当クリニックの代表。
イケメンの研修医。
優しい天然ボケの研修医。
ここ「アクセス解析5分クリニック」には、Webサイトについてさまざまな悩みを抱えた患者が、毎日のようにやってくる。研修医の来栖と綾瀬はデコボココンビだが、院長の丸山先生がとにかく名医。たった5分ですべての悩みを解決する!というのだ……。(登場人物紹介を詳しく見る)
今回のお悩み
サイトに来た人をどのページへ誘導すれば、より成約率をあげられるでしょうか?
申し込み者が見ているページは?
サイトの動線設計では、「誘導するという考え方より、大切なページをしっかりアピールするという発想が重要」だと、前回に習いました。でも、そう考えていたら、トップページにバナーを貼りすぎて、逆にサイトがごちゃごちゃしてしまいました。
僕は、とり合えず「申し込みボタン」を全部のページに貼ったよ。申し込みページへの誘導が一番大切だからね。
私も申し込みページへの誘導はしているわ。けど、他のページもお勧めだからどうすればいいのか。どれを捨てて、どれを拾うべきなのか、判断が付かないのです。
よし。では、今回は、「サイトに来た人に対して、どのページをアピールすべきか?」を考えてみようか。データを見る前に、まず、綾瀬さんは、どんなページをアピールすべきだと思う?
一言でいえば、「申し込みにつながるページ」ですよね。バーゲン商品紹介ページとか、そういうページだと思います。
僕の担当サイトでもそうだね。一押しの商品がたくさんありすぎて迷うけど。
たいてい、たくさんありすぎて迷うよね。見てほしくないページなんて作ることはないわけだから、それは当然だ。では、何を信じて優先順位を付けるべきだろう?
勘を信じたいところですが、それだと不安なので、やはりアクセス解析のデータですね。
そうだね。1つの方法として「申し込み者が実際に閲覧する頻度が高いページ」を優先的に考える方法がある。
「申し込み者に人気のページ」を見つけて、アピールするのですね!
「ページの価値」をまずはチェック
それを数値で感覚的に捉えやすいのが「ページの価値」というGoogleアナリティクスの指標だ。[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[すべてのページ]で右側の列に「ページの価値」が表示されるので、それを見よう。
「ページの価値」は、「そのページ1回の閲覧あたりの収益貢献」を表している。
たとえば「犬のシャンプーの一覧」というページがあったとする。
そのページを見た人が100人いて、そのうち3人が1,500円の犬用シャンプーを買ったとしよう。この場合、売り上げは4,500円だから「そのページを100人が見ると合計4,500円の売り上げがあがることが期待される」とも言える。よって、ページの価値は「45円」となる。
ページの価値
=コンバージョンした合計金額÷そのページを見たページ別訪問数
=4500(円)÷100(ページ別訪問数)
=45円(1閲覧あたり)
衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座
「ページの価値」を理解する[第21回]
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2012/09/06/13570アクセス解析5分クリニック
サイトのメニュー構成が悪いと思うのですが、改善のためにはどのデータを見るべきですか?
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2011/12/06/11769
「ページの価値」の注意点は3つ
「ページの価値」は数値化されているので便利だ。ただし、ついつい高いものを優先してしまいそうだけど、それではいけない。ページの価値を利用する上で、注意事項を3つ挙げておこう。
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ページ閲覧数がたまたま少ないと価値が高くなってしまう
たまたま閲覧者が1人だったページだと、分母が1になるから、すごく価値が高くなる。またサンキューページ付近は、必ず申し込み者が見るページだから、やはり価値が高くなる。つまり、その価値を単純に鵜呑みにしてはいけない。
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申し込み者が偶然見たページでも、ページの価値が計測されてしまう
申し込み者が見たページだからといって、そのページが優れているという判断にはならない(ミスクリックで表示した場合でも計算の対象となる)。ページの価値とは、「閲覧されたという事実」から計算されているものであって、それ以上でもそれ以下でもない。
場合によっては、そのページのデザインが悪かったりすると、マイナスに働いているかもしれない。実際にそのページに価値があるのかどうかは、最終的には人が判断したほうがよい。
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本来アピールすべきページが入っていない可能性がある
ユーザーが存在に気付かず、かつこちら側で重要性に気付いていないコンテンツがあるかもしれない。
そういったお宝を発見するには、サイト滞在時間も目標に加えるなど、工夫すれば発見確率が高まるのだけど、それでも万能ではない。
いろいろありますが、一言でいうと、どういうことなのでしょうか?
