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SEOには欠かせない「キーワード」解析のしくみ[第26回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 6 分

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

SEOを行う上で、ユーザーがどのような検索キーワードで訪問してくるのかの分析は欠かせない。今回は、検索エンジンからの流入分析には欠かせない「キーワード」と「検索クエリ」について解説する。

検索キーワードを確認できるGoogleアナリティクスのレポート

検索エンジン経由でサイトを訪問してきたユーザーが、どういうキーワード(検索語)を検索してサイトにやって来たのか? それを知ることのできるレポートが、[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポートだ。プライマリディメンションの「キーワード」(図1赤枠部分)を選択すると、キーワードの一覧を確認することができる。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする
  2. 画面で左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、表示されるメニューから[検索][サマリー]を順にクリックする
  4. プライマリディメンションで「キーワード」をクリックする
図1:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポート
図1:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポートの「キーワード」一覧

なぜ検索キーワードが取得できるのか?

ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードを、なぜGoogleアナリティクスで見ることができるのだろうか。それは、ユーザーがリンクをクリックするなどしてアクセスした際にリンク先ページへのアクセスに含まれる参照元URL情報の中に、検索キーワードの情報が含まれているからだ

たとえば、下記はGoogleで「アクセス解析」というキーワードを検索した際の検索結果表示ページのURLだ。この「q=」以降の部分に検索したキーワードが値として格納されている。

検索キーワードを含む参照元URLの例
http://www.google.co.jp/search?aq=f&sourceid=chrome&ie=UTF-8&q=%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9%E8%A7%A3%E6%9E%90

文字 UTF-8の文字コード 参照元URL内での記載
E382A2 %E3%82%A2
E382AF %E3%82%AF
E382BB %E3%82%BB
E382B9 %E3%82%B9
E8A7A3 %E8%A7%A3
E69E90 %E6%9E%90

「%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9%E8%A7%A3%E6%9E%90」の部分が、UTF-8という文字コードで「アクセス解析」という文字を表していて、2桁ずつに「%」で区切られている。もし検索キーワードが半角英数字の場合は、「q=」の値にはキーワードがそのまま表示される。

こういったパターンのURLの参照元が検出されれば、Google アナリティクスに検索エンジンとして登録されているドメイン名とクエリパラメータから判断し、「Google検索で『アクセス解析』という検索キーワードで検索した検索結果画面からの流入」であることがわかるというわけだ。

多くのアクセス解析ツールでは、主な検索エンジンからの流入に対しては、このような仕組みを使って検索キーワードを割り出してレポートしてくれるのだ。

「(not provided)」とはどういう意味なのか?

図1青枠部分のとおり、キーワード一覧の中に「(not provided)」という表記が見られる。そのようなキーワードで検索されたというわけではない。どういう意味かというと、「検索エンジン経由の訪問ではあるが、検索キーワードは不明」ということだ。

図1(再掲):[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポート
図1(再掲):[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポート

なぜ検索キーワードが不明なのか? 「もしかしたら自分の設定ミスが原因なのでは?」と不安に思っている人もいるかもしれないが、ご安心を。それは2011年10月頃からGoogleの検索結果ページがセキュア化したことが理由だ。セキュア化とは、WebサーバとWebブラウザの通信を暗号化することによって、その通信内容が第三者にわからないようにするということだ。

セキュア化された検索結果ページからのサイト訪問時には、検索エンジン経由の訪問であることはわかるのだが、どのキーワードでの検索結果画面からの流入だったかの情報を参照元情報に残さないように仕様変更されたのだ。

といっても、すべての検索結果ページがセキュア化されたわけではない。セキュア化されたのは、Googleアカウントにログインしたユーザーの検索結果ページである。

そのためGoogleのサービスにログインしたユーザーの検索キーワードは取得できなくなり、「(not provided)」という表示となる。ただ検索連動型広告によるサイト訪問と、ログインしていないユーザーのオーガニック検索ではこの対象外となる(くわしくは、アナリティクス日本版公式ブログ「検索をより安心してご利用いただくために : Google アナリティクスでの検索キーワードについて」を参照のこと)。

ログインしたユーザーが訪れる比率の高いサイトはこの影響が大きいだろう。図1のように非常に影響を受けるサイトもあれば、あまり影響を受けないサイトもあると見られる。

また、これはGoogle アナリティクスに特有の現象ということではなく、どのアクセス解析ツールでも生じる現象だ。Google アナリティクスでは「(not provided)」と表示するが、他のツールではそれぞれの表示方法が異なるようだ。

  • 有料検索を判別するには?
  • 「キーワード」と「検索クエリ」の使い分け

有料検索を判別するには?

