1週間のSEO/SEM情報をさくっとまとめるこのコーナー、今週は、ついに実施されたペンギンアップデートの最新版への更新の話題。ほかにも、ウェブマスターツールの使い方徹底解説(メッセージ事例付き)、アメブロでウェブマスターツールが利用可能になった件、SEOに対応したショッピングカート続報、JSON-LDによるマークアップ、サイトリンク検索ボックスの落とし穴などなど、SEOの話題を今週もお届けする。
ペンギンアップデート、ついに更新開始(1年ぶり5回目)
どれだけ待ったことか(Pierre Far on Google+)
今か今かと待ち望まれていたペンギンアップデートの最新版への更新が、ようやく開始された。
前回の更新からは1年以上が経過してのアップデートで、初登場のバージョンからの更新はこれで5回目だ。
英グーグルのピエール・ファー氏がGoogle+で10月21日にアナウンスした。
すでに先週の金曜日に展開を始めたが、アップデートの完了までには数週間を要するとのことだ。
検索結果に与える影響は米国の英語の検索クエリで1%未満。他の言語や国についての言及はない。日本でも順位変動は確かに発生しているようだが、大騒ぎになるほどではない。ただしゆっくりと展開しているそうで、第二波、第三波が起こる可能性は残されている。
ファー氏は次のようにも言っている。
今回の更新は、前回のペンギンの再実施で発見されたウェブスパムの兆候をすでに取り除いたサイトの助けになるだろう。そして、新たに発見されたスパムを行っていたサイトの順位を下げるだろう。
回復に成功したならこれに懲りて、ガイドラインを順守した正しいサイト運営に今後は努めよう。もし回復できていなかったり、それどころかペンギンの影響を新たに受けてしまっていたりしたら、次の更新までには問題点を徹底的に解決しておく必要がある。
日本語で読めるSEO/SEM情報
ウェブマスターツールの使い方、バッチリ教えます(アメブロの人にも!)
アメブロ以外のサイトにも共通なのでチェックしよう(CyberAgent SEO Information)
ウェブマスターツールの設定手順と、主要な機能の使い方・見方を、サイバーエージェントの木村氏がブログで解説している。
アメーバブログでグーグルウェブマスターツールを利用可能になったこと(この次の項目で紹介している)を受けての解説だが、設定手順はともかくとして、各種機能に関する説明はどんなサイトでも参考になる情報だ。
あなたが認識していない機能や注意点、がひょっとするとあるかもしれない。
また、グーグルから送られるメッセージについても、具体的な例を示して、どんな場合にそのメッセージが届いて、どう対応するべきか解説している。
これをチェックしておけば、見たことのないメッセージが届いても慌てなくて済むだろう。
アメブロユーザーでなくても、目を通しておくといい記事だ。
SEOに不利なんてもう言わせない、アメブロの逆襲が始まる
ウェブマスターツールに対応(アメブロスタッフのブログ)
アメーバブログで、グーグルウェブマスターツールを利用できるようになった。自由度が低くSEOには不向きだとも言われるアメーバブログだったため、SEOを意識するブロガーには朗報だろう。
日本のグーグル サーチクオリティチームも、この改善を祝福している。
アメーバブログのインハウスSEOのリーダー、木村氏によると、ユーザーには好評なようだ。
アメブロでブロガーさんが自らウェブマスターツール使えるようにしたのだけれど、予想以上に開設されている模様。それだけ待っていてくださったというかないことを不便に不満に思われてた方いらっしゃったんだろうなと心が痛い・・・。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2014, 10月 21
また木村氏は次のようにもコメントしている。
裏方での並々ならぬ努力があったに違いない。だがこれは小さな一歩だろう。検索エンジンと相性が良いサイトにするための機能をアメーバブログが今後も実装してくれることを期待したい。
SEOマスターの木村氏にかかれば、近いうちに「SEOに強いブログサービスといえばアメブロ」といわれるようになるのかもしれない。
海外向けサイトではウェブマスターツールの地域ターゲットを設定しよう
"あの国"の人にサイトの情報を届けるため(Google ウェブマスター コミュニティ)
サーチクオリティチームが、ウェブマスター向けのGoogle+コミュニティに投稿した“ちょっとしたコツ”を紹介する。海外向けサイトのウェブ担当者に関係する内容だ。
サイトが特定の地域のユーザーを対象としている場合、ウェブマスター ツールの [地域ターゲット] の機能をぜひご利用ください。検索結果にサイトをどのように表示するかの決定において判断材料となる情報を Google に提供することができます。
