平日と休日でユーザーの閲覧行動に違いがあるのかを分析して、公開するコンテンツの傾向を変えるべきかを判断したい
Google アナリティクスにログインした直後は、図1のように過去1か月の[ユーザー]>[サマリー]レポートが表示される。
サイトのタイプや提供している内容によって、その利用パターンはさまざまな顔を見せる。たとえば典型的なB to Bサイトであれば、休日の利用は少ない(図1赤枠部分)といった特徴が出ているはずだ。
B to Cサイトであれば、逆に平日と休日でそれほど量的な差は少ないかもしれない。また特定の曜日にメルマガを出していれば、それに伴うアクセスの増加が現れるなど、行っている施策に影響した上下動もあるだろう。
そういった理由の明確な要因がある時期を外して、平日と休日でユーザー行動が異なるのかを参考にすることで、平日と休日で少し違うコンテンツを見せる、あるいは異なる集客施策が有効かもしれないといったヒントが得られないだろうか。そこで今回は次のような切り分けで分析する方法を紹介しよう。
- 平日(月曜日~金曜日)の利用セッション
- 休日(土曜日と日曜日)の利用セッション
なお祝日が集計期間内に存在する場合は、それは休日の方に含めた方がよいが、そういうイレギュラーな週は対象にしない方がよいかもしれない。設定を複雑化しないため、上記のとおり単純に曜日で切り分けるものとして進めたい。
平日と休日を比較して分析できるようにする方法
とはいうものの、今回紹介するセグメントは、Googleアナリティクスのセグメント機能で設定することはできなかった。
図2はいつもご紹介している、新しいセグメント作成機能で最も汎用性の高い指定ができる「条件」(図2赤枠部分)を選択した画面だ。
「時刻」カテゴリ配下でセグメントの指定ができるのは「時」と「分」しかない(図2青枠部分)。前回は「時」を使って、時間帯別に見るセグメントをご紹介したわけだが、平日と休日を区別できる「曜日」や「曜日の名前」といったディメンションが選択肢として用意されていないのだ。
「セッション日(YYYYMMDD)」というディメンション(図2緑枠部分、図3赤枠部分)を選択して、2014/10/13~2014/10/17(図3青枠部分)を平日のセッション、2014/10/18~2014/10/19を休日のセッションなどとして作成してもいいが、汎用性が低い。
残念ながらここは、次の期間内、次の日付、次の日付以降、次の日付以前の4つのパターンでしか指定できないので、曜日などでの指定はここではできない。
そこで、今回はカスタム レポートを使う方法を紹介しよう。
平日と休日の集客チャネルを比較して分析する方法
カスタム レポートの作成方法については、少し古い記事だがこちらなどを見てほしい。
基本的には分析軸であるディメンションと組み合わせで見たい指標を選択して、その組み合わせでレポートを作ればよい。セグメントを掛けるには、その設定画面で「フィルタ」を掛けて絞り込めばいいのだ。
平日に絞って集客チャネルを分析するレポートを作成する方法
まずは平日に絞って集客チャネルを軸に見ることのできるレポートを作成してみよう。分析軸であるディメンションは「参照元/メディア」を選択(図4赤枠部分)し、見たい指標を6つ指定(図4青枠部分)したのが図4だ。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[カスタム]をクリックする
- [新しいカスタム レポート]をクリックする
- 「全般情報」-「タイトル」に「平日フィルタを掛けたレポート」と入力する
- 「レポートタブ」-「名前」に「集客」と入力する
- 「指標グループ」に6つの指標(セッション、新規セッション率、直帰率、ページ/セッション、平均セッション時間、コンバージョン率)を追加する(図4青枠部分)
- 「ディメンション」に「参照元/メディア」を追加する(図4赤枠部分)
- 「フィルタ」に「一致」「曜日」「正規表現」
[1-5]
と指定する(図4緑枠部分) - [保存]をクリックする
ここでポイントになるのは、その下の「フィルタ」の設定の部分。「一致」「曜日」「正規表現」[1-5]
と指定しよう(図4緑枠部分)。
「曜日」ディメンションは、数字の0が日曜日、1が月曜日といった数字で表現されるので、1から5のすべてを意味する正規表現[1-5]
を指定すれば、月曜日~金曜日、すなわち平日に絞り込むことができる。
曜日 | 数字 |
---|---|
日 | 0 |
月 | 1 |
火 | 2 |
水 | 3 |
木 | 4 |
金 | 5 |
土 | 6 |
平日で絞り込んだフィルタを掛けたカスタム レポートの出力例が図5だ。折れ線グラフを見れば、両脇の日曜日と土曜日がゼロになっていて(図5赤枠部分)、確かに平日に絞り込まれていることが確認できる。
さて、このレポートと、休日のデータを比較したい。
しかし、セグメントを掛ける場合は一画面内で比較ができるのだが、今回はそれぞれ作成したカスタムレポートの画面を別々に見較べるしかない。
そのため、別途休日に絞ったカスタム レポートも表示し、エクセルなどにダウンロードして比較するのがよいだろう。
休日に絞って集客チャネルを分析するレポートを作成する方法
休日に絞って集客チャネルを分析するレポートは、別途専用のカスタム レポートを作成しなくてはいけないが、「このタブを複製」(図4黒枠部分)を利用して同じカスタム レポートで作成してはいけない。なぜならフィルタの条件指定は1つのカスタム レポート全体に掛かってしまうため、面倒だが別のカスタム レポートを作らなければいけないのだ。
休日フィルタを掛けたカスタム レポートの作成だが、指標グループとディメンションは先ほどと同じに設定し、フィルタ部分の指定は図6のようにして別のカスタム レポートを作成しよう。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[カスタム]をクリックする
- [新しいカスタム レポート]をクリックする
- 「全般情報」-「タイトル」に「休日フィルタを掛けたレポート」と入力する
- 「レポートタブ」-「名前」に「集客」と入力する
- 「指標グループ」に6つの指標(セッション、新規セッション率、直帰率、ページ/セッション、平均セッション時間、コンバージョン率)を追加する(図6青枠部分)
- 「ディメンション」に「参照元/メディア」を追加する(図6赤枠部分)
- 「フィルタ」に「一致」「曜日」「正規表現」
0|6
と指定する(図6緑枠部分) - [保存]をクリックする
0が日曜日、6が土曜日なので、「0または6」を表す正規表現0|6
(図6緑枠部分)を指定すればよい。
平日と休日の集客チャネルを比較するポイントは?
