Quantcast
Channel: Web担当者Forum
Viewing all articles
Browse latest Browse all 19485

コンテンツの信頼を裏付けするコピペの活用法、有名人をチョイスするブラック・テキスト術 [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum

$
0
0
この記事を読むのにかかる時間: 約 3 分
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の355

コピペとは叡智への敬意

ノーベル賞は確実といわれた「STAP細胞」を巡る疑惑が次々と指摘されています。研究リーダーである小保方晴子博士は、「博士論文」における、他者の論文からの「コピペ(コピー&ペースト)」も疑われています。

研究にかかわる真偽はいずれ明らかにされるでしょうが、以前からレポートなどにおけるコピペは問題視されています。しかし、「コピペ」は正しく行えば犯罪でもなんでもなく、むしろ文章の質を高めることができます。

そこで今回は、以前にも紹介した「ブラック・テキスト術」における、正しいコピペ(引用)の活用テクニックをお届けします。

コピペが糾弾される理由

大学の卒論どころか、夏休みの宿題の「読書感想文」まで、コピペで提出される時代となったといいますが、これらのコピペが糾弾されるのは「丸ごと」だからです。「てにをは」を変えても「論旨」が同じであればアウト。それを「盗作」といいます。他人の作品を自分の作品と主張するのは知の「窃盗罪」です。

本稿においての「コピペ」とは「盗作」ではありません。本来の意味である「コピー&ペースト」であり「引用の活用」によって文章のレベルアップを目指すものです。引用とは法律で認められた権利であり、一定の条件を満たせばだれでも利用することができます。

盗作と引用を分けるポイントは大きく分けて2つ。まず、「引用元の明示」です。

引用の大原則

まず、引用元の明記は必須です。書籍においては、注釈として「※」に連番の数字をあてはめて巻末に引用元をまとめて掲載したり、欄外に記載したりする方法があります。Webならば特性を活かし、マウスを重ねることで、ロールオーバーやフロート枠を用意して表示させるという方法もありますが、引用元の雑誌や書籍名を記載し、

≪雑誌名≫によれば「●●」とのこと

とするなり、筆者の名前を入れた、

「●●」と≪筆者名≫は語っていた

とするだけでも基本的にはOKです。長文の引用は段落を変え、背景色を変えるなどして、一目で区別がつくようにするとよいでしょう。どちらの場合も、「引用元のサイト名」「筆者名(団体)」「エントリー」「URL」、いずれか1つ以上は必ず記載してください。

お気に入りの過ち

そして引用とは主従の関係で成り立ちます。引用元は「従」であり、いわば「脇役」や「彩り」だというのが、もう1つのポイントです。Web担当者の作ったコンテンツが「主」でなくてはいけません。

引用元からコピペした箇所を削除しても意味が通じればOKですが、通じないようなら「盗作」の疑いが濃厚です。その発表はあなたの論ではなく、だれかの論であり、著作権に抵触するリスクが高く、本稿ではこうした「コピペ」を推奨するものではありません。

あるいは、

気にいった言葉に引きずられている

可能性もあります。私もときどきやりますが、お気に入りという感情が先に立ち、「コピペ」そのものが主役になってしまうのです。これも先の方法でチェックし、意味が通じないようなら諦めます。あくまで主従の従をお忘れなく。

その他にもいくつかの決まりがありますが、法的な詳しい解説は本サイトの連載「サイト画面などの著作物を正しく引用する方法とは?」に譲ります。

海外のコピペ事情

海外では「引用」のない書籍は評価されないという作家の言葉もあります。もちろん、書籍のジャンルにもよりますが、いまなら21世紀のある時点にのみ存在した個人だけの考えということで、客観性や公平性が保証されていない、とされるためです。端的に言えば「思いこみ」の可能性が否定できず、真理の持つ普遍性が検証されていないと見るのです。

日本では戦後、欧米からの「猿まね」という侮蔑に対しての対抗心からか「オリジナル信仰」が普及しました。しかし、適切なコピペ=引用はむしろ欧米では当たり前のことです。もちろん、前述の引用の「鉄則」を踏まえたうえでのことです。

基本的には1つの文章に、1回以上の「コピペ=引用」を推奨しています。それは検証と、ブラック・テキスト術のため。

コピペをすすめる理由

引用できる事例を「ネットで検索」することで、同様の意見はもちろん、反対意見に触れることができます。この作業を通じて「思いこみ」に気がつくことは少なくありません。

また、検索によって引用できる事例を見つければ、それは「第三者」の発言であり、客観性を担保し、演出することができます。「演出」とするところが「ブラック・テキスト術」。自説に都合の良い発言を選択的に「引用」をすることは盗作にはなりませんし、テレビ局でも新聞でも多用しています。ただし、筆者はあくまで「善用」を期待する立場であると添えておきます。

そして客観性の演出は「説得力」につながります。1人の発言より、2人、3人の意見のほうが重要に感じてしまうものだからです。その引用による「説得力」の効果を最大化するためには、できるだけ有名人をチョイスします。学術論文なら「権威」や「実績」が優先されますが、ブログやWebサイトの文章なら、

知名度

を基準とします。ローマ史なら「キケロ」より「カエサル」、ロックバンドなら「アースシェイカー」より「GLAY」、ゴーストライターなら「イケダハヤト」より「堀江貴文」というように、一般的知名度の高い有名人の発言を引用します。

世間では、有名というだけでその人の発言を信じる人が多いのです。テレビのワイドショーや情報番組で、女優や芸人に政治や科学を語らせる理由です。すでに信頼を勝ち得ている大企業には必要ないかもしれませんが、中小の現場では有効な手法です。

一般論として、「公開」されているすべての文章は引用できます。ただし、そのコピペが「引用」の範囲内にある限り……と、最後に繰り返すのはアリバイ作りというブラック・テキスト術であることについては、また機会があれば。

今回のポイント

引用により客観性を演出

コピペは正しく活用すべし

この記事の筆者
ユーザー 宮脇睦(有限会社アズモード) の写真

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『完全! ネット選挙マニュアル』(Kindle版)、『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、冷静な視点からのIT業界分析に「週刊ポスト」など、様々な媒体から情報発信を続ける。

この記事に関連する他の記事を見る

※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:コンテンツの信頼を裏付けするコピペの活用法、有名人をチョイスするブラック・テキスト術 [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum
Copyright (C) IMPRESS BUSINESS MEDIA CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.


Viewing all articles
Browse latest Browse all 19485

Trending Articles