例えば、バンクーバーのレストラン情報に特化したサイトを運営している場合、地域ターゲットをカナダに設定するといいでしょう。しかし、もしバンクーバーだけでなくパリやサンフランシスコのレストラン情報も含んだサイトである場合は、カナダを地域ターゲットに設定することは好ましくありません。
詳しくは以下のヘルプ記事をご覧ください。 http://goo.gl/WNRxjN
多くの人は日本向けのサイトを運営しているだろうが、特定の国向けのサイトを、日本のサーバーで運営している人もいるだろう。
もしあなたが特定の国や地域を対象にしたサイトを運営しているならば、ウェブマスターツールで「地域ターゲット」を設定しておこう。対象の国・地域のGoogle検索で表示されやすくなる。
ただし、複数の国を対象にしているなら設定しない方がいい。
指定された地域以外のグーグルでは検索結果に表示されづらくなる可能性があるからだ。地域ターゲットは、複数の国・地域を指定できない。
組織のロゴを、schema.org+JSON-LDでグーグルに伝える方法
サンプルコードが追加された(Google ウェブマスター向け公式ブログ)
グーグルは、組織のロゴを表すschema.orgを、シンタックスとしてJSON-LDを用いて指定する書き方の例を公開した。
組織のロゴのマークアップ自体は、2013年5月にサポート開始していたもの。これまではMicrodataでの例だけが示されていたところに、JSON-LDでの書き方が追加された形だ。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "http://schema.org/",
"@type" : "Organization",
"url" : "http://www.example.com/",
"logo" : "http://www.example.com/logo.png"
}</script>
2013年当時はschema.orgがサポートしていたのはmicrodataだけだったが、現在は、JSON-LDとRDFaもサポートしている。
とはいうものの、このマークアップで指定できる組織のロゴをグーグルが利用するのは、筆者が知る限りでは今のところナレッジグラフだけだ。ナレッジグラフに表示されるサイトなら、schema.orgで適切なロゴを指定しておくといい。
現在はナレッジグラフに表示されていなくても、今後別のプロダクトで利用される可能性はあるので、将来を見据えて記述しておくのもひとつの手だ。
JSON-LDを使えば、既存のコードに修正を加える必要はない。HTMLのどこかにschema.orgのコードを挿入するだけだ。bodyの中でもheadの中でもかまわない(もちろん、サイトのURLとロゴのURLを自サイトのものに置き換える必要はあるが)。
なお、schema.orgとJSON-LDを組み合わせた記述についてはつい最近筆者が個人ブログで詳細に解説した。JSON-LDを深く知りたければ参考にしてほしい。
SEOに対応したショッピングカートが日本にも存在するかも?
求む、レビュー(SEOとその周辺)
SEOに十分に対応できるショッピングカートシステム(ネットショップサイト構築サービス)が日本には存在しないという記事を先週ピックアップした。だが、必ずしもそうとは限らないようだ。
要望を実現できるショッピングカートがあるとのコメントがこの記事に書き込まれ、そのコメントをもとに記事が追記された。またこの記事を読み、自社のシステムはSEOに対応できているとアピールする記事も見つけた。
そうはいえど、筆者はどのシステムも実際に使ったことはないので、どれかの利用を推奨するということではない。そうではなく、現状により則した情報を伝えたかったので再ピックアップした。
これらのショッピングカートシステムを利用して使い勝手や良い点、(あれば)悪い点などをレビューしてもらいたいところだ。読者の参考になりそうならこのコーナーでぜひ取り上げたい。
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
サイトマップと音声検索についてGoogleから提供された情報の解説記事を今週はピックアップ。
- XMLサイトマップとRSSフィードの両方を送信することをGoogleが公式に推奨
日本語訳記事がまだ出ないので先取りで - 10代の若者の50%以上がGoogle音声検索を毎日使う、音声検索を使う大人は“情強”?
日本での動向を知りたい
- 新しいサイトリンク検索ボックスの大きな落とし穴
- ホバーメニューをモバイルサイトで使用してはいけない
- スマホ向けサイト診断ツールで9項目を一発調査!
