今週は、so.laの辻正浩氏による「今やるべき3つのSEO施策」に関する講演レポートが注目記事。ほかにも、PageSpeed Insightsで解決可能なレポートに絞る方法、今年最後のウェブマスター オフィスアワーの開催情報、キャッシュの日時とクロールやインデックスの関係、記事の公開日を表示しないようにするとどうなるかなどなど、SEOの情報をお届けする。
今やるべき3つのSEO施策 by 辻正浩氏
タイトル・テキスト・リンク(Web広告研究会)
株式会社so.laの辻正浩氏が「検索エンジンの進化といま企業サイトが行うべきSEO」というタイトルで行ったSEOセミナーのレポート記事を紹介する。
Web広告研究会が東北地方の「いまの復興」と「これからの復興」のために開催している東北セミナーの第7回で辻氏が行った講演だ。
特に今重要なSEOとして、辻氏は次の3点を挙げたそうだ。
- title要素に徹底的にこだわる
- 価値あるテキスト情報の増強
- 価値をリンクにする
それぞれについて、レポートからポイントを紹介しよう。
- title要素に徹底的にこだわる
- 長ければ良いわけではないが、可能な限り長いほうが目にとまりやすい
- 自社やサービスの売りをしっかりと表示し、訴求ポイントをおさえる
- 上下に何が表示されるかを意識し、差別化を図る
- 価値あるテキスト情報の増強
……テキストの内容は、「ユーザーの悩みが何か」を考え、「それに対してページが何を解決するか」を考えて書くことが重要だ。SEOを優先するよりも、ユーザーにしっかりと伝えたいことをテキスト情報として伝えることで、流入しやすいキーワードが多くなる。……
- 価値をリンクにする
……「既存の価値をリンクに変える」は、すでにあるものを少し変えるだけで、リンクになる可能性がある……
このほかにも、実践で成果を上げ続けている辻氏のSEOへの取り組みがたくさん書かれている。
すぐに業務に役立てられる内容もあるが、「今のSEOの状況」と「どうすべきか」を表している最後の1文は、非常に大切なことを伝えている。
検索エンジンも1人の大切なユーザーとして考え、せっかくなら拾っていく意識を持ってほしい。SEO第一であるべきではなく、そのようなサイトは魅力がない。ただし、頭の片隅で検索エンジンは意識し続けてほしい。SEOを意識したうえで、ユーザーに向けた運営を続けていれば、検索エンジンの進化を恐れる必要はなく、逆に進化のたびに売上アップを喜べるようになるはず
全体を通して、じっくりと読むことを推奨する。
日本語で読めるSEO/SEM情報
Flashページを作ってグーグルにわざと嫌われてみたでござる
好奇心旺盛な実験に大成功(バカに毛が生えたブログ)
ページの大部分がFlashで構成されるページは、グーグルのモバイル検索結果に表示されても、スニペットに警告が表示されることがある。
たとえば、ほとんどのスマートフォン端末はFlashを再生できないので、Flashが動かないページへユーザーを連れて行くのはユーザー体験を損ねる結果になる。そのためグーグルは、モバイルユーザーがそのページにアクセスする前に伝えるのだ。
この仕組みは日本では10月に導入され、現在は世界中で適用されている。
好奇心旺盛なことに、Flashだけのページをわざわざ作って警告が本当に出るのかどうかを実験したブログがある。
果たして、結果は見事に成功した。
ページのごく一部に補助的コンテンツとしてFlashがあるくらいなら問題ないのかもしれないが、メインコンテンツとしてFlashを利用するのは、モバイルユーザーを考えると、今の時代は絶対にやめておこう。実験だからこそ喜べる結果だが、実サイトでこんな結果になったら目も当てられない。
PageSpeed Insightsで外部サイトの問題を排除する方法
正確になってスコアアップするかも(グーグル ウェブマスター向けヘルプフォーラム)
PageSpeed Insightsで表示速度に関するチェックをすると、外部のサイトのリソースであっても修正を要する問題として指摘される。とはいうものの、こうした指摘は自分の力では対処できないので、基本は無視して構わない。
しかしPageSpeed Insightsに「filter_third_party_resources=true
」というパラメータを付けたURLでアクセスすると、外部サイトの問題を排除して検証できるそうだ。
具体的には次のURLだ。
外部サイトの問題を除外できるので、その分スコアが上がることもある。より正確なスコアを知りたければ、こちらのURLで検証すると良さそうだ。
グーグルのサービスが提供しているリソースが「問題あり」として指摘されことが多いので(もちろんTwitterやFacebookのものも指摘されるのだが)、精神衛生上もこちらのほうが良いだろう。
グーグルの再審査リクエスト改善プロセスのアンケートを入手
日本の主導か?(UMA)
グーグルが、再審査リクエストのプロセス改善のためのアンケートをとっているらしいことを以前に紹介した。この時はツイッターでそういう情報を得ただけで、具体的な質問内容まではわからなかった。
しかしアンケート内容をこちらのブログが公開している。次の6つの質問で構成されているようだ。
再審査リクエストのプロセスに関して、全体的な満足度を教えてください
ウェブマスターツールのメッセージセンターに通知された「手動による対策」に関する情報は、手動による対策が適用された箇所を修正するのにどのぐらい役に立ちましたか?
