今日は、ネット広告の最近について。いわゆる「アドテク」の進化で、今のネット広告は「できるだけコンバージョンする人、しかも、見込み購買額が高い人」にターゲティングするように進化してきているのです。
リスティング広告を使って集客している人は、Web担の読者さんにも多いと思います。でも、最近はネット広告は、すごく進化しているってご存じですか?
というのも、「できるだけコンバージョンしやすい人に、コンバージョンしやすい広告を、しかも、見込み購買金額が高い人を優先して」広告を出せるような仕組みへと進化していっているのです。
それは、Criteo(クリテオ)という会社が提供しているディスプレイ広告のサービスです。
自分が見ていた商品そのものが表示されるバナー
あなたは、前の日にECサイトで見ていた(けれども買わなかった)商品そのものが表示されているバナー広告に出会ったことはありませんか?
「あ、この商品」ってバナーに意識がいきますよね。普段なら無意識のうちに無視している広告枠だったとしても、自分がつい最近、「買おうかな」と見ていた商品なんですから。
私は最近、引っ越し先を探しているのですが、大手の不動産サイトで物件を見ていたら、しばらくすると、見ていた物件そのものと、さらにいくつかの似たような物件を推すバナーが、他のサイトに行ったときに表示されるようになります。
これが、クリテオの技術を使った広告です。
クリテオが提供する広告サービスは、いわゆる「リターゲティング広告」で、サイトを一度訪れた人に対して、効果的に広告を出すことでコンバージョンを促進するもの。Yahoo! JAPANなどのメディアに広告を表示できるほか、主要なRTBと接続しているので、配信先は幅広くあります。
「リターゲティング(リマーケティング)」というと、ふつうはサイトを訪れた人のリストをサイト全体やセクションごとで作るもので、用意する広告のクリエイティブは、リストごとか、がんばって広告キャンペーンごとですよね。
でも、クリテオのリターゲティングは、「リスト」ではなく「個人(正確にはブラウザ)」に対するリターゲティングなのです。つまり、「その人が見ていた商品」をベースに、リターゲティングできるのです。
もちろん、通常のリターゲティングでも同様のことをやろうと思えばできなくはないですが、商品数が多いと設定が大変になってしまいますよね。
クリテオの技術では、それを「データフィード」という形でサイトからクリテオのシステムに対して商品情報を送ることで解決しています。
つまり、ユーザーが見ていたページのURL(や情報)に対応する商品の画像や価格情報などを、データとしてクリテオに渡しておいて、あとは任せられるのです。
「より高い金額でコンバージョンしてくれる人」に最適化
このクリテオのサービスが、なかなかすごい進化をしているんです。
ネット広告の歴史を見ると、最初は「いくら広告費を払って、何回表示されるか」でした。つまり、CPM(1000回表示あたりコスト)の時代ですね。この時代は「どこに広告を出すか」が大切でした。
それが、「クリック1回あたり何円かかるか」、つまりCPC(クリック単価)の時代になり、広告は「いかにクリックしてもらうか」が大切になりました。
でも企業にとっては、クリックは意味がありません。購買や申し込みなどのコンバージョンに結びつかなければお金を出す価値がないのですから。そこで、広告は「いかにコンバージョンする可能性の高い人にクリックして来てもらうか」が大切になりました。CPA(顧客獲得単価)の時代です。
クリテオも、当初は「できるだけクリックされるように」最適化する広告サービスだったのが、ここ数年は「できるだけコンバージョンされるように」自動的に予測して最適化するようになっています。
それが、最近では「できるだけ購買金額が高いユーザーを優先する」ような仕組みに進化していっているというのです。
たとえば、旅行会社が広告を出すとして、同じハワイの旅行を検討している人でも、3泊の人と5泊の人がいたら、5泊の人を優先して広告を出すということですね。
今のネット広告は、そんな風に進化してきているのです。
さらには、居間のソファでくつろぎながらスマホで商品を眺めて、買うときはあとで書斎のパソコンで買うという人もいますよね。そういう場合でも、スマホで見ていた商品でパーソナライズしたリターゲティング広告をパソコンのブラウザ上で出すというような、クロスデバイスのユーザー紐付けもできるように、クリテオは進化しているとのこと。
なんかクリテオさんの広告みたいな記事になっちゃいましたが、事業戦略説明会でちゃんと話を聞くと、やっぱりすごいな、と。Web担でクリテオさんの広告サービスに関してちゃんと触れたことがなかったので、改めて説明してみました。
技術の進歩ってすごいですね。そして、その進化に追いついていかないと、「今まで通り」でやって、同じ金額でもっと成果を伸ばせるチャンスを逃してしまうことになるんですよね。勉強しなきゃ。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:ネット広告はCTRでもCVRでもなく「コンバージョン金額最適化」へと進化している | 編集長ブログ―安田英久 | Web担当者Forum
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