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あなたのチームは大丈夫? Web運用チームの現状を簡易テストでチェック | Web制作・運用現場のための「課題解決」の教科書 | Web担当者Forum

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書籍から、Chapter 1-1. 「あなたのチームは大丈夫?『Web運用簡易テスト』でチェックしよう!」の内容をお届けします。

この本を手に取られた方の中には、Webディレクターとして理想のWebチームを作り上げることを目指して日々のサイト運営を指揮する一方で、チーム運営やプロジェクト管理の根本的な問題点や課題にどう手を打てばよいか頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。

問題は複雑に絡み合っていることが多く、また体制や人材に関わるものから仕組みやフローといったものまで非常に対象範囲が広いため、“何をどう評価すべきか”という点について、一時的な基準がありません。自分の会社のWeb制作・運用チームのレベルが高いのか低いのか良く分からない、という方が多いのではないかと思います。

そこで、まずは自分のWeb運用チームのレベルをチェックしてみませんか?

題して「Web運用簡易テスト」です。

これは、実際にメンバーズで考案し使用しているオリジナルのテストで、企業のWeb運用課題をあぶりだし、運用レベルを図ることのできるものとなっています。標準的なレベルとも比較できますし、どこが課題なのかということも、大よそ把握できます。

1-1-1 Web運用を評価する視点

Web運用簡易テストで評価する項目は、全部で5つです。

企業が目指すWebサイト活用の成果を実現するために必要なものを表している次の図で説明します。

企業が目指すWebサイト活用の成果を実現するために必要なもの

上部が、Webサイトそのものの視点で必要なもの。「高品質なコンテンツ」と「高品質な顧客対応(アクセシビリティ、ユーザビリティなど)」、そしてそれを支える高品質なシステム/インフラを指します。

下部が、Webサイトを業務(=制作・運用)の視点で考えた場合に重要なものを表しており、①品質管理、②体制、③可視化、④業務フロー、⑤運用ツールを簡易テストで評価します。

この5つ全部を高いレベルで実現できているチームが極めて高い効果を生むことができるのです。

この簡易テストでは、この5つの視点それぞれに対して10の設問に答えます(20点満点)。その結果、総合的な運用業務のレベル判定(100点満点)が可能になります。

次からいよいよテストです。早速やってみましょう!

  1. 品質管理
  2. 体制
  3. 可視化
  4. 業務フロー
  5. 運用ツール

1-1-2 ①品質管理テスト

  • 説明

    「テストアップしてから何度も修正が発生する」「デザインがガイドライン通りになっていない」「公開用のファイルがどれか分からなくなるときがある」など、成果物の品質管理レベルについて分かります。

