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BtoBマーケティングの課題「集客後のプロセス」を解決するEloquaのマーケティング・オートメーション [Oracle WebCenter Blog] | Web担当者Forum

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商品購入を検討中の見込顧客と継続的にコミュニケーションをとり、適切な情報を提供しながら、より“有望な”見込顧客になってもらおうとしているが、本格的に取り組もうとすると手間がかかり過ぎる。

営業に見込顧客のリストを渡しても「数が多すぎてフォローしきれない」や「見込顧客の精度が悪い」と不満をいわれてしまう。

これは、BtoB企業のマーケティング担当者が持つ典型的な悩みだ。Webサイトを充実させ、ソーシャルメディアや広告も駆使して多くの見込顧客を集客しているにも関わらず、なかなか会社の売上につながらない。解決策はないのだろうか。

ThinkStock/iStock/courtyardpix

BtoBマーケティングの課題は「集客後のプロセス」にあり

多くのマーケティング担当者にとって、見込顧客の獲得(リードジェネレーション)は重要なミッションである。企業にとって、それが最終的な売上へとつながる重要な要素だからだ。

一般的に、マーケティング活動は次のようなプロセスで構成される。

  1. 広告やソーシャルメディア、イベント、セミナーなどを駆使して集客
  2. 見込顧客が商品を理解し購入を検討するために必要な情報を提供
  3. 購入や登録といったコンバージョンにつなげる

これはBtoCでもBtoBでも同じだが、特にBtoBの場合は1.の集客方法に展示会などのオフラインイベントが含まれていたり、3.のコンバージョンが「営業担当への引き渡し」であったりすることが多い。また、規模が大きくて高額になる商品では、2.の検討期間が長期にわたるといった特徴がある。

BtoB商品であっても、企業の選定担当者はWebを中心に情報収集を行うことが当たり前だ。Webをマーケティングの中心に据えて集客を行うことはBtoBでも有効であり、そのための方法やノウハウは数多くあふれている。

問題は、前述したBtoBの特徴にあるように、集客してからコンバージョンに至るまでの期間やプロセスがBtoCのそれとは異なる点で、それが冒頭の悩みの原因となっている。また、すでに営業が直接活動している顧客に対しては、マーケティング活動と営業活動で情報提供や反応や申し込みに対するスムーズな相互の情報共有も、実際の運用において課題になっていることが多い。

見込顧客とのコミュニケーションと有望顧客の見極めを自動化

BtoBマーケティング担当者の悩みや課題は、次のように整理できる。

  • 集客した見込顧客とのコミュニケーションをしっかり行いたい

    集客した「商品に興味を持つ見込顧客」に対して、適切な情報を提供することで顧客になってもらう。理想は、勤務先企業やその規模、予算、肩書きといったプロフィールに加えて、提供する情報に対する反応まで把握するなど、きめ細かいコミュニケーションを行いたい(いわゆるリードナーチャリング=育成活動)。しかし、個別かつ長期的にやろうとすると、手動では手間がかかりすぎて現実的ではない。

  • 確度の高い見込顧客リストを営業に引き渡したい

    BtoBの高額な商品では、Webだけで購買まで至ることは少なく、担当営業が付いて購入後もじっくりとフォローするケースが一般的だ。つまり、顧客1人(1社)当たりに費やされる営業の労力が大きいため、なるべく“ハズレ顧客”を相手にすることは避けたい。営業に引き渡す前に有望な顧客かどうかを見極めたいところだが、それをしっかりやろうとすると前項のように手間がかかってしまう。

この悩みを解決する手段として注目されているのが「マーケティング・オートメーション」だ。

名前が示すとおりマーケティングを自動化することで、大量の見込顧客(リード)に対して、個別にきめ細かな情報提供やコミュニケーション(ナーチャリング)を行うためのソリューションだ。ひと言で表すと「ITを活用したマーケティングの自動化&高度化」となる。

ECサイトでは、サンプル利用者や商品消耗日が近づいた顧客に対して、「サンプルをご利用はいかがでしたか?」「そろそろ次の分が必要になりませんか?」といった自動メール配信が活用されているが、それが高度に発展したものともいえるだろう。

マーケティング・オートメーションは購買プロセス全体に関わるものだが、特にWeb担当者にとっては集客から営業に引き渡すまでのプロセスで効果を発揮してくれる。

以下は、BtoBにおけるリード創出から商談化までの一例だが、非常に長い時間をかけて行われることがわかる。ナーチャリング内容も多様で顧客1人ひとりに手作業で対応することは難しく、これを自動化することは大きなメリットになる。


BtoBにおけるリード創出から商談化までの流れ(イメージ)
主にマーケティング担当者が関わるステージ
ステージ	--	1:認知	2:関心		3:学習	4:評価	5:正当化	6:購入
コンタクト状態		潜在顧客	見込み顧客		マーケティング	営業リード	商談	顧客化
					リード			
主担当部門	広報	マーケティング				インサイドセールス	営業	営業
	マーケティング					営業		サービス
全体の期間	随時	6~12か月						
各ステップの	随時	4~6週間	4~6週間	4~6週間		10~12週間	4~5週間	1~2週間
想定期間								
ナーチャリング	Web/SNSなどを通じた情報公開(バイラル動画、インフォグラフィック、ブログ、投稿記事など)	ビジネス課題の提示(4回)	オンラインセミナー/セミナー(4回)	製品概要紹介		製品詳細紹介(4回)	営業提案	契約
内容例		ウェルカムキャンペーン(2回)		(4回)		ビジネスユースケース(2回)		契約後の製品使用に関するフォローやサポート
(キャンペーン数)						製品フィットの証明		次のナーチャリング
BtoBにおけるリード創出から商談化までの流れ(イメージ)
マーケティング担当者は「1:認知」~「3:学習」までのステージを担当する。