検索エンジンからの流入には2種類ある。自然検索からの流入と、検索連動型広告からの流入だ。

では、参照元URLを分析して、検索連動型広告からの流入なのか、自然検索からの流入なのかを区別する方法はあるのだろうか?

何も準備をせずに集計を行えば、参照元URLからはどちらなのかを区別することはできない

自然検索からの流入と検索連動型広告からの流入を区別するには、広告トラッキング用パラメータが必要になる。

具体的には、前回解説した広告トラッキング用パラメータの「utm_medium」の値に「cpc」「ppc」「cpa」「cpm」「cpv」「cpp」のいずれかを付与する。そうすれば、検索連動型広告からの流入は、[検索エンジン]の「有料検索(paid)」の方に分類される。有料検索(検索連動型広告)とオーガニック検索(自然検索)の流入を区別したい場合は、この方法を取ることをお薦めしたい。

※AdWords広告のアカウントをGoogleアナリティクスとリンクさせて「自動タグ設定」を有効にしている場合は、手動でトラッキング用パラメータを追加しなくても有料検索に自動的に分類される。

図2は[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポートで、有料検索がわかるように広告トラッキング用パラメータを利用した場合の表示例だ。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする
  2. 画面で左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、表示されるメニューから[検索][サマリー](赤枠部分)を順にクリックする
図2:「トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー」レポート
図2:「トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー」レポート

「トラフィックの種類」が「organic」(オーガニック検索、自然検索)と「paid」(有料検索、検索連動型広告)に分類されているのがわかるだろう。

「キーワード」と「検索クエリ」の使い分け

Googleアナリティクスでは、「キーワード」と「検索クエリ」という用語がある。

AdWordsやYahoo!リスティング広告などの検索連動型広告を利用していない場合、または広告トラッキング用パラメータを使用していない場合は、「キーワード」と「検索クエリ」の意味の違いを意識しなくてもよい。どちらも検索エンジンからの流入時、「どういう検索語を入力したときの検索結果画面から来たのか」ということだからだ。

しかし厳密に言うと「キーワード」と「検索クエリ」は意味が異なる。「検索クエリ」は実際の検索エンジンでの検索した言葉そのものを示すのに対して、「キーワード」は検索連動型広告での管理グループである「キーワード」を表すのだ。

たとえばAdWordsでは、[アカウント]>[キャンペーン]>[広告グループ]>[キーワード]という階層構造で広告の管理を行う。「キャンペーン」は予算や表示の地域、時間でまとまった管理単位で、「広告グループ」は同じ広告テキストが表示される管理単位、そしてその最下層にある管理単位が「キーワード」だ。

図3は「広告」セクションのレポート群のメニュー部分だが、赤枠部分のように「広告キーワード」と「一致した検索クエリ」という2つの種類がメニューがある。これを見ると「キーワード」と「検索クエリ」は別物として扱われているのがわかる。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする
  2. 画面で左側にあるメニューで、[AdWords]をクリックする
図3:「広告」セクションのレポート群
図3:「広告」セクションのレポート群

図4の[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[有料検索]レポートも見てみよう。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする
  2. 画面で左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、表示されるメニューから[検索][有料検索](赤枠部分)を順にクリックする
図4:「トラフィック]>[参照元]>[検索]>[有料検索」レポート
図4:「トラフィック]>[参照元]>[検索]>[有料検索」レポート

プライマリディメンションでは、「キーワード」と「一致した検索クエリ」(図4青枠部分)の2つのディメンションが別々に指定することができるのがわかるだろう。

つまり、AdWordsで「キーワード」を部分一致やフレーズ一致などで登録している場合には、実際の「検索クエリ」とは異なる可能性があるということだ。

「広告」関連のレポートでは「キーワード」と「検索クエリ」は厳密に使い分けられているので、違いを意識するようにしよう。

なお、広告トラッキング用パラメータとの関連で言えば、「utm_term」の値が設定されていると、実際に検索エンジンでどの検索語の表示結果画面から来たかに関わらず、「utm_term」で設定されたパラメータ値が優先される。「utm_term」が設定されていない場合は、参照元情報から実際の検索クエリを拾ってきてその値を使用することになっている。前回の最後にも述べたが、広告トラッキング用パラメータの情報が最優先されるためだ。上級者はここまで意識して覚えておくようにしよう。

衣袋教授によるGoogleアナリティクスのeラーニングのコースがスタートしました。まとまった時間を取れない方や地方の方など、時間や空間の制約を超えて学ぶことができますので、ご興味がある方はどうぞ → http://xfusion.jp/elearning.html

アクセス解析を丸2日で徹底的に学ぶ「アクセス解析ゼミナール」は、11月下旬に開催します。10月中の申し込みには早割が適用されます。お申し込みはコチラから → http://a2i.jp/activity/training

衣袋 宏美

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
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