ページの価値は、コンテンツの優先順位を決めるのに役立つけど、数値を鵜呑みにしないことだよ。“申し込み者の関心事を表している”くらいに捉え、最終的には人が判断したほうがいい。
- なぜそのページの価値が高くなっているのか?
- もっと価値を高めることはできないか?
- 他に必要なページはないのか?
といったことを、しっかり判断したほうがいいということだね。
まとめ
サイトに来た人をどのページへ誘導すれば、より成約率があがるのか? これは、ページの優先順位付けの話だ。アピールすべきページをいくつか絞り込まないと、サイトがごちゃごちゃしてしまう。
こういったページの優先順位判断には、Googleアナリティクスで言えば「ページの価値」という指標が役に立つ。
ページの価値は便利だけど、利用時の注意点としては、数値の高低を鵜呑みにせず、最終的には人が判断することが重要だ。なぜ、そのページの価値が高くなっているのか? また、もっと価値を高めることはできないか? また、他に必要なページはないのか? 常にデータの裏側に隠れているユーザーを意識しながら判断していこう。
さらには、施策前後の期間の比較とアドバンスセグメントを使いながらページの価値を見ていけば、より多くのことに気づけるはずだ。「ページの価値」はとても便利なので、これらを踏まえて、ぜひ使ってみよう。
お悩みサイトに来た人をどのページへ誘導すれば、より成約率をあげられるでしょうか?
アドバイス「ページの価値」を使って、申し込み者の人気ページを見つけましょう。ページの優先順位付けに役立ちます。 以下の3ステップで進めましょう。
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【1分】 「ページの価値」を確認する
[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[すべてのページ]で右側の列に「ページの価値」が表示されます。
-
【2分】 フィルタリングをかけて、必要なページだけに絞り込む
特にサンキューページや申し込みページは必要ないので、除きます。
「アドバンス」をクリックし、「除外」を選んでサンキューページなどのファイル名を入力してください。
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【2分】 「ページの価値」が1番高かったページを選び、価値が高かった理由を考える
なぜ、そのページの価値は高くなったと思いますか?
また、そのページはもっとアピールすべきだと思いますか?
もっと価値を高めることはできませんか?
いろいろな角度から、考察を加えてください。
私が主催する、ウェブ運用者のための通信講座「ウェブ担当者通信」では、9月からの3か月連続企画で、「3か月間短期集中!中小企業向け実践的アクセス解析講座『いまさら聞けないGoogleアナリティクス』」を開催しています。
セミナーと冊子を用いた3か月間短期集中講座で、筆者も私も公の場では初めて実際のサイトデータを用い、具体的な話をします。「どこを見たらよいかわからない」と思っている方には、目からウロコの講座になるはずです。今回は一般参加も可能です。
中小企業のためのGoogleアナリティクス実践講座
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限られたリソースで効率よくウェブサイトからの売上を伸ばしたい中小企業の経営者。思ったほど売上が伸びずどこに問題があるのかわからず経営者から怒られているウェブ担当者。ウェブサイト運営にはアクセス解析はかかせません。
ウェブ担当者向けのe-Learningと毎月の冊子が届く通信講座を行っているウェブ担当者通信(神戸市、運営者:丸山耕二)は、9月から3か月間のGoogleアナリティクス短期集中講座を開催しています。
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場所 | 大阪研修センター(※Ustream全国同時オンライン配信) |
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講師 | 森野誠之(運営堂代表/愛知大学非常勤講師) 丸山耕二(ウェブ担当者通信運営者/ホームページ診断クリニック) |
ゲスト講師 | 河野武(コミュニケーション・デザイナー/企画屋/観光再生人) |
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※キャラクターイラスト(来栖、綾瀬):「コミPo!」にて制作
- 内容カテゴリ:アクセス解析
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※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:サイトに来た人をどのページへ誘導すれば、より成約率をあげられるでしょうか? [誰もが受けたい!アクセス解析5分クリニック] | Web担当者Forum
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