再審査リクエストの回答として受け取ったメッセージに記載されている情報は、どのぐらい役に立ちましたか?
再審査リクエストを送信後、どのぐらいの時間でGoogleから回答を得られることを期待していますか?(していましたか?)
再審査リクエストを送る準備のために最もよく利用した情報を3つまで選んでください
ご回答いただいた内容に付け足したいこと、再審査に関して改善を希望されること、このアンケートに関するご意見などがありましたらお知らせください。
ステークホルダーが感じていることや考えていることをアンケートで直接聞くという方法は、非常に優れたマーケティング手法だ。適切な対象者に適切な内容と適切なタイミングで行えば、サイトやサービスを改善するのに役立つVoC(顧客の声)を得られるからだ。
日本以外の国ではこうしたアンケートが送られているというニュースは筆者には依然として入っていない。やはり日本独自ではないかと思われる。日本主導で、手動対策の解除プロセスの改善が行われているとしたら、頼もしいことだ。
今年最後のウェブマスター オフィスアワーは12/11開催
年末拡大版(Google Webmasters)
今年最後のウェブマスター オフィスアワーの開催が決まった。日時は次のとおりだ。
- 12月11日(木)12:00~13:00
内容に関しては、
とのことである。
Google+のイベントページにアクセスして、参加表明しておこう。
残念ながら都合が悪く参加できないなら、質問だけでもコメント欄に書き込んでおくといい。YouTubeにアップされた録画であとから確認できる。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
ツイッターのSEO施策に関する記事と、編集長ブログでも話題に挙げられている非表示コンテンツの扱いについての記事を今週はピックアップ。
- TwitterがSEO重視に方針転換、検索トラフィックを10倍に伸ばすことに成功
ハッシュタグページの公開だけで10倍! - [続報] 重要なコンテンツならタブや展開ボタンで隠さないほうがいい
ユーザーを戸惑わせないための処置
- キャッシュ日時はクロールやインデックスとは関係なし
- 記事の公開日を削除すればグーグルの評価が上がるのか?
- タブレットはPC扱い? スマホ扱い?
- リッチスニペットが2つまでしか表示されないのはなぜ?
- 今さら感満載? “ケータイ”向けSEOを教えます
(今週はお休み)
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
キャッシュ日時はクロールやインデックスとは関係なし
SEO指標にしなくていい(John Mueller (@JohnMu) on Twitter)
グーグルのキャッシュの日付が1か月以上も更新されていないサイトが多くあったらしい。この件に関して、何かあったのかとツイッターで質問されたグーグルのジョン・ミューラー氏が、次のように答えた。
キャッシュの日付は、クロールやインデックスとは関係がない。だから、私なら指標としては利用しない。
@HiSeoSem The cached date is separate of crawling & indexing, so I wouldn't use that as a metric.
— John Mueller (@JohnMu) 2014, 11月 26
別のユーザーから更新が止まった理由を尋ねられたミューラー氏はこのように答えた。
そのうち更新されるから心配しなくていい。
@sandeepkumarsh@HiSeoSem It'll catch (cache?) up again, don't worry :-)
— John Mueller (@JohnMu) 2014, 11月 28
グーグルのキャッシュが更新されない現象は10月20日ごろを境に発生したようだが、ミューラー氏のいうとおり、ほどなくしてキャッシュ日が古い状態は解消されたようだ。
グーグル側で、処理方法の変更または一時的な不具合があったのかはわからない。いずれにしても、キャッシュの日付をSEOの監視対象にする意味はないようだ。
記事の公開日を削除すればグーグルの評価が上がるのか?
SEO的には意味なし、UX的にはマイナス(WebmasterWorld)
WebmasterWorldフォーラムに次のような質問が投稿された。
何年もブログを運営していて、数千記事を公開してきた。今でも通用するコンテンツだったとしても、5~6年前の古い記事をグーグルは上位表示させなくするだろうか?
