グーグルは、検索結果における順位決定に関して、スマートフォン向けの変更や処理を次々と加えてきている。「これからのグーグルSEOを考えるうえで重要なポイント」を解説したうえで、さらに、「将来に向けて価値を生み出すWebコンテンツ管理(CMS)・Webエクスペリエンス管理(WEM)のツールを選ぶための5つのポイント」を紹介する。
グーグルはスマートフォンで表示される検索結果の順位に変動をもたらすアルゴリズムのアップデートを、2013年に発表した。この背景にあるのは、過去5年間でスマートフォンの利用が爆発的に増加したことだと考えて、ほぼ間違いないだろう。
この発表に限らずグーグルは、検索の仕組みに関してスマートフォンへの対応を進めてきている。そうした動きに関して重要なのは、グーグルがモバイルウェブコンテンツの配信を優先するようになってきているという点だ。
モバイル向けコンテンツ配信3つの手法とグーグルの推奨する方法
ウェブコンテンツをスマートフォンなどのモバイルデバイスに配信する方法は、次の3つに大別できる。
独立したモバイルサイト
URL:違うHTMLコンテンツ:違うPC向けサイトとは別のURL(つまり検索エンジンからみると別のページ)で、モバイル向けコンテンツを配信する方法。
モバイルサイトは本家サイトとは完全に別のHTMLファイルおよびCSSファイルで作られており、「m」の文字で始まるサブドメイン名(m.example.comなど)で判別できることが多い。
この方法でモバイルコンテンツを配信する場合は、次の3つが必要になる。
PC向け表示のURLでは、対応するモバイル向けURLを参照する「rel="alternate"」アノテーションをHTML内で指定する。
モバイル向け表示のURLでは、対応するPC向けURLを参照する「rel="canonical"」アノテーションをHTML内で指定する
PC向けURLにモバイルユーザーがアクセスした際や、モバイル向けURLにPCユーザーがアクセスした際には、対応するページへユーザーをリダイレクトするか、最適化されたページを案内する。
動的な配信
URL:同じHTMLコンテンツ:違うPC向けとモバイル向け、どちらも同じURL(つまり検索エンジンからみると同じページ)でコンテンツを配信するが、アクセスしている端末によって配信するコンテンツを切り替える方法。
コンテンツ自体はシステム内では1つだけ管理しておき、配信時にテンプレートなどによって出し分けることになるが、PC向けサイトとモバイル向けサイトで別のHTMLファイルとCSSファイルを使用する点では、独立したモバイルサイトによる方法と同じだ。
ただし、同じURLでもアクセスしている端末の種類によって違う内容であることを、Vary HTTPヘッダー(セクション14.44)を使って検索エンジンに伝える必要がある。
レスポンシブウェブデザイン
URL:同じHTMLコンテンツ:同じウェブコンテンツをモバイルデバイスに配信する最後の方法は、レスポンシブウェブデザインだ。
上記の2つの方法と異なり、レスポンシブウェブデザインでは、PC向けサイトとモバイル向けサイトが、「同じURL」で「同じHTMLファイル」になる。アクセスしている端末が変わっても、サーバーから配信される内容は同一だ。
しかし、「CSSメディアクエリ」の仕組みを利用することで、デバイスごとにコンテンツの見せ方が変わるように指定する。
この方法を用いることで、ユーザーをリダイレクトさせる必要もなく、ユーザーエージェント名による振り分けで新しい端末に対応できないといった問題が起こる可能性も防げる。
レスポンシブウェブデザインは、ウェブコンテンツをモバイルデバイスに配信する方法としてグーグルが正式に推奨するものとして、developers.google.comで表明されている。
フォーチュン100企業のうち、
グーグルのモバイル要件を満たしているのは6%
フォーチュン100企業のモバイルリスク評価をピュア・オキシジェン・ラボが実施したところ、グーグルのモバイル要件を満たすウェブサイトを公開している企業は、全体の6%にとどまった(2013年)。
同調査では、ほかにも次のような結果がでている。
- 2/3の企業では、モバイル向けページを提供していないコンテンツがある。それらのページは、モバイル検索において検索順位が下がるリスクを抱えている。
- レスポンシブウェブデザインを採用してスマートフォンユーザーを取り込もうとしているのは、11%の企業に過ぎない。
- スマートフォンからの検索に対して、モバイル用のコンテンツを表示(レスポンシブを含む)していたのは、調査対象企業の56%。
グーグルがモバイル検索の将来に目を向けているいま、私たちもそれにならう必要がある。
どのような選択肢があるか?