  • チェック表

    このあとの評価例を参考に、各設問について「満足=2点 普通=1点 不満足=0点」で点数をつけましょう。

本項目は作業品質(正しく作業ができており、成果物のQCDを期待通りに保てているか)に関して評価します。

品質管理チェック表
No.項目点数
01対応したいデバイスに対応できている  /2点
02コンテンツのデザイン・技術水準に満足している  /2点
03成果物の品質が安定している  /2点
04作業のやり直しが起こらない  /2点
05予定作業時間内での制作ができている  /2点
06素材・原稿の管理ができている  /2点
07公開用ファイルの管理ができている  /2点
08期待するボリュームの制作をこなせている  /2点
09テスト・修正期間が想定内に収まっている  /2点
10単純なミスはまず起こらない  /2点
合計  /20点
品質管理の評価例
01:対応したいデバイスに対応できている
高得点例レスポンシブWebデザインなどに対応し、PCでもスマートフォンでも使いやすい。2点
低得点例スマートフォンでサイトを見ると表示崩れが起きている。0点
02:コンテンツのデザイン・技術水準に満足している
高得点例ターゲットユーザーに伝えたいことが的確に伝わるデザインになっている。2点
低得点例いいね!ボタンの導入やCSS3を使ったデザインなどは、やりたくてもできない。0点
03:成果物の品質が安定している
高得点例ミスがほぼなく、同様のミスが起きないよう再発防止の管理がなされている。2点
低得点例同様のミスが頻発し、ユーザーに誤った情報を伝えていることもある。0点
04:作業のやり直しが起こらない
高得点例制作指示書を的確に読み解けており、各工程の差し戻しが少なく公開に至る。2点
低得点例各工程においてデザイン、文章、画像など、多くの修正が入る。0点
05:予定作業時間内での制作ができている
高得点例原稿作成から公開まで、各工程が概ね予定時間で完了している。2点
低得点例納品期限に間に合わず、公開が遅延することが度々ある。0点
06:素材・原稿の管理ができている
高得点例素材や原稿の調達にヌケモレがなく、内容変更時の管理もしっかりしている。2点
低得点例使用する画像の在処が分からない。古い原稿を元に制作してしまった。0点
07:公開用ファイルの管理ができている
高得点例ファイルの作業履歴がとられており、しっかりバージョン管理ができている。2点
低得点例古いバージョンのファイルを誤って公開してしまうことがある。0点
08:期待するボリュームの制作をこなせている
高得点例繁忙期においても適正な稼働時間とリソースで対応できている。2点
低得点例リソース不足のため、更新量を抑えざるを得ない。0点
09:テスト・修正期間が想定内に収まっている
高得点例テストは計画通りに完了する。2点
低得点例確認が遅れたり、大量の不具合が発覚したりして、期間を延長することがある。0点
10:単純なミスはまず起こらない
高得点例確認漏れなどのケアレスミスが起きることはほとんどない。2点
低得点例注意不足による凡ミスが度々起きている。0点

結果をチェックしましょう

さて、自分でつけた点数を合計してみてください。

以下の表から、自分の点数にあてはまるところをチェックしてみてください。

品質管理の採点表と説明
16点~20点

大変高いレベルの作業品質を実現できています。今後もこの品質を継続してください。残る問題がある場合は、気を緩めず、引き続き改善を進めてください。また、新技術などが登場した際は、きちんと品質確保の方法を用意した上で、積極的に採用していくように努めてください。

11点~15点

ある程度の作業品質を保っていますが、まだ十分とは言えない状況です。0点の項目は優先的に改善していきましょう。また、本番環境でのミス防止だけで満足せず、作業改善による手戻り防止、チェックの効率化、デザイン品質や技術水準の向上にも取り組んでください。

6点~10点

作業品質に関しては、改善が必要と思われます。問題の重要度を評価し、本番の障害につながる問題は、優先的に改善していきましょう。よくある問題として、ガイドラインやチェックツールのことが周知徹底されていない場合がありますので、制作現場に確認してみてください。

0点~5点

作業品質にかなりの問題があります。早急に改善に取り組むことが望まれます。まずは、改善が容易で、すぐ成果が出そうな問題に取り組んでください。品質を軽視すると、他の問題もどんどん悪化していきます。品質最優先の意識をもって、改善に取り組んでください。

公開サイトで誤った情報が伝えられてしまった、といったようなことがあればその影響はとても大きく、企業の信用を大きく損なう可能性がありますので、少しでも高い点数を目指して頑張りましょう。

  • 解決のヒントは

    ミスをなくし成果物の品質を高めるためには、チェックリストの整備や、基本ルールを知りイレギュラーを検知するなど「ミス減少のための現場改善」が必要となります。

  • Chapter2. 解決策編

    2-2 ミスが1/3に減少!「ミス撲滅のための現場改善」を参照してください。

1-1-3 ②体制

  • 説明

    「業務が属人化されていて、担当者が休むと誰もフォローできない」「勤務時間内で終わらず残業が多く発生している」「マニュアル化されておらず引継ぎがスムーズにできない」など、体制面の課題とレベルが分かります。