「平日フィルタを掛けたレポート」と「休日フィルタを掛けたレポート」を比較して、
- 平日と休日の集客チャネル別の1日あたりの集客規模の大きさの違いと順位(図5青枠部分)
- 新規セッション率や直帰率などユーザーの特徴や閲覧のされ方(図5緑枠部分)
- コンバージョン率などの成果といった指標(図5緑枠部分)
による特徴の違いがあるかどうかを見てみよう。
平日と休日の閲覧コンテンツを比較して分析する方法
平日に絞って閲覧コンテンツを分析するレポートを作成する方法
そして次は閲覧コンテンツの違いを見ることのできるカスタム レポートを作成しよう。先ほど作成した「平日フィルタを掛けたレポート」に新しいレポートタブを追加して、同様のフィルタを掛けて比較して見るとよいだろう。「ページ」ディメンションを指定(図7赤枠部分)したカスタム レポートの設定例が図7だ。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[カスタム]をクリックする
- [平日フィルタを掛けたレポート]をクリックする
- [編集]をクリックする
- [レポートタブを追加]をクリックし、「名前」に「行動」と入力する
- 「指標グループ」に6つの指標(ページビュー数、閲覧開始数、直帰率、平均ページ滞在時間)を追加する(図7青枠部分)
- 「ディメンション」に「ページ」を追加する(図7赤枠部分)
- 「フィルタ」に「一致」「曜日」「正規表現」
[1-5]
と指定する(図7緑枠部分) - [保存]をクリックする
「ページビュー数」「閲覧開始数」「直帰率」「平均ページ滞在時間」など、閲覧ボリューム、閲覧され方の理解できる指標(図7青枠部分)を並べて見るのがよいだろう。
休日に絞って閲覧コンテンツを分析するレポートを作成する方法
「休日フィルタを掛けたレポート」も同じ手順で作成しよう。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[カスタム]をクリックする
- [休日]フィルタを掛けたレポート]をクリックする
- [編集]をクリックする
- [レポートタブを追加]をクリックし、「名前」に「行動」と入力する
- 「指標グループ」に6つの指標(ページビュー数、閲覧開始数、直帰率、平均ページ滞在時間)を追加する(図8青枠部分)
- 「ディメンション」に「ページ」を追加する(図8赤枠部分)
- 「フィルタ」に「一致」「曜日」「正規表現」
0|6
と指定する(図8緑枠部分) - [保存]をクリックする
平日で絞り込んだフィルタを掛けたカスタム レポートの出力例が図9だ。
こちらも図5と同様に、折れ線グラフを見れば両脇がゼロになっているので、確かに平日に絞り込まれているのがわかる。
平日と休日の閲覧コンテンツを比較するポイントは?
閲覧コンテンツの状況も平日と休日に絞り込まれた2つのカスタム レポートを出力し、見比べよう。見るデータのポイントは、
- ページ別の規模の大きさの違い(図9赤枠部分)
- 閲覧開始数や直帰率(図9青枠部分)
- 平均ページ滞在時間(図9青枠部分)
などのページの見られ方の特性を表す指標による違いなどだ。大きな違いのある部分はないだろうか? ギャップが大きい部分にヒントがあるかもしれない。
もし気になるページがあったら、まずそのページで絞り込んで(図9緑枠部分に該当ページを入力)、セカンダリ ディメンション(図9黒枠部分)から「参照元/メディア」を選択(図10赤枠部分)しよう。図10のように、参照元とランディング ページの組み合わせで見るレポートになるので、これを平日と休日のそれそれで出力し、どこに違いがあるのかを詳しく見ていこう。
その他にも、平日と休日で大きな違いがありそうな分析軸はないだろうか。たとえばパソコンからの利用とスマートフォンによる利用に大きな違いはないか。また前回の時間帯別との組み合わせも考えられる。ただ、セグメントを細分化していけばいくほど、比較はしにくくなるので注意が必要だ。
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オリジナル記事:平日と休日で実施する集客施策や見せるコンテンツを変えるべきかを判断するには?(第27回) | Googleアナリティクス セグメント100選 | Web担当者Forum
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