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“クリック率130%&コンバージョン率5.3倍”を実現した“LPの仕掛け”とオプトのタグ管理活用術 [Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)活用講座] | Web担当者Forum

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セグメント化によってクリック率が130%、
コンバージョン率が5.3倍に改善された。

タグ管理ツールとアクセス解析ツールの連携で、
より詳細なユーザーの切り分けが可能になる。

「コンバージョン絶対数」の課題は、
リッチメディア広告の活用で解決できるかもしれない。

こう語るのは、株式会社オプトでタグ管理ツールを活用した広告事業を担当する島倉弘樹氏だ。

タグ管理ツールを使ったマーケティング施策は比較的新しい分野であり、多くの企業が試行錯誤の段階にある。そんな中、オプトはYahoo!タグマネージャーの導入や運用を積極的に支援することで、自らの経験値を高めている。同社のYahoo!タグマネージャーを活用した取り組みについて島倉氏に伺った。

「タグマネージャー導入は当たり前」にすることで
施策の可能性を広げる

島倉 弘樹 氏
島倉 弘樹 氏
株式会社オプト
広告事業本部
第四事業部 副事業部長

オプトは、ネット系の広告やマーケティング分野において全国規模で事業展開を行う広告代理店だ。グループ会社には、最先端の広告技術や広告ソリューションに取り組むベンチャー企業を数多く抱えており、この分野では国内最大手である。

同社では、リスティング広告とディスプレイ広告の統合管理ができる組織を立ち上げ、さらに2013年からは営業部門と運用部門を統合。それぞれのチャネルでの部分最適ではなく、全体最適を図ることができる組織となっている。

その中で島倉氏は、主に銀行や消費者金融といった業種のクライアントを担当している。スポンサードサーチやYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)では、運用まで含めて任されることが多いというが、この1年で特に力を入れてきたのがYahoo!タグマネージャーの導入支援だ。その実績は、Yahoo!タグマネージャーの販売に貢献した代理店担当者として「2013年度下半期 Yahoo! JAPANエージェンシーカンファレンス」のMVP賞を受賞したほどである。

弊社の方針は、まずは数多くのお客様にYahoo!タグマネージャーを導入していただこうというものです。もちろん、具体的な施策とのセットがベストですが、提案当初から実際の活用例を壮大かつ詳細に説明すると、お客様としては導入可否を個別に検討する必要があるため、導入までにかなり時間がかかる可能性があります。

『こういうツールがあるので、とりあえず導入されてみてはいかがですか?』と軽い感じで、最初はYahoo!タグマネージャーに必要なユニバーサルタグを設置してもらうだけです。ただし、Yahoo!タグマネージャーを使うとどのような施策が可能になるかを一覧にまとめて、『施策にどう活かせるかは今後の機会に』とお伝えしています。

多くのお客様に導入していただくことで、弊社としてはYahoo!タグマネージャーを活用した施策をいつでも提案できますし、注力しやすくなります。また、実績が増えることで社内の知見が増え、それをまたお客様の施策に還元することで成果につなげる。いまは、このサイクルを作り出すための土台作りととらえています」(島倉氏)

モチベーションレベルを測るための「切り分けポイント」を
ランディングページ内に複数設置


ランディングページ
ボタン1
ボタン2
ボタン3
ユーザーのモチベーションレベル
ユーザーの状況を判別できるようなコンテンツ
ページ内のコンテンツの位置とユーザーモチベーションレベルの関係

オプトでは、Yahoo!タグマネージャーの導入を促進する一方で、それを活用した事例も着々と増やしている。ユーザーのセグメント化とリターゲティングを組み合わせた施策では、成果が数字として表れたという。

金融業のお客様で行った施策ですが、Yahoo!タグマネージャーを使ってユーザーをセグメント化し、ターゲティング用のリストとして利用しました。

具体的には、商品説明を掲載したランディングページを用意して、どこまで読んだか(ページをスクロールしたか)によって、ユーザーのモチベーションレベルを判断するというものです。ページ内に複数の申し込みボタンを設置しておいて、マウスカーソルが当たったボタンをYahoo!タグマネージャーのイベントハンドリング機能で検出しています。

まず、ファーストビューで離脱するユーザーは、それほどモチベーションは高くないと判断します。1つ目のボタン、2つ目のボタン……と進むにつれて、モチベーションが高くなるという仮説で、ユーザーを切り分け、リターゲティング用のセグメントを分けました。

また、『返済について』というコンテンツを閲覧したユーザーは、さらに別に切り分けます。理由は、実際にお金を借りたあとのことまで調べているユーザーはモチベーションが高いという仮説があるためです」(島倉氏)

クリック率130%、コンバージョン率5.3倍の改善を実現

先の事例では、取得している情報はマウスカーソルの位置だけだが、さらに詳細な行動、たとえば滞在時間などをタグの実行条件とすることが可能だ。

ランディングページの集客にはスポンサードサーチとYDNを使い、リターゲティングのクリエイティブ(訴求内容)は一律で同じものにしている。つまり、さらなるセグメント化(絞り込み)の余地があるといえるが、現状でも期待どおりの成果が出ているという。

セグメント化しない場合に比べると、もっともモチベーションが高いと思われるセグメントではクリック率(CTR)が130%、コンバージョン率(CVR)が5.3倍になりました。かなり良い手ごたえを感じています。