モバイルリスク評価に関する調査結果は、フォーチュン100の企業にとって懸念すべき内容だ。しかし、「次の動き」や「すぐ先の変化」を判断しようとすると、あらゆる企業が同じような不安にとらわれてしまうのではないだろうか。
マルチチャネルのウェブプレゼンスを最優先に考える場合、最初に決定すべきであると同時に、間違いなく最も難しい決断を迫られる事項として、次の2点がある。
- CMS(Webエクスペリエンス管理ツール)をどう選択するか
- 技術実装パートナーをどう選択するか
将来に向けて正しいCMS(Webエクスペリエンス管理ツール)を選ぶための
5つのチェックリスト
スマートフォンやタブレットなどさまざまなユーザー接触チャネルを最適化するには、適切にコンテンツを管理したうえで状況に応じて柔軟に表示を制御する必要がある。そのためには、旧来の「Webコンテンツ管理システム」ではなく、適切な「Webエクスペリエンス管理ツール」を採用する必要がある。その際に重要なのは、長期的な視点で投資の将来性を評価することだ。
そこで、正しいWebエクスペリエンス管理ソリューションを選ぶのに役立つ問いを、以下にチェックリストとして挙げておこう。
マルチチャネル機能を備えたソリューションか?
Oracle WebCenter Sitesのモバイル機能を利用すると、企業はデスクトップウェブエクスペリエンスを簡単にモバイルデバイスへと拡張できる。既存のウェブコンテンツやワイヤフレーム、ナビゲーションを再利用することで、効果的にコストを削減し、モバイルサイトの作成や管理にかかる時間や手間を省くことができる。
ローカライズコンテンツをユーザーに表示できるソフトウェアか?
Oracle WebCenter Sitesは、「システムが収集する暗黙的/明示的な情報を通じて、訪問者ごとに適した言語にローカライズされたコンテンツを表示すること」を得意としている。
ソーシャルメディアを統合できるソフトウェアか?
Oracle WebCenter Sitesを利用すると、ユーザーはソーシャルメディアの認証情報を使ってログインし、コンテンツの共有、コメント追加、評価、レビュー、管理を行うことができる。
企業から長期にわたるサポートを受けられるか?
オラクルには35年以上の歴史があり、従業員数は12万5000人、企業評価額は800億ドル強にのぼる。また、オラクルは年中無休のサポートを提供しており、145カ国で1万8000人のサポートスタッフが24時間365日のサポートにあたっている。
メーカーが継続的に投資するようなソリューションか?
オラクルでは製品開発エンジニアを3万5000人以上雇用しており、オラクル製品を発展させる研究開発に年間約50億ドルを投資している(出典)。
正しい実装パートナーを選ぶ
筆者が所属しているレッドストーン・コンテント・ソリューションズ社は先ごろ、Oracle WebCenter SitesのSpecializedパートナー第1号となった。こちらのプレスリリースを参照していただきたい。
当社の公式ブログ記事「Oracle WebCenterパートナーに期待できること」では、WebCenterの実装スペシャリストを選ぶ際に考慮すべき7つの重要なトピックについて説明しているので、ぜひチェックしてほしい。
Webエクスペリエンス管理やOracle WebCenter Sites、またはレッドストーン・コンテント・ソリューションズ社についてさらに詳しく知りたい場合は、お問い合わせいただければ追ってご連絡する。
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※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:将来を見据えたモバイルSEOと、それを実現するCMS選び5つのポイント [Oracle WebCenter Blog] | Web担当者Forum
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