良いインフルエンサーを見つけ、その人のためだけにコンテンツを作り、そのインフルエンサーを通じて多くの人に認知を広げてもらい、さらにリンクやトラフィックを獲得する手法の事例を解説するこの記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。後編となる今回は、Rise Interactiveが作成したインフォグラフィックが、その後どのように活用され、ブランド強化に役立ったのかを見ていこう。(→まず前編を読む)
ステップ3コンテンツを外部に提供する
ここからが正念場だ。
僕らはRise Interactiveのブログに、「トラビス・ライト氏 vs KCチーフス」のインフォグラフィックを掲載した。
それから僕は個人的に、Twitterでライト氏にこのインフォグラフィックのことを伝えたが、自分たちでほかの人にツイートすることはしなかった。
というのも、「特定の相手だけに特別に知らせる」というのが僕らの戦略であり、ライト氏にこのインフォグラフィックを最初に見てもらい、まず彼と共有したかったのだ。
Hey @teedubya– @riseinteractive loved your presentation so much, we created a KC Chiefs-themed infographic for you! http://t.co/wawf4X8a
— Jon Morris (@JonBMorris) 2013, 2月 20
やあ、@teedubya。きみのプレゼンがとてもすばらしかったので、チーフスをテーマにしたインフォグラフィックを、@riseineractiveで作ったよ。 http://t.co/wawf4X8a
期待しながら反応を待った……するとライト氏は僕のツイートに応え、インフォグラフィックの作成を喜んでくれた。
そして最も期待していたことを行ってくれた。そう、自分のツイートで、彼のフォロワー12万9000人全員に、このインフォグラフィックのことを発信してくれたんだ。
WOW! The fine folks @riseinteractive made this! | The Power of Fans: Travis Wright vs. @KCChiefshttp://t.co/wmMBjrwZ cc @saveourchiefs
— Travis Wright (@teedubya) 2013, 2月 20
わお! @riseineractiveの素敵な仲間がこれを作ってくれたよ! 「ファンの力:トラビス・ライト vs KCチーフス」bit.ly/13hleIs cc @saveourchiefs
さらに自身のブログに、Rise Interactiveのブログへのリンクとともにこのインフォグラフィックをまるまる埋め込んでくれた。
なぜ今これを載せるのかって? 実のところ、このブログは1月に立ち上げたばかりで、この成り行きに関する考えを書きとどめておきたいと思っていた……そこに今日、シカゴのRise Interactiveが、ことの顛末をインフォグラフィックにしてくれたんだ。
それに、カンザスシティ・チーフスのファンが大きな変化を生み出したということをみんなに知らせたかった。人々の力は本当に強いのだ!
ライト氏は、自分の新しいブログ投稿についてもツイートした。
The Kanas City Chiefs Twitter Case Study Revisited http://t.co/WTWsRpAD3K Thanks @riseinteractive for making the infographic!
— Travis Wright (@teedubya) 2013, 2月 20
「カンザスシティ・チーフスとのツイッターに関するケーススタディ」ふたたび。traviswright.com/travis-wright-...インフォグラフィックを作ってくれた@riseineractiveに感謝。
僕らの実験は成功した!
ライト氏は、僕らが作ったインフォグラフィックを共有してくれたし、僕らの努力を評価してくれた。
つまり僕らは、単にインフォグラフィックを作っただけじゃなくて、ブランドの支持者を生み出しはじめたってことだ。
@riseinteractive Thanks It gave me a reason to revisit it & put together all of the news sources in one place and put it on my new blog. :-)
— Travis Wright (@teedubya) 2013, 2月 20
@riseineractive、この件を再検討し、ニュースソースをすべて一か所にまとめ、新しいブログに掲載するきっかけを与えてくれてありがとう(^^)
ライト氏の取り組みに加え、僕らのSEOチームは、Rise Interactiveのブログに確実にリンクが戻るようにすることによって、このインフォグラフィックにより多くの注目が集まり、オーソリティが増すようにリンクビルディングに注力した。
キーポイント
インフルエンサーに向けて特別に作成したコンテンツは、その人だけに見せて、他の人に発信するかどうかは当人に任せること。
共有の波の最初のうねりを本人から起こせるようにすることで、流れのなかできわめて貴重で重要な役割を担っているという感覚が強まるからだ。
だか、何もかも頼りきりではいけない。ニ正面作戦としてリンクビルディングに注力し、インフルエンサーの影響力を補完すべきだ。
ステップ4成果を測定する
最後のステップは、取り組みのすべてについて成果を測定することだ。実験がどの程度成功したかを教えてくれるのはデータしかない。
※これらの数字がどうやって得られたかは重要なので注記する。僕らは複数のソース(Moz、Googleウェブマスターツール、Bingウェブマスターツール、Majestic)を参照して、各ソースからのリンクデータの重複を排除し、リンクとリンクしているドメイン名の数を最終的に割り出した。
- 50本のリンク
- 合計12のリンク元ドメイン名
Sports Illustratedの姉妹サイトの1つであるExtra Mustardは、スポーツがテーマになっているということでこのインフォグラフィックにリンクしてくれた。Extra Mustardのトラフィックの多さを考えれば、これは大きな勝利だった。
僕たちのブログでインフォグラフィックを公開した最初の週に、Rise Interactiveのウェブサイトにはおよそ1万5500のリファラーから訪問があり、そのうちの98%は初めての訪問者だった。
Rise Interactiveのウェブサイトのトラフィックが急増しただけでなく、トラビス・ライト氏にブランド支持者になってもらうことにも成功した。僕らの作ったインフォグラフィックを気に入ってくれ、その大きなソーシャルネットワークで喜んで広めてくれた。
トラビス・ライト氏とRise Interactiveの双方にとって、じつに大きな成果を生んだシナリオになった。
キーポイント
計画の成否を追跡するために、きちんとした分析法を用意しておくことだ。
ライト氏がソーシャルネットワークのフォロワーとインフォグラフィックを共有してくれたのは大きな成果だったが、成功を測定するためにはもっと客観的な方法が必要だった。
デジタルマーケティングへの注力がどの程度成功したかを示すことができるのはデータだけであり、成功が実際にどの程度なのかを明らかにするには、分析主導でデータ重視のレポート戦略を立てておく必要がある。
結論
ここから2つの大事なことを学べる。
僕らの実験によって、ソーシャルメディアで大きな影響力を持つ人物に向けて特別なコンテンツを作ることは、インフルエンサーを惹きつけてブランドの支持者にし、ブランドのデジタルプレゼンスを高めることができる効果的な方法だとわかった。
複数のチャネルを巻き込み、1つの共通の目標で結びつけることで、革新的な戦略を生み、驚くべき成果につながる可能性があることも判明した。
Rise Interactiveでは、クリエイティブ、SEO、ソーシャル、イベントマーケティングの各チームがこのプロジェクトに一丸となって取り組んだことによって、1つのチャネルでは成し遂げられないような成果が生まれた。
- 内容カテゴリ:SEO
- コーナー:Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報
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オリジナル記事:インフルエンサーを“専用コンテンツ”で動かしてブランドを強化する方法(後編) [Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報] | Web担当者Forum
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