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「(other)」と「(not set)」がレポートに表示される理由と対処法[第23回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 3.5

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

今回は、Googleアナリティクスの各種レポートで表示されることのある「(other)」と「(not set)」の意味と、対処法を説明しよう。

「(other)」はなぜ表示されるのか?

「(other)」は、「ページ(URL)」や「キーワード」といった、主にディメンションの項目が多くなるレポートで出現する値である(ディメンションについては、「ディメンションと指標の違いを理解する[第9回]」を参照のこと)。

以下の図1は、[コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート(図1)のデータ一覧表示部分だ。実際の画面例ではないが、たとえば、「ページ」の値である「/」(トップページ)などが表示されている部分(図1赤枠部分)に「(other)」と表示されることがある。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
  2. 画面で左側にあるメニューで、[コンテンツ]をクリックする。
  3. メニューが開くので、[サイト コンテンツ]をクリックし、開いたメニューから[すべてのページ]をクリックする。
図1:コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートの下部
図1:コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートの下部

たとえ「(other)」と表示されていたとしても、その行の各指標部分(図1青枠部分)にも、何らかの数値が表示されているはずだ。

では、「(other)」はどういうときに表示されるのか? 「other」は、日本語に直せば「その他」という意味になる。じつは、各ディメンションに格納できる値の種類には、1日のパターン数に上限があるようで、この上限値を超えた部分は、すべて「(other)」という1つのカテゴリにくくられて合計値が表示される、というわけなのだ。

ディメンションの値のバリエーションが膨大になる可能性が高いディメンションとして考えられるのは、上に例として挙げた「ページ(URL)」や「キーワード」などがある。

「(other)」が表示されないようにするには?

では、「(other)」が表示されないようにする方法はあるだろうか? オーガニック検索の「キーワード」の種類など操作不可能なものもあるが、「ページ」のバリエーションについて言えば、次のような対策をする可能性を考えるとよい。

  1. ディレクトリ別などにプロファイルを作成し、データ量自体を減らすことができないかを考える。

  2. コンテンツの判別には意味のないパラメータ(セッションIDなど)があれば、そのパラメータを除外するプロファイルの設定を行う。この設定方法に関しては、この連載の第4回「URLクエリパラメータとは何か」を参照してほしい。

  3. それでも意味のあるバリエーションの数自体が相当数あり、かつ無秩序に「(other)」にまとめられたくない場合は、(判別したい意味のある)パラメータの一部を削除したプロファイル、別のパラメータを削除したプロファイルなどを複数作成して、別々の軸からデータを見ることを考えてみよう。

※Web担編注

編集部でテストしてみたところ、たとえば[すべてのページ]のレポートであれば、表の上に表示されているフィルタのテキストボックスに「/」と入れて検索する(つまりすべてのデータが対象となる)ことで、「(other)」にまとめられていない状態で各ページの情報を確認できた。

[オーガニック検索]での検索キーワードのレポートでは未確認だが、アドバンスフィルタでキーワードに「正規表現一致」で「.」(ドット1つ)を指定することで同様の状態になると思われる。

2012-09-21 追記 データ取得当日は上記のように「(other)」でまとめられた各データを確認できたが、その後改めて確認してみたところ、下記の方法でも「(other)」の内訳を確認できなくなっていた。データの状態によって上記の通りにならない場合があるようだ。

  • 「(not set)」はなぜ表示されるのか?
  • 「(not set)」の対処方法

「(not set)」はなぜ表示されるのか?

「(not set)」は、各種レポートのディメンションで出現する値で、うまくデータが取得できなかった場合に表示される。各種レポートで発生が確認されている。

図2は[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[有料検索]レポート下部のデータ一覧表示部だが、このように「(not set)」(図2赤枠部分)と表示される部分が確認できる。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[トラフィック]をクリックする。
  2. 画面で左側にあるメニューで、[参照元]をクリックする。
  3. メニューが開くので、[検索]をクリックし、開いたメニューから[有料検索]を順にクリックする。
図2:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[有料検索]レポート
図2:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[有料検索]レポート

これらは、「参照元が検索エンジンの検索結果ページ以外の訪問」「リダイレクト等で参照元の情報を取得できなかった訪問」のようにキーワード情報を持たないセッションが該当する。詳しくはGoogleアナリティクス公式ブログの「キャンペーン変数使用時に キーワードレポートに表示される(not set)について」という記事にも書かれているので参照していただきたい。

「(not set)」の対処方法は?

これといった対処方法というのはない。上記のような、原因が分かるものについては、個別に対応すればよい。

また、[ユーザー]>[カスタム]>[ユーザー定義]レポートでは、図3のように全数が「(not set)」表示になることがある。これはトラッキングコードのカスタマイズなどをしてデータを取得していない場合には、このように表示されるということであり、エラーではないので無視しよう。

図3:[ユーザー]>[カスタム]>[ユーザー定義]レポート
図3:[ユーザー]>[カスタム]>[ユーザー定義]レポート

その他、各種レポートでも、何らかの理由でデータが欠落し「(not set)」表示が出る場合がある。以下に2つだけ、「(not set)」表示が出ているレポート例を示しておく。

図4:[ユーザー]>[ユーザーの分布]>[言語]レポート
図4:[ユーザー]>[ユーザーの分布]>[言語]レポート
図5:[ユーザー]>[モバイル]>[デバイス]レポート
図5:[ユーザー]>[モバイル]>[デバイス]レポート

これらは、わずかな数値である場合が多く、あまり害もないので無視してしまおう

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衣袋 宏美

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
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