  • チェック表

    このあとの評価例を参考に、各設問について「満足=2点 普通=1点 不満足=0点」で点数をつけましょう。

本項目は体制・人材(リソースの量的・質的確保が可能か、関係者間の協業は良好か)に関して評価します。

体制チェック表
No.項目点数
01ボトルネック工程の調査、改善、効率化にチャレンジしている  /2点
02通常業務の他に新しいことにチャレンジしている  /2点
03繁閑の差を柔軟に吸収できている  /2点
04必要な情報が共有されている  /2点
05人員異動が起きてもスムーズに引継ぎができる  /2点
06人材が育ち、定着している  /2点
07担当者が不在でも業務に支障が出ない  /2点
08通常勤務時間内での運用ができている  /2点
09関係部署との調整がスムーズである  /2点
10作業の担当者が明確である  /2点
合計  /20点
体制の評価例
01:ボトルネック工程の調査、改善、効率化にチャレンジしている
高得点例定期的に業務の問題点を話し合い、ボトルネックの解消に努めている。2点
低得点例特定の工程で問題がよく起きるが、原因を調べたりはしていない。0点
02:通常業務の他に新しいことにチャレンジしている
高得点例企画のネタ出しやツールの開拓など、オペレーション業務以外にも取り組んでいる。2点
低得点例ルーチンワークに終始しており、他のことはやりたがらない。0点
03:繁閑の差を柔軟に吸収できている
高得点例計画的な増員などで繁忙期もトラブルなく乗り切れている。2点
低得点例繁忙期には作業がオーバーフローし、深夜残業が続いてしまう。0点
04:必要な情報が共有されている
高得点例複数の案件に影響する情報は、チーム内で共有している。2点
低得点例一部の担当者にしか指示・情報が届いていないときがある。0点
05:人員異動が起きてもスムーズに引継ぎができる
高得点例作業内容をまとめたマニュアルを作成し、円滑に引き継いでいる。2点
低得点例引継ぎが原因でしばしばトラブルが発生する。0点
06:人材が育ち、定着している
高得点例求められるスキルが明確で、研修やOJTが整っている。2点
低得点例人が次々と異動してしまい、業務に詳しい者がほとんどいない。0点
07:担当者が不在でも業務に支障が出ない
高得点例担当者以外でも案件の状況を把握でき、いざとなれば作業を代理できる。2点
低得点例担当者が不在だと誰も対応できず、案件が止まることがある。0点
08:通常勤務時間内での運用ができている
高得点例残業が発生することはほとんどなく、定時で帰宅できる。2点
低得点例残業による対応が日常化しており、現場が疲弊している。0点
09:関係部署との調整がスムーズである
高得点例関係部署が把握されており、調整もスムーズに行われている。2点
低得点例関係部署の存在が共有されず、しばしば確認漏れなどが起きる。0点
10:作業の担当者が明確である
高得点例全て作業の担当者は明確で、手待ち、停滞はほとんどない。2点
低得点例時々、誰がやるのか分からない作業が放置されている。0点

結果をチェックしましょう

さて、自分でつけた点数を合計してみてください。

以下の表から、自分の点数にあてはまるところをチェックしてみてください。

体制の採点表と説明
16点~20点

大変高いレベルの体制・人材を確保できています。今後もこの水準を維持してください。残る問題がある場合は、気を緩めず、引き続き改善を進めてください。また、優れた運用のあり方を継承していくため、現場への更なる権限委譲や、組織文化の定着に一層努めてください。

11点~15点

ある程度の体制・人材が確保されていますが、まだ十分とは言えない状況です。0点の項目は優先的に改善していきましょう。また、必要人員の確保だけで満足せず、残業の抑制や人材育成、改善にチャレンジする組織文化の育成にも取り組んでください。

6点~10点

体制・人材の整備に関しては、改善が必要と思われます。問題の重要度を評価し、公開遅延や人員の疲弊につながる問題は、優先的に改善していきましょう。よくある問題として、役割分担が徹底しすぎてチームとして協力が足りない場合がありますので、現場の様子を確認してみてください。

0点~5点

運用体制にかなりの問題があります。早急に改善に取り組むことが望まれます。まずは、改善が容易で、すぐ成果が出そうな問題に取り組んでください。たいていの場合、業務内容が曖昧で、作業量なども管理されず、日々の運用に追われていることが原因ですので、そこから見直してください。