オラクルのEloquaでマーケティング・オートメーションを実現

マーケティング・オートメーションを実現する方法としては、各社からツールが提供されている。代表的なツールの1つにオラクルの「Eloqua」(エロクア)があり、マーケティングに力を入れている世界中の企業で導入されている。

Eloquaはクラウド型サービスとして提供されており、次のような機能によってマーケティング・オートメーションを実現している。

  • 見込み/既存顧客の管理

    ユーザー登録用のフォーム作成と登録者の管理機能を提供。ユーザー登録をしてもらったら、以降のあらゆる行動ログを記録し、見込み度合いの評価や営業支援に活用できる。

  • キャンペーンの作成と自動実行

    あらかじめWebサイトやメールなどを使ったキャンペーンとその実行条件を設定しておくと、顧客のアクションに応じて自動実行される。顧客の商品知識や関心度を想定してキャンペーンを用意しておくことで、たとえば「メルマガのある記事に反応したら次のキャンペーンに進んでもらう」「セミナーイベントに参加したら関連動画をメールでお知らせする」といったナーチャリングが行える。

  • ソーシャルメディア対応
    • 複数SNSの一括管理
    • 配信/エンゲージメント/リスニング
    • 効果測定
  • 商談優先度の高い顧客の評価(クオリファイ)

    肩書きとキャンペーンに対する反応ごとに評価値を設定しておくことで、ある基準を超えた見込みの高い顧客を自動的に察知できる。「商談優先度の高い顧客」として営業担当に引き渡せば、営業コンバージョン率が向上するとともに、コンバージョンまでの期間も短縮できる。

  • マーケティングの効果測定

    見込顧客が営業に引き渡されたあとで、どれだけ最終的なコンバージョンに至ったかが把握できるため、ROMI(マーケティングの費用対効果)やマーケティング担当者の貢献度が可視化できる。企業としては全体最適化が図れるとともに、PDCAを実践するための指標にもできる。

Eloquaを用いたマーケティング・オートメーションのアプローチ。

さらにEloquaの場合は、同じオラクルのエンタープライズCMS「WebCenter Sites」と連携することで、パーソナライズ(コンテンツの出し分け)やコンテンツ素材の一元管理も可能になる。

本質は有望な見込顧客を効率的に発見して営業へ送出すること

BtoBマーケティングに大きな恩恵をもたらすと期待されているマーケティング・オートメーション。注目されている背景や企業が導入するうえでのポイントについて、日本オラクル株式会社でEloquaを担当する三上敦志氏に伺った。

三上 敦志 氏
日本オラクル株式会社
アプリケーション事業統括
セールスクラウド本部
セールスコンサルタント

マーケティング・オートメーションが急成長している背景には、顧客が購買するときの調査、選定のプロセスがオンラインに移行してきたという事実があります。

10年前であれば、営業担当者がお客様とどれだけ密接にお付き合いしているかが重要でした。ところが、セキュリティの厳格化やWebでの情報公開が進んだことで、まずはオンラインで得られる情報で判断しようとする流れに変わってきました。また、オンラインでの情報収集に慣れた世代が、企業内で選定を任せられる立場になってきたことも理由の1つでしょう。これらの結果として、オンラインがリード獲得の主戦場となっています。

逆にいうと、営業担当者は顧客の情報収集などの早期タイミングを捉えることが年々難しくなっています。声がかかったときには選定プロセスがかなり進んでおり、効果的な提案をする前に商談が終わるケースが増えています

また、展示会やイベントの参加者リストを営業に割り当てても、

  • 量的にこなせない
  • リストからのアポ成立率が低い

ことから、そのリストが有効に営業活動に活かせていないという長年の課題もあります。

そこで、いかに有望な見込顧客を抽出して営業に引き渡せるかが売上拡大と効率化の鍵となります。

たとえば、展示会で名刺をいただいたら、この人に対して売れるか売れないか、営業が追いかけるか追いかけないかを判断します。多くは企業名や所属部署、肩書きで判断するかもしれませんが、ではそこで除外された人は果たして本当に望みがないのでしょうか。

実は、Webから資料をダウンロードしているかもしれませんし、購入の意思が高いかもしれません。営業が追いかけない人達は、その後もさまざまな技術資料や価格表を参照したり、他のイベントに登録をしていたりしているかもしれません。また、同じ企業からのアクセスが増えてきたことが把握できれば、重点的にその企業に対して活動をしていくことができます。このようにオンラインとオフラインの両方の行動履歴を把握するということが非常に重要です。

そして、重要な行動や反応を見逃さず、営業部門が欲しい条件(たとえばBANT条件の必要性や導入時期など)を自動的に判定し、その“ホットな見込顧客”を営業やコールセンターに送客することができればどうでしょうか? また、行動、反応などに応じて一貫性のある適切な情報を連続的に見込顧客にオファーできたらどうでしょうか?

有望な見込顧客の発見、ナーチャリングの工数を最小化しつつ、クロージングに向けた次の役者(営業やコールセンター)へしっかりと渡す。これがマーケティング・オートメーションの本質です。今後は、BtoBだけでなくBtoCの分野でも重要な役割を担うようになるでしょう

◇◇◇

今回は、BtoBマーケティングの課題とその解決策として期待されるマーケティング・オートメーションの概要について解説しました。次回は、代表的なツールであるEloquaの機能概要とオラクルのCMS(WebCenter Sites)との連携について解説します。

この記事の筆者

【撮影】
鹿野 宏
株式会社Lab

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