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Facebookを使ってファンと商品開発! 2万3000の声を商品化させた森永乳業のマーケティング施策とは? | D2Cスマイル ‐ 特選記事 | Web担当者Forum

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コンシューマーの声を取り入れながら、共に創る。マーケティングの基礎のようでいて、けれど新しい“共創マーケティング”は、今年、注目を集めたワードのひとつ。

ソーシャルメディアという、誰もが意見を寄せられるフィールドがあるからこそ広がりを見せ始めた、マーケティングの新たな形……。その新たな手法に挑んだのが、森永乳業の看板商品として発売20周年のアニバーサリーイヤーを迎えた「森永アロエヨーグルト」です。

今回は、発売20周年記念の共創プロジェクト「“みんなで見つけよう”森永アロエヨーグルト 20thヒミツ発見プロジェクト」から、コンシューマーと共に新商品を創り上げる「みんなメイドのアロエヨーグルト」についてご紹介します。

本プロジェクトにおいてD2Cでは、プロモーション企画・設計からWebサイト制作・Facebookや事務局の運用まで、幅広くお手伝いさせていただきました。

今回は森永乳業でヨーグルト商品のマーケティングを担当する土岐晃彦さん、田中友恵さんにお話しを伺いました。

共創の舞台:プロジェクトWebサイト

コンシューマーの声こそ、20年で培った資産

――「森永アロエヨーグルト」発売20周年という節目に新商品を開発するにあたり、“共創マーケティング”という手法を採られたのは、なぜだったのでしょう?

土岐:Facebookでさまざまな情報を発信していくなかで、お客さまから「森永アロエヨーグルトのこんなところが好き!」ですとか、「こんなヨーグルトが食べてみたい!」ですとか、いろいろなコメントをいただいていたんです。こうしたお客さまの声こそ、発売開始から20年の歳月で培ってきた資産。

ならば20周年という節目の年に、あらためてお客さま一人一人の声に耳を傾け、我々から一方的に発信するのではなく、一緒に新しい価値を創り上げていこうと。そう考えたときに合致したのが“共に創り上げる”という“共創マーケティング”、これは弊社全体でも初めての試みです。もちろん、これまでもお客さまの声が何よりの開発材料ではありましたが、今回のプロジェクトでは商品コンセプトの段階からアイデアを募りました。とりわけ初段階のコンセプト募集については、ある程度、評価が想定される選択肢から選んでいただくのではなく、Facebookのコメント機能を利用し、フリーワードでご提案いただいたんです。

Facebookでのコンセプト会議の模様

Facebookの声が浮き彫りにした“商品への愛”

――どのような声が届いたのですか?

土岐:実際に商品化された森永アロエヨーグルト シャンパンカクテル テイストのコンセプトとして大きな参考になったのが、「ワインと一緒に食べるとおいしい!」という声。他にも「グラノーラを入れ、さらにヘルシー感をアップさせた食べ方がオススメ!」ですとか、「私はフローズンヨーグルトにして食べているので、商品化してください!」という声が届き、お客さまが独自のアレンジをされていることを知りました。アレンジされるということは、商品がお客さまの生活に深く根づき、さらに発展させてくれているということ。開発の参考になったのはもちろん、森永アロエヨーグルトへの愛情を知る機会にもなったんですね。

田中:コンセプトを募る場所にFacebookを選んだことも、功を奏したのかなと。広くお客さまのご意見を聞けるのがソーシャルメディアを活用したマーケティングの魅力ですが、パイが大きくなればなるほど、「ちょっと現実的ではないかも?」という声も届くかと思うんです。今回Facebookにコメントをくださったのは、森永アロエヨーグルトのコアなファンの方ばかり。皆さん、もともと森永アロエヨーグルトを好きでいてくださって、「日頃感じているアレンジのアイデアやご自身の喫食シーンをもとにご意見をくださったように思います。

森永乳業株式会社
リテール事業部 ヨーグルトマーケティンググループ
土岐晃彦 氏

ライブ感のある演出が“共創”の喜びを生む

――Facebookによるコンセプト募集を始めたのが2014年6月。その後、半年の期間で新商品がリリースされましたね。

土岐:お客さまにも一緒に創り上げているということを実感していただくため、開発スピードにはこだわりました。立ち上げから発売まで、あまりに間延びしてしまうと募集していたこと自体を忘れられてしまう……というのもありますが、コンセプト募集から味わいや香りなどのご意見を募る“中身会議”、さらにパッケージデザインの募集に最終デザインを決定するファン投票と細かくステップを分け、そのときどきに特設サイトで中間発表をしたんです。完成形をお披露目するサプライズ感も味わっていただきたかったので、核となる部分はうまく隠しつつ、半年というスピード感と細かなステップによって、ライブ感を感じていただけたのではないかと。