体制の点数があまりにも低ければ、労働環境にも悪影響を及ぼしている可能性があります。そのような場合には、早急な手当と対策が必要な項目になります。

  • 解決のヒントは

    「人手が足りない」や「残業が多い」といった量的な課題の解決策の1つとして、体制を整えて生産性を上げることで、現有戦力でも解決を図れます。中々人員補充が難しいご時世で言うと、既存業務は合理化・効率化を徹底的に行って稼働時間を減らし、その分を新しい事に充てるといったことが必要になります。

  • Chapter2. 解決策編

    2-1 それ本当に見えている?制作現場での「見える化の方法」を参照してください。

1-1-4 ③可視化

  • 説明

    「トラブルが発生してもどう対処していいか分からない」「ミスを記録していないので、同じミスを繰り返してしまう」など、可視化についての課題とレベルが分かります。

  • チェック表

    このあとの評価例を参考に、各設問について「満足=2点 普通=1点 不満足=0点」で点数をつけましょう。

本項目は情報の可視化(必要な情報が記録され、スムーズに確認できる状態か)に関して評価します。

可視化チェック表
No.項目点数
01定期的に、業務の改善点を洗い出している  /2点
02Webサイトの成果を定量的に評価している  /2点
03トラブルが発生した場合は、すぐに把握できる  /2点
04各業務の作業内容が明確である  /2点
05業務に要する作業量の見積もりが正確である  /2点
06作業者の稼働状況が簡単に確認できる  /2点
07業務の進捗状況が簡単に確認できる  /2点
08作業間の優先順位が明確である  /2点
09単位時間当たりの作業量の目標がある  /2点
10ミスの発生を記録している  /2点
合計  /20点
可視化の評価例
01:定期的に、業務の改善点を洗い出している
高得点例定期的に改善点を洗い出し、優先順位をつけて対応している。2点
低得点例業務の改善点を話し合う場がない。改善は行われていない。0点
02:Webサイトの成果を定量的に評価している
高得点例ログ分析などをもとに成果指標を決め、数字を見て対応している。2点
低得点例定量的な成果指標を決めていない。測定していない。0点
03:トラブルが発生した場合は、すぐに把握できる
高得点例エスカレーションフローが守られ、速やかに報告されている。2点
低得点例トラブルが隠蔽され、後で問題となることがある。0点
04:各業務の作業内容が明確である
高得点例業務の中で行うべきことはマニュアルにまとめられている。2点
低得点例どう作業を進めているのか分からないブラックボックスが存在する。0点
05:業務に要する作業量の見積もりが正確である
高得点例実績に基づく作業見積もり標準があり、きちんと使われている。2点
低得点例しばしば作業量の見積もりを誤り、後で問題になる。0点
06:作業者の稼働状況が簡単に確認できる
高得点例タスクボードなどで、各作業者の本日の業務と空き稼働が明確になっている。2点
低得点例作業者の稼働状況は本人しか分からない。0点
07:業務の進捗状況が簡単に確認できる
高得点例全案件の進捗が一目で分かり、遅延があればすぐ把握できる。2点
低得点例業務進捗は作業者本人にしか分からない。0点
08:作業間の優先順位が明確である
高得点例優先順位のルールが浸透しており、判断に迷うことが少ない。2点
低得点例何を優先するかは作業者が決めており、優先業務が後回しにされることもある。0点
09:単位時間当たりの作業量の目標がある
高得点例1日に何ファイル作るという目安があり、守られている。2点
低得点例作業量の目標は決まっていない。0点
10:ミスの発生を記録している
高得点例発生したミスは管理表に記録され、再発防止に活用されている。2点
低得点例ミスは解決すれば忘れ去られる。0点

結果をチェックしましょう

さて、自分でつけた点数を合計してみてください。

以下の表から、自分の点数にあてはまるところをチェックしてみてください。

可視化の採点表と説明
16点~20点

大変高いレベルで情報の可視化を実現できています。今後もこの水準を維持してください。残る問題がある場合は、気を緩めず、引き続き改善を進めてください。また、新たな業務、高度な業務を導入するような場合は、可視化まで達成して導入完了だと心得るようにしてください。

11点~15点

ある程度の情報の可視化が実現されていますが、まだ十分とは言えない状況です。0点の項目は優先的に改善していきましょう。また、制作量や施策の効果などの結果を把握するだけで満足せず、それを改善に役立てたり、新しい目標設定に活用したりすることにも取り組んでください。

