまく判断できなかった場合は、どうやって見分ければよいのでしょうか。
すでにその外注と仕事をしたごとがある知人に聞くのも、いい方法です。でも、都合良くそういう人が周りにいるとは限りません。
本記事では「実績」「売上高」といった企業の履歴書的なもので判断するのとは違う、良い外注と悪い外注の見分け方をご紹介します。
良し悪しを判断するには、基準が必要
少し「外注の良し悪し」から離れた、たとえ話をしてみましょう。
あるサイトが「月間50万PV」だったとします。
これを「少ない」と感じる人もいれば、「多い」と感じる人もいます。自分のなかに何かしらの基準(自分の携わっているサイトの月間PVなど)を元に「多い」「少ない」を感じているのですね。
言い換えれば、基準があるからPV数の「多い」「少ない」を感じられるのです。
外注の良し悪しを判断するにも、提案内容を判断できる基準が必要です。複数社に提案を依頼して比較するのも1つの方法ですが、これだと毎回コンペをしなければならず、(外注泣かせでもあるので)あまりお勧めはしません。
では、毎回異なる内容の基準を、どのようにして定めればいいのでしょうか?
その方法は、自分ならこうするというイメージ(仮説)を持つことです。
この「イメージ(仮説)を持つこと」の大切さは、また外注の良し悪しから離れたたとえになりますが、上司の良し悪しを判断するときにたとえると、わかりやすいのではないでしょうか。
「優れた上司」と「ダメな上司」の判断基準にもさまざま要素がありますが、優れた上司の条件として「話がブレない」ことは、重要な要素ではないでしょうか? 優れた上司は頭の中にイメージがあるから話がブレないのです。
あなたが外注に発注する仕事が毎回違うのと同様に、上司があなたに依頼する仕事も毎回異なっているはずです。でも、優れた上司は頭の中にイメージがあるので、あなたの提出物に対して判断やアドバイスができるのです。
「良い外注と悪い外注をどうやって見分ければいいのか」と悩みながらも、実は、何も考えずに、外注からの提案待ちになってしまっていませんか?外注の良し悪しを見分けるためには、自分のイメージ(仮説)の力を磨かないといけないのです。
「自分のイメージ」があれば、ギャップに気づく
つまり、「自分のイメージ」を持つことで、外注の良し悪しを判断する基準ができるのです。
「自分のイメージ」を持つ
↓
外注の提案内容を自分のイメージと比べることができるようになる
↓
比べることでギャップ(差分)を感じることができるようになる
↓
良し悪しの判断ができるようになる
自分のイメージを持つことは、判断の基準以外にもメリットがあります。
たとえば、時間の制約がある場合でも、「こうあるべき」というイメージがあれば、現状で足りていない部分が明確になり、時間内にゴールを達成するための対応がスムーズに行えるようになります。となると、気持ちにも余裕を持てるようになり、余計なストレスを感じなくて済みます。
また、自分でイメージすることを繰り返すうちにイメージ力が鍛えられます。「イメージ=基準値」ですから、基準が上がれば成果物の出来も向上します。
とは言うものの、その「イメージ」がない場合は……
イメージ(仮説)を持つのに慣れないうちは、参考サイトを探すことから始めてみるといいでしょう。自分の担当する案件が目指すゴールをうまく達成していると思われるサイトや、世間で評価されているサイトを、参考にするのです。
サイトのパーツごとに見ていくのも良いでしょう。そうやって自分の引き出しにいろいろなアイデアを貯めていくのです。
普段からWebサイトを見るときに、「このサイトはどこが良い点なのか」「何が悪いのか」を意識して見てみるようにするだけでも、かなりの気づきが得られます。平日に毎日10サイト意識して見るだけでも、1年で2500個の気づきがストックされます。
繰り返しイメージについて考えることも、イメージ力を鍛えるのに良い訓練です。
イメージを具体的に伝えすぎることにはご注意を
ちなみに、イメージが強すぎることでマイナスになることもあるので、注意してください。
具体的には、「提案依頼時に自分のイメージを具体的に伝えすぎる」というミスです。
自分のイメージをどこまで外注に伝えるのかは、さじ加減の難しいポイントです。あまり細かく具体的に伝えすぎると、外注がアイデアを考える余白を奪います。まったく伝えないと違った方向の提案になります。相手のタイプによっても異なるでしょう。
1つの方法として筆者の場合は、自分のイメージをWeb以外のものに置き換えて伝えています。置き換えることで抽象化されるため、アイデアの余地を残しながらも、ある程度の方向づけができるからです。
- 何も考えずに外注からの提案待ちになってないけない。
- 自分のイメージ(仮説)を持ったうえで外注に依頼する。
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オリジナル記事:ダメな外注と優れた外注の見分け方(第7回) | 禁断の外注コントロール術 | Web担当者Forum
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