ヨーグルトの味わいなどを決める中身会議の模様
パッケージデザインを決めるデザイン会議の模様

田中:特にコンセプトの決定以降の中身会議・デザイン会議では特設サイトに選択形式の回答ページを用意して、さらに多くのご意見を募りました。直感的に、手軽にご意見いただけるよう、セレクトの操作もインタラクティブに。その結果、最終的に集まったのが2万3000もの声。その声を参考にソムリエさんのいらっしゃるバーに森永アロエヨーグルトを持ち込んで、20~30ものアルコールとの相性を試し、試作品を検討したりもしたんです。周りのお客さんは「何ごと?」と思われたと思いますが(笑)、メーカーである私たちも、お客さまと一緒に創り上げるプロセスを楽しんでいたのかも知れません。

森永乳業株式会社
リテール事業部 ヨーグルトマーケティンググループ
田中友恵 氏

新商品で広がる新スタイル「ヨーグルトで乾杯!」

――そして12月2日、2万3000の声から生まれた「森永アロエヨーグルト シャンパンカクテル テイスト」が、ついに発売されました。

土岐:新たな購買層への広がりを実感しています。特にTwitter等を見ていると、シャンパンカクテル テイストという味わいと、イベントシーズンである12月発売というのが重なったことで「ヨーグルトで乾杯!」ですとか、「パーティシーンにもマッチしそう!」なんてつぶやきもあります。そもそもが「ワインと一緒に食べるとおいしい!」というご意見から生まれた商品なので、その目論見が見事に当たったというか……ご意見をくださった方は「だから言ったでしょ!」と思っているのではないでしょうか(笑)。

“共創”が可能にした新たな発見と再確認

――“共創マーケティング”という切り口で新商品を完成させたことで、今後への期待感はいかがでしょう?

田中:今回の共創プロジェクトで一貫して行ってきたのは“森永アロエヨーグルトの価値の可視化”です。例えば、プロジェクトでは「森永アロエヨーグルトを食べると前向きな気分になれる」というお声をもとに、食べたときの脳波を測定するイベントも行ったのですが、これも「脳が感じる幸せ」を可視化するひとつ。そして、お客さまの声から見えてきた意外な召し上がり方であったり、新テイストの発案であったり、常日頃、感じていただいている森永アロエヨーグルトの魅力であったり……その声を具現化した集大成が、今回の新商品です。

土岐:マーケッターとして怖いことは、マンネリ化してしまうこと。けれど今回のプロジェクトを通して、お客さまにとってどんなものが魅力的に映るのか、新たな発見と再確認の2つを得ることができました。これはメーカーだけで考えていては不可能だったこと、“共創”だから、なし得たことです。実は新商品のお披露目イベントとして一般の方をお招きし、試食をしていただいた際、商品化からは漏れてしまったものの、お客さまがくださったコンセプトから生まれた他の味わいやアレンジもお出ししたんです。すると、さすが森永アロエヨーグルトを愛してくださるファンの方から生まれたアイデア、こちらも「おいしい!」と大評判。となれば“共創”を切り口にした開発に、手応えを感じられたのは言うまでもありません。

オリジナル記事はこちら:共創マーケティングでコンシューマーの声を可視化! 2万3000の声で生まれた、「森永アロエヨーグルト シャンパンカクテル テイスト」にクローズアップ!(2014/12/24)

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:Facebookを使ってファンと商品開発! 2万3000の声を商品化させた森永乳業のマーケティング施策とは? | D2Cスマイル ‐ 特選記事 | Web担当者Forum
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この記事の筆者

株式会社D2C

NTTドコモ、電通、NTTアドの3社合弁で設立された、世界初のモバイル広告/マーケティング会社。
「No Wireless, No Marketing」をスローガンに掲げ、統合デジタルマーケティングの提案・実施までをワンストップで提供している。

http://www.d2c.co.jp/


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