6点~10点

情報の可視化への取り組みに関しては、改善が必要と思われます。問題の重要度を評価し、属人化・現場放任につながる問題は、優先的に改善していきましょう。よくある問題として、メールなどで個人に情報が貯まり、チームには共有されない場合がありますので、制作現場に確認してみてください。

0点~5点

情報の可視化にかなりの問題があります。早急に改善に取り組むことが望まれます。まずは、改善が容易で、すぐ成果が出そうな問題に取り組んでください。朝会などチームのミーティングで本日の作業予定などを報告し合うだけでも、改善することがあります。

可視化ができれば、チームの状況を共有しやすいので各工程の連携をスムーズに行えますし、何か発生した場合の問題の所在をつきとめやすく、再発防止などに非常に有効です。可視化の点数を上げて一段上のWeb運用チームを目指しましょう。

  • 解決のヒントは

    緊急なトラブルや制作依頼にスムーズに対応するには、制作スケジュール管理表の見直しをするなど「案件を見える化」することが必要となります。

  • Chapter2. 解決策編

    2-1 それ本当に見えている?制作現場での「見える化の方法」を参照してください。

1-1-5 ④業務フロー

  • 説明

    「突発的な業務が発生すると、通常業務も遅れてしまう」「担当者によって作業の依頼形式がバラバラで困る」「納品までの手順が、案件によって異なる」など、業務フローについての課題とレベルが分かります。

  • チェック表

    このあとの評価例を参考に、各設問について「満足=2点 普通=1点 不満足=0点」で点数をつけましょう。

本項目は業務フロー(標準化できる業務は明確に標準化されているか、業務に滞りはないか)に関して評価します。

業務フローチェック表
No.項目点数
01納品までに必要な一連の業務が全て把握されている  /2点
02進め方の個別調整を必要とする作業が少ない  /2点
03誰がその業務を遂行可能か明確である  /2点
04計画外の割り込みでの業務は少ない  /2点
05進捗が遅れた場合、その回復方法が決まっている  /2点
06問題が生じたとき、作業を中断する判断基準が決まっている  /2点
07作業指示が明確である  /2点
08作業の指示出しがスムーズにできている  /2点
09依頼形式や内容が非定型のものは少ない  /2点
10作業の完了基準が明確である  /2点
合計  /20点
業務フローの評価例
01:納品までに必要な一連の業務が全て把握されている
高得点例運用フローが共有されており、依頼の時点で進め方が見通せる。2点
低得点例しばしば業務の抜け漏れが発生し、後で慌てて対応する。0点
02:進め方の個別調整を必要とする作業が少ない
高得点例標準の進め方が周知されており、誰が対応しても同じ段取りになる。2点
低得点例やり方の決まっていないことが多く、しばしば進め方の個別調整が必要になる。0点
03:誰がその業務を遂行可能か明確である
高得点例誰がどのレベルの仕事をこなせるか明確であり、受託の可否判断で困らない。2点
低得点例業務に必要なスキルが把握されておらず、後で困ることがある。0点
04:計画外の割り込みでの業務は少ない
高得点例依頼の締切などは明確であり、後で割り込んでくる業務は少ない。2点
低得点例しばしば計画外の割り込み業務が発生する。0点
05:進捗が遅れた場合、その回復方法が決まっている
高得点例進捗遅れのリスクが把握されており、顕在化したら計画通り対応している。2点
低得点例進捗遅れが判明してから、どうするか大慌てで考える。0点
06:問題が生じたとき、作業を中断する判断基準が決まっている
高得点例作業を中断すべきパターンが周知されており、問題発生時の判断が的確である。2点
低得点例しばしば問題を抱えたまま作業が行われ、後で手戻りが生じる。0点
07:作業指示が明確である
高得点例指示書フォーマットにそって、的確な作業指示が出されている。2点
低得点例作業指示が曖昧で、何度も確認が必要である。0点
08:作業の指示出しがスムーズにできている
高得点例前提事項の共有やフォーマットの工夫などにより、作業指示がスムーズにできる。2点
低得点例毎回細々とした作業があり、作業指示を出すために時間を要している。0点
09:依頼形式や内容が非定型のものは少ない
高得点例定型フォーマットの意義が浸透しており、みながルールを守っている。2点
低得点例定型フォーマットを無視した依頼があり、できないことの説明に時間を取られる。0点
10:作業の完了基準が明確である
高得点例作業の完了条件が明確で、次の工程で問題が起こることはほとんどない。2点
低得点例作業の完了について担当者間で認識の齟齬があり、しばしば問題が起こる。0点