- 3つの改良でグーグルタグマネージャがより使いやすく便利に
- コンバージョン率を改善する53通りの実例ティップス
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
新しいサイトリンク検索ボックスの大きな落とし穴
競合サイトの広告にアクセスを奪われる危険あり(Dan Barker)
新しくなったサイトリンク検索ボックスは、サイト側でちゃんと対応していないと、大きな損失を引き起こすかもしれない。特にECサイトでは売り上げダウンにつながる危険がある――そうしたことを指摘しているブログ記事があった。
どういうことか説明しよう。
まずおさらいだが、サイトリンク検索ボックスとは、検索結果のサイトリンクに表示されるサイト内検索ボックスのことだ。
検索ユーザーがこのサイトリンク検索で何か検索した場合に、検索結果がどう表示されるかは、2通りある。
対応するschema.orgのマークアップがサイト側に設定されていれば、検索結果は、サイトのサイト内検索結果ページとして表示される。
しかし、サイト側でschema.orgのマークアップをしていないと、通常は、そのサイトに限定したグーグルのsite:検索が実行され、グーグルの検索結果ページとして表示される。
問題になるのは、後者の場合だ。
ユーザーが検索したキーワードによっては、このsite:検索結果ページ上に、アドワーズ広告が表示される場合がある。
その場合、検索ユーザーが、サイト内検索で出たページではなく、広告をクリックしたらどうなるだろうか? そう、競合にアクセスを奪われてしまうことになるのだ。
サイトリンク検索ボックスを表示するかどうかはアルゴリズムによって自動化されているため、表示させないようにすることはまず不可能だ。
サイトリンク検索ボックスが出ているサイトは、アクセスを奪われないように、自サイトのサイト内検索にリダイレクトさせる設定をしておいたほうがいいのではないだろうか。
ホバーメニューをモバイルサイトで使用してはいけない
ユーザー体験を損ねてしまう(Gary Illyes on Google+)
スイスのグーグルに勤務するゲイリー・イリーズ氏がモバイルのユーザー体験について次のようなコメントをGoogle+に投稿した。
ウェブマスターのみんな!
モバイルで使いやすいサイトを作成するなら、ホバーが必要なメニューを設置していないことをチェックしてほしい。モバイル端末では、ホバーなんてできっこないんだから。
マウスのカーソルを乗せると表示が変わるホバーメニューを、モバイルユーザーに対して使ってはいけないという意味だ。モバイル端末ではマウスがないのでメニューを表示させられないからだ。
モバイルユーザーのユーザー体験を、グーグルは最近特に強調している。ゲイリー氏が指摘したことは、ひょっとしたら、モバイルサイトの評価を下げるアルゴリズムに将来的に組み込まれるかもしれない。
なお英Googleに勤務するピエール・ファー氏は、次のように補足している。
これを避けるには、:hover だけでなく、:active のCSS擬似セレクタも一緒に指定するといい。
スマホ向けサイト診断ツールで9項目を一発調査!
問題が見つかったら即対処(feedthebot)
モバイル(スマートフォン)のSEOに重要な構成が正しくできているかどうかをチェックする海外製のツールを紹介する。
次の9つの項目を調査できる。
- グーグルのPageSpeed Insightsで検証したときのユーザー エクスペリエンスの問題点
- グーグルのPageSpeed Insightsで検証したときの速度の問題点
- モバイルからアクセスしたときのブラウザでの表示
- リソース(HTML、JavaScript、CSS)がrobots.txtでブロックされていないか
- Viewportが設定されているか
- Vary HTTP Headerを返しているか
- rel="canonical"が記述されているか
- モバイルからアクセスしたときの全HTTPヘッダーの表示
- モバイルをリダイレクトしているかどうか
モバイル向けサイトの構成診断に利用してみるといいだろう。
3つの改良でグーグルタグマネージャがより使いやすく便利に
タグの一括管理はこれにお任せ(Analytics Blog)
グーグルはタグマネージャ(Google Tag Manager)の改良版を発表した。タグマネージャは、複数のタグを一括管理するためのツールで、2012年10月にリリースされた。
改良版の特徴は次の3つだ。
新しいAPI
タグマネージャの機能を利用する専用ツールを開発したり既存のシステムに組み込んだりするためのAPIを新たにした。管理しやすく、カスタマイズしやすくなった。
サードパーティ製タグのテンプレート
Marin(マリン)やComscore(コムスコア)、Clicktale(クリックテール)などサードパーティ製ツールのタグのテンプレートがあらかじめ提供されている。もちろん、自分で作成することも可能だ。
新しいUI
上級者でなくても直感的に操作できるようにユーザーインターフェイスを新しくした。使い慣れているであろう、アドワーズやGoogleアナリティクスと同じようなUIにした。
2つ目のサードパーティ製テンプレートは数週間かけて導入されていく予定だが、ほかの2つはすでに利用可能だ。
SEO Japanの
掲載記事からピックアップ
SEOではなくCRO(コンバージョン率最適化)の記事を1つ今週はピックアップ。
- コンバージョン率を改善する53通りの実例ティップス
事例に基づいた実践的なヒントがたくさん
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
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