公開日を訪問ユーザーにはわからないようにしようかと考えている。
意見を聞かせてほしい。
SEOの観点とユーザー体験の観点から見た、適切な回答が返されている。順に紹介しよう。
SEO観点からの回答
私の経験からいえば、古くても廃れないコンテンツはグーグルで上位表示し続けている(必要があれば更新するし、なければそのままだ)。
グーグルがすでにそのページをインデックスしているのであれば、公開日やタイムスタンプを削除しても、新しいコンテンツだとしてグーグルを欺くことはできない。
たしかに新しいコンテンツを上位表示するアルゴリズムがグーグルには存在する。だがそれは時事性にかかわるクエリに対してだ。
たとえば、今「グランプリファイナル」と検索すれば、今年(2014年)のフィギュアスケートのグランプファイナルに関連するページが多数上位に出てくるだろう。しかし1年後の今、同じ「グランプリファイナル」で検索すれば、来年(2015年)のフィギュアスケートのグランプファイナル関連ページが多数上位に出てくるだろう。
一方で、時節にかかわらない普遍的なトピックに関しては、公開日はほとんど影響しない。
たとえば、301リダイレクトについて解説した筆者のブログ記事は7年前に公開したものだが、いまだに1ページ目に表示されている。301リダイレクトの仕様や設定方法は7年前も今も変わっていない。“最新”である必要は必ずしもないのだ。
また公開日だけをページから削除したところで、URLが同じであれば新しいページとして認識されるはずがない。
ユーザー体験観点からの回答
日付を隠すのは良くない。たとえば、ソフトウェアのフォーラムで解決方法を探しているときに、日付がないのはすごく嫌なものだ。
筆者もまったく同感だ。そこに書かれていることが今でも有効なのかどうかを知ったり、自分が認識していることと異なることが書かれているときにどちらが新しいのかを知る手がかりにしたりするときに、日付は非常に重要だ。日付がないだけでそのサイトを信用できないと考える場合もあるかもしれない。
日付がなくても問題にならないコンテンツもあるだろうが、たいていのコンテンツは公開日を示しておくほうがいいだろう。少なくとも、日付を消したからといってグーグルの評価が上がるなんてことはないというのは確かだ。
タブレットはPC扱い? スマホ扱い?
PC扱い(John Mueller (@JohnMu) on Twitter)
グーグルが提供するPageSpeed Insightsではスマートフォン向けページのユーザーエクスペリエンス(操作性)を診断できる。この機能についてグーグルのジョン・ミューラー氏は次の質問を受けた。
PageSpeed Insightsのユーザー エクスペリエンスでは、タブレット向けページにある問題は、PCとスマートフォンのどちらとして評価されるのですか?
ミューラー氏は次のように回答した。
その点に関しては、私たちはデスクトップとタブレットを通常区別しない。
@AlanBleiweiss We tend not to differentiate between desktop & tablets in that regard.
— John Mueller (@JohnMu) 2014, 11月 26
基本的にグーグルはタブレットをPCとして扱う。スマートフォン向けサイトのガイドラインとして詳細な推奨構成をグーグルが公開しているのはよくご存知のとおりだ。一方で、タブレット向けのガイドラインは非常に簡素だ。スマホとは異なり、タブレット向けサイトのための特別な構成を定義していない。
ウェブサイトに PC 用とスマートフォン用で異なるページがあり、タブレット専用のページがない場合、Google の認識では、通常、タブレット ユーザーにはサイトのスマートフォン用ページではなく PC サイトが表示されます。
タブレット用に最適化したウェブサイトと検索エンジンの相性を高めるための特定の方法はありません……
とはいえ、“ファブレット”とも呼ばれるスマートフォンとタブレットの中間のスクリーンサイズの端末も登場しており、デバイスのタイプをどう区別するかは悩ましい問題だ。
リッチスニペットが2つまでしか表示されないのはなぜ?
スペースの都合上?(WebmasterWorld)
次のような投稿がWebmasterWorldにあった。
パンくずリストとイベントを構造化データでマークアップすると、それぞれのリッチスニペットがきちんと表示される。そこに総合評価のマークアップを追加すると、パンくずリストと総合評価のリッチスニペットは表示されるが、イベントのリッチスニペットが表示されなくなる。
マークアップは正しくできている。
グーグルは3つ目のリッチスニペットをサポートしていないのだろうか?
筆者が試してみたところ、たしかに投稿者のような状況になった。総合評価とイベントのリッチスニペットは同時に表示されないようだ。別の組み合わせでも同時表示できないリッチスニペットがあるかもしれない。
だがこれは、グーグルが認識していないということではなく、検索結果表示におけるスニペットのスペースやUXの関係ではないだろうか。
可能な限り多くの構造化データでマークアップするように勧めているグーグルの社員もいるくらいなので、マークアップとしてグーグルが認識したり処理したりできるデータの数に上限があるとは思えない。
今さら感満載? “ケータイ”向けSEOを教えます
インドでは今でも重要らしい(Google Webmasters on YouTube)
インドではフィーチャーフォン(スマートフォンの前に主流だった携帯電話)が今でも主流だ。それも手伝ってか、インドのサーチクオリティチームがフィーチャーフォン向けサイトの構成について動画で説明した。
スマートフォンとは異なり、フィーチャーフォンは、CSSやJavaScriptなど処理できる機能に制限がある。そのため、グーグルはスマートフォン向けとフィーチャーフォン向けの2種類のモバイル向けGooglebotを用意している
スマートフォン向けサイトにはレスポンシブウェブデザインを推奨するが、フィーチャーフォン向けサイトでは、m.example.comのような別URLでの構成を推奨する。
筆者たちがいる日本ではスマートフォンからのアクセスがフィーチャーフォンを上回っているはずだ。とはいえ、ガラケーからのアクセスを今でも無視したくないサイトがあるかもしれない。
フィーチャーフォンへの対応はグーグルが公式ドキュメントで解説しているので参照するといい。
またスマートフォンとフィーチャーフォンのGooglebotのユーザーエージェント名も公開している。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
更新がなかったので今週はピックアップなし。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
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