結果をチェックしましょう

さて、自分でつけた点数を合計してみてください。

以下の表から、自分の点数にあてはまるところをチェックしてみてください。

業務フローの採点表と説明
16点~20点

大変高いレベルで業務フローが整備されています。今後もこの水準を維持してください。残る問題がある場合は、気を緩めず、引き続き改善を進めてください。また、体制の変化や新技術導入、新規コンテンツの増加によりボトルネックが変化していないか、定期的に見直すようにしてください。

11点~15点

ある程度の業務フローは整備されていますが、まだ十分とは言えない状況です。0点の項目は優先的に改善していきましょう。また、標準の手順を定めただけで満足せず、それが浸透しているか、イレギュラーが発生しても円滑に対応できるかなどにも目を配るようにしてください。

6点~10点

業務フローの整備に関しては、改善が必要と思われます。問題の重要度を評価し、情報のヌケモレ、作業のヌケモレにつながる問題は、優先的に改善していきましょう。よくある問題として、忙しいために標準フロー・手順が無視されている場合がありますので、現場の様子を確認してみてください。

0点~5点

業務フローにかなりの問題があります。早急に改善に取り組むことが望まれます。まずは、改善が容易で、すぐ成果が出そうな問題に取り組んでください。メモ書きでもいいので、最もボリュームの多い業務から手順を標準化し、やり方を考える負荷を減らしていくようにしましょう。

適切な業務フローを作り上げることは一朝一夕ではできません。この点数が低い場合、まずは基本となる手順をつくることから始めるとよいと思います。

  • 解決のヒントは

    業務フローを標準化させるために、“かんばん方式”など、生産管理の手法を取り入れることで、個人やチームのタスク管理が見える化され、スムーズな業務フローを構築できます。

  • Chapter2. 解決策編

    2-3 みんながスムーズに作業を「生産管理」の考え方を参照してください。

1-1-6 ⑤運用ツール

  • 説明

    「担当者毎にメールで制作依頼が来るので、一括してステータスを確認できない」「変更点や決定事項が全員に共有されず、ミスが発生してしまう」「更新箇所が把握されておらず、更新漏れが発生する」など、運用ツール活用状況についての課題とレベルが分かります。