また、ターゲティングの訴求内容は共通ですが、入札金額はセグメントごとに変えています。モチベーションが高いユーザーはCTRが高いので、入札価格を高くして他社との競争に勝つことができます。これは入札戦略として非常に重要で、他社に負けることなくユーザーを効率的に獲得できるわけです。

結果としてクリック単価(CPC)は下がるので、顧客獲得単価(CPA)を安価に抑えることができます」(島倉氏)

セグメント化の手法や施策のアイデアは充実
課題はコンバージョンの絶対数をどう確保するか

Yahoo!タグマネージャーを使ったユーザーセグメント化の施策では、投資対効果(ROI)は改善される。しかし、ユーザーを絞り込めば絞り込むほど、コンバージョンの絶対数は減ってしまう。オプトも、まさにこの課題に立ち向かっているところだ。

ユーザーセグメントを切れば切るほどコンバージョン数は減ります。どうやって減らさずに維持するかは、弊社も課題と認識しています。

Yahoo!タグマネージャーを使った施策のアイデアはたくさんありますが、最終的にはある程度の数が求められます。

現在実施しているお客様は、これまでの施策と並行しながら実施しているので、全体のコンバージョン数は維持できています。Yahoo!タグマネージャーを使った施策で絶対数を確保できるようになれば、その割合を増やすことでROIを改善していこうと考えています。

弊社では、ADPLAN SPというアクセス解析ツールを提供していますが、これをYahoo!タグマネージャーを組み合わせることで、ユーザーの行動に基づいた、より詳細なセグメント化が可能です。

たとえば『ランディングページへの流入元』『ページビュー数(PV)』『滞在時間』を組み合わせた条件で細かく切り分けられます。ユニークユーザーごとのPVを計測して、『セッションあたり○○PV以上は一番CVRが高い』といったデータがあれば、そのセグメントのユーザーに対してだけターゲティングを行うといったこともできます」(島倉氏)

セグメント化条件の例
  • 流入元
    • 検索で集客したユーザー
    • 自社広告で集客したユーザー
    • 行動ターゲティングできたもの
  • サイト内での行動
    • ○○PV以上のユーザーに対して配信
    • ○○PV以上で○○秒以上滞在したユーザーに対して配信

ただし、これらも成果につながる絶対数がなければ、そもそも検証のしようがありません。効率化のための施策アイデアや方法は充実しつつあるので、あとは数の問題をどう解決するか。これはYahoo!タグマネージャーに限らず運用系広告の多くが持つ悩みですね」(島倉氏)

社内の専門組織でさらなるタグ活用を推進
リッチメディア広告で「数の問題」解決に挑戦

大手代理店の強みは、多くのクライアント企業の案件を手掛けることで、多種多様な施策のノウハウが社内に蓄積されていることだ。

Yahoo!タグマネージャーの導入支援数でも最大規模を誇るオプトには、施策の実績データが蓄積されている。オプトはこの強みを活かすべく、社内にタグ活用の専門組織を設けるなど、今後さらに積極的に取り組む構えだ。

お客様が求めるものは『効率+数』です。効率が良くなったら、次は『じゃあ数は?』と聞かれます。そこで『以前の3~4倍になりました』と言える施策を考え出すことが、われわれの使命です。

弊社の強みは、社内に豊富な経験値が蓄積されていることです。数多くのお客様の広告運用を支援させていただくことで、Yahoo!タグマネージャーの活用でも規模別、業界業種別など、さまざまな検証結果や知見が得られます

さらに、社内に「タグマネージメントプロジェクト」という組織があります。各事業部の副事業部長が中心メンバーで、タグ活用のノウハウを共有しています。この専門組織があるという点も、他社に対するアドバンテージだと自負しています」(島倉氏)

Web担当者の方たちに知ってほしいのは、次のようなことだという。

  • Yahoo!タグマネージャーを導入しておけば、新しい施策を試したいと思ったとに、きすぐに実施できるようになる。
  • 他のツールと連携することで、相乗効果を出せるケースもある。

たとえば、Yahoo!アクセス解析や弊社のADPLAN SPといったアクセス解析ツールと組み合わせると、前述のようにサイト内の行動分析に基づいたより詳細なセグメント化が可能になります」(島倉氏)

今後の取り組みで強化していきたい広告は、スマートフォンと動画だという。

特に動画などのリッチメディア広告の活用推進は、『数の課題』を解決策としても可能性を秘めています。リッチメディア広告からの大量集客を、いかに効率良くコンバージョンに結びつけるか。それが次の挑戦です」(島倉氏)

島倉氏が手にしているのは「2013年度下半期 Yahoo! JAPANエージェンシーカンファレンス」のMVP賞トロフィー
株式会社オプト
株式会社オプト Webサイト
  • 本社所在地 ● 〒102-0081 東京都千代田区四番町6 東急番町ビル
  • 事業内容 ● 広告代理サービス、ソリューションサービス、データベースサービスを柱に、インターネット広告の代理店サービスにとどまらないeマーケティングサービスを提供。
  • URL ● http://www.opt.ne.jp/
この記事の筆者

【撮影】
石川 恵愛
株式会社Lab

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