  • チェック表

    このあとの評価例を参考に、各設問について「満足=2点 普通=1点 不満足=0点」で点数をつけましょう。

本項目は運用ツール(ツールは活用されているか、人力に頼ることで生産性を下げている部分はないか)に関して評価します。

運用ツールチェック表
No.項目点数
01直近1ヶ月の作業計画が全員に示されている  /2点
02現時点で対応すべきタスクが容易に確認できる  /2点
03決定事項が容易に確認できる  /2点
04情報の伝達や資料の授受が円滑である  /2点
05人手で作業することで、高い品質が実現できていると感じる  /2点
06標準の運用ツールを使うことで、業務が効率化していると感じる  /2点
07依頼可能な範囲、所要期間、費用の確認がスムーズである  /2点
08作業依頼書の作成がスムーズである  /2点
09作業依頼の受諾/拒否の回答が速やかである  /2点
10受諾から納品までの作業工程の進捗チェックが簡便である  /2点
合計  /20点
運用ツールの評価例
01:直近1ヶ月の作業計画が全員に示されている
高得点例大枠のスケジュールが共有されており、何かあっても微調整で対応できる。2点
低得点例おおまかな月間スケジュールすら不明確であり、休暇を取ることも難しい。0点
02:現時点で対応すべきタスクが容易に確認できる
高得点例タスク管理ツールにより、今、誰がタスクを持っているかすぐ確認できる。2点
低得点例タスクの認識漏れがしばしば生じている。0点
03:決定事項が容易に確認できる
高得点例情報共有ツールにより、決定事項を時系列で簡単に確認できる。2点
低得点例決定事項の見落とし、引継ぎ漏れが相次いでいる。0点
04:情報の伝達や資料の授受が円滑である
高得点例資料の管理ツールがしっかりしており、探すのに時間がかからない。2点
低得点例しばしば資料を紛失し、探すのに時間がかかる。0点
05:人手で作業することで、高い品質が実現できていると感じる
高得点例定型業務はツールで行い、スタッフは企画立案や顧客応対などに注力している。2点
低得点例ツールの導入が面倒なので、効率性・正確性を犠牲にして人手で作業している。0点
06:標準の運用ツールを使うことで、業務が効率化していると感じる
高得点例標準ツールは効率的であり、みんなが使いたがる。2点
低得点例標準ツールを使うと面倒なので、使わない人が多数いる。0点
07:依頼可能な範囲、所要期間、費用の確認がスムーズである
高得点例業務要件が明確で、依頼可否、期間・費用がスムーズに分かる。2点
低得点例依頼可否、期間・費用の基準が曖昧で、人により回答が違うことも多い。0点
08:作業依頼書の作成がスムーズである
高得点例作業依頼書には無駄な項目がなく、何を記入するかも分かりやすい。2点
低得点例作業依頼書の作成に時間がかかる。毎回記入に迷う箇所がある。0点
09:作業依頼の受諾/拒否の回答が速やかである
高得点例依頼を出すと速やかに回答が戻ってくる。すぐ出せないときも一次回答がある。2点
低得点例作業依頼の提出から回答まで何日もかかる。一次回答も遅い。0点
10:受諾から納品までの作業工程の進捗チェックが簡便である
高得点例進捗はツールにより自動的に記録され、簡単に確認できる。2点
低得点例工程の進捗チェックは煩雑で、時々ステータスの変え忘れもある。0点

結果をチェックしましょう

さて、自分でつけた点数を合計してみてください。

以下の表から、自分の点数にあてはまるところをチェックしてみてください。

16点~20点

大変高いレベルで運用ツールが整備・活用されています。今後もこの水準を維持してください。残る問題がある場合は、気を緩めず、引き続き改善を進めてください。また、より費用対効果の優れたツールを他社が使っていないか、同業者や外注ベンダーと情報交換するよう努めてください。

11点~15点

運用ツールはある程度活用されていますが、まだ十分とは言えない状況です。0点の項目は優先的に改善していきましょう。また、ツール化できていない部分については、既存のやり方に固執するのではなく、効率化できそうなツールを積極的にテストするよう努めてください。

6点~10点

運用ツールの活用に関しては、改善が必要と思われます。問題の重要度を評価し、単純作業、定型化できる作業に人が追われている場合は、優先的に改善していきましょう。よくある問題として、昔のやり方に固執してツールを使っていない場合がありますので、現場の様子を確認してみてください。

0点~5点

運用ツールにかなりの問題があります。早急に改善に取り組むことが望まれます。まずは、改善が容易で、すぐ成果が出そうな問題に取り組んでください。情報の受け渡しでミスが起きたり、手間がかかっている場合は、帳票を見直すだけでも改善することがあります。

ツールは魔法の杖ではありませんので、ツールを入れれば運用上の悩みがあっという間に解決されるなんてことはありません。ただし、情報の共有や可視化といったWeb運用チームに必要なことを実現するために適切なツールを入れれば大変役立ちます。導入に抵抗がある方もいるかもしれませんが、一考の価値はあると思います。

  • 解決のヒントは

    チーム(プロジェクト)のタスク管理にツールを活用することで劇的に効率化が図られることがあります。

  • Chapter2. 解決策編

    2-3 みんながスムーズに作業を「生産管理」の考え方を参照してください。

1-1-7 総合評価

さあ、これで5つの項目の評価は終わりましたね。いかがでしょうか?

自分が所属しているWeb制作・運用チームのどの部分が優れていてどの部分に課題が多いのか、大まかにでも分かったのではないでしょうか?

例えば“品質管理”が高いけれども“可視化”が低い、“業務フロー”が優れているけれども“体制”が弱い、などなど各社の特徴を表した結果が出ているかと思います。

そして全体の総合評価を見てみましょう。5つの項目の点数をそれぞれ下記に記入して合計してみてください。

結果をチェックしましょう

以下の表から、自分の点数にあてはまるところをチェックしてみてください。

総合評価の採点表と説明
81点~100点

一般的な企業と比べて圧倒的に優れたWebサイト運用を実現しています。この水準を維持し続けるとともに、Webサイトでビジネスに貢献できるように努めてください。また、Webの世界は変化が激しいため、高スコアに慢心せず、時代遅れの運用になっていないか定期的に見直すようにしてください。

51点~80点

一般的な企業のサイト運営と比べると、平均よりレベルの高いサイト運営が行われています。スコアが10点を下回る項目がある場合は、その項目を優先的に改善していきましょう。また、知識が足りない部分は、積極的にWeb専門のベンダーなどに協力を求めるようにするとよいでしょう。

21点~50点

10点を下回る項目が多く、可能なところから早急に改善していくことが望まれます。もし、品質スコアが低い場合は、まず品質改善に取り組んでください。品質が良くなると、続いてスピードや運用効率も改善します。品質に問題がない場合は、可視化の改善を優先すると、改善のスピードが速くなります。

0点~20点

残念ながら、一般的な企業と比べると、Webサイト運用の評価はかなり低いと思われます。最も重大な問題が何かを見極め、そこにリソースを投入して思い切った改善策をとってください。1つ成功すれば、1つ現場が楽になり、計画的に改善を進めていく余裕が出てきます。

さあ、みなさんの結果は、思ったより高かったですか? 低かったですか?

メンバーズでの実績では平均的な企業のWeb運用の状態は、50点です。

各項目10点×5つで50点になります。合計で50点を超えていればまあまあ標準的なレベルの運用状況と言えますし、一方で10点を下回る項目があれば、それは弱いところがあることになります。

より自分ごととして課題を捉えていただくため、最初にテストをしました。

チームの強み弱みをしっかり把握した上で、次節では市場環境やトレンドの変化を見ていきましょう。

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:あなたのチームは大丈夫? Web運用チームの現状を簡易テストでチェック | Web制作・運用現場のための「課題解決」の教科書 | Web担当者Forum
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この記事の筆者

神尾 武志(かみお たけし) Chapter1 担当
株式会社メンバーズ セールス&マーケティングディビジョン ディビジョン長

テレビ番組制作会社、モバイルサイト制作会社勤務を経て2011年にメンバーズ入社。制作会社時代に、某教育サービス系企業の会員サイト・サービスサイトを複数企画・立上げを担当。メンバーズ入社後は、某金融機関のサイトソーシャル化、ソーシャルメディアと連携したコミュニティサイトの立上げをプロデュース。現在は大手企業のWeb運用の改善や新規構築に携わる。

雨宮 秀仁(あめみや ひでひと) Chapter2 担当
株式会社メンバーズ

和田 直美(わだ なおみ)Chapter2 担当
株式会社メンバーズ マーケティングプランナー/上級ウェブ解析士

神保 直樹(じんぼ なおき) Chapter3 担当
株式会社メンバーズ Webプランナー/中小企業診断士

増井 達巳(ますい たつみ)Chapter4 担当
合同会社フォース 代表社員

株式会社メンバーズ

1995年創業。経営理念に「“MEMBERSHIP”でマーケティングを変え、心豊かな社会を創る」を掲げ、国内大手企業を中心とした顧客企業に対し、デジタルマーケティング分野における戦略立案から企業Webサイトの構築・運用、ソーシャルメディア活用等の支援サービスを総合的に提供しています。

また、メンバーズでは「社会への貢献」「社員の幸せ」「会社の発展」を同時に実現する経営指針「超会社」に基づき、東北復興支援として現地での雇用創出・地域経済活性化を目的とした仙台オフィスの開設やワークライフバランスへの取り組み、健康に働ける職場づくりなど、様々な取り組みを行っています。
http://www.members.co.jp/


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